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that day
紗凪
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「………」
僕が落ち着いたのを見計らいそっと身体を離した大輝を無言で見つめていると、「そんなに見られると恥ずかしいんだけど」と言いながらゴムを外す。
「なんか、慣れてない?」
思わずそんなことを言ってしまい後悔する。当たり前だけど大輝には大輝の積み重ねてきた時間があって、ボクにはボクの積み重ねてきた時間があって…。
学生の頃から大輝の彼女だって見てきたし、大輝だってボクの彼女を見てきた。
あの頃はお互いにそれが普通だったのに、今ボクが思い浮かべてしまうのはこの家で同じ時間を過ごしていた彼女のことだった。
学生の頃の軽い付き合いとは違い、将来を見据えて付き合っていた彼女ともこうやって身体を重ねていたのかと思うと嫉妬する気持ちを抑えることができなくて、彼女も大輝のこんな姿を見ていたのかと思うと目の前にある肉のついていない脇腹を抓りたくなってしまった。
「ちょ、紗凪。
痛いって、」
抓りたいと考えていただけのつもりだったのに無意識に手が伸びていたようで、痛いと言いながらも嬉しそうな顔を見せた大輝が「何、ヤキモチ?」と笑う。
「そんなんじゃないし、」
そう言いながらも手慣れた様子で片付けを終えてボクの隣で横になった大輝に身体を寄せ、「面白くないだけ」と言ってみる。
「だからそれ、ヤキモチでしょ?」
何がそんなに嬉しいのか、身体を寄せたボクを抱きしめると「何が気に入らなかった?」と揶揄うような言葉を口にする。
手慣れた様子でゴムを外すのが気に入らない。
すぐにゴミを捨てることのできる位置にあるゴミ箱も、サイドテーブルのティッシュも気に入らない。
ボク以外がその姿を知ってることが気に入らない。
思いが通じただけで良かったと思ったのに、身体を重ねて幸せだと思ったのに、それなのに欲張りなボクは今のボクと同じ場所で、同じ角度で大輝を見た相手がいることが面白くないと思ってしまう。
大輝の今までの相手に嫉妬しても仕方がないと分かっているけれど、頭では分かっていても感情が追いついていかないのは仕方がないことなのだろう。
「紗凪だって、彼女相手にモタモタしてるとこなんて見せたくなかっただろう?」
慣れていると言った言葉に対しての答えは確かに身に覚えがあることだけど、それはそれ、これはこれ。
感情的になりながらも学生の頃のことを思い出せば、ボクの部屋だってサイドテーブルはなかったものの手の届く範囲にティッシュもゴミ箱も置いてあったことを思い出す。
「分かってるんだけど…面白くない」
手の届く範囲にティッシュやゴミ箱があるのは普通のことだし、ことを及ぶためだけに置いてあるわけじゃないなんて本当はちゃんと分かっているけれど、それでも自分勝手な想いを消化しきれずにそう言い訳すると「オレだって、きっと一緒だよ」と大輝が笑う。
「色んなことに後悔ばかりだし、今だってあの人と比べられないように、あの人よりも好きになってもらえるようにって思ってる」
ピロートークで過去のパートナーのことを持ち出すなんて本来ならばタブーなのだけれど、ボクたちの前にあるその壁は越えるか壊すしかないのだろうというのはきっと共通の認識。
「たらればの話をしても仕方ないけど、あの時逃げなければって、ずっと考えてた」
「ボクだって、あの時に簡単な方に逃げずにちゃんと部屋を探してたらって何回も後悔した」
大輝の言葉にボクも素直な気持ちを伝える。彼女の存在に傷付き、淋しさを紛らわせるために貴哉を頼ったけれど、あの時に淋しさに負けなければ少なくとも貴哉と付き合うことはなかったはずだ。
「あのままこの家で過ごしてれば紗凪が傷付くこともなかったのにな、」
「そうかもしれないけど、それでもいずれはここを出ることになったと思うけどね」
「そっか、」
もしも世界が終わるだなんて噂が無ければ大輝と彼女はあのまま同じ時間を過ごしていたはずだ。
ボクと貴哉だって、その関係は変わらなかっただろう。
引きずられて、恐れや恐怖から派生した感情ではあったけれど、【好き】という気持ちは純粋なものではなくても、それでもボクは貴哉が離れないかぎりあの場所に居続けたはずだ。
姉だって、あの噂が無ければ貴哉と会う時間を取ることができず、気にしつつもいつかは貴哉のことも、貴哉への想いも風化していってはずだ。
それぞれの今までとこれからを想像しながら身体を寄せ合い、思いついたことを言い合う心地よい時間が過ぎていく。
別の相手と過ごしていた頃の話をしてヤキモチを妬き、宥めるように唇を重ねることを繰り返すうちにもう一度身体を重ね、別の相手の名残を感じてしまいまたヤキモチを妬く、なんてことを馬鹿みたいに繰り返す。
思ったことを言い合い、気持ちを確かめ合い、欠けていた時間を埋めていく。
「このまま世界が終わればいいのに」
何度も言葉を交わし、何度も身体を重ね、事後の気怠さを楽しみながらそんなことを言ってみる。
今、この瞬間に終わることができたら多幸感に包まれながら終わることができるだろう。
だけど、そんなことを考えながら言った言葉は即座に否定される。
「え、普通に嫌なんだけど」
ボクの言葉を否定した大輝はそう言うと「せっかく紗凪と好き同士だって分かったのに、これで終わりとか、あり得ないし」と不満気な顔を見せる。
「でも、こんなふうに幸せな気持ちのまま終われたら幸せじゃない?」
「こんな気持ちがずっと続いてた方が幸せじゃない?」
揚げ足を取るわけではなくて、ボクの言葉をさらなる幸せへと導いていく。
「朝起きて、隣にいる紗凪におはようって言って、一緒に食事して、仕事して」
「何で隣なの?」
「え、だって、一緒に寝るだろう?」
ストレートな言葉に照れてしまい「ベッド買ったし」とついつい言ってしまうけれど、嬉しくて頬が緩むのを隠すようにその胸に顔を押し付ける。
「あれは…その場しのぎ?
紗凪が落ち着くまでは言うつもりなかったし」
「いつかは言うつもりだったの?」
「当然」
そう言った大輝は「もう絶対に逃す気はなかったし」と不穏なことを言う。
後になってこの言葉の本当の意味を知らされるのだけれども、この時のボクは大輝の重さにまだ気付いていなかった。
それは、自分の居場所を失ってばかりいたボクには幸せな重さで、その片鱗はこの時からもう見せてていたのだけど、大輝との時間に夢中だったボクはそれに気付かず、ただただ幸せな時間が過ぎていく。
「今、何時?」
時折確認する時間はいつの間にか進んでいて、ボクが何度目かにそう聞いた時に大輝がボクを抱きしめて「終わらなかったよ」と囁く。
「え?」
「日付、変わってる」
何度も何度も愛し合い、心地よい疲労と共に眠りにつき、目が覚めればまた愛し合う。
そんなことを繰り返しているうちに終わりを迎えることなく、新しい1日が始まっていたようだ。
「終わらなかったの?」
このままふたりで重なり合って終わってもいいと思っていたのに、終わらなかったことが嬉しくて自分でも時間を確認する。
確かに日付は1日進み、新しい1日が始まったことを告げていた。
「だから言ったじゃん、終わらないって」
「そうだったね」
終わってしまえば煩わしいことから解放されると思いながらも、本当に終わってしまうのが怖かった。
「本当は、ひとりで終わるのが怖かったんだ」
終わらなかったことで安心したせいで本音が漏れる。
「だから、少しだけ意地悪したくてここに来たのに…」
「来てくれて良かった」
「ボクが来なかったらひとりで終わるつもりだったの?」
「信じてなかったから、少し我慢すれば紗凪に会えると思ってた」
「終わってたら会えなくなってたよ?」
「でも、紗凪が幸せな気持ちのまま終われるなら良いと思ってた」
「終わらなかったけど…、終わらなかったから幸せだよ」
貴哉が姉を選んだと告げられた時にボクの世界は終わったと思っていた。
家族の中に居場所がない気がして、大輝にも必要とされなくて。
ボクを欲しがってくれると思っていた貴哉はボクを【紗羅】の身代わりにしていただけで、最後には本物を選んだ。
自分の世界が終わってしまったから大輝と彼女の最後に少しだけ割り込んでやろうと意地悪な気持ちできたここで、ボクの世界が終わっていなかったことに気付かされるなんて思ってもいなかった。
「紗凪、オレのところに来てくれてありがとう」
ボクの顔を覗き込み、枕元のティッシュを取り涙を拭いてくれる。意地悪な気持ちで来たのにそんなふうに言われてしまうと少し居心地が悪い。
「意地悪しに来たんだけどね、本当は」
「それでも、最後に会いに来てくれようとしたのが嬉しい」
ボクの言葉に大輝が嬉しそうな顔を見せ、「最後じゃないけどね」と笑う。
「とりあえず、新居探しから始めないとな」
世界が終わらなかったことで始める新しい日々に思いを馳せる。
「やっぱり温泉地?」
「紗凪とふたりならどこでも良いんだけどね」
「じゃあ、沖縄?」
「北海道は?」
「寒いのは苦手かな、」
ポツリポツリと交わされる会話。
「どこ選んでも、ずっと一緒だから」
心地よい声を聞きながら、気づけばボクは大輝も胸の中で眠りについていた。
僕が落ち着いたのを見計らいそっと身体を離した大輝を無言で見つめていると、「そんなに見られると恥ずかしいんだけど」と言いながらゴムを外す。
「なんか、慣れてない?」
思わずそんなことを言ってしまい後悔する。当たり前だけど大輝には大輝の積み重ねてきた時間があって、ボクにはボクの積み重ねてきた時間があって…。
学生の頃から大輝の彼女だって見てきたし、大輝だってボクの彼女を見てきた。
あの頃はお互いにそれが普通だったのに、今ボクが思い浮かべてしまうのはこの家で同じ時間を過ごしていた彼女のことだった。
学生の頃の軽い付き合いとは違い、将来を見据えて付き合っていた彼女ともこうやって身体を重ねていたのかと思うと嫉妬する気持ちを抑えることができなくて、彼女も大輝のこんな姿を見ていたのかと思うと目の前にある肉のついていない脇腹を抓りたくなってしまった。
「ちょ、紗凪。
痛いって、」
抓りたいと考えていただけのつもりだったのに無意識に手が伸びていたようで、痛いと言いながらも嬉しそうな顔を見せた大輝が「何、ヤキモチ?」と笑う。
「そんなんじゃないし、」
そう言いながらも手慣れた様子で片付けを終えてボクの隣で横になった大輝に身体を寄せ、「面白くないだけ」と言ってみる。
「だからそれ、ヤキモチでしょ?」
何がそんなに嬉しいのか、身体を寄せたボクを抱きしめると「何が気に入らなかった?」と揶揄うような言葉を口にする。
手慣れた様子でゴムを外すのが気に入らない。
すぐにゴミを捨てることのできる位置にあるゴミ箱も、サイドテーブルのティッシュも気に入らない。
ボク以外がその姿を知ってることが気に入らない。
思いが通じただけで良かったと思ったのに、身体を重ねて幸せだと思ったのに、それなのに欲張りなボクは今のボクと同じ場所で、同じ角度で大輝を見た相手がいることが面白くないと思ってしまう。
大輝の今までの相手に嫉妬しても仕方がないと分かっているけれど、頭では分かっていても感情が追いついていかないのは仕方がないことなのだろう。
「紗凪だって、彼女相手にモタモタしてるとこなんて見せたくなかっただろう?」
慣れていると言った言葉に対しての答えは確かに身に覚えがあることだけど、それはそれ、これはこれ。
感情的になりながらも学生の頃のことを思い出せば、ボクの部屋だってサイドテーブルはなかったものの手の届く範囲にティッシュもゴミ箱も置いてあったことを思い出す。
「分かってるんだけど…面白くない」
手の届く範囲にティッシュやゴミ箱があるのは普通のことだし、ことを及ぶためだけに置いてあるわけじゃないなんて本当はちゃんと分かっているけれど、それでも自分勝手な想いを消化しきれずにそう言い訳すると「オレだって、きっと一緒だよ」と大輝が笑う。
「色んなことに後悔ばかりだし、今だってあの人と比べられないように、あの人よりも好きになってもらえるようにって思ってる」
ピロートークで過去のパートナーのことを持ち出すなんて本来ならばタブーなのだけれど、ボクたちの前にあるその壁は越えるか壊すしかないのだろうというのはきっと共通の認識。
「たらればの話をしても仕方ないけど、あの時逃げなければって、ずっと考えてた」
「ボクだって、あの時に簡単な方に逃げずにちゃんと部屋を探してたらって何回も後悔した」
大輝の言葉にボクも素直な気持ちを伝える。彼女の存在に傷付き、淋しさを紛らわせるために貴哉を頼ったけれど、あの時に淋しさに負けなければ少なくとも貴哉と付き合うことはなかったはずだ。
「あのままこの家で過ごしてれば紗凪が傷付くこともなかったのにな、」
「そうかもしれないけど、それでもいずれはここを出ることになったと思うけどね」
「そっか、」
もしも世界が終わるだなんて噂が無ければ大輝と彼女はあのまま同じ時間を過ごしていたはずだ。
ボクと貴哉だって、その関係は変わらなかっただろう。
引きずられて、恐れや恐怖から派生した感情ではあったけれど、【好き】という気持ちは純粋なものではなくても、それでもボクは貴哉が離れないかぎりあの場所に居続けたはずだ。
姉だって、あの噂が無ければ貴哉と会う時間を取ることができず、気にしつつもいつかは貴哉のことも、貴哉への想いも風化していってはずだ。
それぞれの今までとこれからを想像しながら身体を寄せ合い、思いついたことを言い合う心地よい時間が過ぎていく。
別の相手と過ごしていた頃の話をしてヤキモチを妬き、宥めるように唇を重ねることを繰り返すうちにもう一度身体を重ね、別の相手の名残を感じてしまいまたヤキモチを妬く、なんてことを馬鹿みたいに繰り返す。
思ったことを言い合い、気持ちを確かめ合い、欠けていた時間を埋めていく。
「このまま世界が終わればいいのに」
何度も言葉を交わし、何度も身体を重ね、事後の気怠さを楽しみながらそんなことを言ってみる。
今、この瞬間に終わることができたら多幸感に包まれながら終わることができるだろう。
だけど、そんなことを考えながら言った言葉は即座に否定される。
「え、普通に嫌なんだけど」
ボクの言葉を否定した大輝はそう言うと「せっかく紗凪と好き同士だって分かったのに、これで終わりとか、あり得ないし」と不満気な顔を見せる。
「でも、こんなふうに幸せな気持ちのまま終われたら幸せじゃない?」
「こんな気持ちがずっと続いてた方が幸せじゃない?」
揚げ足を取るわけではなくて、ボクの言葉をさらなる幸せへと導いていく。
「朝起きて、隣にいる紗凪におはようって言って、一緒に食事して、仕事して」
「何で隣なの?」
「え、だって、一緒に寝るだろう?」
ストレートな言葉に照れてしまい「ベッド買ったし」とついつい言ってしまうけれど、嬉しくて頬が緩むのを隠すようにその胸に顔を押し付ける。
「あれは…その場しのぎ?
紗凪が落ち着くまでは言うつもりなかったし」
「いつかは言うつもりだったの?」
「当然」
そう言った大輝は「もう絶対に逃す気はなかったし」と不穏なことを言う。
後になってこの言葉の本当の意味を知らされるのだけれども、この時のボクは大輝の重さにまだ気付いていなかった。
それは、自分の居場所を失ってばかりいたボクには幸せな重さで、その片鱗はこの時からもう見せてていたのだけど、大輝との時間に夢中だったボクはそれに気付かず、ただただ幸せな時間が過ぎていく。
「今、何時?」
時折確認する時間はいつの間にか進んでいて、ボクが何度目かにそう聞いた時に大輝がボクを抱きしめて「終わらなかったよ」と囁く。
「え?」
「日付、変わってる」
何度も何度も愛し合い、心地よい疲労と共に眠りにつき、目が覚めればまた愛し合う。
そんなことを繰り返しているうちに終わりを迎えることなく、新しい1日が始まっていたようだ。
「終わらなかったの?」
このままふたりで重なり合って終わってもいいと思っていたのに、終わらなかったことが嬉しくて自分でも時間を確認する。
確かに日付は1日進み、新しい1日が始まったことを告げていた。
「だから言ったじゃん、終わらないって」
「そうだったね」
終わってしまえば煩わしいことから解放されると思いながらも、本当に終わってしまうのが怖かった。
「本当は、ひとりで終わるのが怖かったんだ」
終わらなかったことで安心したせいで本音が漏れる。
「だから、少しだけ意地悪したくてここに来たのに…」
「来てくれて良かった」
「ボクが来なかったらひとりで終わるつもりだったの?」
「信じてなかったから、少し我慢すれば紗凪に会えると思ってた」
「終わってたら会えなくなってたよ?」
「でも、紗凪が幸せな気持ちのまま終われるなら良いと思ってた」
「終わらなかったけど…、終わらなかったから幸せだよ」
貴哉が姉を選んだと告げられた時にボクの世界は終わったと思っていた。
家族の中に居場所がない気がして、大輝にも必要とされなくて。
ボクを欲しがってくれると思っていた貴哉はボクを【紗羅】の身代わりにしていただけで、最後には本物を選んだ。
自分の世界が終わってしまったから大輝と彼女の最後に少しだけ割り込んでやろうと意地悪な気持ちできたここで、ボクの世界が終わっていなかったことに気付かされるなんて思ってもいなかった。
「紗凪、オレのところに来てくれてありがとう」
ボクの顔を覗き込み、枕元のティッシュを取り涙を拭いてくれる。意地悪な気持ちで来たのにそんなふうに言われてしまうと少し居心地が悪い。
「意地悪しに来たんだけどね、本当は」
「それでも、最後に会いに来てくれようとしたのが嬉しい」
ボクの言葉に大輝が嬉しそうな顔を見せ、「最後じゃないけどね」と笑う。
「とりあえず、新居探しから始めないとな」
世界が終わらなかったことで始める新しい日々に思いを馳せる。
「やっぱり温泉地?」
「紗凪とふたりならどこでも良いんだけどね」
「じゃあ、沖縄?」
「北海道は?」
「寒いのは苦手かな、」
ポツリポツリと交わされる会話。
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