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郁哉
僕の想いと【通告】、そして彼の言葉。
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晴翔と過ごす必要がなくなった僕は少しの淋しさを感じながらも自分の進路と向き合い、悩んでいた。
あの日の夜、母に進路の変更を打診した時に言われた「公立なら」という言葉をベースに自分の学力と、目標にしていた学部を踏まえて行ける大学を探してみた。急な進路変更に不安はあったものの、探してみれば案外選択肢があることに気付き嬉しくなる。
自分のためにと言いながら晴翔のために費やしてきた時間は無駄ではなかったのだろう。
晴翔と離れる事に不安がないわけではない。だけど、自分を守ってもらうためとはいえその進路を変えてしまった事に罪悪感を持っていた。
そんな時に聞いたあの言葉。
離れたいと望んでいるのならそれを叶えるのもまた僕のやるべき事だろう。
そんな風に思っていた時に入った晴翔からのメッセージ。
《テスト勉強、クラスの奴とやるから》
それ以上でもそれ以下でもない、僕の希望を聞くこともない【通告】のようなメッセージに〈分かった〉とだけ返したのはそうなるのだろうと諦めていた気持ちと、これで解放されるとホッとしたから。
正直、晴翔の成績の責任を負っているような状態は思った以上に負担だったんだ。
最終的に晴翔が自分で選んだ高校だけど一緒に行きたいと望んだのは僕だし、成績が心配なら勉強を教えると言ったのも僕。今ならそんな無責任なこと言わないけれど、あの頃は軽い虐めのような状態から抜け出したくて、高校でも同じような状態になることを恐れて正常な思考ができていなかったのだろう。
晴翔といなければ、僕はもっと酷い事になってしまうと思い込んでいたんだ。
晴翔からの僕を解放するメッセージを受け取ったものの、もしかしたらノートを取りにくるかもしれないと思いノートの用意だけはしておく。
自分の復習になるのは本当だし、取りに来た時に無かったせいで何か言われたらと怯えてしまうのは中学の時の出来事を覚えているため。
守ってくれるはずの相手に攻撃されないように対策しておくのは必要な事だろう。
こちらに接触してこなければそれでいいし、接触してくるのなら希望を叶えるしかない。
流れに逆らわず、目立たないよう流されておけば諍いも起こらないはずだ。
「郁哉」
だからその声を聞いた時に嫌な気分になったのは僕だけが悪いわけじゃない。
自分の名前を呼ばれ、その声に笑顔を向けることができなかったのは相手の意図がわからないから。
晴翔と共に僕のことを笑っていた遊星がどんな理由で僕を呼び止めたのか。
自慢、憐れみ、蔑み、彼の表情がどれなのかを見てからリアクションを取っても問題ないだろう。
「少し話せる?」
その時に僕がどんな表情をしていたかなんて自分では見られないけれど、少なくとも笑顔ではなかったはずだ。だけど僕の表情を見た遊星はそんなふうに話しかける。
話をしたいと言われても話すことはない。だけど、目を合わせないようにしてどうやって逃げようか考えている僕のそばまで来てしまうから頷くしかなかった。
「塾は大丈夫?」
「この時間、行ってもまだ自習室に行くだけだから」
素直にこれからの予定を告げる。
この後に予定があると言っておけば長引くこともないだろう。
「帰るとギリギリだけど、この時間だと本当は早いんだ」
そう言い訳のように告げたのは話すことはないけれど、遊星が何の用があるのかを知りたかったから。
自慢なのか、憐憫なのか、それとも別の用事なのか。
「歩きながら話す?」
「駅までなら」
そう告げた僕の隣に並んだ遊星は、その歩幅を僕に合わせて歩き出す。こんなふうに気を遣われながら歩くのは久しぶりかもしれない。
「郁哉も講師で塾選んだ感じ?」
「そうだね」
聞かれた事に答えたけれど、それ以上話は広がらない。ここで塾の話をしても仕方がないだろう。
「この前さぁ、聞いてたよね?」
あの時の話を聞いていたのかと言われたのだと気付き、思わず顔を上げる。割と背の高い遊星を見上げるようになってしまい、正直面白くない。伸びなかった背は誰にも言ったのことはないけれど、コンプレックスなのだ。
「ゴメン。
あんな言葉、聞かせて」
そして、予想してなかった謝罪。
あの言葉を言ったのは晴翔なのだから遊星が謝る必要はないはずだ。それならこの謝罪『うちの彼があんなこと言ってゴメン』なのか、『郁哉の彼氏、盗ってゴメン』なのか。
どちらにしても遊星に謝られるのは面白くない。
「何が?」
「何がって…」
「言ってる意味も、謝られる理由も分からない」
吐き捨てるように言った言葉は八つ当たりだと自覚していたけれど、それでも止めることはできなかった。
こんな事なら話を聞かなければよかった。
「腐れ縁」
その言葉に逸らした視線を遊星に戻す。挑発されて泣き寝入りするほどお利口さんではないんだ。
「何、晴翔は自分のものだって自慢したかったの?」
「そんな風に言うと晴翔と付き合ってたってバレるよ?」
「黙って泣き寝入りしとけって?」
嫉妬して冷静になれなかったわけじゃない、だけど一緒に過ごした日々を〈腐れ縁〉という言葉で揶揄されるのは我慢ならない。駅までの道は僕と遊星しかいないわけじゃないから声を荒げないように気を付けるけど、感情を押さえつけるのは難しかった。
「泣き寝入りっていうか、郁哉の方から捨てちゃえばいいんじゃない。
あんなヤツにそこまで労力使う意味、ある?」
「自分と付き合うから付き纏うなって事?」
遊星の言葉の全てが僕の感情を逆撫でする。自分が選ばれたのだからさっさと手放せということなのかもしれない。
だけど返ってきたのは意外な言葉だった。
「晴翔が付き纏わないようにしてやるから離れたらって言いたいんだけど…別に晴翔と付き合ってないし、付き合う気もないし」
「……………笑い合ってたくせに」
遊星の意図がわからなくて怒りが収まらない。「付き纏わないようにするから離れたら」とか、「付き合ってないし、付き合う気もない」とか、選択権は自分にあるのだと自慢なのだろうか。
「だって、晴翔がバカ過ぎるから」
「晴翔は馬鹿じゃないっ」
執着を捨てたはずの晴翔のことだけど、気持ちの底にはまだ想いが残っているようで晴翔を蔑む言葉に思わず反論してしまう。好きという感情が残っているのかどうかは別にして、〈馬鹿〉と付き合っていたというのを受け入れる気はない。
「バカだよ。
自分のことしか考えてない、郁哉の気持ちなんか何も考えてないただのバカ」
「それは遊星だって一緒だよね」
「一緒じゃないし」
「…一緒に笑ってた」
そう、あの時に遊星だって一緒に笑っていたんだ。晴翔の言った言葉に笑顔を見せ、楽しそうに話を続けたんだ。
同じクラスになるまで晴翔と仲良くしていたわけじゃないのにあんな言葉を引き出して、一緒になって笑う遊星のことは嫌いだ。
中学生の頃、悪意のないふりをして僕を揶揄い、悪意のないふりをして僕を蔑んだ同級生たちを思い出してしまい感情のコントロールができなくなってしまう。感情を乱したくなくてそれだけ言って唇を結ぶ。これ以上口を開いたら泣いてしまうかもしれない。
「郁哉のこと笑ったんじゃない。
話、聞いてくれる?」
困ったようにそう言った遊星をもう一度見上げると、眉を下げ、僕の様子を伺っている事に気づいてしまった。あの時、僕を蔑んで笑った奴らとは違う顔。
親しいふりをして人を貶め、可愛がるふりをして蔑んだのとは違う顔。
もしかしたら僕は何か勘違いしているのかもしれない。
少しの好奇心と、少しの期待。
僕は、遊星の言葉にそっと頷いた。
あの日の夜、母に進路の変更を打診した時に言われた「公立なら」という言葉をベースに自分の学力と、目標にしていた学部を踏まえて行ける大学を探してみた。急な進路変更に不安はあったものの、探してみれば案外選択肢があることに気付き嬉しくなる。
自分のためにと言いながら晴翔のために費やしてきた時間は無駄ではなかったのだろう。
晴翔と離れる事に不安がないわけではない。だけど、自分を守ってもらうためとはいえその進路を変えてしまった事に罪悪感を持っていた。
そんな時に聞いたあの言葉。
離れたいと望んでいるのならそれを叶えるのもまた僕のやるべき事だろう。
そんな風に思っていた時に入った晴翔からのメッセージ。
《テスト勉強、クラスの奴とやるから》
それ以上でもそれ以下でもない、僕の希望を聞くこともない【通告】のようなメッセージに〈分かった〉とだけ返したのはそうなるのだろうと諦めていた気持ちと、これで解放されるとホッとしたから。
正直、晴翔の成績の責任を負っているような状態は思った以上に負担だったんだ。
最終的に晴翔が自分で選んだ高校だけど一緒に行きたいと望んだのは僕だし、成績が心配なら勉強を教えると言ったのも僕。今ならそんな無責任なこと言わないけれど、あの頃は軽い虐めのような状態から抜け出したくて、高校でも同じような状態になることを恐れて正常な思考ができていなかったのだろう。
晴翔といなければ、僕はもっと酷い事になってしまうと思い込んでいたんだ。
晴翔からの僕を解放するメッセージを受け取ったものの、もしかしたらノートを取りにくるかもしれないと思いノートの用意だけはしておく。
自分の復習になるのは本当だし、取りに来た時に無かったせいで何か言われたらと怯えてしまうのは中学の時の出来事を覚えているため。
守ってくれるはずの相手に攻撃されないように対策しておくのは必要な事だろう。
こちらに接触してこなければそれでいいし、接触してくるのなら希望を叶えるしかない。
流れに逆らわず、目立たないよう流されておけば諍いも起こらないはずだ。
「郁哉」
だからその声を聞いた時に嫌な気分になったのは僕だけが悪いわけじゃない。
自分の名前を呼ばれ、その声に笑顔を向けることができなかったのは相手の意図がわからないから。
晴翔と共に僕のことを笑っていた遊星がどんな理由で僕を呼び止めたのか。
自慢、憐れみ、蔑み、彼の表情がどれなのかを見てからリアクションを取っても問題ないだろう。
「少し話せる?」
その時に僕がどんな表情をしていたかなんて自分では見られないけれど、少なくとも笑顔ではなかったはずだ。だけど僕の表情を見た遊星はそんなふうに話しかける。
話をしたいと言われても話すことはない。だけど、目を合わせないようにしてどうやって逃げようか考えている僕のそばまで来てしまうから頷くしかなかった。
「塾は大丈夫?」
「この時間、行ってもまだ自習室に行くだけだから」
素直にこれからの予定を告げる。
この後に予定があると言っておけば長引くこともないだろう。
「帰るとギリギリだけど、この時間だと本当は早いんだ」
そう言い訳のように告げたのは話すことはないけれど、遊星が何の用があるのかを知りたかったから。
自慢なのか、憐憫なのか、それとも別の用事なのか。
「歩きながら話す?」
「駅までなら」
そう告げた僕の隣に並んだ遊星は、その歩幅を僕に合わせて歩き出す。こんなふうに気を遣われながら歩くのは久しぶりかもしれない。
「郁哉も講師で塾選んだ感じ?」
「そうだね」
聞かれた事に答えたけれど、それ以上話は広がらない。ここで塾の話をしても仕方がないだろう。
「この前さぁ、聞いてたよね?」
あの時の話を聞いていたのかと言われたのだと気付き、思わず顔を上げる。割と背の高い遊星を見上げるようになってしまい、正直面白くない。伸びなかった背は誰にも言ったのことはないけれど、コンプレックスなのだ。
「ゴメン。
あんな言葉、聞かせて」
そして、予想してなかった謝罪。
あの言葉を言ったのは晴翔なのだから遊星が謝る必要はないはずだ。それならこの謝罪『うちの彼があんなこと言ってゴメン』なのか、『郁哉の彼氏、盗ってゴメン』なのか。
どちらにしても遊星に謝られるのは面白くない。
「何が?」
「何がって…」
「言ってる意味も、謝られる理由も分からない」
吐き捨てるように言った言葉は八つ当たりだと自覚していたけれど、それでも止めることはできなかった。
こんな事なら話を聞かなければよかった。
「腐れ縁」
その言葉に逸らした視線を遊星に戻す。挑発されて泣き寝入りするほどお利口さんではないんだ。
「何、晴翔は自分のものだって自慢したかったの?」
「そんな風に言うと晴翔と付き合ってたってバレるよ?」
「黙って泣き寝入りしとけって?」
嫉妬して冷静になれなかったわけじゃない、だけど一緒に過ごした日々を〈腐れ縁〉という言葉で揶揄されるのは我慢ならない。駅までの道は僕と遊星しかいないわけじゃないから声を荒げないように気を付けるけど、感情を押さえつけるのは難しかった。
「泣き寝入りっていうか、郁哉の方から捨てちゃえばいいんじゃない。
あんなヤツにそこまで労力使う意味、ある?」
「自分と付き合うから付き纏うなって事?」
遊星の言葉の全てが僕の感情を逆撫でする。自分が選ばれたのだからさっさと手放せということなのかもしれない。
だけど返ってきたのは意外な言葉だった。
「晴翔が付き纏わないようにしてやるから離れたらって言いたいんだけど…別に晴翔と付き合ってないし、付き合う気もないし」
「……………笑い合ってたくせに」
遊星の意図がわからなくて怒りが収まらない。「付き纏わないようにするから離れたら」とか、「付き合ってないし、付き合う気もない」とか、選択権は自分にあるのだと自慢なのだろうか。
「だって、晴翔がバカ過ぎるから」
「晴翔は馬鹿じゃないっ」
執着を捨てたはずの晴翔のことだけど、気持ちの底にはまだ想いが残っているようで晴翔を蔑む言葉に思わず反論してしまう。好きという感情が残っているのかどうかは別にして、〈馬鹿〉と付き合っていたというのを受け入れる気はない。
「バカだよ。
自分のことしか考えてない、郁哉の気持ちなんか何も考えてないただのバカ」
「それは遊星だって一緒だよね」
「一緒じゃないし」
「…一緒に笑ってた」
そう、あの時に遊星だって一緒に笑っていたんだ。晴翔の言った言葉に笑顔を見せ、楽しそうに話を続けたんだ。
同じクラスになるまで晴翔と仲良くしていたわけじゃないのにあんな言葉を引き出して、一緒になって笑う遊星のことは嫌いだ。
中学生の頃、悪意のないふりをして僕を揶揄い、悪意のないふりをして僕を蔑んだ同級生たちを思い出してしまい感情のコントロールができなくなってしまう。感情を乱したくなくてそれだけ言って唇を結ぶ。これ以上口を開いたら泣いてしまうかもしれない。
「郁哉のこと笑ったんじゃない。
話、聞いてくれる?」
困ったようにそう言った遊星をもう一度見上げると、眉を下げ、僕の様子を伺っている事に気づいてしまった。あの時、僕を蔑んで笑った奴らとは違う顔。
親しいふりをして人を貶め、可愛がるふりをして蔑んだのとは違う顔。
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