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that day
大輝
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「ボク、本当は大輝の側にいたかったんだ」
缶の中身を飲み干した紗凪は、熱のこもった目でオレを見つめる。
紗凪の言葉の端々から伝わるオレへの好意はその想いが同じだったことを告げてはいるけれど、そんな都合の良いことが有るわけないと自分を戒める。
あの日。
スーツケースを片手に事務所に現れた紗凪に驚き、何事もなかったかのように対応したけれど、内心では当たり前だけど動揺していた。
そして、貴哉が紗羅を選んだと聞いて密かに歓喜した。
彼女に遠慮しながらも泊めて欲しいと言われだ時には、このまま閉じ込めてしまいたいと思った。
世界が終わるだなんて信じてはいなかったけれど、世界が終わると言われているこの時に自分を頼ってくれたことがどれだけ嬉しかったか、紗凪にはきっと分かっていないだろう。
それは、告げることができないまま昇華するしかないと思っていた紗凪への恋慕と執着。
貴哉と過ごしたあの部屋にいたくないとしても、部屋を出る手段はいくらでも有る。
貴哉が戻ってくるまでに数日あるのだからすぐに入ることのできる部屋を探すことだってできるだろうし、部屋が見つかるまで宿泊施設を利用することだって可能だ。
義兄からの電話で傷付けられた後でこの家から出て行こうとしていたのは彼女が戻ってくることを心配しての行動で、最後の日までどこかで過ごす術を持っているということなのだから。
あの時、止めようとしたオレと、貴哉を試していた時のことを混同したのは紗凪自身が追い詰められていたから。
だから、止めようとして掴んだ手がトラウマを呼び起こしたのかもしれない。
逃げないからと怯え、媚びて見せたのはきっとトラウマのせい。
家を出ようとした理由を考え、その理由がオレを諦めるためだとしたら…。もしもそうだとすれば、紗凪がオレを諦めようとしていても、オレに紗凪を諦めるなんていう選択肢は無い。
「それは…紗凪の本当の気持ち?」
そんな言葉は紗凪を追い詰めるものだと分かっていたけれど、その気持ちに確信が持てなくて口にしてしまう。
確信できる何かが欲しかった。
紗凪を諦めなくていいと思えるような、そう思えるようなきっかけが。
「伝えたつもりだよ、ボクの気持ちは」
否定をされないことで都合の良い考えだと思っていたことが確信に変わる。
「酔ってる?」
「………酔うほど飲んでない、今日は」
間抜けなオレの言葉に拗ねたようなそぶりを見せた紗凪は「もういい、」と目を逸らす。はっきりと言葉にしたわけではないけれど紗凪なりに言葉にしたつもりだからなのか、耳が赤くなっていることに気付く。
「そんなふうにされたら都合よく解釈するよ?
後になって酔ってたとか言っても、もう駄目だよ?」
抑えていた気持ちは紗凪の言葉で解放された。だから、もう一歩踏み込んでみる。
「大輝こそ、あの時は酔ってたとか、」
「言うかもね」
オレの言葉に顔を上げた紗凪は傷ついた顔を見せたけど、「だって、素面だったらこんなに踏み込めなかったし」と言えばその表情を緩める。
「ずっと抑えてたんだから、酔ってでもないと言えない。抑えられると思ってたんだよ、こんなことがなければ。
あの人が紗凪を幸せにしてくれるならそれでいいと諦めてた。
紗凪が幸せそうだったからそれでいいと思おうとしてた」
これは本心だけど、本心じゃない。
だって、本当にそう思っていたなら紗羅に写真を送るなんてことはしないから。
何も起こらないのに送り続けた写真は紗凪に対するオレの執着。
何度もふたりの姿を写真に収め、反応がないのに何枚もの写真を送り続けた。
自分が口を出すことで紗凪に嫌われたくなくて、だけどその関係が続くことが許せなくて。
紗凪が幸せならそれでいいと思う気持ちに嘘はない。だけど、横からの圧のせいで揺らいでしまうような関係なら終わってしまえばいいと思っていたのもまた本心だ。
「幸せって、何がどうなると幸せなんだろうね」
それまで甘くなりそうな雰囲気だったのに、【幸せ】と言う言葉に思うところがあるのか小さく溜め息を吐くと再び口を開く。
「貴哉といた頃、自分は必要にされてると思ってた。
姉さんの身代わりだとしても、それでも目の前にいるのはボクなんだから、いつかは姉さんの居場所は貴哉の中から無くなって、そこはボクの場所になると思ってたんだ」
これは紗凪の本心。
自分の居場所を探して、その中で行き着いた結論。
「家を出た時も、ここから出た時も、自分の居場所は自分で作るしかないと分かっていたんだ。
だから貴哉の元で、貴哉が望むようにしていればそこがボクの居場所になると思ってた。
貴哉も傷付いてたんだよ、姉さんのせいで」
「その傷を紗凪が癒したとか?」
「ん~、それは違うかな?
姉さんが付けた傷は埋めることはできても癒せないんじゃないかな?
だって、自分ではどうしようもないことで傷付けられて、なんとかする方法を否定されて。
話し合う余地もないまま別れを告げられたせいでできた傷は癒えることはないんだよ、きっと。
埋めて埋めて、それで綺麗に均したとしても少しのキッカケで埋めたはずのモノが剥がれるんだ」
「そのキッカケがあの噂だったってこと?」
オレの言葉に紗凪が頷き言葉を続ける。
「貴哉だけじゃないよ。
ボクだって貴哉が埋めてくれた傷があったけど、姉さんのせいで僕が埋めたモノが取れたように、姉さんのせいで貴哉が埋めてくれたはずのモノも取れちゃったんだろうね、きっと。
だから、癒せる人がいたとしたらそれはきっとボクじゃなくて、傷をつけた張本人、姉さんなんじゃないかな」
その言葉はどこか吹っ切れたようで、それまでオレを試すように告げられていた言葉とは何かが違うと思えるような言葉。
オレは紗凪が貴哉との仲を深めていくのを見たくなくて手を離し、二人が恋愛関係になったとこで諦めたけれど傷を負ったわけではない。
傷付いていないとは言わないけれど、それはきっと時間と共に癒えるような傷で、埋めて誤魔化さないといけないようなものではなかった。
オレが紗凪に付けた傷は埋めてもらっても癒えないようなモノだったのだとしたら。
貴哉が埋めたはずのモノを紗羅が取り去ってしまったのだとしたら。
その傷を癒せるのはオレだけだと伝えているのだと自惚れていいのだろうか。
「紗凪に傷を付けたのはあの人?
それともオレ?」
「………貴哉は埋めてくれたはずの傷を抉って、もっと深くしたのかな。
大輝は元々あった傷を少し開いたくらい?」
その言葉に複雑な思いを抱く。オレの存在は紗凪の傷を少し開くだけのもので、大きく傷を残すほどのモノではなかったのだと言われているような気がした。
「居心地がいいからってあの生活が続くものだって勝手に勘違いして、自分は流されてばかりなのに勝手に傷付けられたって思って。
自業自得だよね」
そんなふうに苦笑いしながら目の前の缶を手にするけれど、手にした時にその重さで飲み干したことに気付いたのだろう。「酔った勢いのフリできないな」と言いながら再び言葉を続ける。
「家族との関係に悩んで、誰からも必要とされてないと勝手に追い詰められて、そんな時に大輝に声をかけられて嬉しかったんだ。
卒業してからもパートナーとして選ばれたことが嬉しかったし、一緒に暮らすようになって、誰かがいる生活が当たり前になって。
一緒にいられるだけで良かったんだ。
大輝がそばにいてくれると思うと安心できたし、ずっとそばにいられると思ってた」
そして再び重ねるオレへの想い。
恋愛的な感情を伝えられたわけではないけれど、その言葉の端々から感じるオレに対する好意。
「家族になれるって、勝手にそう思ってたんだ」
「家族?」
「そう「家族って、父親とか兄弟とか?」」
紗凪の言葉の定義に疑問を持ち、説明しようとしていた言葉を止めてしまった。
これで父親とか兄弟と言われてしまったら居た堪れないと、違う答えを求めるように強い口調になってしまう。
オレの気持ちは伝わったのか、再び紗凪が口を開く。
「父親でも兄弟でもないよ。
ボクは、大輝のことをパートナーとして、恋愛の対象として見てたんだと思う」
そして、告げられたのは欲しかった言葉。
「好きだったんだ、大輝のこと。
彼女の存在を知って、傷付くくらいに好きだった」
それまで俯きがちだったのに、顔を上げ、オレの目を見てそう言った紗羅の耳は真っ赤だった。
缶の中身を飲み干した紗凪は、熱のこもった目でオレを見つめる。
紗凪の言葉の端々から伝わるオレへの好意はその想いが同じだったことを告げてはいるけれど、そんな都合の良いことが有るわけないと自分を戒める。
あの日。
スーツケースを片手に事務所に現れた紗凪に驚き、何事もなかったかのように対応したけれど、内心では当たり前だけど動揺していた。
そして、貴哉が紗羅を選んだと聞いて密かに歓喜した。
彼女に遠慮しながらも泊めて欲しいと言われだ時には、このまま閉じ込めてしまいたいと思った。
世界が終わるだなんて信じてはいなかったけれど、世界が終わると言われているこの時に自分を頼ってくれたことがどれだけ嬉しかったか、紗凪にはきっと分かっていないだろう。
それは、告げることができないまま昇華するしかないと思っていた紗凪への恋慕と執着。
貴哉と過ごしたあの部屋にいたくないとしても、部屋を出る手段はいくらでも有る。
貴哉が戻ってくるまでに数日あるのだからすぐに入ることのできる部屋を探すことだってできるだろうし、部屋が見つかるまで宿泊施設を利用することだって可能だ。
義兄からの電話で傷付けられた後でこの家から出て行こうとしていたのは彼女が戻ってくることを心配しての行動で、最後の日までどこかで過ごす術を持っているということなのだから。
あの時、止めようとしたオレと、貴哉を試していた時のことを混同したのは紗凪自身が追い詰められていたから。
だから、止めようとして掴んだ手がトラウマを呼び起こしたのかもしれない。
逃げないからと怯え、媚びて見せたのはきっとトラウマのせい。
家を出ようとした理由を考え、その理由がオレを諦めるためだとしたら…。もしもそうだとすれば、紗凪がオレを諦めようとしていても、オレに紗凪を諦めるなんていう選択肢は無い。
「それは…紗凪の本当の気持ち?」
そんな言葉は紗凪を追い詰めるものだと分かっていたけれど、その気持ちに確信が持てなくて口にしてしまう。
確信できる何かが欲しかった。
紗凪を諦めなくていいと思えるような、そう思えるようなきっかけが。
「伝えたつもりだよ、ボクの気持ちは」
否定をされないことで都合の良い考えだと思っていたことが確信に変わる。
「酔ってる?」
「………酔うほど飲んでない、今日は」
間抜けなオレの言葉に拗ねたようなそぶりを見せた紗凪は「もういい、」と目を逸らす。はっきりと言葉にしたわけではないけれど紗凪なりに言葉にしたつもりだからなのか、耳が赤くなっていることに気付く。
「そんなふうにされたら都合よく解釈するよ?
後になって酔ってたとか言っても、もう駄目だよ?」
抑えていた気持ちは紗凪の言葉で解放された。だから、もう一歩踏み込んでみる。
「大輝こそ、あの時は酔ってたとか、」
「言うかもね」
オレの言葉に顔を上げた紗凪は傷ついた顔を見せたけど、「だって、素面だったらこんなに踏み込めなかったし」と言えばその表情を緩める。
「ずっと抑えてたんだから、酔ってでもないと言えない。抑えられると思ってたんだよ、こんなことがなければ。
あの人が紗凪を幸せにしてくれるならそれでいいと諦めてた。
紗凪が幸せそうだったからそれでいいと思おうとしてた」
これは本心だけど、本心じゃない。
だって、本当にそう思っていたなら紗羅に写真を送るなんてことはしないから。
何も起こらないのに送り続けた写真は紗凪に対するオレの執着。
何度もふたりの姿を写真に収め、反応がないのに何枚もの写真を送り続けた。
自分が口を出すことで紗凪に嫌われたくなくて、だけどその関係が続くことが許せなくて。
紗凪が幸せならそれでいいと思う気持ちに嘘はない。だけど、横からの圧のせいで揺らいでしまうような関係なら終わってしまえばいいと思っていたのもまた本心だ。
「幸せって、何がどうなると幸せなんだろうね」
それまで甘くなりそうな雰囲気だったのに、【幸せ】と言う言葉に思うところがあるのか小さく溜め息を吐くと再び口を開く。
「貴哉といた頃、自分は必要にされてると思ってた。
姉さんの身代わりだとしても、それでも目の前にいるのはボクなんだから、いつかは姉さんの居場所は貴哉の中から無くなって、そこはボクの場所になると思ってたんだ」
これは紗凪の本心。
自分の居場所を探して、その中で行き着いた結論。
「家を出た時も、ここから出た時も、自分の居場所は自分で作るしかないと分かっていたんだ。
だから貴哉の元で、貴哉が望むようにしていればそこがボクの居場所になると思ってた。
貴哉も傷付いてたんだよ、姉さんのせいで」
「その傷を紗凪が癒したとか?」
「ん~、それは違うかな?
姉さんが付けた傷は埋めることはできても癒せないんじゃないかな?
だって、自分ではどうしようもないことで傷付けられて、なんとかする方法を否定されて。
話し合う余地もないまま別れを告げられたせいでできた傷は癒えることはないんだよ、きっと。
埋めて埋めて、それで綺麗に均したとしても少しのキッカケで埋めたはずのモノが剥がれるんだ」
「そのキッカケがあの噂だったってこと?」
オレの言葉に紗凪が頷き言葉を続ける。
「貴哉だけじゃないよ。
ボクだって貴哉が埋めてくれた傷があったけど、姉さんのせいで僕が埋めたモノが取れたように、姉さんのせいで貴哉が埋めてくれたはずのモノも取れちゃったんだろうね、きっと。
だから、癒せる人がいたとしたらそれはきっとボクじゃなくて、傷をつけた張本人、姉さんなんじゃないかな」
その言葉はどこか吹っ切れたようで、それまでオレを試すように告げられていた言葉とは何かが違うと思えるような言葉。
オレは紗凪が貴哉との仲を深めていくのを見たくなくて手を離し、二人が恋愛関係になったとこで諦めたけれど傷を負ったわけではない。
傷付いていないとは言わないけれど、それはきっと時間と共に癒えるような傷で、埋めて誤魔化さないといけないようなものではなかった。
オレが紗凪に付けた傷は埋めてもらっても癒えないようなモノだったのだとしたら。
貴哉が埋めたはずのモノを紗羅が取り去ってしまったのだとしたら。
その傷を癒せるのはオレだけだと伝えているのだと自惚れていいのだろうか。
「紗凪に傷を付けたのはあの人?
それともオレ?」
「………貴哉は埋めてくれたはずの傷を抉って、もっと深くしたのかな。
大輝は元々あった傷を少し開いたくらい?」
その言葉に複雑な思いを抱く。オレの存在は紗凪の傷を少し開くだけのもので、大きく傷を残すほどのモノではなかったのだと言われているような気がした。
「居心地がいいからってあの生活が続くものだって勝手に勘違いして、自分は流されてばかりなのに勝手に傷付けられたって思って。
自業自得だよね」
そんなふうに苦笑いしながら目の前の缶を手にするけれど、手にした時にその重さで飲み干したことに気付いたのだろう。「酔った勢いのフリできないな」と言いながら再び言葉を続ける。
「家族との関係に悩んで、誰からも必要とされてないと勝手に追い詰められて、そんな時に大輝に声をかけられて嬉しかったんだ。
卒業してからもパートナーとして選ばれたことが嬉しかったし、一緒に暮らすようになって、誰かがいる生活が当たり前になって。
一緒にいられるだけで良かったんだ。
大輝がそばにいてくれると思うと安心できたし、ずっとそばにいられると思ってた」
そして再び重ねるオレへの想い。
恋愛的な感情を伝えられたわけではないけれど、その言葉の端々から感じるオレに対する好意。
「家族になれるって、勝手にそう思ってたんだ」
「家族?」
「そう「家族って、父親とか兄弟とか?」」
紗凪の言葉の定義に疑問を持ち、説明しようとしていた言葉を止めてしまった。
これで父親とか兄弟と言われてしまったら居た堪れないと、違う答えを求めるように強い口調になってしまう。
オレの気持ちは伝わったのか、再び紗凪が口を開く。
「父親でも兄弟でもないよ。
ボクは、大輝のことをパートナーとして、恋愛の対象として見てたんだと思う」
そして、告げられたのは欲しかった言葉。
「好きだったんだ、大輝のこと。
彼女の存在を知って、傷付くくらいに好きだった」
それまで俯きがちだったのに、顔を上げ、オレの目を見てそう言った紗羅の耳は真っ赤だった。
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