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羽琉 事実。
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『あ、見えた。
羽琉君、はじめまして』
テーブルに置かれたスマホに彼が見えたと同時に僕の顔も見えたのだろう。そう言って微笑んで見せた彼は僕からの言葉を期待しているのか、微笑んだまま何も言わないせいで「はじめまして」と答えるしかない。
何を聞けばいいのか、何を話せばいいのかが分からずカメラの位置を調整している燈哉を見れば『別に燈哉君見えなくていいから』なんて声が聞こえてくる。思っていた口調や思っていた対応と違い、どうしていいのか分からないまま燈哉の言葉を待つ。
『それで、どうしたの?
ちゃんと話できたの?』
「それなんだけど、涼夏の事情は涼夏の口から話した方がいいと思って」
『オレの事情って?』
「その、うちの学校に来ることになった理由とか、俺が近づいた時にそれに乗った理由とか、」
『あ、その話?
別に燈哉君から説明していいのに。
羽琉君に全部話すって言った時に何でも話していいって言ったよね?』
「言ったけど、俺が言っても信じてもらえないかもしれないし」
『オレが言ったからって信用してもらえるとも限らないけどね。
でもそっか、そうだよね。
えっと、先ずはじゃあ外部入学した理由からでいいかな』
そう言った彼は真っ直ぐに僕を見て話し出す。僕の顔を見ながらその事実を隠そうともせずに、赤裸々に、その事実を曝け出すように。
『オレね、自分がαだと思ってたんだ』
そんな言葉から始まった彼、涼夏の告白は僕が思っていたものと全く違い、僕をますます混乱させる。
両親共にαだったし、順調に成長していく自分もαだと信じていたこと。
通っていた学校はαもΩも少なく、そんな中で男性Ωと付き合っていたこと。
誰もが自分をαだと思い疑うことはなかったし、自分も自分はαではないかもしれないなんて疑ったことすらなかったこと。
だけど、正式な検査でΩだと判明したこと。
信じられなくて再検査もしたけれど、結果はΩのままだったこと…。
『信じられなかったよ、何で自分がΩなんだって。
守るべき存在だと思ってたのに自分が守られるべき存在だったなんて、なかなか受け入れる事ができなかったし』
そう言って目を伏せると『おまけに、付き合ってた子にはΩのくせにαのフリしてたって馬鹿にされて』と溜息を吐く。
「でもだって、それは、」
思わず口を開いたものの、言葉が続かない。物心ついた時からΩとして育てられていたのに突然自分がαだと言われたら混乱するだろう。ただ、【Ωだと思っていたらαだった】という事実より【αだと思っていたらΩだった】ことの方がより衝撃が大きいのだろうということは想像に難くないから。
『結局、進学予定だった高校は彼も一緒だし、他にも同級生がたくさんいるし。
オレは何も変わってないのにΩって確定したせいで周りが勝手に変わっていくんだよね。
それまでαだからって勝手に一目置いてたくせに、Ωだったって嗤うんだよ。
オレはオレのままなのに』
そう言いながら俯いた彼の言葉に今の自分の境遇を重ねてしまった。
今まで燈哉が側にいてくれるからと好き勝手していたのにその庇護が無くなってしまったら自分の立場が無くなるのだろうと気付いたあの時。
自分自身は変わらないのに燈哉の存在が無くなってしまえば心許なくなってしまう自分の立場は、『αだと思っていたのにΩだったせいで』と言った彼の待遇と似ていると思ってしまう。
『だから逃げたんだ』
そう言うと目を伏せたまま『そのせいで羽琉君にも迷惑かけちゃって、ごめんなさい』と頭を下げる。
今までの話でうちの高校を選んだ理由は理解できたけれど、謝られる理由がわからず困惑してしまう。高校を選ぶのは自由だし、たまたま選んだ学校が同じだっただけで、それならば謝る理由は僕に関係していて、僕に関係するのなら燈哉にも関係しているのだろう。
「ごめん、謝られる理由がわからない」
『あ、そうだよね。
ごめん、先走った』
僕の言い方は決して感じの良いものではなかったはずなのに、気分を害した様子もなく苦笑いを見せると『どこまで話したの?』と画面にほとんど映らない燈哉に確認する。
「涼夏の匂いを利用しようとしたことは伝えた」
『ん、分かった。
じゃあ、オレの立場から燈哉を利用しようとしたこと話せばいい?』
「ああ、頼む」
聞いていても理解できないやり取りで彼には彼の思惑があった事が伝わってくるけれど、その思惑が何だったかがこの話の焦点なのだろう。
『先ずは謝らせて欲しいんだけど、その時に羽琉君と燈哉君の関係を知らなくて、自分を守るために燈哉君を利用としたせいで羽琉君を傷つけちゃってごめんなさい。
あんなに人がいるところであんなことされるからパートナーがいるαだなんて思わなかったし、正直新しい環境で不安があったから強そうなαの庇護を受ければ過ごしやすいって打算もあったし』
そう言って自分の思惑を包み隠さずどころか、そこまで赤裸々に語られてもと思うようなことまで話し始める。
『正直、自分はαだと思ってたからΩの気持ちなんて分からないし、だけどヒートが始まってから明らかに身体が変わってくんだよ』
そう言うとヒートが起こったことで無意識下で身体を作り変えるのか、体力が落ち、線の細くなっていく身体を受け入れることができなかったと吐露する。
今までできていた事ができなくなるかもしれないという恐怖。
Ωとして身体が変わっていくのに外見がΩらしくないせいで嗤われてしまう自分。
『自分が何をしても大丈夫なのか、自分が何をしたら不味いのかすら分からないし。一応、定期的にいく病院で色々教えてもらったんだけど、知ってることと実行できることって違うし』
Ωとして生活してきた自分は彼の言葉を理解できる部分もあるけれど、理解できないことの方が多い。ただ、彼の言葉に嘘があるとは思えないため口を挟まず続きを促す。
燈哉はどんな話になるのか予測できるのか、訂正する事も否定する事もせず、黙って話を聞いているだけだった。
『燈哉君と羽琉君が入ってきた時に目立つ2人が来たとは思ったんだけど、それだけだったし。で、今まで行ってた学校とだいぶ様子が違うって不安になってた時に声かけられて、相手を確認する前に答えたらその相手が燈哉君だったって、ここまで信じてもらえる?』
急に問いかけられて「嘘ではないと思ってる」と咄嗟に答える。今まで聞いた話の中で彼の言葉にも燈哉の言葉にも疑うべきところはない。
『ありがとう。
その後のことは羽琉君自身わかってるから省くけど、羽琉君がいなくなってから入学式の後で時間を取って欲しいって言われたんだ。
その時には羽琉君のことはいつもお世話していた幼馴染って聞いてたし、僕のことを気遣ってくれるし。
何だか強そうなαだから近くにいれば嗤われることのないかもしれないって打算も働いたしね』
言いながら苦笑いを見せるけれど『でもね』と言葉を続ける。
教室に戻る時に声をかけてくれたΩがいたこと。
ただ、僕の家のことを口で伝える事が難しいと言われ連絡先を交換した事。
何かあるとは思ったけれど、約束をしたからと入学式の後で燈哉と会い、校内を案内してもらったこと。
そして、その時に起こった事。
『本当に焦ってたというか、追い詰められてたというか、今なら絶対しないんだけど意図が分からないから挑発したんだ』
「挑発?」
『既成事実を作って利用しようと』
「既成事実って、」
その言葉に思い浮かべたことはさっきの燈哉の告白で、やっぱりそうだったのかと諦めに似た気持ちになる。燈哉は相手はαだけだと言っていたけれど、その言葉は鵜呑みにできないと思ってしまう。
『うち、両親共にαだから匂いがとか全然知らなくて、だからこっちが主導権とって有利になればいいかと思ったのに上手くいかないし』
「ちょ、それ、誤解されるから」
慌てたように口を挟もうとした燈哉に『もうさあ、この際全部言っちゃいなって』とニヤリと笑う。
『オレは別に困らないし、羽琉君に隠し事したくないし。信じてもらいたいなら隠してちゃ駄目だよ。
燈哉君が夏休みに遊んでた話とか』
「それ、ちゃんと話したから」
『え、話したんだ。
じゃあ、あとは何話せばいい?
燈哉君のヘタレ具合とか?』
2人だけに通じる話が面白くなくて、2人だけの時間を見せつけられたようで面白くなくて、それが伝わってしまったのだろう。『ごめん羽琉君、調子に乗りすぎた』と焦った声が聞こえる。
『ごめん、とにかく話したかったから誤解を解こうと思って、聞いてくれるから何話してもいいと思って。
デリカシー、無さ過ぎたよね…』
それまで面白がっている感のあった声が曇り、画面越しにその顔を見れば少し困ったようで反省しているようにも見えてしまう。
「ごめん、俺も止めた方がいいかとも思ったけど、下手に止めて隠し事してると思われるのも嫌だったし。
もっとちゃんと何を話すが決めてからの方が良かったな」
その言葉で本当に何も口裏を合わせていないのだと信じることはできたけど、正直なところ彼の伝えたかった事が理解できず、話の終着点も全く見えない。
「でも、そうしたら僕は今居君のことを信じることはできないと思うよ?」
その言葉に顔を上げた彼は、僕の顔を見て真剣な顔でひとつの提案をしてくれた。
『じゃあさ、羽琉君が聞きたいことを質問するのはどう?
何も隠さないし、嘘も言わない。
正直に答えるから』
そう言って『もしも燈哉君が答えたことで、俺の知ってることと違う事があったらそれもちゃんと伝えるし』と真面目な顔で言われて仕舞えば断るという選択は無かった。
羽琉君、はじめまして』
テーブルに置かれたスマホに彼が見えたと同時に僕の顔も見えたのだろう。そう言って微笑んで見せた彼は僕からの言葉を期待しているのか、微笑んだまま何も言わないせいで「はじめまして」と答えるしかない。
何を聞けばいいのか、何を話せばいいのかが分からずカメラの位置を調整している燈哉を見れば『別に燈哉君見えなくていいから』なんて声が聞こえてくる。思っていた口調や思っていた対応と違い、どうしていいのか分からないまま燈哉の言葉を待つ。
『それで、どうしたの?
ちゃんと話できたの?』
「それなんだけど、涼夏の事情は涼夏の口から話した方がいいと思って」
『オレの事情って?』
「その、うちの学校に来ることになった理由とか、俺が近づいた時にそれに乗った理由とか、」
『あ、その話?
別に燈哉君から説明していいのに。
羽琉君に全部話すって言った時に何でも話していいって言ったよね?』
「言ったけど、俺が言っても信じてもらえないかもしれないし」
『オレが言ったからって信用してもらえるとも限らないけどね。
でもそっか、そうだよね。
えっと、先ずはじゃあ外部入学した理由からでいいかな』
そう言った彼は真っ直ぐに僕を見て話し出す。僕の顔を見ながらその事実を隠そうともせずに、赤裸々に、その事実を曝け出すように。
『オレね、自分がαだと思ってたんだ』
そんな言葉から始まった彼、涼夏の告白は僕が思っていたものと全く違い、僕をますます混乱させる。
両親共にαだったし、順調に成長していく自分もαだと信じていたこと。
通っていた学校はαもΩも少なく、そんな中で男性Ωと付き合っていたこと。
誰もが自分をαだと思い疑うことはなかったし、自分も自分はαではないかもしれないなんて疑ったことすらなかったこと。
だけど、正式な検査でΩだと判明したこと。
信じられなくて再検査もしたけれど、結果はΩのままだったこと…。
『信じられなかったよ、何で自分がΩなんだって。
守るべき存在だと思ってたのに自分が守られるべき存在だったなんて、なかなか受け入れる事ができなかったし』
そう言って目を伏せると『おまけに、付き合ってた子にはΩのくせにαのフリしてたって馬鹿にされて』と溜息を吐く。
「でもだって、それは、」
思わず口を開いたものの、言葉が続かない。物心ついた時からΩとして育てられていたのに突然自分がαだと言われたら混乱するだろう。ただ、【Ωだと思っていたらαだった】という事実より【αだと思っていたらΩだった】ことの方がより衝撃が大きいのだろうということは想像に難くないから。
『結局、進学予定だった高校は彼も一緒だし、他にも同級生がたくさんいるし。
オレは何も変わってないのにΩって確定したせいで周りが勝手に変わっていくんだよね。
それまでαだからって勝手に一目置いてたくせに、Ωだったって嗤うんだよ。
オレはオレのままなのに』
そう言いながら俯いた彼の言葉に今の自分の境遇を重ねてしまった。
今まで燈哉が側にいてくれるからと好き勝手していたのにその庇護が無くなってしまったら自分の立場が無くなるのだろうと気付いたあの時。
自分自身は変わらないのに燈哉の存在が無くなってしまえば心許なくなってしまう自分の立場は、『αだと思っていたのにΩだったせいで』と言った彼の待遇と似ていると思ってしまう。
『だから逃げたんだ』
そう言うと目を伏せたまま『そのせいで羽琉君にも迷惑かけちゃって、ごめんなさい』と頭を下げる。
今までの話でうちの高校を選んだ理由は理解できたけれど、謝られる理由がわからず困惑してしまう。高校を選ぶのは自由だし、たまたま選んだ学校が同じだっただけで、それならば謝る理由は僕に関係していて、僕に関係するのなら燈哉にも関係しているのだろう。
「ごめん、謝られる理由がわからない」
『あ、そうだよね。
ごめん、先走った』
僕の言い方は決して感じの良いものではなかったはずなのに、気分を害した様子もなく苦笑いを見せると『どこまで話したの?』と画面にほとんど映らない燈哉に確認する。
「涼夏の匂いを利用しようとしたことは伝えた」
『ん、分かった。
じゃあ、オレの立場から燈哉を利用しようとしたこと話せばいい?』
「ああ、頼む」
聞いていても理解できないやり取りで彼には彼の思惑があった事が伝わってくるけれど、その思惑が何だったかがこの話の焦点なのだろう。
『先ずは謝らせて欲しいんだけど、その時に羽琉君と燈哉君の関係を知らなくて、自分を守るために燈哉君を利用としたせいで羽琉君を傷つけちゃってごめんなさい。
あんなに人がいるところであんなことされるからパートナーがいるαだなんて思わなかったし、正直新しい環境で不安があったから強そうなαの庇護を受ければ過ごしやすいって打算もあったし』
そう言って自分の思惑を包み隠さずどころか、そこまで赤裸々に語られてもと思うようなことまで話し始める。
『正直、自分はαだと思ってたからΩの気持ちなんて分からないし、だけどヒートが始まってから明らかに身体が変わってくんだよ』
そう言うとヒートが起こったことで無意識下で身体を作り変えるのか、体力が落ち、線の細くなっていく身体を受け入れることができなかったと吐露する。
今までできていた事ができなくなるかもしれないという恐怖。
Ωとして身体が変わっていくのに外見がΩらしくないせいで嗤われてしまう自分。
『自分が何をしても大丈夫なのか、自分が何をしたら不味いのかすら分からないし。一応、定期的にいく病院で色々教えてもらったんだけど、知ってることと実行できることって違うし』
Ωとして生活してきた自分は彼の言葉を理解できる部分もあるけれど、理解できないことの方が多い。ただ、彼の言葉に嘘があるとは思えないため口を挟まず続きを促す。
燈哉はどんな話になるのか予測できるのか、訂正する事も否定する事もせず、黙って話を聞いているだけだった。
『燈哉君と羽琉君が入ってきた時に目立つ2人が来たとは思ったんだけど、それだけだったし。で、今まで行ってた学校とだいぶ様子が違うって不安になってた時に声かけられて、相手を確認する前に答えたらその相手が燈哉君だったって、ここまで信じてもらえる?』
急に問いかけられて「嘘ではないと思ってる」と咄嗟に答える。今まで聞いた話の中で彼の言葉にも燈哉の言葉にも疑うべきところはない。
『ありがとう。
その後のことは羽琉君自身わかってるから省くけど、羽琉君がいなくなってから入学式の後で時間を取って欲しいって言われたんだ。
その時には羽琉君のことはいつもお世話していた幼馴染って聞いてたし、僕のことを気遣ってくれるし。
何だか強そうなαだから近くにいれば嗤われることのないかもしれないって打算も働いたしね』
言いながら苦笑いを見せるけれど『でもね』と言葉を続ける。
教室に戻る時に声をかけてくれたΩがいたこと。
ただ、僕の家のことを口で伝える事が難しいと言われ連絡先を交換した事。
何かあるとは思ったけれど、約束をしたからと入学式の後で燈哉と会い、校内を案内してもらったこと。
そして、その時に起こった事。
『本当に焦ってたというか、追い詰められてたというか、今なら絶対しないんだけど意図が分からないから挑発したんだ』
「挑発?」
『既成事実を作って利用しようと』
「既成事実って、」
その言葉に思い浮かべたことはさっきの燈哉の告白で、やっぱりそうだったのかと諦めに似た気持ちになる。燈哉は相手はαだけだと言っていたけれど、その言葉は鵜呑みにできないと思ってしまう。
『うち、両親共にαだから匂いがとか全然知らなくて、だからこっちが主導権とって有利になればいいかと思ったのに上手くいかないし』
「ちょ、それ、誤解されるから」
慌てたように口を挟もうとした燈哉に『もうさあ、この際全部言っちゃいなって』とニヤリと笑う。
『オレは別に困らないし、羽琉君に隠し事したくないし。信じてもらいたいなら隠してちゃ駄目だよ。
燈哉君が夏休みに遊んでた話とか』
「それ、ちゃんと話したから」
『え、話したんだ。
じゃあ、あとは何話せばいい?
燈哉君のヘタレ具合とか?』
2人だけに通じる話が面白くなくて、2人だけの時間を見せつけられたようで面白くなくて、それが伝わってしまったのだろう。『ごめん羽琉君、調子に乗りすぎた』と焦った声が聞こえる。
『ごめん、とにかく話したかったから誤解を解こうと思って、聞いてくれるから何話してもいいと思って。
デリカシー、無さ過ぎたよね…』
それまで面白がっている感のあった声が曇り、画面越しにその顔を見れば少し困ったようで反省しているようにも見えてしまう。
「ごめん、俺も止めた方がいいかとも思ったけど、下手に止めて隠し事してると思われるのも嫌だったし。
もっとちゃんと何を話すが決めてからの方が良かったな」
その言葉で本当に何も口裏を合わせていないのだと信じることはできたけど、正直なところ彼の伝えたかった事が理解できず、話の終着点も全く見えない。
「でも、そうしたら僕は今居君のことを信じることはできないと思うよ?」
その言葉に顔を上げた彼は、僕の顔を見て真剣な顔でひとつの提案をしてくれた。
『じゃあさ、羽琉君が聞きたいことを質問するのはどう?
何も隠さないし、嘘も言わない。
正直に答えるから』
そう言って『もしも燈哉君が答えたことで、俺の知ってることと違う事があったらそれもちゃんと伝えるし』と真面目な顔で言われて仕舞えば断るという選択は無かった。
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