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【side:羽琉】試す気持ちと重なる想い。
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毎日は滞りなく過ぎていく。
燈哉が忙しい時に伊織や政文と昼の時間を過ごしていた時のように、燈哉が欠席する日にはふたりと過ごすことにもいつしか慣れてしまった。
ということはなく、自分が見えないところで自分以外のαと過ごしているということは、燈哉にとっては大きなストレスだったのかもしれない。
休んだ翌日には疲れた顔を見せる燈哉は前日の出来事を楽しそうに話す僕には笑顔を見せるけど、僕の話を聞きながらチラリと伊織に向ける視線には仄暗さを感じる。
僕が話す燈哉の知らない時間は嫉妬心を煽り、焦燥感を与えるのかもしれない。
生徒会の活動の間に燈哉が誰かに盗られるのではないかと心配する僕のように、伊織や政文に僕を盗られるのではないかと燈哉にも心配して欲しかった。
僕の見えないところで燈哉が誰と会って何を話しているのかを心配することに比べれば、目の前でその変化を見ることができるのだから僕が味わう焦燥感に比べれば可愛いものだと思っていたし、今でもそう思っている。
「はい、昨日のノート」
燈哉が休んだ翌日にノートのコピーを渡すのはいつものことで、僕が休んだ時に同じことをしてくれることが嬉しかったから。
「ありがとう。
でも、無理しなくて大丈夫だから」
笑顔で受け取った燈哉だったけど、毎回同じことを言われて毎回少しずつ傷付く。僕のノートは必要ないと言われているようで、僕のことも必要ないのかもしれないと考えが飛躍する。
中等部に入ってから塾に通うようになった燈哉に僕のノートの存在がそれほど大きくないことに本当は気付いていた。
燈哉にとって学校の授業は塾で学んだことの補足であり、復習でしかないことも。。
だけど僕のことを必要だと思って欲しかったんだ。
「昨日は何か変わったことあった?」
受け取ったコピーは開かれることないまま鞄に入れられる。燈哉にとってはコピーよりも僕の行動の方が気になるのだと嬉しくはなるけれど、僕の想いは燈哉にとって必要のないものなのだと悲観的になる。
「特別変わったことはないよ。
朝、車まで迎えに来てくれて、帰りに車まで送ってもらっただけ」
「それだけじゃないよな?」
「いつもと一緒だよ。
移動教室は伊織と行ったし、お昼は政文も来てくれた。あ、体育の時に寒かったら着ときなって伊織のジャージ借りた」
「え、伊織寒くなかったのか?」
軽い口調で言うけれど、冷たい視線で伊織のことをチラリと見る。
「伊織もジャージ着てたから政文の着てたんじゃないかな?
僕のジャージ、伊織の匂いしたし」
伊織に向けた冷たい視線が僕に対する執着に見えて、もっとそれを見たくてわざと言葉を選ぶ。どちらのジャージかなんてサイズで分かるけど、敢えて匂いと言ったのは僕が伊織のフェロモンに反応したのではないかと思わせたかったから。
僕の言葉で燈哉から僅かだけど威嚇を感じるけれど、僕にとってその僅かな威嚇は悦びでしかない。僕を想って放たれる威嚇は僕を高揚させる。
本当のところは伊織のものも、政文のものもフェロモンなんて感じたことはなかったし、興味もない。
僕自身、Ωとして成熟していないせいなのかもしれないけれど、ふたりから何か香るとすれば彼らの使うフレグランスの香りなのだろう。
「着たのか?」
「着てないよ?
だって、自分のジャージちゃんと持ってたし。でも膝掛けがわりにさせてもらった」
そんなふうに答えれば目に見えて燈哉の周りの空気が柔らかくなる。
「次からは俺のジャージ使って」
「でも勝手にロッカー開けるのはどうかと思うし」
「………でも、他の奴のジャージを借りて欲しくない」
困ったようにそう言った燈哉は僕と目を合わせられないのか、自分のロッカーを見ながら顔を赤くする。
「羽琉が開ける分には構わないし。
鍵、渡すから」
「そんなの悪いよ」
僕がそう答えるとあからさまに落胆したことが嬉しくて、漏れそうになる笑みを堪えておずおずと言ってみる。
「………本当に良いの?」
「良いに決まってる」
そう答えた燈哉は嬉しそうで、これに味を占めて僕は燈哉を試すような言動を繰り返すようになってしまう。
それは燈哉に嫉妬して欲しいがためだけの幼い言動。
転びそうになって、政文に抱き止めてもらったとか。
燈哉みたいにいつも僕の荷物を持ってくれるとか。
燈哉が僕を心配して食欲がない時には少しでも食べるように告げる説教じみた言葉が本当は嬉しいくせに、ふたりは無理して食べなくて良いと言ってくれるとか。
よくよく考えれば隣を歩く相手が転びそうになれば助けるのは普通のことだし、荷物を持つなんて燈哉が初等部の頃からしてくれていた行動だ。
食事だって、ただただ優しく接してくれる2人よりも、少しでも食べることができるようにと気遣ってくれる燈哉の方が僕のことを考えてくれているなんてことは分かりきったこと。
僕が信頼しているのは燈哉だし、周りから見ても僕に対する燈哉の気持ちを疑う要素は無いもないはずだ。
《そう言えば、新入生代表挨拶頼まれたんだ》
そう連絡があったのは入学式の1週間ほど前。普段からあまり連絡を取り合うことのない僕たちだから、メッセージを送ってきた理由は明白。
きっと僕を喜ばせたいのだろう。
〈凄いね〉
〈でも何で?〉
《実績と成績?
羽琉、今って電話できる?》
〈いいよ〉
そう答えるとすぐにかかってくる電話。出る前に嬉しさを過剰に出さないように深呼吸をする。
「もしもし」
『羽琉?』
僕以外に誰が出るのかと思ったけれど、そんなふうに名前を呼ばれることが嬉しい。
「電話なんて珍しいね、燈哉」
『休みの間、声聞けなかったから』
その言葉に思わず笑みが漏れる。
その声が聞こえてしまったのか、『調子良さそうだね』と燈哉も笑う。
「うん、春休みの間も調子良いよ」
『何してた?』
「入学準備とか、予習?」
『予習って、』
「燈哉には敵わないけど、燈哉の負担になりたくないし」
『負担だなんて思ったことないよ』
言い聞かせるような優しい声色が心地良い。
「ありがとう。
燈哉は何してた?」
『俺も一緒だよ。
入学準備とか春期講習。
あとは挨拶の文章を考えてる』
春期講習という言葉で校外での燈哉の人間関係を想像してしまうけれど、わざわざ口に出して自分の行動を示すのは後ろ暗いことがないからだと自分に言い聞かせる。
事あるごとに僕が邪魔してきたことになんてとっくに気付いているだろうから。
「文章、大変?」
『だね。
フォーマットはあるけどありきたりな文章じゃあ嗤われるだろうし』
「壇上に上がるんだよね」
『そうだな』
「新しい制服着た燈哉、格好良いだろうね」
その姿を想像すると自然と頬が緩む。
「でも燈哉がこんなふうに悩みながら文章考えてるとか、みんな知らないんだろうね。
燈哉だからできて当然って思われてるの、面白くない」
燈哉はαだから優秀だと言われるけれど、その陰にある努力を僕は知っている。ただ、それを知っているのは僕だけでいい。
だって、その努力は全て僕のためなのだから。
だから敢えて言ってみたんだ、燈哉を理解しているのは僕だけだと思うように。
『羽琉と一緒にいたいからそれで良いんだよ。
努力すれば自分も羽琉の隣に立てるかもなんて、想像されるだけでも嫌だし』
「僕だって、僕より自分の方が燈哉に相応しいって思われたくないから頑張るんだよ」
殊勝なふりをしてそう言えば電話の向こうで『俺に相応しいとかよく分からないけど、隣にいて欲しいのは羽琉だけだよ』と優しい声で宥められる。
『相応しくないのは俺の方だって言われないようにするから』
「僕だって、隣にいて欲しいのは燈哉だけだからね」
そんな会話をしたはずなのに。
新入生代表挨拶をする燈哉の姿が楽しみで、「伊織や政文も同じクラスだと良いね」と言ってヤキモキさせようとしていたことも忘れるほど、その姿を楽しみにしていたのに。
「羽琉、先に座って待ってて」
その一言が僕たちを、僕たちの未来を変えてしまうだなんて思ってもみなかったんだ。
燈哉が忙しい時に伊織や政文と昼の時間を過ごしていた時のように、燈哉が欠席する日にはふたりと過ごすことにもいつしか慣れてしまった。
ということはなく、自分が見えないところで自分以外のαと過ごしているということは、燈哉にとっては大きなストレスだったのかもしれない。
休んだ翌日には疲れた顔を見せる燈哉は前日の出来事を楽しそうに話す僕には笑顔を見せるけど、僕の話を聞きながらチラリと伊織に向ける視線には仄暗さを感じる。
僕が話す燈哉の知らない時間は嫉妬心を煽り、焦燥感を与えるのかもしれない。
生徒会の活動の間に燈哉が誰かに盗られるのではないかと心配する僕のように、伊織や政文に僕を盗られるのではないかと燈哉にも心配して欲しかった。
僕の見えないところで燈哉が誰と会って何を話しているのかを心配することに比べれば、目の前でその変化を見ることができるのだから僕が味わう焦燥感に比べれば可愛いものだと思っていたし、今でもそう思っている。
「はい、昨日のノート」
燈哉が休んだ翌日にノートのコピーを渡すのはいつものことで、僕が休んだ時に同じことをしてくれることが嬉しかったから。
「ありがとう。
でも、無理しなくて大丈夫だから」
笑顔で受け取った燈哉だったけど、毎回同じことを言われて毎回少しずつ傷付く。僕のノートは必要ないと言われているようで、僕のことも必要ないのかもしれないと考えが飛躍する。
中等部に入ってから塾に通うようになった燈哉に僕のノートの存在がそれほど大きくないことに本当は気付いていた。
燈哉にとって学校の授業は塾で学んだことの補足であり、復習でしかないことも。。
だけど僕のことを必要だと思って欲しかったんだ。
「昨日は何か変わったことあった?」
受け取ったコピーは開かれることないまま鞄に入れられる。燈哉にとってはコピーよりも僕の行動の方が気になるのだと嬉しくはなるけれど、僕の想いは燈哉にとって必要のないものなのだと悲観的になる。
「特別変わったことはないよ。
朝、車まで迎えに来てくれて、帰りに車まで送ってもらっただけ」
「それだけじゃないよな?」
「いつもと一緒だよ。
移動教室は伊織と行ったし、お昼は政文も来てくれた。あ、体育の時に寒かったら着ときなって伊織のジャージ借りた」
「え、伊織寒くなかったのか?」
軽い口調で言うけれど、冷たい視線で伊織のことをチラリと見る。
「伊織もジャージ着てたから政文の着てたんじゃないかな?
僕のジャージ、伊織の匂いしたし」
伊織に向けた冷たい視線が僕に対する執着に見えて、もっとそれを見たくてわざと言葉を選ぶ。どちらのジャージかなんてサイズで分かるけど、敢えて匂いと言ったのは僕が伊織のフェロモンに反応したのではないかと思わせたかったから。
僕の言葉で燈哉から僅かだけど威嚇を感じるけれど、僕にとってその僅かな威嚇は悦びでしかない。僕を想って放たれる威嚇は僕を高揚させる。
本当のところは伊織のものも、政文のものもフェロモンなんて感じたことはなかったし、興味もない。
僕自身、Ωとして成熟していないせいなのかもしれないけれど、ふたりから何か香るとすれば彼らの使うフレグランスの香りなのだろう。
「着たのか?」
「着てないよ?
だって、自分のジャージちゃんと持ってたし。でも膝掛けがわりにさせてもらった」
そんなふうに答えれば目に見えて燈哉の周りの空気が柔らかくなる。
「次からは俺のジャージ使って」
「でも勝手にロッカー開けるのはどうかと思うし」
「………でも、他の奴のジャージを借りて欲しくない」
困ったようにそう言った燈哉は僕と目を合わせられないのか、自分のロッカーを見ながら顔を赤くする。
「羽琉が開ける分には構わないし。
鍵、渡すから」
「そんなの悪いよ」
僕がそう答えるとあからさまに落胆したことが嬉しくて、漏れそうになる笑みを堪えておずおずと言ってみる。
「………本当に良いの?」
「良いに決まってる」
そう答えた燈哉は嬉しそうで、これに味を占めて僕は燈哉を試すような言動を繰り返すようになってしまう。
それは燈哉に嫉妬して欲しいがためだけの幼い言動。
転びそうになって、政文に抱き止めてもらったとか。
燈哉みたいにいつも僕の荷物を持ってくれるとか。
燈哉が僕を心配して食欲がない時には少しでも食べるように告げる説教じみた言葉が本当は嬉しいくせに、ふたりは無理して食べなくて良いと言ってくれるとか。
よくよく考えれば隣を歩く相手が転びそうになれば助けるのは普通のことだし、荷物を持つなんて燈哉が初等部の頃からしてくれていた行動だ。
食事だって、ただただ優しく接してくれる2人よりも、少しでも食べることができるようにと気遣ってくれる燈哉の方が僕のことを考えてくれているなんてことは分かりきったこと。
僕が信頼しているのは燈哉だし、周りから見ても僕に対する燈哉の気持ちを疑う要素は無いもないはずだ。
《そう言えば、新入生代表挨拶頼まれたんだ》
そう連絡があったのは入学式の1週間ほど前。普段からあまり連絡を取り合うことのない僕たちだから、メッセージを送ってきた理由は明白。
きっと僕を喜ばせたいのだろう。
〈凄いね〉
〈でも何で?〉
《実績と成績?
羽琉、今って電話できる?》
〈いいよ〉
そう答えるとすぐにかかってくる電話。出る前に嬉しさを過剰に出さないように深呼吸をする。
「もしもし」
『羽琉?』
僕以外に誰が出るのかと思ったけれど、そんなふうに名前を呼ばれることが嬉しい。
「電話なんて珍しいね、燈哉」
『休みの間、声聞けなかったから』
その言葉に思わず笑みが漏れる。
その声が聞こえてしまったのか、『調子良さそうだね』と燈哉も笑う。
「うん、春休みの間も調子良いよ」
『何してた?』
「入学準備とか、予習?」
『予習って、』
「燈哉には敵わないけど、燈哉の負担になりたくないし」
『負担だなんて思ったことないよ』
言い聞かせるような優しい声色が心地良い。
「ありがとう。
燈哉は何してた?」
『俺も一緒だよ。
入学準備とか春期講習。
あとは挨拶の文章を考えてる』
春期講習という言葉で校外での燈哉の人間関係を想像してしまうけれど、わざわざ口に出して自分の行動を示すのは後ろ暗いことがないからだと自分に言い聞かせる。
事あるごとに僕が邪魔してきたことになんてとっくに気付いているだろうから。
「文章、大変?」
『だね。
フォーマットはあるけどありきたりな文章じゃあ嗤われるだろうし』
「壇上に上がるんだよね」
『そうだな』
「新しい制服着た燈哉、格好良いだろうね」
その姿を想像すると自然と頬が緩む。
「でも燈哉がこんなふうに悩みながら文章考えてるとか、みんな知らないんだろうね。
燈哉だからできて当然って思われてるの、面白くない」
燈哉はαだから優秀だと言われるけれど、その陰にある努力を僕は知っている。ただ、それを知っているのは僕だけでいい。
だって、その努力は全て僕のためなのだから。
だから敢えて言ってみたんだ、燈哉を理解しているのは僕だけだと思うように。
『羽琉と一緒にいたいからそれで良いんだよ。
努力すれば自分も羽琉の隣に立てるかもなんて、想像されるだけでも嫌だし』
「僕だって、僕より自分の方が燈哉に相応しいって思われたくないから頑張るんだよ」
殊勝なふりをしてそう言えば電話の向こうで『俺に相応しいとかよく分からないけど、隣にいて欲しいのは羽琉だけだよ』と優しい声で宥められる。
『相応しくないのは俺の方だって言われないようにするから』
「僕だって、隣にいて欲しいのは燈哉だけだからね」
そんな会話をしたはずなのに。
新入生代表挨拶をする燈哉の姿が楽しみで、「伊織や政文も同じクラスだと良いね」と言ってヤキモキさせようとしていたことも忘れるほど、その姿を楽しみにしていたのに。
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