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【side:羽琉】交わらない想い。
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燈哉が彼と約束した日に体調を崩すことを何度か続けていくうちに、燈哉も何か思うところがあったのだろう。
「羽琉、今日は大丈夫?」
少し浮かれた様子の日にそう言う燈哉は少し困った顔を見せるけれど、僕を気遣っているのか自分の予定を気にしているだけなのかよく分からない。
そんなふうに聞いてしまったら予定があると言っているようなものなのにと思いながら「大丈夫」と答えるけれど、そろそろ彼と遊ぶことを諦めたらいいのにと内心面白くはない。
本当に体調を崩したのはそんな時。
燈哉から彼を離すにはどうしたらいいのかと考えているせいで食欲も落ち、夜も眠れないのは僕の性質で、それを隆臣に悟られたくなくて無理して食べてはトイレに駆け込む日々。
この頃はどこまで食べても大丈夫なのか、どれだけ食べれば隆臣が安心するかの見極めができていなかったんだ。
「羽琉、今日は大丈夫?」
そう聞いたのは燈哉。
今朝は機嫌が良かったから今日は彼と約束したのだろう。
「大丈夫」
いつも嘘を吐いているせいで調子が悪くなればなるほど本当のことが言えない。いつもは『燈哉君、気持ち悪い』と平気で嘘が言えるのに。
「羽琉、顔色悪いよ?」
燈哉が席を離したのを見て僕の席まで来て心配そうにそう言ったのは伊織だった。無理して平気なふりをしていたけれど、本当は無理をしていることに気付いてくれてのが燈哉じゃなくて伊織だったことに淋しさを感じるけれど、「大丈夫」と言うことができず「保健室、行く?」と聞かれて素直に頷くことしかできなかった。
燈哉ほど大きいわけじゃないけど僕よりは大きい伊織に手を引かれて歩くけれど、その手の温かさが気持ち悪い。
燈哉の手とは違う体温は僕の心を騒つかせる。
「伊織君、鞄欲しい」
「ん、あとで持ってくる。
お迎えって来てくれる?」
「来てくれると思う。
ありがとう」
必要なことを伝えながら保健室に行けば「あら、今日は相模君は?」と言った保健医に「今日は僕が付き添いです。あ、鞄取ってくるね」と言った伊織は得意そうにしていたけれど、正直僕にはどうでもよかった。
「今日はいつもより調子悪そうだね」
先生は僕が時々調子の悪いふりをしていることにも気付いているのだろう。ただ、今は身体の健康だけでなく心の健康も重要視するためその事で咎められることはない。
「少し熱があるかな?
お迎え呼ぶ?」
「お願いします」
緊急連絡先には隆臣の番号が書かれているし、両親が迎えに来れないことは届け出てあるため当たり前のように保健室まで迎えに来た隆臣は「無理し過ぎましたか?」と笑う。
「どうします?
歩けますか?」
ひと通り保健医と話した隆臣はしゃがみ込み僕に背を向けるけど、「歩く」と短く答える。おぶられてお腹を押されることに不安があるし、だからと言って抱っこされるのは恥ずかしい。
「鞄だけ持って」
そう言った僕に「持ってますよ」と伊織の届けてくれた鞄を見せた隆臣は「お世話かけました」と保健医に挨拶をして僕と手を繋いでくれた。
「手も少し熱いですね」
心配そうに言った隆臣は「朝は熱、無かったですよね。気付けなくてすいません」と僕の不調に気付けなかったことを悔やんでいるようだけど、これはきっと僕の心の問題だから朝いくら注意していたとしても結果は同じだっただろう。
「隆臣のせいじゃないよ」
だってこれは、燈哉のせいだから。
僕の変化に気付いていたのに自分の楽しみを優先した燈哉が悪いんだと心の中で燈哉を責める。
あの時、大丈夫かと聞いた時にもっとちゃんと僕のことを気にしてくれていたら僕の不調に気付いたはずなのに、自分の楽しみを優先するから僕の変化に気付くことができなかったんだ。
逆恨みだなんてちゃんと理解しているけれど、僕だけを見てくれない燈哉が悪いんだから仕方ない。
きっと僕の中で燈哉に対するストレスが溜まっていたのだろう。
「明日は念の為休みましょうね」
そう言った隆臣は欠席する旨を燈哉の家に連絡してくれたけど、燈哉からの連絡も言付けも何も無かった。
あの後、教室に戻った燈哉は僕がいないことに対して何も思わなかったのだろうか、どうして燈哉が鞄を持ってきてくれなかったのだろうか。
高い熱は出なかったけど、ベッドに入り横になると燈哉のことを思い出して居た堪れない気持ちになる。
燈哉の1番は僕だと思っていたけど、燈哉の1番はもう僕じゃないのかもしれない。
僕の1番は燈哉なのに、僕が選んだのは燈哉なのに…。
体調を崩したのが木曜日だったせいで、そのまま週末になってしまい燈哉に会えたのは月曜日で、いつものように駐車場に迎えにきてくれた姿を見つけて安堵する。
大丈夫、まだ僕が1番なのかもしれない。
「羽琉、今日は大丈夫?」
浮かれた様子はないけれどそんなふうに言ったのは本気で僕を心配してくれたからだと思いたかったけど、この週末も彼と一緒にいたのかもしれないと思うと気持ちが沈む。
「大丈夫だよ」
小さくそう答えるけれど、「ちゃんと言わないと駄目だよ」と咎められる。僕の言葉を疑っているのだろう。
もしかしたら僕の不調に気づかなかったことで親から何か注意を受けたのかもしれない。
調子が悪くなくても調子が悪いと言ったのも、調子が悪いのに大丈夫と言ったのも僕だから燈哉が悪いわけじゃないと思いながらもその言葉を素直に受け止めるとができない。
「調子の悪い時はちゃんと言ってるよ」
嘘に嘘を重ねて身動きが取れなくなっていく。そして、燈哉を盗られたくなくてまた嘘を吐く。
僕はこんなにも燈哉のことを気にしてるのに、燈哉が僕の変化に気付いてくれないことが許せなくて燈哉のことも、僕自身も雁字搦めにしていく。
「羽琉、俺以外ともっと仲良くしたら?」
燈哉と彼が約束をしたであろう日にいつものように調子が悪いと言って2人の邪魔をした翌日にそう言ったのは、僕を心配した言葉ではあったのだろうけど、僕には自由が欲しいと言っているように思えてしまう。
「………じゃあ、これから伊織君と仲良くする。伊織君だったらきっと一緒にいてくれるし」
伊織の名前を出したのは燈哉が嫌がることを知っていたから。僕が嫌がっても彼と約束することをやめないのだから、僕が燈哉の嫌がることをしたって悪くないはずだ。
「なんで伊織なの?
他にもいるよね、忍君とか、浬君とか」
そう言って名前を出したのは僕と同じΩだろうと言われている子たちで、その言葉で僕に対してαの執着がなくなったわけではないと安心する。自分のΩに自分以外のαが近づくのは許せないのだろう。
「だって、忍君も浬君もいつも一緒だから邪魔したくないし。
伊織君ならいつも僕のこと気にしてくれるから仲良くするなら伊織君がいい」
「でも、伊織はαだよ?」
「αだと駄目でΩなら良いの?
燈哉君が一緒にいてくれないならαの伊織君といたほうが安心だし」
「でも…」
自分の両親を見ているせいで、αとΩの関係性は少しずつ理解しているつもりだった。そして、幼稚舎の頃から燈哉のことを独占したいと思っている自分の性質も。
僕が伊織の名前を出せば嫌な顔をすると知っていてわざとその名前を出すのは燈哉の僕に対する執着を確認したいから。まだ僕を想ってくれていると信じたいから。
「別に一緒にいないなんて言ってないよ」
「だって、友達作ったほうがいいって」
「ごめん、忘れて」
そう言って終わった話だったけど、その日から僕は同級生との交流を増やすようになった。
隣の席の子に話しかけたり、話しかけられたら応えたり。
それは僕にとってはストレスだったけど、燈哉以外と仲良くしろと言われたのだから仕方ない。
自分が言い出したことなのに自分の背中に隠れなくなったことで不機嫌になる燈哉と、無理をしてストレスを溜めていく僕。
校内で燈哉とふたりで過ごすことに変わりはなかったけど、ふたりでいても話しかけられることが増えた。
燈哉以外とふたりで過ごすことはないけれど、燈哉がいても伊織が話しかけてくることも増えた。
彼との約束は気になったけど、わざと邪魔をしなくても本当に体調を崩すことが増え、気付いた時には彼は別の友人と連れ立って歩くようになっていた。
結局、燈哉の口から彼とどんな友人関係だったのかを聞かされることはなかったけれど、僕を見てくれるならそれでいい。
燈哉には燈哉の友人関係があることは理解していたけれど、僕に隠れて遊ぶような相手が必要だとは思えない。それを許してしまえばこの先も、秘密にしておけば何をしてもいいことになってしまうのだから。
だからきっと、僕は間違ってない。
後ろめたさを隠すためにそうやって自分に言い聞かせたけれど、僕たちはいつからか想いを交わす事を諦めていたのかもしれない。
「羽琉、今日は大丈夫?」
少し浮かれた様子の日にそう言う燈哉は少し困った顔を見せるけれど、僕を気遣っているのか自分の予定を気にしているだけなのかよく分からない。
そんなふうに聞いてしまったら予定があると言っているようなものなのにと思いながら「大丈夫」と答えるけれど、そろそろ彼と遊ぶことを諦めたらいいのにと内心面白くはない。
本当に体調を崩したのはそんな時。
燈哉から彼を離すにはどうしたらいいのかと考えているせいで食欲も落ち、夜も眠れないのは僕の性質で、それを隆臣に悟られたくなくて無理して食べてはトイレに駆け込む日々。
この頃はどこまで食べても大丈夫なのか、どれだけ食べれば隆臣が安心するかの見極めができていなかったんだ。
「羽琉、今日は大丈夫?」
そう聞いたのは燈哉。
今朝は機嫌が良かったから今日は彼と約束したのだろう。
「大丈夫」
いつも嘘を吐いているせいで調子が悪くなればなるほど本当のことが言えない。いつもは『燈哉君、気持ち悪い』と平気で嘘が言えるのに。
「羽琉、顔色悪いよ?」
燈哉が席を離したのを見て僕の席まで来て心配そうにそう言ったのは伊織だった。無理して平気なふりをしていたけれど、本当は無理をしていることに気付いてくれてのが燈哉じゃなくて伊織だったことに淋しさを感じるけれど、「大丈夫」と言うことができず「保健室、行く?」と聞かれて素直に頷くことしかできなかった。
燈哉ほど大きいわけじゃないけど僕よりは大きい伊織に手を引かれて歩くけれど、その手の温かさが気持ち悪い。
燈哉の手とは違う体温は僕の心を騒つかせる。
「伊織君、鞄欲しい」
「ん、あとで持ってくる。
お迎えって来てくれる?」
「来てくれると思う。
ありがとう」
必要なことを伝えながら保健室に行けば「あら、今日は相模君は?」と言った保健医に「今日は僕が付き添いです。あ、鞄取ってくるね」と言った伊織は得意そうにしていたけれど、正直僕にはどうでもよかった。
「今日はいつもより調子悪そうだね」
先生は僕が時々調子の悪いふりをしていることにも気付いているのだろう。ただ、今は身体の健康だけでなく心の健康も重要視するためその事で咎められることはない。
「少し熱があるかな?
お迎え呼ぶ?」
「お願いします」
緊急連絡先には隆臣の番号が書かれているし、両親が迎えに来れないことは届け出てあるため当たり前のように保健室まで迎えに来た隆臣は「無理し過ぎましたか?」と笑う。
「どうします?
歩けますか?」
ひと通り保健医と話した隆臣はしゃがみ込み僕に背を向けるけど、「歩く」と短く答える。おぶられてお腹を押されることに不安があるし、だからと言って抱っこされるのは恥ずかしい。
「鞄だけ持って」
そう言った僕に「持ってますよ」と伊織の届けてくれた鞄を見せた隆臣は「お世話かけました」と保健医に挨拶をして僕と手を繋いでくれた。
「手も少し熱いですね」
心配そうに言った隆臣は「朝は熱、無かったですよね。気付けなくてすいません」と僕の不調に気付けなかったことを悔やんでいるようだけど、これはきっと僕の心の問題だから朝いくら注意していたとしても結果は同じだっただろう。
「隆臣のせいじゃないよ」
だってこれは、燈哉のせいだから。
僕の変化に気付いていたのに自分の楽しみを優先した燈哉が悪いんだと心の中で燈哉を責める。
あの時、大丈夫かと聞いた時にもっとちゃんと僕のことを気にしてくれていたら僕の不調に気付いたはずなのに、自分の楽しみを優先するから僕の変化に気付くことができなかったんだ。
逆恨みだなんてちゃんと理解しているけれど、僕だけを見てくれない燈哉が悪いんだから仕方ない。
きっと僕の中で燈哉に対するストレスが溜まっていたのだろう。
「明日は念の為休みましょうね」
そう言った隆臣は欠席する旨を燈哉の家に連絡してくれたけど、燈哉からの連絡も言付けも何も無かった。
あの後、教室に戻った燈哉は僕がいないことに対して何も思わなかったのだろうか、どうして燈哉が鞄を持ってきてくれなかったのだろうか。
高い熱は出なかったけど、ベッドに入り横になると燈哉のことを思い出して居た堪れない気持ちになる。
燈哉の1番は僕だと思っていたけど、燈哉の1番はもう僕じゃないのかもしれない。
僕の1番は燈哉なのに、僕が選んだのは燈哉なのに…。
体調を崩したのが木曜日だったせいで、そのまま週末になってしまい燈哉に会えたのは月曜日で、いつものように駐車場に迎えにきてくれた姿を見つけて安堵する。
大丈夫、まだ僕が1番なのかもしれない。
「羽琉、今日は大丈夫?」
浮かれた様子はないけれどそんなふうに言ったのは本気で僕を心配してくれたからだと思いたかったけど、この週末も彼と一緒にいたのかもしれないと思うと気持ちが沈む。
「大丈夫だよ」
小さくそう答えるけれど、「ちゃんと言わないと駄目だよ」と咎められる。僕の言葉を疑っているのだろう。
もしかしたら僕の不調に気づかなかったことで親から何か注意を受けたのかもしれない。
調子が悪くなくても調子が悪いと言ったのも、調子が悪いのに大丈夫と言ったのも僕だから燈哉が悪いわけじゃないと思いながらもその言葉を素直に受け止めるとができない。
「調子の悪い時はちゃんと言ってるよ」
嘘に嘘を重ねて身動きが取れなくなっていく。そして、燈哉を盗られたくなくてまた嘘を吐く。
僕はこんなにも燈哉のことを気にしてるのに、燈哉が僕の変化に気付いてくれないことが許せなくて燈哉のことも、僕自身も雁字搦めにしていく。
「羽琉、俺以外ともっと仲良くしたら?」
燈哉と彼が約束をしたであろう日にいつものように調子が悪いと言って2人の邪魔をした翌日にそう言ったのは、僕を心配した言葉ではあったのだろうけど、僕には自由が欲しいと言っているように思えてしまう。
「………じゃあ、これから伊織君と仲良くする。伊織君だったらきっと一緒にいてくれるし」
伊織の名前を出したのは燈哉が嫌がることを知っていたから。僕が嫌がっても彼と約束することをやめないのだから、僕が燈哉の嫌がることをしたって悪くないはずだ。
「なんで伊織なの?
他にもいるよね、忍君とか、浬君とか」
そう言って名前を出したのは僕と同じΩだろうと言われている子たちで、その言葉で僕に対してαの執着がなくなったわけではないと安心する。自分のΩに自分以外のαが近づくのは許せないのだろう。
「だって、忍君も浬君もいつも一緒だから邪魔したくないし。
伊織君ならいつも僕のこと気にしてくれるから仲良くするなら伊織君がいい」
「でも、伊織はαだよ?」
「αだと駄目でΩなら良いの?
燈哉君が一緒にいてくれないならαの伊織君といたほうが安心だし」
「でも…」
自分の両親を見ているせいで、αとΩの関係性は少しずつ理解しているつもりだった。そして、幼稚舎の頃から燈哉のことを独占したいと思っている自分の性質も。
僕が伊織の名前を出せば嫌な顔をすると知っていてわざとその名前を出すのは燈哉の僕に対する執着を確認したいから。まだ僕を想ってくれていると信じたいから。
「別に一緒にいないなんて言ってないよ」
「だって、友達作ったほうがいいって」
「ごめん、忘れて」
そう言って終わった話だったけど、その日から僕は同級生との交流を増やすようになった。
隣の席の子に話しかけたり、話しかけられたら応えたり。
それは僕にとってはストレスだったけど、燈哉以外と仲良くしろと言われたのだから仕方ない。
自分が言い出したことなのに自分の背中に隠れなくなったことで不機嫌になる燈哉と、無理をしてストレスを溜めていく僕。
校内で燈哉とふたりで過ごすことに変わりはなかったけど、ふたりでいても話しかけられることが増えた。
燈哉以外とふたりで過ごすことはないけれど、燈哉がいても伊織が話しかけてくることも増えた。
彼との約束は気になったけど、わざと邪魔をしなくても本当に体調を崩すことが増え、気付いた時には彼は別の友人と連れ立って歩くようになっていた。
結局、燈哉の口から彼とどんな友人関係だったのかを聞かされることはなかったけれど、僕を見てくれるならそれでいい。
燈哉には燈哉の友人関係があることは理解していたけれど、僕に隠れて遊ぶような相手が必要だとは思えない。それを許してしまえばこの先も、秘密にしておけば何をしてもいいことになってしまうのだから。
だからきっと、僕は間違ってない。
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