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羽琉 解消。
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「え、何?」
燈哉の言葉に動揺し、その言葉を理解することを拒否してしまう。
その言葉は聞こえてはいるけれど、その意味は分からない。
「だから、【番候補】を解消して欲しいんだ」
さっきまでは彼の言葉に動揺したり、困惑したりと不安げな顔を見せたりもしていたくせに、今は意思を持った顔で、僕の目を見て【番候補】の解消を望む燈哉は、きっと本気で言っているのだろう。彼と話しながらも僕を気遣ってくれたのは【番候補】だったからで、候補から外れて自由になりたいという事なのだろうか。
だからこそ、夏休みに僕以外と過ごしたことをわざわざ口にして、僕の気持ちを自分から離れさせようとしたのだろうか。
「解消したら今居君と過ごすの?
やっぱり、今居君が好きなの?」
「違うって。
羽琉、ちゃんと最後まで話を聞いて」
僕がどう答えるのかなんて想定済みだったのか、僕の言葉に動揺することなく苦笑いを見せる。
それぞれ1人掛けのソファに座っているせいで微妙な距離があるけれど、僕を安心させるように肘掛けに乗せた僕の手をそっと包み込む。
「解消して欲しいのは、羽琉と向き合いたいから」
「向き合うって?」
「ほら、俺と羽琉の関係って、恋愛感情をちゃんと認識する前に決められたことだっただろう?
俺は羽琉を守るって、園庭で遊べない羽琉の事情を知った時にそう決めたけど、その気持ちに変わりはないけれど、フェアじゃないと思ったんだ」
そう言った燈哉は自分の気持ちを、自分の考えを語り出す。
「昔、伊織に言われたことがあるんだ。
自分たちは羽琉を疲れさせないように、羽琉か過ごしやすくなるように必要以上に接するなって言われてたのに、抜け駆けして羽琉と仲良くなるなんて狡いって。
その時は何でそんなことを言われるのか不思議で仕方なかったけど、成長するにつれて理解してくると、確かに狡かったのかと思うようになってきて。
だから必要以上に羽琉が俺から離れていくのが怖かったんだ。」
伊織が燈哉に対して当たりがキツいのはそんな理由があったのかと呆れるけれど、きっとそれは幼稚舎の頃から燻っていた想いがそうさせたのだろう。
僕のことを好きでいてくれて、僕のことを守ろうとしてくれて、だけど何もできない伊織の見ている前で親密さを増していく僕たち。
だからこそ、僕のそばにいるためにと政文と付き合うふりをすることを選んだ伊織。
そして、それに便乗して伊織の隣に立つことを画策した政文。
よくよく考えればみんな少しずつ自分のことだけを考え、自分の欲を満たそうとしていたのだろう。
人を気遣うふりをして、自分のことだけを考えるエゴだらけの僕たち。
「【番候補】だからとその関係に甘えて、その時に一緒に過ごすのは自分だと勝手に決めつけて。
だけど俺が休みの日には伊織や政文と一緒に過ごすって言われて…。絶対なんてないことに気付いて、それで涼夏を利用しようとした。
【番候補】なんだから、羽琉を守るためにならそれは許されると勘違いして、【番候補】なんだから羽琉を守るために犠牲は仕方ないって勝手に考えて。
もっと最低なことを言ってしまうと羽琉と番って、羽琉は家から出さないで、それで涼夏にパートナーができるまでは自分が庇護しようかとも考えた」
「それはちょっと、酷くない?」
「うん、今考えると酷いけど、俺は羽琉の【番候補】なんだから許されるって勝手に思ってた。
番になった羽琉を誰にも見せないために涼夏をパートナーとして伴えば、涼夏にだってパートナーが見つかるかもしれないなんて、本当に自分本位なことまで考えてたし」
「今居君が大人しく従うとは思えないけど…」
「確かにそうなんだけどな。
だから、はじめはそんな事も考えてただけだって話。涼夏と話して自分がなんて酷いことを考えていたかって反省したし、情けなかったし。
それもこれも含めてその償いじゃないけど、自分が涼夏に対してできる事は登下校の安全を守ることと、慣れないテストの傾向と対策を練ることだと思って協力を申し出たんだ」
次から次へと出てくる燈哉の言い訳は本当に自分本位で情けないものだったけど、その裏にある僕に対する想いを見つけてしまうと頭ごなしに糾弾することができなくなってしまう。
そして、その気持ちが嬉しいとすら思ってしまう。
結局、1番自分本位なのは僕なのだろう。
「【番候補】を解消してどうするつもりなの?」
「変わらないよ。
羽琉が許してくれるなら側にいたいと言うか、羽琉が許してくれるように1からやり直したい」
「やり直す?」
「【番候補】なんて名前に甘えないで、もう一度羽琉の隣に立てるように努力するから」
「何、それ。
そもそもスタートが違うし」
「違っても【番候補】じゃなくなったって周知されたら…それこそ声だってかけられるようになるだろうし。俺なんかよりももっと羽琉に釣り合う相手から声かけられるようにもなるんじゃないか?」
「え、やだ」
「だから、守るから。
でも俺よりも良いと思える人がいたら…その時はちゃんと身を引くから」
その言葉で感じたのは燈哉の覚悟と、僕自身の淋しさ。何があっても側にいてくれると思っていた燈哉が彼、今居涼夏の元に行ってしまうのかと不安になった気持ちとは違う、もっと自分の中の何かをゴッソリと持っていかれるような消失感。
ここに来てやっと燈哉を失うという事を実感したのかもしれない。
「燈哉はそれでいいの?」
「どうだろうな…。
でも、羽琉がそれで幸せならおめでとうって言うよ」
僕がふたりの仲を認めるように「おめでとう」と言った時に驚き、焦った顔を見せた彼。その時の燈哉は焦りながらも傷付いた顔をしていた。
自分の行いのせいでこんな事になったのに傷付いた顔を見せるなんて狡いんじゃないかと思ったけれど、自分の想う相手に自分とは違う相手との幸せを祝福されるという事はこういう事なのだと実感する。
僕も今、焦り、傷付いた顔をしているのだろう。
「………許せるとか、許せないとか、今は言えない」
そう。
燈哉のことは嫌いにはなれないけれど、燈哉のしたことを【仕方ない】と言うことはできない。
確かに仕方のないことは有るし、話を聞いてしまえば納得のできる事もあるけれど、全てがそれで許せるわけでもない。ただ、燈哉だけを糾弾することはフェアではない事にも気付いてしまっただけ。
今回、彼が入学した事で起こったこの騒動で僕と燈哉の関係は永遠では無いと気付いてしまった。
幼稚舎からの10年を超える関係は、たった1日の出来事で亀裂が入り、たった3ヶ月で崩壊してしまうようなものだったのだとも知ってしまった。
それまで疑うことのなかった燈哉の気持ちが変わってしまったことに傷付き、どんな形でも良いから側にいて欲しいと願った僕は、その時が来れば元に戻る事ができると信じていた。
番ってしまえば今までのように過ごせると、今までのように過ごすしかないと思っていたけれど、燈哉との関係はもっと前から崩壊し始めていたのだろう。
彼の存在はキッカケを作っただけ。
彼の存在がなくても、いずれ崩壊していた関係。それは、僕の我儘が発端であり、燈哉の間違った献身もまた発端でありもした。
今で良かった。
もっと傷付け、もっと傷付けられてからならこんなふうに選択の余地もなかっただろう。
今で良かった。
番ってしまったあとで崩壊してしまっていたら、僕はきっと正気ではいられなかったから。
燈哉の事が大好きで、燈哉しか好きじゃなくて。燈哉が欲しくて、燈哉しか欲しくなくて。
だけど、こんな僕の想いが燈哉を縛り付け、燈哉を傷付け、燈哉を追い詰めたのだろう。
「でも僕も、燈哉と向き合いたいと思うし、燈哉と離れたくないと思ってる」
その気持ちは自分を守って貰いたいという打算も含まれてはいるのだろうし、いつも一緒にいた燈哉がいなくなることへの不安もあるのだろう。だけど、燈哉の話を聞き、彼の話を聞き、燈哉の身勝手さに呆れもしたけれど、僕への想いを疑うことはなかった。
きっと僕も燈哉も似た者同士なのだろう。自分の想いを通すためには人を犠牲にしてでも叶えてしまおうとするエゴの塊。僕は燈哉を犠牲にして縛り付けたけれど、燈哉は僕以外を犠牲にして僕を囲おうとした、そこが違っていただけ。
どちらも誉められたものではないけれど、どちらも必死だったんだ。
「【番候補】を解消する事、父には話しておくよ。
僕が燈哉にしてきた事もちゃんと話して、ちゃんと向き合いたいって伝えるから」
「許してくれるのか?」
「どうなんだろうね。
正直、そんな事もあるよねって笑って流す事はできないけど、それを理由に燈哉と離れるのは…嫌っていうか、不安の方が大きいし」
自分の打算も正直に伝える。
「それに、燈哉のことを諦めきれないのは僕も同じだから」
そう、好きとか嫌いとか、そんな単純な言葉では説明できない僕たちの関係は、諦めきれないというのが本音なのかもしれない。
「じゃあ、とりあえず隆臣呼んで【番候補】の話をしないとだね」
その言葉に燈哉は頷いただけだった。
燈哉の言葉に動揺し、その言葉を理解することを拒否してしまう。
その言葉は聞こえてはいるけれど、その意味は分からない。
「だから、【番候補】を解消して欲しいんだ」
さっきまでは彼の言葉に動揺したり、困惑したりと不安げな顔を見せたりもしていたくせに、今は意思を持った顔で、僕の目を見て【番候補】の解消を望む燈哉は、きっと本気で言っているのだろう。彼と話しながらも僕を気遣ってくれたのは【番候補】だったからで、候補から外れて自由になりたいという事なのだろうか。
だからこそ、夏休みに僕以外と過ごしたことをわざわざ口にして、僕の気持ちを自分から離れさせようとしたのだろうか。
「解消したら今居君と過ごすの?
やっぱり、今居君が好きなの?」
「違うって。
羽琉、ちゃんと最後まで話を聞いて」
僕がどう答えるのかなんて想定済みだったのか、僕の言葉に動揺することなく苦笑いを見せる。
それぞれ1人掛けのソファに座っているせいで微妙な距離があるけれど、僕を安心させるように肘掛けに乗せた僕の手をそっと包み込む。
「解消して欲しいのは、羽琉と向き合いたいから」
「向き合うって?」
「ほら、俺と羽琉の関係って、恋愛感情をちゃんと認識する前に決められたことだっただろう?
俺は羽琉を守るって、園庭で遊べない羽琉の事情を知った時にそう決めたけど、その気持ちに変わりはないけれど、フェアじゃないと思ったんだ」
そう言った燈哉は自分の気持ちを、自分の考えを語り出す。
「昔、伊織に言われたことがあるんだ。
自分たちは羽琉を疲れさせないように、羽琉か過ごしやすくなるように必要以上に接するなって言われてたのに、抜け駆けして羽琉と仲良くなるなんて狡いって。
その時は何でそんなことを言われるのか不思議で仕方なかったけど、成長するにつれて理解してくると、確かに狡かったのかと思うようになってきて。
だから必要以上に羽琉が俺から離れていくのが怖かったんだ。」
伊織が燈哉に対して当たりがキツいのはそんな理由があったのかと呆れるけれど、きっとそれは幼稚舎の頃から燻っていた想いがそうさせたのだろう。
僕のことを好きでいてくれて、僕のことを守ろうとしてくれて、だけど何もできない伊織の見ている前で親密さを増していく僕たち。
だからこそ、僕のそばにいるためにと政文と付き合うふりをすることを選んだ伊織。
そして、それに便乗して伊織の隣に立つことを画策した政文。
よくよく考えればみんな少しずつ自分のことだけを考え、自分の欲を満たそうとしていたのだろう。
人を気遣うふりをして、自分のことだけを考えるエゴだらけの僕たち。
「【番候補】だからとその関係に甘えて、その時に一緒に過ごすのは自分だと勝手に決めつけて。
だけど俺が休みの日には伊織や政文と一緒に過ごすって言われて…。絶対なんてないことに気付いて、それで涼夏を利用しようとした。
【番候補】なんだから、羽琉を守るためにならそれは許されると勘違いして、【番候補】なんだから羽琉を守るために犠牲は仕方ないって勝手に考えて。
もっと最低なことを言ってしまうと羽琉と番って、羽琉は家から出さないで、それで涼夏にパートナーができるまでは自分が庇護しようかとも考えた」
「それはちょっと、酷くない?」
「うん、今考えると酷いけど、俺は羽琉の【番候補】なんだから許されるって勝手に思ってた。
番になった羽琉を誰にも見せないために涼夏をパートナーとして伴えば、涼夏にだってパートナーが見つかるかもしれないなんて、本当に自分本位なことまで考えてたし」
「今居君が大人しく従うとは思えないけど…」
「確かにそうなんだけどな。
だから、はじめはそんな事も考えてただけだって話。涼夏と話して自分がなんて酷いことを考えていたかって反省したし、情けなかったし。
それもこれも含めてその償いじゃないけど、自分が涼夏に対してできる事は登下校の安全を守ることと、慣れないテストの傾向と対策を練ることだと思って協力を申し出たんだ」
次から次へと出てくる燈哉の言い訳は本当に自分本位で情けないものだったけど、その裏にある僕に対する想いを見つけてしまうと頭ごなしに糾弾することができなくなってしまう。
そして、その気持ちが嬉しいとすら思ってしまう。
結局、1番自分本位なのは僕なのだろう。
「【番候補】を解消してどうするつもりなの?」
「変わらないよ。
羽琉が許してくれるなら側にいたいと言うか、羽琉が許してくれるように1からやり直したい」
「やり直す?」
「【番候補】なんて名前に甘えないで、もう一度羽琉の隣に立てるように努力するから」
「何、それ。
そもそもスタートが違うし」
「違っても【番候補】じゃなくなったって周知されたら…それこそ声だってかけられるようになるだろうし。俺なんかよりももっと羽琉に釣り合う相手から声かけられるようにもなるんじゃないか?」
「え、やだ」
「だから、守るから。
でも俺よりも良いと思える人がいたら…その時はちゃんと身を引くから」
その言葉で感じたのは燈哉の覚悟と、僕自身の淋しさ。何があっても側にいてくれると思っていた燈哉が彼、今居涼夏の元に行ってしまうのかと不安になった気持ちとは違う、もっと自分の中の何かをゴッソリと持っていかれるような消失感。
ここに来てやっと燈哉を失うという事を実感したのかもしれない。
「燈哉はそれでいいの?」
「どうだろうな…。
でも、羽琉がそれで幸せならおめでとうって言うよ」
僕がふたりの仲を認めるように「おめでとう」と言った時に驚き、焦った顔を見せた彼。その時の燈哉は焦りながらも傷付いた顔をしていた。
自分の行いのせいでこんな事になったのに傷付いた顔を見せるなんて狡いんじゃないかと思ったけれど、自分の想う相手に自分とは違う相手との幸せを祝福されるという事はこういう事なのだと実感する。
僕も今、焦り、傷付いた顔をしているのだろう。
「………許せるとか、許せないとか、今は言えない」
そう。
燈哉のことは嫌いにはなれないけれど、燈哉のしたことを【仕方ない】と言うことはできない。
確かに仕方のないことは有るし、話を聞いてしまえば納得のできる事もあるけれど、全てがそれで許せるわけでもない。ただ、燈哉だけを糾弾することはフェアではない事にも気付いてしまっただけ。
今回、彼が入学した事で起こったこの騒動で僕と燈哉の関係は永遠では無いと気付いてしまった。
幼稚舎からの10年を超える関係は、たった1日の出来事で亀裂が入り、たった3ヶ月で崩壊してしまうようなものだったのだとも知ってしまった。
それまで疑うことのなかった燈哉の気持ちが変わってしまったことに傷付き、どんな形でも良いから側にいて欲しいと願った僕は、その時が来れば元に戻る事ができると信じていた。
番ってしまえば今までのように過ごせると、今までのように過ごすしかないと思っていたけれど、燈哉との関係はもっと前から崩壊し始めていたのだろう。
彼の存在はキッカケを作っただけ。
彼の存在がなくても、いずれ崩壊していた関係。それは、僕の我儘が発端であり、燈哉の間違った献身もまた発端でありもした。
今で良かった。
もっと傷付け、もっと傷付けられてからならこんなふうに選択の余地もなかっただろう。
今で良かった。
番ってしまったあとで崩壊してしまっていたら、僕はきっと正気ではいられなかったから。
燈哉の事が大好きで、燈哉しか好きじゃなくて。燈哉が欲しくて、燈哉しか欲しくなくて。
だけど、こんな僕の想いが燈哉を縛り付け、燈哉を傷付け、燈哉を追い詰めたのだろう。
「でも僕も、燈哉と向き合いたいと思うし、燈哉と離れたくないと思ってる」
その気持ちは自分を守って貰いたいという打算も含まれてはいるのだろうし、いつも一緒にいた燈哉がいなくなることへの不安もあるのだろう。だけど、燈哉の話を聞き、彼の話を聞き、燈哉の身勝手さに呆れもしたけれど、僕への想いを疑うことはなかった。
きっと僕も燈哉も似た者同士なのだろう。自分の想いを通すためには人を犠牲にしてでも叶えてしまおうとするエゴの塊。僕は燈哉を犠牲にして縛り付けたけれど、燈哉は僕以外を犠牲にして僕を囲おうとした、そこが違っていただけ。
どちらも誉められたものではないけれど、どちらも必死だったんだ。
「【番候補】を解消する事、父には話しておくよ。
僕が燈哉にしてきた事もちゃんと話して、ちゃんと向き合いたいって伝えるから」
「許してくれるのか?」
「どうなんだろうね。
正直、そんな事もあるよねって笑って流す事はできないけど、それを理由に燈哉と離れるのは…嫌っていうか、不安の方が大きいし」
自分の打算も正直に伝える。
「それに、燈哉のことを諦めきれないのは僕も同じだから」
そう、好きとか嫌いとか、そんな単純な言葉では説明できない僕たちの関係は、諦めきれないというのが本音なのかもしれない。
「じゃあ、とりあえず隆臣呼んで【番候補】の話をしないとだね」
その言葉に燈哉は頷いただけだった。
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