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【side:政文】夏休みの予定と本音と建前。
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翌日は隆臣から連絡が入ることもなく、いつも通りの1日が始まる。
羽琉のことを気にし過ぎると面倒になりそうだと自分のクラスで過ごしだ俺に「羽琉、休みだったよ」と告げられたのは、昼休みを学食で過ごしている時だった。
「燈哉、何か言ってたか?」
「何も言ってないし、そもそも話もしてない」
「羽琉からは?」
「メッセージ送ったけど既読付かない」
「体調、悪そうだったしな」
結局、新しい情報は何も無いようだ。
「帰り、うち来る?」
そう言ったのは伊織が羽琉の事しか考えていないことが面白くなかったから。ふたりで過ごせば少しくらい俺を見てくれるかもしれない、そんな淡い期待を抱いたのは独占欲と執着。
そして、夏休みに入ってしまえばしばらく会えなくなってしまう、それを避けたくて何でもいいから約束を取り付けたいという下心。
「夏休み、伊織は何か予定あるの?」
何度も来るうちにソファを定位置と決めた伊織は、今日もそこに収まっている。ソファといってもふたりがけの小さなものだから伊織がそこに座るときは自分はデスクの椅子を運び、そこに座る。
隣に座ってしまえば伊織に触れたくなってしまうため苦肉の策だ。
「夏休みの予定よりも羽琉の予定。
昨日、燈哉が言った予定って何だったのかな?」
スマホを触り、不機嫌さを継続させながら本当は理解しているはずのことを繰り返す。伊織だって、羽琉の言った予定が架空のものだと気付いてはいるはずだ。
「そんなの、羽琉の意地なんじゃないのか?今居のせいで体調崩したって思われたくないから予定ができたって言っただけだろ?」
帰りに寄ったコンビニで買ったお茶を飲みながら会話を進めるものの、そう言った俺に向ける視線は何か言いたげだ。俺が頑なに羽琉の意思を尊重すると言い続けることが気に入らないのだろう。
「羽琉が小さい子なら手を差し伸べる必要があるけど、羽琉だって高校生だぞ」
そう咎めても治らないのはそれならば自分が、と羽琉を守ろうとした時に制止する俺に対する不満の現れなのかもしれない。
「じゃあ、今日も体調不良なのかな」
「そうなんじゃないか?
最近、一段と調子悪そうだったし」
「燈哉はあんなに羽琉見てても何とも思わなかったのかな」
「近過ぎて気付いてないのかもな…」
近過ぎて気付いていないというよりも、気付いていても止めることができないというのが本音だろう。
今居に惹かれていても燈哉の羽琉に対する執着が無くなることはない。燈哉にしてみれば羽琉はもう自分のものなのだから、執拗なマーキングのせいでΩとしての本能を開花させつつある番候補を手放すことなんてできないのだろう。
「政文は羽琉とどうなりたいの?」
「どうって?」
「僕は…羽琉が燈哉を諦めたら羽琉のことを守りたいと思ってる」
「知ってるよ。
羽琉が伊織を選ぶならそれでいいと思うし」
「政文は?」
本質をついた質問に少しだけ考え込み、自分の意思を告げる。
「………多分、伊織の好きと、俺の守りたい気持ちは違うんじゃないかな。
俺は羽琉を守りたいと思うけど、羽琉が俺以外の誰かに守られるならそれでいいとも思う。羽琉が俺を選んだ時には守るけど、積極的に手を出そうとは思わない」
「でも、政文だって羽琉のこと好きなんだよね?」
「好きか嫌いかで言えばもちろん好きだな。ただ、伊織と同じ好きかと言われると違うのかも」
「それって、」
このまま話を続ければ言わなくていいことまで言ってしまう、そう思い伊織を納得させられるような言葉を探していた時にタイミングよく入ったメッセージの通知。自分から気が逸れたことに少しホッとするものの、俺との会話よりもスマホを優先した伊織に苛立ちを感じる。
「羽琉、もう夏休みだって」
「何の話?」
伊織の言葉の意味を理解できず聞き返せば「羽琉、入院したって」と言いながら画面を見せられる。
《今日から入院することになりました》
《このまま夏休みです》
スマホの画面を見せながら〈心配してた〉と伊織がメッセージを送る。
〈大丈夫?〉
〈政文も心配してる〉
〈って言うか、隣で見てる〉
《心配させてゴメン》
送るそばから付いた既読の文字と、羽琉からの謝罪。責めるわけではないけれど、無意識に追い詰めるようなメッセージを止めるためにスマホを奪い、宥めるための言葉を送る。
〈謝らないでいい〉
〈あ、これ政文ね〉
スマホを返すとそんなメッセージを送る伊織はどこか抜けていると思うけれど、羽琉に対して誠実であろうとしているように見えた。
「これって、電話できるのかな?」
「聞いてみれば?」
そう言ったけれど、何と送ろうか悩み始めた伊織をもどかしく思いストレートに聞いてみる。
〈羽琉、電話は無理?〉
《個室だから大丈夫》
それを見て即座に電話をに切り替える。文字を追うのも、文字を待つのも面倒だ。
『もしもし』
スピーカーモードにしたせいで聞こえてくる声。「「羽琉」」と声が重なったのは偶然。
なるべく穏やかに聞こえるように呼んだ名前と、その存在を確かめるように縋るように呼んだ名前。それぞれの執着が現れた声色。
何が面白かったのか、羽琉の笑い声が聞こえたせいで先程まで不機嫌な顔をしていたくせに、伊織の纏う空気が柔らかいものに変わる。
「何かおかしかった?」
柔らかい声に安心したのか、羽琉の声も柔らかい。こんなにも穏やかな会話は久しぶりだ。
『ちゃんと話すの、久しぶりだから嬉しい。
ごめんなさい。
ふたりが僕のこと気にしてくれてるの知ってて燈哉を選んで…』
「選んだんじゃ無くて選ばされたんだろ?」
言い淀んだ伊織に変わり、言葉を続ける。羽琉が自分で決めるべきだと言いながらも燈哉に選ばされていたのは明白だから。だからこそ伊織も何とかしたいと思っていたのだろう。
だけど、選ばされたとしていてもそこに羽琉の意志が介入しているのだからそれならそれでいいと思っていた。
だから、今、俺が口にしている言葉は羽琉を促すための言葉。
選ばされたのだとしても、それを、燈哉を選んだのは羽琉なのだから、最終的な決定権は燈哉ではなくて羽琉にあるのだと伝えるために。
「燈哉のマーキング、あれ何?
羽琉、入院するのあれのせいなのか?」
言いにくいことであっても促されれば言葉にしやすいことだってある。だから助けるために言った言葉。羽琉自身、自分の身体の変化に気付いていれば何か思うところもあるだろう。
それなのに返ってきた言葉は俺を脱力させるものだった。
『………入院するのは栄養失調』
この言葉は本当のことだとは限らない。俺たちを心配させないようにとわざと言っているのかもしれない。
そんな風に思うけれど、恥ずかしそうに、それでいて可笑しそうに言った声の明るさに本当の理由を聞く必要はないのかと思い直す。
「「羽琉の馬鹿」」
苦笑いと共に出た言葉がまたしても重なる。
「お見舞いって無理なんだよね?」
Ωの羽琉は専用のクリニックに通っていると言っていたからαである俺たちが来院することは不可能だろう。だけど確認するために伊織が言った言葉。
『そうだね、家族ならαでも入れるけどそうじゃないと番かパートナーしか入れないから』
「だよね。
隆臣さんは入れるの?」
『隆臣はβだし、家族扱いだから大丈夫』
「分かった」
「いつまで入院?」
『とりあえず夏休みに入ってもしばらくは病院みたい。
退院したら…もしかしたら学校変わるかもしれない』
穏やかに続いた会話の後で羽琉が爆弾を落とす。
動揺した伊織が立ち上がった拍子にテーブルに置いてあったペットボトルを倒してしまったため「伊織、落ち着け」と言ってはみたけれど、それが無理なことも理解している。
「え、何それ。
聞いてないんだけど?」
『………燈哉のこと、見たくないから。
でも、伊織と政文と離れるのは淋しいな』
責めるような声を出す伊織と、その声に言い訳をする羽琉。
「わかった、じゃあ退院したら遊びに行くよ」
突然の伊織の言葉に『え?』と羽琉が声を上げる。
「そんな驚くことか?」
羽琉が驚くのも理解できるし突然の伊織の提案に呆れるけれど、ここで否定することもできず伊織に乗ることにする。
今まで校外で会ったこともないのにそんなことが可能かとも思ったけれど、夏休みに伊織と過ごすことができるのなら悪い話じゃない。
『遊ぶって言われても、僕の家は人呼べないし』
困ったような声で答えた羽琉だったけど、その言葉に拒否するような響きは無かった。
羽琉のことを気にし過ぎると面倒になりそうだと自分のクラスで過ごしだ俺に「羽琉、休みだったよ」と告げられたのは、昼休みを学食で過ごしている時だった。
「燈哉、何か言ってたか?」
「何も言ってないし、そもそも話もしてない」
「羽琉からは?」
「メッセージ送ったけど既読付かない」
「体調、悪そうだったしな」
結局、新しい情報は何も無いようだ。
「帰り、うち来る?」
そう言ったのは伊織が羽琉の事しか考えていないことが面白くなかったから。ふたりで過ごせば少しくらい俺を見てくれるかもしれない、そんな淡い期待を抱いたのは独占欲と執着。
そして、夏休みに入ってしまえばしばらく会えなくなってしまう、それを避けたくて何でもいいから約束を取り付けたいという下心。
「夏休み、伊織は何か予定あるの?」
何度も来るうちにソファを定位置と決めた伊織は、今日もそこに収まっている。ソファといってもふたりがけの小さなものだから伊織がそこに座るときは自分はデスクの椅子を運び、そこに座る。
隣に座ってしまえば伊織に触れたくなってしまうため苦肉の策だ。
「夏休みの予定よりも羽琉の予定。
昨日、燈哉が言った予定って何だったのかな?」
スマホを触り、不機嫌さを継続させながら本当は理解しているはずのことを繰り返す。伊織だって、羽琉の言った予定が架空のものだと気付いてはいるはずだ。
「そんなの、羽琉の意地なんじゃないのか?今居のせいで体調崩したって思われたくないから予定ができたって言っただけだろ?」
帰りに寄ったコンビニで買ったお茶を飲みながら会話を進めるものの、そう言った俺に向ける視線は何か言いたげだ。俺が頑なに羽琉の意思を尊重すると言い続けることが気に入らないのだろう。
「羽琉が小さい子なら手を差し伸べる必要があるけど、羽琉だって高校生だぞ」
そう咎めても治らないのはそれならば自分が、と羽琉を守ろうとした時に制止する俺に対する不満の現れなのかもしれない。
「じゃあ、今日も体調不良なのかな」
「そうなんじゃないか?
最近、一段と調子悪そうだったし」
「燈哉はあんなに羽琉見てても何とも思わなかったのかな」
「近過ぎて気付いてないのかもな…」
近過ぎて気付いていないというよりも、気付いていても止めることができないというのが本音だろう。
今居に惹かれていても燈哉の羽琉に対する執着が無くなることはない。燈哉にしてみれば羽琉はもう自分のものなのだから、執拗なマーキングのせいでΩとしての本能を開花させつつある番候補を手放すことなんてできないのだろう。
「政文は羽琉とどうなりたいの?」
「どうって?」
「僕は…羽琉が燈哉を諦めたら羽琉のことを守りたいと思ってる」
「知ってるよ。
羽琉が伊織を選ぶならそれでいいと思うし」
「政文は?」
本質をついた質問に少しだけ考え込み、自分の意思を告げる。
「………多分、伊織の好きと、俺の守りたい気持ちは違うんじゃないかな。
俺は羽琉を守りたいと思うけど、羽琉が俺以外の誰かに守られるならそれでいいとも思う。羽琉が俺を選んだ時には守るけど、積極的に手を出そうとは思わない」
「でも、政文だって羽琉のこと好きなんだよね?」
「好きか嫌いかで言えばもちろん好きだな。ただ、伊織と同じ好きかと言われると違うのかも」
「それって、」
このまま話を続ければ言わなくていいことまで言ってしまう、そう思い伊織を納得させられるような言葉を探していた時にタイミングよく入ったメッセージの通知。自分から気が逸れたことに少しホッとするものの、俺との会話よりもスマホを優先した伊織に苛立ちを感じる。
「羽琉、もう夏休みだって」
「何の話?」
伊織の言葉の意味を理解できず聞き返せば「羽琉、入院したって」と言いながら画面を見せられる。
《今日から入院することになりました》
《このまま夏休みです》
スマホの画面を見せながら〈心配してた〉と伊織がメッセージを送る。
〈大丈夫?〉
〈政文も心配してる〉
〈って言うか、隣で見てる〉
《心配させてゴメン》
送るそばから付いた既読の文字と、羽琉からの謝罪。責めるわけではないけれど、無意識に追い詰めるようなメッセージを止めるためにスマホを奪い、宥めるための言葉を送る。
〈謝らないでいい〉
〈あ、これ政文ね〉
スマホを返すとそんなメッセージを送る伊織はどこか抜けていると思うけれど、羽琉に対して誠実であろうとしているように見えた。
「これって、電話できるのかな?」
「聞いてみれば?」
そう言ったけれど、何と送ろうか悩み始めた伊織をもどかしく思いストレートに聞いてみる。
〈羽琉、電話は無理?〉
《個室だから大丈夫》
それを見て即座に電話をに切り替える。文字を追うのも、文字を待つのも面倒だ。
『もしもし』
スピーカーモードにしたせいで聞こえてくる声。「「羽琉」」と声が重なったのは偶然。
なるべく穏やかに聞こえるように呼んだ名前と、その存在を確かめるように縋るように呼んだ名前。それぞれの執着が現れた声色。
何が面白かったのか、羽琉の笑い声が聞こえたせいで先程まで不機嫌な顔をしていたくせに、伊織の纏う空気が柔らかいものに変わる。
「何かおかしかった?」
柔らかい声に安心したのか、羽琉の声も柔らかい。こんなにも穏やかな会話は久しぶりだ。
『ちゃんと話すの、久しぶりだから嬉しい。
ごめんなさい。
ふたりが僕のこと気にしてくれてるの知ってて燈哉を選んで…』
「選んだんじゃ無くて選ばされたんだろ?」
言い淀んだ伊織に変わり、言葉を続ける。羽琉が自分で決めるべきだと言いながらも燈哉に選ばされていたのは明白だから。だからこそ伊織も何とかしたいと思っていたのだろう。
だけど、選ばされたとしていてもそこに羽琉の意志が介入しているのだからそれならそれでいいと思っていた。
だから、今、俺が口にしている言葉は羽琉を促すための言葉。
選ばされたのだとしても、それを、燈哉を選んだのは羽琉なのだから、最終的な決定権は燈哉ではなくて羽琉にあるのだと伝えるために。
「燈哉のマーキング、あれ何?
羽琉、入院するのあれのせいなのか?」
言いにくいことであっても促されれば言葉にしやすいことだってある。だから助けるために言った言葉。羽琉自身、自分の身体の変化に気付いていれば何か思うところもあるだろう。
それなのに返ってきた言葉は俺を脱力させるものだった。
『………入院するのは栄養失調』
この言葉は本当のことだとは限らない。俺たちを心配させないようにとわざと言っているのかもしれない。
そんな風に思うけれど、恥ずかしそうに、それでいて可笑しそうに言った声の明るさに本当の理由を聞く必要はないのかと思い直す。
「「羽琉の馬鹿」」
苦笑いと共に出た言葉がまたしても重なる。
「お見舞いって無理なんだよね?」
Ωの羽琉は専用のクリニックに通っていると言っていたからαである俺たちが来院することは不可能だろう。だけど確認するために伊織が言った言葉。
『そうだね、家族ならαでも入れるけどそうじゃないと番かパートナーしか入れないから』
「だよね。
隆臣さんは入れるの?」
『隆臣はβだし、家族扱いだから大丈夫』
「分かった」
「いつまで入院?」
『とりあえず夏休みに入ってもしばらくは病院みたい。
退院したら…もしかしたら学校変わるかもしれない』
穏やかに続いた会話の後で羽琉が爆弾を落とす。
動揺した伊織が立ち上がった拍子にテーブルに置いてあったペットボトルを倒してしまったため「伊織、落ち着け」と言ってはみたけれど、それが無理なことも理解している。
「え、何それ。
聞いてないんだけど?」
『………燈哉のこと、見たくないから。
でも、伊織と政文と離れるのは淋しいな』
責めるような声を出す伊織と、その声に言い訳をする羽琉。
「わかった、じゃあ退院したら遊びに行くよ」
突然の伊織の言葉に『え?』と羽琉が声を上げる。
「そんな驚くことか?」
羽琉が驚くのも理解できるし突然の伊織の提案に呆れるけれど、ここで否定することもできず伊織に乗ることにする。
今まで校外で会ったこともないのにそんなことが可能かとも思ったけれど、夏休みに伊織と過ごすことができるのなら悪い話じゃない。
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