70 / 103
2 days left
貴哉
しおりを挟む
紗羅と再会して、1番話したのは車での移動の時だっただなんて笑い話にもならない。
貪欲に俺を求める紗羅と、紗羅に紗凪を重ねて抱き続ける俺は、どちらが罪深いのだろう。
汐勿の跡取りの座を手に入れ、汐勿の後継を産み、俺と結婚してしていたら手に入れることのできなかったかもしれない存在を手に入れたはずなのに満たされなかったのだろうか。
そんなことを考えながら自嘲の笑みを漏らす。俺に紗羅を責めることなんてできないと気付いてしまったから。
紗凪に再会した時に交流を持ったのは紗羅との接点が欲しかったから。
当時、紗羅とは事務報告のようなやり取りはしていたけれど、交流を持つと言うほどのものではなかった。だから紗凪を口実に、紗羅と私的な話ができるようになれればと淡い期待を抱いていたことを否定はしない。
あれをすれば実家に俺のことを報告するかもしれない、これをすれば紗羅に俺のことを伝えるかもしれない。そんな邪な思いから始めた関係。
紗凪が友人の家を出て部屋を借りると言った時に自分の部屋に誘ったのは流石に引っ越しともなれば実家に報告するだろうと思う気持ちもあったからだったけど、一緒に暮らすうちにその姿に紗羅を重ね、紗羅と過ごしている気分になっていた。
この想いは勘違いだったと後になって気付いたのだけど。
身体の関係の無い、まだ付き合いたてのような初々しさを思い出しながら送る生活はあの頃を思い出させ、少しずつ少しずつ距離を縮めていけば同じような生活が戻ってくると信じてしまった。
だから、あの部屋に住み続ければいいと言っているのに家を出ると言った紗凪と無理矢理に身体の関係を持ち、逃げられないようにした。
無理矢理に身体の関係を持ち、なんて言い方をしても、実際はただの強姦だ。
紗凪が同性だったから、初めてのあの日に身体を繋ぐことは諦めたけれど、紗凪が異性であったなら最後までしていただろう。
怯えられても良かった。
写真や動画がある事で逃げられない紗凪をそのまま囲ってしまおうと思っていた。
派遣の仕事も辞めさせて、ずっと閉じ込めておけば紗羅のように居なくなることもないと思い、いつかは仕事を辞めさせるつもりだった。
穏やかな毎日。
従順な紗凪を餌付けして、俺から離れられなくなるように甘やかした。時折乱暴に抱いてしまうのは優しさだけでは逃げられてしまうと知っていたから。
好きだけど、大切に思っているけれど、それでも紗凪を信じることができず、紗羅の身代わりだと思わせて、写真や動画があるのだから逃げられないのだと思い知らせるために。
この時にはもう、紗羅の弟だからではなくて、紗凪という人間に惹かれていたのだと今更自覚しても紗羅というフィルターを無くすことのできない俺はその気持ちに気付かず、紗凪の中の紗羅に惹かれているのだと思い込んでいた。
素直に気持ちを伝えられていれば。紗羅への気持ちに整理をつけ、紗凪と向き合っていれば紗羅からの言葉に心を動かされることも無かったかもしれない。
隣で眠る紗羅を見ながらそんな事を考える。
数年ぶりに再会した紗羅は、強かで艶やかで、強烈に【女】だった。よくよく考えれば昔から強かだったと今更ながらに思い出す。
自分の欲望に忠実で、なんでも自分の思い通りに進めようとする実行力。
汐勿の後を取り、跡取りを生むために簡単に俺を切り捨てたのに、心のどこかで紗羅のことを美化していたのだろう。
最後に身体を重ねた時に薄い下腹に手を当て「赤ちゃんができたらいいのに」と泣いた姿が紗羅を儚く見せたけれど、よくよく考えればあの時にはもう今の旦那との見合いを済ませていたのだ。ブライダルチェックについても話をした後だったかもしれない。
馬鹿な俺はもしかしたら、と期待を持ち「赤ちゃんがお腹にいるの」と言われる日を待ち続けた。
ひと月経ち、ふた月経ち、何も連絡が無いことに期待を打ち砕かれ、人伝に紗羅の結婚を知らされて紗羅と添い遂げることを諦めた。
この時点で関係を断っていたら紗凪に気付いても声をかけなかったかもしれない。関係を断ち、こんな自分でもいいと言ってくれる相手と恋愛をして家族になっていたら紗凪に気付くことすらなかったかもしれない。
別れた直後は連絡をすることも無かったのに、共通の友人が多いせいでなんとなく把握してしまう紗羅の状況。そして、共通の友人が自分と紗羅だけである相手の近況を伝えるために送るようになった事務的なメッセージ。
その事務的なメッセージはいつしか共通の友人全般のものとなり、他の友人から連絡が行っているはずの内容でもメッセージを送り合うようになる。
未練だったのだろう。
そんな状況の中で再会した紗凪は俺にとって救いだった。
戸惑いながらも兄のように慕ってくれる紗凪を見ていると紗羅との関係が続いているように錯覚をする。だって、紗凪との接点は紗羅だけなのだから。
紗羅との関係なんてとっくに途切れていたのにそれを認めたくなくて歪んでいく心。
紗凪はそれに巻き込まれただけだったのに、どこで間違えてしまったのだろう。
「ん、………、たかや?」
寝惚けているのか俺の存在を探るように身体を寄せてくる紗羅を好きにさせ、紗凪のことを考える。
今頃あの部屋で独りで何をしているのか。
食事はちゃんと摂っているのか。
紗羅の元に行くと決め、それを告げてから紗凪とまともに顔を合わせることができなくて、仕事に逃げた。
餌付けするように食事を与えていたくせにそれを放棄して、自分好みに支配した身体に触れることもなく、勝手な言い分を残して紗羅の元に向かった。
行き場所のない紗凪のために部屋は解約しなかったからと恩着せがましく言ったけれど、どのみち世界が終わらなければ自分だって戻る場所が必要なのだから何も紗凪のためにじゃない。だけど、その言葉を信じるほどに紗凪を支配していたはずだ。
「紗凪、」
思わず漏れた名前で自分の気持ちを自覚する。世界が終わるかもしれないと言われている時に、自分がいるべき場所はここじゃない。
紗羅の家族は明日帰ってくると聞いている。起こさないようにベッドから抜け出しスマホを探す。ソファーに投げ出されたままのスマホを見つけ、紗凪に送ったメッセージを確認するけれど、既読はついていない。
時間を確認するとチェックアウトまでにはまだ時間はあるけれど、余裕があるというほどではない。
紗羅の家族が何時に帰ってくるかは聞いていないけれど、今日もまたここで過ごすということはないだろう。
「紗羅、」
ベッドで横たわる紗羅は素顔でその寝顔だけ見ていれば紗凪とそっくりだ。
「紗羅、そろそろ支度しないと、素顔のまま出ることになるよ」
そう言った俺に「えんちょう、しないの?」と寝惚けたままそう答えるとモゾモゾと動き出す。隣に俺がいないことに気付き身体を起こし、「何でそんなとこに居るの?」と不機嫌な顔を見せる。
「時間、確かめたかったから」
本当は紗凪のメッセージを確かめるのが1番の目的だったけど、それを紗羅に教える必要はない。
隣に戻ってくるようにと無言で訴える紗羅に「化粧とかしなくていい?」と誤魔化そうとするけれど、「延長して」とアッサリ言われてしまう。
「帰らなくて大丈夫なのか?」
「日付が変わる前に帰れば大丈夫。
だから、ね」
そう言いながらもう一度抱くようにと無言の圧をかけてくる。
自分から誘うことの無かった紗凪とは大違いだ。
「きっとこれが最後なんだから、私を覚えておいて」
ベッドに戻ったけれど気持ちを自覚したせいか、疲れているせいなのか、紗羅の身体を見ても、紗羅の誘いの言葉を聞いても抱きたいという気持ちは起こらなかったけれど、紗羅本人は考えが違ったようだ。
「勃たせてあげる」
そう言いながら俺の股間に顔を近付け、陰茎を口に含む。何度もその胎内に埋めた陰茎を平気で口に含む紗羅に驚くけれど、刺激されれば反応はするもので。なし崩しにまた身体を重ねてしまう。
「もっと、中で出して。
赤ちゃん、貴哉との赤ちゃんが欲しいの」
レスだと言っていた紗羅が孕んだら大問題だから、これはただのリップサービス。きっと、最後に身体を重ねた時に言った同じような言葉も、最後のセックスを盛り上げるためのリップサービスだったのだろう。
それなのに、その言葉に囚われ続けた俺を哀れに思う。あの時は本当に孕めば良いのにと思ったけれど、同じ言葉を言われたはずなのに今は冷めた気持ちでその言葉を聞いている自分に気付き、自嘲の笑みが漏れる。
「こんなに中で出しても無理なものは無理だよ、」
思わず冷たい言葉が溢れたけれど、身体を重ねることに夢中な紗羅にはきっと、聞こえていなかっただろう。
貪欲に俺を求める紗羅と、紗羅に紗凪を重ねて抱き続ける俺は、どちらが罪深いのだろう。
汐勿の跡取りの座を手に入れ、汐勿の後継を産み、俺と結婚してしていたら手に入れることのできなかったかもしれない存在を手に入れたはずなのに満たされなかったのだろうか。
そんなことを考えながら自嘲の笑みを漏らす。俺に紗羅を責めることなんてできないと気付いてしまったから。
紗凪に再会した時に交流を持ったのは紗羅との接点が欲しかったから。
当時、紗羅とは事務報告のようなやり取りはしていたけれど、交流を持つと言うほどのものではなかった。だから紗凪を口実に、紗羅と私的な話ができるようになれればと淡い期待を抱いていたことを否定はしない。
あれをすれば実家に俺のことを報告するかもしれない、これをすれば紗羅に俺のことを伝えるかもしれない。そんな邪な思いから始めた関係。
紗凪が友人の家を出て部屋を借りると言った時に自分の部屋に誘ったのは流石に引っ越しともなれば実家に報告するだろうと思う気持ちもあったからだったけど、一緒に暮らすうちにその姿に紗羅を重ね、紗羅と過ごしている気分になっていた。
この想いは勘違いだったと後になって気付いたのだけど。
身体の関係の無い、まだ付き合いたてのような初々しさを思い出しながら送る生活はあの頃を思い出させ、少しずつ少しずつ距離を縮めていけば同じような生活が戻ってくると信じてしまった。
だから、あの部屋に住み続ければいいと言っているのに家を出ると言った紗凪と無理矢理に身体の関係を持ち、逃げられないようにした。
無理矢理に身体の関係を持ち、なんて言い方をしても、実際はただの強姦だ。
紗凪が同性だったから、初めてのあの日に身体を繋ぐことは諦めたけれど、紗凪が異性であったなら最後までしていただろう。
怯えられても良かった。
写真や動画がある事で逃げられない紗凪をそのまま囲ってしまおうと思っていた。
派遣の仕事も辞めさせて、ずっと閉じ込めておけば紗羅のように居なくなることもないと思い、いつかは仕事を辞めさせるつもりだった。
穏やかな毎日。
従順な紗凪を餌付けして、俺から離れられなくなるように甘やかした。時折乱暴に抱いてしまうのは優しさだけでは逃げられてしまうと知っていたから。
好きだけど、大切に思っているけれど、それでも紗凪を信じることができず、紗羅の身代わりだと思わせて、写真や動画があるのだから逃げられないのだと思い知らせるために。
この時にはもう、紗羅の弟だからではなくて、紗凪という人間に惹かれていたのだと今更自覚しても紗羅というフィルターを無くすことのできない俺はその気持ちに気付かず、紗凪の中の紗羅に惹かれているのだと思い込んでいた。
素直に気持ちを伝えられていれば。紗羅への気持ちに整理をつけ、紗凪と向き合っていれば紗羅からの言葉に心を動かされることも無かったかもしれない。
隣で眠る紗羅を見ながらそんな事を考える。
数年ぶりに再会した紗羅は、強かで艶やかで、強烈に【女】だった。よくよく考えれば昔から強かだったと今更ながらに思い出す。
自分の欲望に忠実で、なんでも自分の思い通りに進めようとする実行力。
汐勿の後を取り、跡取りを生むために簡単に俺を切り捨てたのに、心のどこかで紗羅のことを美化していたのだろう。
最後に身体を重ねた時に薄い下腹に手を当て「赤ちゃんができたらいいのに」と泣いた姿が紗羅を儚く見せたけれど、よくよく考えればあの時にはもう今の旦那との見合いを済ませていたのだ。ブライダルチェックについても話をした後だったかもしれない。
馬鹿な俺はもしかしたら、と期待を持ち「赤ちゃんがお腹にいるの」と言われる日を待ち続けた。
ひと月経ち、ふた月経ち、何も連絡が無いことに期待を打ち砕かれ、人伝に紗羅の結婚を知らされて紗羅と添い遂げることを諦めた。
この時点で関係を断っていたら紗凪に気付いても声をかけなかったかもしれない。関係を断ち、こんな自分でもいいと言ってくれる相手と恋愛をして家族になっていたら紗凪に気付くことすらなかったかもしれない。
別れた直後は連絡をすることも無かったのに、共通の友人が多いせいでなんとなく把握してしまう紗羅の状況。そして、共通の友人が自分と紗羅だけである相手の近況を伝えるために送るようになった事務的なメッセージ。
その事務的なメッセージはいつしか共通の友人全般のものとなり、他の友人から連絡が行っているはずの内容でもメッセージを送り合うようになる。
未練だったのだろう。
そんな状況の中で再会した紗凪は俺にとって救いだった。
戸惑いながらも兄のように慕ってくれる紗凪を見ていると紗羅との関係が続いているように錯覚をする。だって、紗凪との接点は紗羅だけなのだから。
紗羅との関係なんてとっくに途切れていたのにそれを認めたくなくて歪んでいく心。
紗凪はそれに巻き込まれただけだったのに、どこで間違えてしまったのだろう。
「ん、………、たかや?」
寝惚けているのか俺の存在を探るように身体を寄せてくる紗羅を好きにさせ、紗凪のことを考える。
今頃あの部屋で独りで何をしているのか。
食事はちゃんと摂っているのか。
紗羅の元に行くと決め、それを告げてから紗凪とまともに顔を合わせることができなくて、仕事に逃げた。
餌付けするように食事を与えていたくせにそれを放棄して、自分好みに支配した身体に触れることもなく、勝手な言い分を残して紗羅の元に向かった。
行き場所のない紗凪のために部屋は解約しなかったからと恩着せがましく言ったけれど、どのみち世界が終わらなければ自分だって戻る場所が必要なのだから何も紗凪のためにじゃない。だけど、その言葉を信じるほどに紗凪を支配していたはずだ。
「紗凪、」
思わず漏れた名前で自分の気持ちを自覚する。世界が終わるかもしれないと言われている時に、自分がいるべき場所はここじゃない。
紗羅の家族は明日帰ってくると聞いている。起こさないようにベッドから抜け出しスマホを探す。ソファーに投げ出されたままのスマホを見つけ、紗凪に送ったメッセージを確認するけれど、既読はついていない。
時間を確認するとチェックアウトまでにはまだ時間はあるけれど、余裕があるというほどではない。
紗羅の家族が何時に帰ってくるかは聞いていないけれど、今日もまたここで過ごすということはないだろう。
「紗羅、」
ベッドで横たわる紗羅は素顔でその寝顔だけ見ていれば紗凪とそっくりだ。
「紗羅、そろそろ支度しないと、素顔のまま出ることになるよ」
そう言った俺に「えんちょう、しないの?」と寝惚けたままそう答えるとモゾモゾと動き出す。隣に俺がいないことに気付き身体を起こし、「何でそんなとこに居るの?」と不機嫌な顔を見せる。
「時間、確かめたかったから」
本当は紗凪のメッセージを確かめるのが1番の目的だったけど、それを紗羅に教える必要はない。
隣に戻ってくるようにと無言で訴える紗羅に「化粧とかしなくていい?」と誤魔化そうとするけれど、「延長して」とアッサリ言われてしまう。
「帰らなくて大丈夫なのか?」
「日付が変わる前に帰れば大丈夫。
だから、ね」
そう言いながらもう一度抱くようにと無言の圧をかけてくる。
自分から誘うことの無かった紗凪とは大違いだ。
「きっとこれが最後なんだから、私を覚えておいて」
ベッドに戻ったけれど気持ちを自覚したせいか、疲れているせいなのか、紗羅の身体を見ても、紗羅の誘いの言葉を聞いても抱きたいという気持ちは起こらなかったけれど、紗羅本人は考えが違ったようだ。
「勃たせてあげる」
そう言いながら俺の股間に顔を近付け、陰茎を口に含む。何度もその胎内に埋めた陰茎を平気で口に含む紗羅に驚くけれど、刺激されれば反応はするもので。なし崩しにまた身体を重ねてしまう。
「もっと、中で出して。
赤ちゃん、貴哉との赤ちゃんが欲しいの」
レスだと言っていた紗羅が孕んだら大問題だから、これはただのリップサービス。きっと、最後に身体を重ねた時に言った同じような言葉も、最後のセックスを盛り上げるためのリップサービスだったのだろう。
それなのに、その言葉に囚われ続けた俺を哀れに思う。あの時は本当に孕めば良いのにと思ったけれど、同じ言葉を言われたはずなのに今は冷めた気持ちでその言葉を聞いている自分に気付き、自嘲の笑みが漏れる。
「こんなに中で出しても無理なものは無理だよ、」
思わず冷たい言葉が溢れたけれど、身体を重ねることに夢中な紗羅にはきっと、聞こえていなかっただろう。
22
お気に入りに追加
44
あなたにおすすめの小説

もう人気者とは付き合っていられません
花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。
モテるのは当然だ。でも――。
『たまには二人だけで過ごしたい』
そう願うのは、贅沢なのだろうか。
いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。
「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。
ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。
生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。
※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中


婚約者に会いに行ったらば
龍の御寮さん
BL
王都で暮らす婚約者レオンのもとへと会いに行ったミシェル。
そこで見たのは、レオンをお父さんと呼ぶ子供と仲良さそうに並ぶ女性の姿。
ショックでその場を逃げ出したミシェルは――
何とか弁解しようするレオンとなぜか記憶を失ったミシェル。
そこには何やら事件も絡んできて?
傷つけられたミシェルが幸せになるまでのお話です。

六日の菖蒲
あこ
BL
突然一方的に別れを告げられた紫はその後、理由を目の当たりにする。
落ち込んで行く紫を見ていた萌葱は、図らずも自分と向き合う事になった。
▷ 王道?全寮制学園ものっぽい学園が舞台です。
▷ 同室の紫と萌葱を中心にその脇でアンチ王道な展開ですが、アンチの影は薄め(のはず)
▷ 身代わりにされてた受けが幸せになるまで、が目標。
▷ 見た目不良な萌葱は不良ではありません。見た目だけ。そして世話焼き(紫限定)です。
▷ 紫はのほほん健気な普通顔です。でも雰囲気補正でちょっと可愛く見えます。
▷ 章や作品タイトルの頭に『★』があるものは、個人サイトでリクエストしていただいたものです。こちらではいただいたリクエスト内容やお礼などの後書きを省略させていただいています。

愛する貴方の心から消えた私は…
矢野りと
恋愛
愛する夫が事故に巻き込まれ隣国で行方不明となったのは一年以上前のこと。
周りが諦めの言葉を口にしても、私は決して諦めなかった。
…彼は絶対に生きている。
そう信じて待ち続けていると、願いが天に通じたのか奇跡的に彼は戻って来た。
だが彼は妻である私のことを忘れてしまっていた。
「すまない、君を愛せない」
そう言った彼の目からは私に対する愛情はなくなっていて…。
*設定はゆるいです。
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる