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紗羅 1
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その日はとても良い天気だった。
「世界が終わるだなんて、馬鹿みたい」
思わずそんな言葉が溢れる。
何も変わらない毎日は正直なところ退屈だったけれど、世界が終わるだなんて戯言に踊らされる気もない。
ただ、その噂を利用するだけ。
汐勿の家を継ぎ、汐勿の後継を産み、自分の願った未来を手に入れた先に待っていたのはただの平凡な毎日だった。
変化の無い、当たり前の毎日。
それでも紗柚が乳幼児の頃は良かった。自分の身体が辛いときは親を頼り、寝不足だからと紗柚を押し付けて自分はしっかりと休む。昼間はそうやって祖母や母を頼り、夜は「今は父親も育児に参加するものだから」と夫に任せる。実家の仕事を手伝っているのだから育児で、と言い訳をしても許される環境だ。
昼間はあまり紗柚と過ごせないのだからと言えば夜の授乳も進んでやってくれた。日中は母乳で過ごすのだから夜の授乳くらい頼っても良いだろう。
「紗柚は可愛いね」
夜中の授乳も嫌がらず紗柚を可愛がる夫は、父として文句のつけようが無かった。授乳はもちろん、おむつ替えだってしてくれたし、沐浴も夫の仕事。
浴槽に入れるようになってからは最近までふたりでお風呂に入っていた。
夫として、父として真面目なのは悪いことじゃない。だけど、それだけ。
パートナーとしては物足りない夫との関係のせいで事あるごとに考えてしまう諦めた未来。
これがもし貴哉だったら。
事務的なメッセージを交わす度に夢想する貴哉との生活は夫との生活に比べると不満はあるものの、それでも楽しいと思えるもので、夫との生活の物足りなさに対する不満が澱のように積み重なっていく。
贅沢な悩みだなんて知ってる。
真面目な夫は私が第二子を望んでいないと告げれば、身体を重ねることを諦めてしまったことも不満だった。
避妊の方法がないわけじゃ無い。
私としては夫がパイプカットしてくれればいいと思っていたけれど、夫にはそれをしたところで確実では無いと言われてしまった。それなら私が薬を飲むとか、避妊リングを入れる方法もあると告げても私の身体に負担をかけたく無いからと断られ、「どっちみち紗柚が寝てる隣でするのも集中できないしね」と言われてしまう。
夫が言っていることは正論だ。
そして、私の身体に負担をかけたくないと言うのは自分の体に負担をかけたくないと言うことでもあると私は理解した。
私のことを好きだと思ってくれているのなら自分の身体に負担をかけてでも欲しいと思ってくれるだろうけれど、そこまでして私を抱きたいとは思っていないのだろう。
でも、私はまだ【女】でいたい。
中にはPTAを口実に夫とは違う相手となんて人もいるけれど、そんなことがバレたら恥ずかしいのは私だ。だから貴哉とのメッセージは唯一【女】を実感できる時間だった。
これが何事も無かったかのように近況を伝え合い、雑談をするような友情を感じさせるものなら違ったかもしれない。だけど【私】を意識しているが故に事務的過ぎるメッセージを送ってくる貴哉に気を良くし、こちらからも事務的なメッセージを返す。
はっきり言って貴哉とのメッセージに必要なものなんて無かった。貴哉経由ではなくても集まる情報ばかり。
だからこそ別れても、結婚しても、子供を産んでも執着を持ち続け私との関わりを持とうとすることで自分の存在意義を感じていた。
それが変化したのは、あの写真が送られてきた時。
差出人の無い手紙だったけれど何も考えずに開封したのは自分宛だったから。何かの案内を送るときに使うような、なんの変哲もない白い封筒だったことも私に警戒心を抱かせなかった原因だろう。
鋏を使い封筒の端を切り中を覗く。
入っていたのは1枚の写真で、行事ごとの時の紗柚の写真を誰かが送ってくれたのだろうと思いながら取り出す。最近あった行事はなんだったかと思い出しながら見た写真の意味が、はじめは理解できなかった。
「紗凪?」
写っていたのは貴哉と紗凪で、有り得ない組み合わせに思考が停止する。
私が捨てたはずの貴哉と、その隣に立つ紗凪。後ろに写る建物は私が何度も通った場所だ。
「何で?」
どうしてふたりでいるのだろう。
貴哉からは最近もメッセージは来ているし、私から送ったりもしている。
誰かが結婚した。
誰かの子が生まれた。
誰かが転職した。
誰かが地元に戻った。
いつもと変わらない当たり障りのない事務的なメッセージばかりが並ぶそこに、紗凪との繋がりを伝えるようなメッセージは無かったはずだ。
封筒の消印を確認して貴哉が、そして私が住んでいた街のものだと知りその意味を考える。誰が送ってきたのか、何のために送ってきたのか。
写真に映る紗凪は笑顔で、貴哉を連れて帰省したときに見せた笑顔よりも大人びて見える。貴哉は…そんな紗凪に優しい笑顔を向けていた。
当たり前のことだけど、私が貴哉と付き合っていた頃に撮られたものではない。
「何なの、これ」
関係性は分からないけれどふたりで笑い合っている姿が気に入らなくて、写真を持つ手に力が入りいつの間にか握りつぶしていた。
こんな写真を送ってくる相手に心当たりがないわけじゃない。
同じ会社だった相手に対して家のことや貴哉のことでマウントを取る事もあった。私より仕事ができることが鼻に付き、私は結婚して家を継ぐからいずれは辞めるし、と鼻で嗤ってやったときの口惜しげな顔は今思い出しても笑えてしまう。
貴哉の会社の催しに参加した時に彼に対する好意を隠す事なく、私に対して対抗心を見せた女に仲の良さを見せつけ、いずれは一緒に【私の】地元に帰り、私の実家の跡を継ぐのだと確定した未来をさりげなく伝えた。彼女ではなくて婚約者だと告げ、【何か】があればそれなりの対処をすると暗に伝えだ時に私を睨みつけた彼女のことは今でも許していない。
小さなことまで思い出せばキリはないけれど、こんなふうにされるようなことをしていた自覚はある。ただ、実家の住所を知っている相手となると限られる。
同じ会社だったあの人なら実家の住所を知る事もできるだろう。年賀状のやり取りだって続いている相手はいるし、結婚式の招待状には実家の住所を書いたはずだ。
たまたま貴哉を見掛けて、パートナーといる姿を見て私に嫌がらせをしようと考える人がいたとしても、不思議ではないようなことをしていた自覚はある。
私と紗凪の関係を知らず、ただただ私に嫌がらせするために送った、なんて偶然はあり得ないと思いながらも完全には否定できない。
何か手掛かりはないかと夕飯の席で紗凪の現状に探りを入れ、私たちが住んでいた隣の街で暮らしていることを知る。そして、まともに就職ができなくて友人の家に居候していると思っていたのにそれは全くの誤解だったと母の言葉で察した。
「紗凪のくせに、」
私よりもランクの低い生活を送っているはずの紗凪が、起業して成功をしているなんて認めたくなかった。
私が捨てたはずの貴哉と仲睦まじくしているのも気に入らなかった。
私が奪ったものよりも良いモノを手に入れ、縛られることなく自由に生きる事に嫉妬した。
私が捨てたとはいえいえ、私のモノをまたしても奪い去った紗凪に憎しみさえ感じた。
とは言え、全てが誤解かもしれない。
隣の街に住んでいれば顔を合わせる事もあるだろう。顔を合わせ、昔話に花が咲くかもしれない。
貴哉は私との繋がりを求めて紗凪に声をかけたのかもしれない。
私たちが別れた理由を知っている紗凪は連絡してこれないかもしれないけれど、貴哉はこれを機会に何かコンタクトをとってくるかもしれない。
淡い期待を抱いて連絡を待つけれど貴哉から来るのは事務的なメッセージで、紗凪からは連絡が来る事もない。
待ち続ける私に届けられるのは差出人の無い封筒ばかりで、写真の中のふたりは送られてくる度に親密度が増しているように見える。
比べてみれば一目瞭然だった。
前の写真の表情と比べ柔らかくなっていく紗凪の笑顔。私を見る時よりも優しい目をした貴哉。
そして、徐々に近付くふたりの距離。
流石に手を繋ぐことはしていないけれど、肩が触れそうなほど近い距離で、額が触れそうなほど近い距離でふたりの関係を悟る。
〈貴哉、彼女できた?〉
別れてから初めて送った事務的なモノではないメッセージに返ってきたのは、それを肯定する事務的なモノではないメッセージだった。
「世界が終わるだなんて、馬鹿みたい」
思わずそんな言葉が溢れる。
何も変わらない毎日は正直なところ退屈だったけれど、世界が終わるだなんて戯言に踊らされる気もない。
ただ、その噂を利用するだけ。
汐勿の家を継ぎ、汐勿の後継を産み、自分の願った未来を手に入れた先に待っていたのはただの平凡な毎日だった。
変化の無い、当たり前の毎日。
それでも紗柚が乳幼児の頃は良かった。自分の身体が辛いときは親を頼り、寝不足だからと紗柚を押し付けて自分はしっかりと休む。昼間はそうやって祖母や母を頼り、夜は「今は父親も育児に参加するものだから」と夫に任せる。実家の仕事を手伝っているのだから育児で、と言い訳をしても許される環境だ。
昼間はあまり紗柚と過ごせないのだからと言えば夜の授乳も進んでやってくれた。日中は母乳で過ごすのだから夜の授乳くらい頼っても良いだろう。
「紗柚は可愛いね」
夜中の授乳も嫌がらず紗柚を可愛がる夫は、父として文句のつけようが無かった。授乳はもちろん、おむつ替えだってしてくれたし、沐浴も夫の仕事。
浴槽に入れるようになってからは最近までふたりでお風呂に入っていた。
夫として、父として真面目なのは悪いことじゃない。だけど、それだけ。
パートナーとしては物足りない夫との関係のせいで事あるごとに考えてしまう諦めた未来。
これがもし貴哉だったら。
事務的なメッセージを交わす度に夢想する貴哉との生活は夫との生活に比べると不満はあるものの、それでも楽しいと思えるもので、夫との生活の物足りなさに対する不満が澱のように積み重なっていく。
贅沢な悩みだなんて知ってる。
真面目な夫は私が第二子を望んでいないと告げれば、身体を重ねることを諦めてしまったことも不満だった。
避妊の方法がないわけじゃ無い。
私としては夫がパイプカットしてくれればいいと思っていたけれど、夫にはそれをしたところで確実では無いと言われてしまった。それなら私が薬を飲むとか、避妊リングを入れる方法もあると告げても私の身体に負担をかけたく無いからと断られ、「どっちみち紗柚が寝てる隣でするのも集中できないしね」と言われてしまう。
夫が言っていることは正論だ。
そして、私の身体に負担をかけたくないと言うのは自分の体に負担をかけたくないと言うことでもあると私は理解した。
私のことを好きだと思ってくれているのなら自分の身体に負担をかけてでも欲しいと思ってくれるだろうけれど、そこまでして私を抱きたいとは思っていないのだろう。
でも、私はまだ【女】でいたい。
中にはPTAを口実に夫とは違う相手となんて人もいるけれど、そんなことがバレたら恥ずかしいのは私だ。だから貴哉とのメッセージは唯一【女】を実感できる時間だった。
これが何事も無かったかのように近況を伝え合い、雑談をするような友情を感じさせるものなら違ったかもしれない。だけど【私】を意識しているが故に事務的過ぎるメッセージを送ってくる貴哉に気を良くし、こちらからも事務的なメッセージを返す。
はっきり言って貴哉とのメッセージに必要なものなんて無かった。貴哉経由ではなくても集まる情報ばかり。
だからこそ別れても、結婚しても、子供を産んでも執着を持ち続け私との関わりを持とうとすることで自分の存在意義を感じていた。
それが変化したのは、あの写真が送られてきた時。
差出人の無い手紙だったけれど何も考えずに開封したのは自分宛だったから。何かの案内を送るときに使うような、なんの変哲もない白い封筒だったことも私に警戒心を抱かせなかった原因だろう。
鋏を使い封筒の端を切り中を覗く。
入っていたのは1枚の写真で、行事ごとの時の紗柚の写真を誰かが送ってくれたのだろうと思いながら取り出す。最近あった行事はなんだったかと思い出しながら見た写真の意味が、はじめは理解できなかった。
「紗凪?」
写っていたのは貴哉と紗凪で、有り得ない組み合わせに思考が停止する。
私が捨てたはずの貴哉と、その隣に立つ紗凪。後ろに写る建物は私が何度も通った場所だ。
「何で?」
どうしてふたりでいるのだろう。
貴哉からは最近もメッセージは来ているし、私から送ったりもしている。
誰かが結婚した。
誰かの子が生まれた。
誰かが転職した。
誰かが地元に戻った。
いつもと変わらない当たり障りのない事務的なメッセージばかりが並ぶそこに、紗凪との繋がりを伝えるようなメッセージは無かったはずだ。
封筒の消印を確認して貴哉が、そして私が住んでいた街のものだと知りその意味を考える。誰が送ってきたのか、何のために送ってきたのか。
写真に映る紗凪は笑顔で、貴哉を連れて帰省したときに見せた笑顔よりも大人びて見える。貴哉は…そんな紗凪に優しい笑顔を向けていた。
当たり前のことだけど、私が貴哉と付き合っていた頃に撮られたものではない。
「何なの、これ」
関係性は分からないけれどふたりで笑い合っている姿が気に入らなくて、写真を持つ手に力が入りいつの間にか握りつぶしていた。
こんな写真を送ってくる相手に心当たりがないわけじゃない。
同じ会社だった相手に対して家のことや貴哉のことでマウントを取る事もあった。私より仕事ができることが鼻に付き、私は結婚して家を継ぐからいずれは辞めるし、と鼻で嗤ってやったときの口惜しげな顔は今思い出しても笑えてしまう。
貴哉の会社の催しに参加した時に彼に対する好意を隠す事なく、私に対して対抗心を見せた女に仲の良さを見せつけ、いずれは一緒に【私の】地元に帰り、私の実家の跡を継ぐのだと確定した未来をさりげなく伝えた。彼女ではなくて婚約者だと告げ、【何か】があればそれなりの対処をすると暗に伝えだ時に私を睨みつけた彼女のことは今でも許していない。
小さなことまで思い出せばキリはないけれど、こんなふうにされるようなことをしていた自覚はある。ただ、実家の住所を知っている相手となると限られる。
同じ会社だったあの人なら実家の住所を知る事もできるだろう。年賀状のやり取りだって続いている相手はいるし、結婚式の招待状には実家の住所を書いたはずだ。
たまたま貴哉を見掛けて、パートナーといる姿を見て私に嫌がらせをしようと考える人がいたとしても、不思議ではないようなことをしていた自覚はある。
私と紗凪の関係を知らず、ただただ私に嫌がらせするために送った、なんて偶然はあり得ないと思いながらも完全には否定できない。
何か手掛かりはないかと夕飯の席で紗凪の現状に探りを入れ、私たちが住んでいた隣の街で暮らしていることを知る。そして、まともに就職ができなくて友人の家に居候していると思っていたのにそれは全くの誤解だったと母の言葉で察した。
「紗凪のくせに、」
私よりもランクの低い生活を送っているはずの紗凪が、起業して成功をしているなんて認めたくなかった。
私が捨てたはずの貴哉と仲睦まじくしているのも気に入らなかった。
私が奪ったものよりも良いモノを手に入れ、縛られることなく自由に生きる事に嫉妬した。
私が捨てたとはいえいえ、私のモノをまたしても奪い去った紗凪に憎しみさえ感じた。
とは言え、全てが誤解かもしれない。
隣の街に住んでいれば顔を合わせる事もあるだろう。顔を合わせ、昔話に花が咲くかもしれない。
貴哉は私との繋がりを求めて紗凪に声をかけたのかもしれない。
私たちが別れた理由を知っている紗凪は連絡してこれないかもしれないけれど、貴哉はこれを機会に何かコンタクトをとってくるかもしれない。
淡い期待を抱いて連絡を待つけれど貴哉から来るのは事務的なメッセージで、紗凪からは連絡が来る事もない。
待ち続ける私に届けられるのは差出人の無い封筒ばかりで、写真の中のふたりは送られてくる度に親密度が増しているように見える。
比べてみれば一目瞭然だった。
前の写真の表情と比べ柔らかくなっていく紗凪の笑顔。私を見る時よりも優しい目をした貴哉。
そして、徐々に近付くふたりの距離。
流石に手を繋ぐことはしていないけれど、肩が触れそうなほど近い距離で、額が触れそうなほど近い距離でふたりの関係を悟る。
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