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4 days left
紗凪
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「ねえ、硬くない?」
ボクが作ったカレーを普通の顔で食べている大輝に釣られて同じように口にして、ニンジンの硬さに思わず顔を顰める。ゴリゴリという程ではないけれど、思っていた食感ではなかった。
「え、別に気にならないけど?」
そう言われてもうひとつ入れてあったニンジンを食べてみれば思った通りの食感で、ボクが初めに食べたのだけが大きく切り過ぎていたのだと思うことにする。温め直しを繰り返すうちに、残っているかもしれない大きく切り過ぎた食材も勝手に柔らかくなってくれるだろう、きっと。
⌘⌘⌘
昨日、午前中で仕事を終わらせて午後からは食材の買い出しをしてきた。
米を10キロ。
野菜は保存の効くもの、玉ねぎ、じゃがいも、ニンジンに加えてキャベツは2つ。肉は使い勝手のいい豚バラの薄切りを選び、卵やウインナー、パスタやレトルトのパスタソースもカゴに入れる。
途中からは妙なテンションになってしまい、食べるかどうかもわからないお菓子を入れてみたり、冷凍のコーナーでは冷凍の野菜や肉、揚げるだけで食べられる冷凍フライや冷凍コロッケ、そうなると揚げ油も必要だと大きいサイズの油も探した。
大量に作って何日も食べられるからと言う理由でカレールーも購入する。
久しぶりの料理で頑張り過ぎて失敗するくらいなら、定番のものにしておけば失敗は無いだろう。
揚げ物は得意じゃ無いけれど、作り方の表示を見てその通りにやればできるはずだ、と言い張った大輝を信じて任せることにする。
「ねえ、そう言えば鍋とかってあるの?」
「ひと通りあると思うよ。
カレーも揚げ物も彼女作ってたし。
あ、茶碗と箸くらいは買っておこうと思ったのに忘れてた」
ボクがいた頃にはほとんど無かった調理器具を充実させたのは彼女なのだろう。それが照れくさいのか、別の言葉で誤魔化そうとする。
「あ、らっきょうと福神漬けも買わないとな」
言いながら増えていくカゴの中身。
「ねえ、これ1週間で食べきれないと思うんだけど?」
更に食パンや菓子パンも手当たり次第入れ始めるため制止しようとするけれど、「パンは冷凍できるみたいだから」と聞く耳を持たない。
「どうせ落ち着くまで新しい部屋探すのも難しいだろうし、別に残っても紗凪が何か作ってくれるんだろ?」
そう言いながら「あ、こんなのもある」と袋入りのサラダもカゴに入れる。ポテトサラダやごぼうサラダ、他にも袋に入った煮物、これだけあれば米さえ炊けば作らなくてもなんとかなるんじゃないかと思えるほどの量だった。
それなのに「今日はでも弁当かなんか買って帰るか」と弁当や惣菜が並ぶコーナーに向かい、初日のように出来合いのものを選び始める。
ここまで来ると止める気にならず、放っておくことにした。
大輝の言う通り、食料を消費するための時間は沢山あるのだから。
⌘⌘⌘
帰宅して、初日のように買ってきた惣菜を食べながら少しだけアルコールも出し、翌日の予定を立てる。
始業は9時。
とりあえず朝食は大輝がカゴに入れたパンで済ませ、昼食はパスタと前日の残り、夜はカレーと決めた。
久しぶりの料理だからと夕方は早めに仕事を終わらせてカレーを作り始めたのに結果はこれだ。
袋詰めで売っていたポテトサラダを出し、お茶と共に並べる。アルコールはどうするかと聞かれたけれど、毎日飲む習慣はないから断った。
「お酒のむよりも食後のアイスがいい」
そう答えれば「食べたらコンビニ行くか」と言い出す。
「甘いものも買いだめしとくか?」
「………太るよ?」
「紗凪はもう少し太ったほうがいいと思うけど」
「それ、すごく無責任な言葉だって知ってる?年々代謝が落ちてるのに、その言葉に甘えて太ったら大変なのはボクなんだからね」
体格がいいというよりも体型のいい大輝は食べても太らない体質なのか、PCに向かってばかりの仕事なのに学生の頃からきっと服のサイズは変わってないだろう。
「代謝落ちてるなら運動しろ、運動」
「大輝は何かやってるの?」
「やろうと思ってジャージ買ったけど使ってない」
そう言って苦笑いを見せる。
ボクが借りたジャージが新品のようだったのはそういう理由だったのだろう。
「ジムに入れば強制的に運動すると思ったけど、ジャージ買って満足して終わった。太るの心配なら一緒に行く?」
世界が終わるなんて信じていない大輝は当たり前のように未来の話を続ける。
「リモートでやるようになればもっと家から出なくなるし、ウォーキングとかランニングとかでもいいけどジムに入れば勿体無いとか言って通うだろ、紗凪は」
「入れば、ね」
曖昧な言い方をして暗に拒否をする。
ジムに通うのはもちろん嫌なのだけど、大輝と通えばその体型の差にきっと落ち込むことになるはずだ。確かに今は標準よりも細い、と言うよりも成人男性としては貧相な身体だけど、それに甘んじて好きなものを好きなだけ食べていたらすぐに体型に変化が出てしまうだろう。
それに甘いものは好きだけど、たまに食べるから美味しいのだ。
「あと何日だっけ、」
ジムへの勧誘は諦めたのか、話を変えた大輝の言葉に指を折る。
「4日かな?」
「じゃあ最低でも1週間は新規の仕事は来ないな」
「翌日とかには来ない?」
「土曜日だし」
「そっか、」
ずっと自宅待機だったし、貴哉が姉に会いに行くために仕事を詰めていたせいで完全に曜日の感覚がなくなっていたことに気付き、家から出ないことの弊害を実感する。嫌だけど、外との関わりを持つためにもジムに入会してほうがいいかもしれないなんて考えるけど、仕事が始まれば嫌でも曜日感覚は戻ってくるだろうとそれは口に出さずに話を続ける。
「月曜日に出勤したとして、翌日には仕事来ると思う?」
「何件か落ち着いたらお願いしたいとは連絡きてたけど、取り敢えず事務的なやり取りが必要だろうから、実際に仕事するのは早くても1週間後くらいからかな」
「そんなに仕事無くて大丈夫?」
「別に、紗凪と2人だけなら問題無いよ」
「でも人増やしたいって、」
「将来的にはだよ。
でもリモートでできればそれでいいし。面倒な相手はこれを機会に切ってもいいかな。
完全にリモートにすれば取引先の幅も広がるし。出向できる範囲に限定しなくても良くなるよ、リモートなら」
「そんなに上手くいく?」
「だから、今のうちにリモートの準備したり、今後の方針決めないとな。
あ、でもそうなるとこの家じゃ無くても良くなるな。一軒家だと庭の手入れも面倒だし、なんならマンションに引っ越すか?」
「でも、大輝の実家でしょ?」
「登録するのに初期費用なしで使える物件だから使っただけで、特に思い入れは無いよ。父親も要らなくなったら売るから返せって言ってたし」
「そうなの?」
「そうなの。
まあ、彼女と結婚してってなったら兄弟にも話してちゃんと買い取ろうと思ってたけど、今のところ結婚する予定もその気も無いし、」
「淋しいこと言ってる」
「それを言うなら、紗凪もだし。
淋しいもの同士、仕事頑張ろうな、」
「大輝、デリカシー無さ過ぎ」
変に気を使わない大輝の態度に救われるけど、結婚を見据えた彼女との関係と、家族に告げることすらできなかった貴哉とボクの関係では全く違うと後ろ向きなことを考えてしまう。
貴哉との仲がこんなふうになっていなかったとしても、ボクたちの関係を家族に告げることはできなかったし、そもそも将来のことなんて具体的に考えたりしたことも無かった。
奪われ、流され、絆されて始まった関係に将来なんて無かったのだろう。
「ボクたちの関係って、何だったんだろうね」
思わず溢れてしまった言葉。
そんなことを言われても大輝が困るだけだと分かっていても、何か答えが欲しくて口にしてしまった。
「アイツとの関係のこと?」
「そう」
「だから、同情だったんだって。
男性不妊でお姉さんに捨てられたアイツに同情して逃げられなくなって、結果絆された。それだけ。
アイツのやったことを受け入れて、アイツが望むようにして、それなのに離れて行ったんだから…もういいんじゃないか、無理しなくても」
無理していたわけじゃない。
無理していたわけじゃないけれど、そんなふうに言われると分からなくなってしまう。
「もしもアイツが帰ってきて迎えにきたらどうする?」
「え、迎えになんて来ないだろうし、帰る気も無いし」
「それが紗凪の本心なんじゃない?」
当たり前のことのようにそう答えながら貴哉が迎えに来ることを想像してみる。
姉の元に向かった車でこの家まで迎えに来るのだろうか。
その車の助手席はボクのものだったのに、姉が乗ってボクが座りやすく調整したシートを動かしているかもしれない。
座りやすい位置に調整するだけなら良いけれど、久しぶりに会って盛り上がって、そのまま車で…と、そこまで考えてしまいどうして良いのか分からなくなってしまう。
「そもそもここにいること知らないし。
でも迎えにきたら…大輝のこと頼りにしてるから」
無理して明るく言ったボクに「任せとけ」と笑った大輝は「やっぱりジム行くかな」と呟いた。
大輝がジムに行くと言い出したら止めないでおこう。
ボクが作ったカレーを普通の顔で食べている大輝に釣られて同じように口にして、ニンジンの硬さに思わず顔を顰める。ゴリゴリという程ではないけれど、思っていた食感ではなかった。
「え、別に気にならないけど?」
そう言われてもうひとつ入れてあったニンジンを食べてみれば思った通りの食感で、ボクが初めに食べたのだけが大きく切り過ぎていたのだと思うことにする。温め直しを繰り返すうちに、残っているかもしれない大きく切り過ぎた食材も勝手に柔らかくなってくれるだろう、きっと。
⌘⌘⌘
昨日、午前中で仕事を終わらせて午後からは食材の買い出しをしてきた。
米を10キロ。
野菜は保存の効くもの、玉ねぎ、じゃがいも、ニンジンに加えてキャベツは2つ。肉は使い勝手のいい豚バラの薄切りを選び、卵やウインナー、パスタやレトルトのパスタソースもカゴに入れる。
途中からは妙なテンションになってしまい、食べるかどうかもわからないお菓子を入れてみたり、冷凍のコーナーでは冷凍の野菜や肉、揚げるだけで食べられる冷凍フライや冷凍コロッケ、そうなると揚げ油も必要だと大きいサイズの油も探した。
大量に作って何日も食べられるからと言う理由でカレールーも購入する。
久しぶりの料理で頑張り過ぎて失敗するくらいなら、定番のものにしておけば失敗は無いだろう。
揚げ物は得意じゃ無いけれど、作り方の表示を見てその通りにやればできるはずだ、と言い張った大輝を信じて任せることにする。
「ねえ、そう言えば鍋とかってあるの?」
「ひと通りあると思うよ。
カレーも揚げ物も彼女作ってたし。
あ、茶碗と箸くらいは買っておこうと思ったのに忘れてた」
ボクがいた頃にはほとんど無かった調理器具を充実させたのは彼女なのだろう。それが照れくさいのか、別の言葉で誤魔化そうとする。
「あ、らっきょうと福神漬けも買わないとな」
言いながら増えていくカゴの中身。
「ねえ、これ1週間で食べきれないと思うんだけど?」
更に食パンや菓子パンも手当たり次第入れ始めるため制止しようとするけれど、「パンは冷凍できるみたいだから」と聞く耳を持たない。
「どうせ落ち着くまで新しい部屋探すのも難しいだろうし、別に残っても紗凪が何か作ってくれるんだろ?」
そう言いながら「あ、こんなのもある」と袋入りのサラダもカゴに入れる。ポテトサラダやごぼうサラダ、他にも袋に入った煮物、これだけあれば米さえ炊けば作らなくてもなんとかなるんじゃないかと思えるほどの量だった。
それなのに「今日はでも弁当かなんか買って帰るか」と弁当や惣菜が並ぶコーナーに向かい、初日のように出来合いのものを選び始める。
ここまで来ると止める気にならず、放っておくことにした。
大輝の言う通り、食料を消費するための時間は沢山あるのだから。
⌘⌘⌘
帰宅して、初日のように買ってきた惣菜を食べながら少しだけアルコールも出し、翌日の予定を立てる。
始業は9時。
とりあえず朝食は大輝がカゴに入れたパンで済ませ、昼食はパスタと前日の残り、夜はカレーと決めた。
久しぶりの料理だからと夕方は早めに仕事を終わらせてカレーを作り始めたのに結果はこれだ。
袋詰めで売っていたポテトサラダを出し、お茶と共に並べる。アルコールはどうするかと聞かれたけれど、毎日飲む習慣はないから断った。
「お酒のむよりも食後のアイスがいい」
そう答えれば「食べたらコンビニ行くか」と言い出す。
「甘いものも買いだめしとくか?」
「………太るよ?」
「紗凪はもう少し太ったほうがいいと思うけど」
「それ、すごく無責任な言葉だって知ってる?年々代謝が落ちてるのに、その言葉に甘えて太ったら大変なのはボクなんだからね」
体格がいいというよりも体型のいい大輝は食べても太らない体質なのか、PCに向かってばかりの仕事なのに学生の頃からきっと服のサイズは変わってないだろう。
「代謝落ちてるなら運動しろ、運動」
「大輝は何かやってるの?」
「やろうと思ってジャージ買ったけど使ってない」
そう言って苦笑いを見せる。
ボクが借りたジャージが新品のようだったのはそういう理由だったのだろう。
「ジムに入れば強制的に運動すると思ったけど、ジャージ買って満足して終わった。太るの心配なら一緒に行く?」
世界が終わるなんて信じていない大輝は当たり前のように未来の話を続ける。
「リモートでやるようになればもっと家から出なくなるし、ウォーキングとかランニングとかでもいいけどジムに入れば勿体無いとか言って通うだろ、紗凪は」
「入れば、ね」
曖昧な言い方をして暗に拒否をする。
ジムに通うのはもちろん嫌なのだけど、大輝と通えばその体型の差にきっと落ち込むことになるはずだ。確かに今は標準よりも細い、と言うよりも成人男性としては貧相な身体だけど、それに甘んじて好きなものを好きなだけ食べていたらすぐに体型に変化が出てしまうだろう。
それに甘いものは好きだけど、たまに食べるから美味しいのだ。
「あと何日だっけ、」
ジムへの勧誘は諦めたのか、話を変えた大輝の言葉に指を折る。
「4日かな?」
「じゃあ最低でも1週間は新規の仕事は来ないな」
「翌日とかには来ない?」
「土曜日だし」
「そっか、」
ずっと自宅待機だったし、貴哉が姉に会いに行くために仕事を詰めていたせいで完全に曜日の感覚がなくなっていたことに気付き、家から出ないことの弊害を実感する。嫌だけど、外との関わりを持つためにもジムに入会してほうがいいかもしれないなんて考えるけど、仕事が始まれば嫌でも曜日感覚は戻ってくるだろうとそれは口に出さずに話を続ける。
「月曜日に出勤したとして、翌日には仕事来ると思う?」
「何件か落ち着いたらお願いしたいとは連絡きてたけど、取り敢えず事務的なやり取りが必要だろうから、実際に仕事するのは早くても1週間後くらいからかな」
「そんなに仕事無くて大丈夫?」
「別に、紗凪と2人だけなら問題無いよ」
「でも人増やしたいって、」
「将来的にはだよ。
でもリモートでできればそれでいいし。面倒な相手はこれを機会に切ってもいいかな。
完全にリモートにすれば取引先の幅も広がるし。出向できる範囲に限定しなくても良くなるよ、リモートなら」
「そんなに上手くいく?」
「だから、今のうちにリモートの準備したり、今後の方針決めないとな。
あ、でもそうなるとこの家じゃ無くても良くなるな。一軒家だと庭の手入れも面倒だし、なんならマンションに引っ越すか?」
「でも、大輝の実家でしょ?」
「登録するのに初期費用なしで使える物件だから使っただけで、特に思い入れは無いよ。父親も要らなくなったら売るから返せって言ってたし」
「そうなの?」
「そうなの。
まあ、彼女と結婚してってなったら兄弟にも話してちゃんと買い取ろうと思ってたけど、今のところ結婚する予定もその気も無いし、」
「淋しいこと言ってる」
「それを言うなら、紗凪もだし。
淋しいもの同士、仕事頑張ろうな、」
「大輝、デリカシー無さ過ぎ」
変に気を使わない大輝の態度に救われるけど、結婚を見据えた彼女との関係と、家族に告げることすらできなかった貴哉とボクの関係では全く違うと後ろ向きなことを考えてしまう。
貴哉との仲がこんなふうになっていなかったとしても、ボクたちの関係を家族に告げることはできなかったし、そもそも将来のことなんて具体的に考えたりしたことも無かった。
奪われ、流され、絆されて始まった関係に将来なんて無かったのだろう。
「ボクたちの関係って、何だったんだろうね」
思わず溢れてしまった言葉。
そんなことを言われても大輝が困るだけだと分かっていても、何か答えが欲しくて口にしてしまった。
「アイツとの関係のこと?」
「そう」
「だから、同情だったんだって。
男性不妊でお姉さんに捨てられたアイツに同情して逃げられなくなって、結果絆された。それだけ。
アイツのやったことを受け入れて、アイツが望むようにして、それなのに離れて行ったんだから…もういいんじゃないか、無理しなくても」
無理していたわけじゃない。
無理していたわけじゃないけれど、そんなふうに言われると分からなくなってしまう。
「もしもアイツが帰ってきて迎えにきたらどうする?」
「え、迎えになんて来ないだろうし、帰る気も無いし」
「それが紗凪の本心なんじゃない?」
当たり前のことのようにそう答えながら貴哉が迎えに来ることを想像してみる。
姉の元に向かった車でこの家まで迎えに来るのだろうか。
その車の助手席はボクのものだったのに、姉が乗ってボクが座りやすく調整したシートを動かしているかもしれない。
座りやすい位置に調整するだけなら良いけれど、久しぶりに会って盛り上がって、そのまま車で…と、そこまで考えてしまいどうして良いのか分からなくなってしまう。
「そもそもここにいること知らないし。
でも迎えにきたら…大輝のこと頼りにしてるから」
無理して明るく言ったボクに「任せとけ」と笑った大輝は「やっぱりジム行くかな」と呟いた。
大輝がジムに行くと言い出したら止めないでおこう。
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