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最終章 黒い羽と青のそら
どいつもこいつも 2
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これだから、レイモンド・ウィリュアートンとは、関わりたくなかった。
あれは、6歳の頃だ。
確かに、それまでは、レイモンドとよく遊んでいた。
ウィリュアートン公爵家は大派閥であり、王族としても、つきあっておくべき相手だったからだ。
とはいえ、あの頃はレイモンドの独特の嗜好など、知らずに遊んでいる。
サイラスが、いち早く気づき、遠ざけていなかったら、どうなっていたか。
人の嗜好を、とやかく言うつもりはない。
ただし、自分を標的にしない限り、という前提条件がつく。
しかも、レイモンドは、とてもしつこかった。
サイラスにより遠ざけられていてでさえ、夜会や貴族の集まりがあるたび、すり寄ってきたのだ。
「いいかげんにいたせ! 俺は、好きで、ここにいるのだぞ! お前の屋敷になど行くものか!」
行ってたまるか、と思う。
サイラスではないが、それこそ「怪しい薬」を、食事に入れられかねない。
寝室に忍びこまれる恐れすらある。
「あのアイザック・ローエルハイドめは、受け入れ先を、他の臣下に問うことなく、決めてしまったのです! 僕は、殿下が、このような有り様になられていることも知らされておらず……まことに口惜しくてなりません!」
「俺が承認したのだから、問題はない! さっさと帰れッ!」
「ですが、ご安心ください! 僕がまいりましたからには、もう殿下に、不自由な思いはさせません!」
これだ。
レイモンドには、話が通じない。
だから、レティシアを囮にする策を、早めに講じる必要があった。
どんなに説明しようが、レイモンドは勝手な解釈をする。
そして、レティシアやジョーを、危険に晒すのは間違いない。
ここで引かせても、状況は変わらないのだ。
とにかく、最も厄介な女魔術師を排しておかなければ、危険、もといレイモンドに、つきまとわれることになる。
(こ奴……髪や目の色を、まだ戻しておらんではないか……)
元の色を知っているユージーンとしては、非常に不快な気分になった。
金色の髪に、緑の目。
顔立ちはまったく違うものの、鏡でも見せられているような錯覚に陥る。
状況は変わらなくても、レイモンドを屋敷から追いはらう必要はあった。
長居をされると、いろいろまずい。
「レイモンド!」
名を呼んだとたん、レイモンドが、ハッとしたように口を閉じる。
そして、瞳を潤ませた。
ものすごく不本意だったが、いたしかたがない。
「俺は、黒髪に黒眼が好みなのだ。お前が金髪を好むようにな。ゆえに、自身が、俺の好みに、あてはまっておらん、ということを知れ」
こんな形で気持ちを伝えるのは、はなはだ不本意だ。
さりとて、本当のことでもある。
ユージーンの好みは「レティシア」だけだった。
レイモンドは、ちらっと、レティシアに視線を投げる。
「殿下……そこまでローエルハイドに、お気を遣われる必要は、ないのではないでしょうか? もろちん、そこの者が正妃候補であったのは存じております。しかしながら、殿下が辞退をお勧めになられたことも、存じております」
一瞬、レイモンドが何を言っているのか、わからなかった。
が、すぐに記憶が蘇ってくる。
(あれか……あの夜会の折の……そう思わせるためではあったが……)
今さらに、自分の言葉が悔やまれた。
ユージーンは、レティシアと2人で話した夜会の日に、こう言っている。
『この間は、ろくに話もしないまま帰してしまったので気になっていた』
つまり、レティシアが帰ったのではなく、ユージーンが「帰した」のだと。
あの時は「辞退」などという前代未聞の不祥事を隠す必要があった。
公爵家が集う夜会で無様は晒せない、という事情をかかえていたのだ。
「殿下が、お気になさることはございません。このような見目の芳しくない者が、正妃選びの儀の列に並ぶなど、おこがましい限りなのです」
「お前、死にたいのかッ?!」
「ええ、本当に、殿下のお心をお察ししますと、死にたくなるほど、つらい気持ちになります」
ユージーンの腹立ちはともかく。
今のようなことを大公に聞かれでもしたら、と思う。
当のレティシアは、複雑な表情を浮かべていた。
笑っているような、困っているような。
「違うぞ! レイモンド。俺は、本当に、黒髪と黒眼を好んでいるッ!」
変な誤解をされては、ユージーンのほうが困る。
必死で否定した。
すると、レイモンドが、今度は目を見開く。
「まさか……殿下……殿下は、大公様を好いておられるのですかっ?!」
「お前、殺されたいのかッ?!」
とんでもないことを言う奴だ。
レティシアが、目を細めて、ユージーンを見ている。
「違う! 俺は、そのような……っ……」
「ですが、殿下……大公様は、僕に興味がおありのようです」
「お前、なにを……っ……?!」
「なにかを教えてくださるとか……もしや夜のお手並みかもしれませんね」
「お前、本当に殺されるぞッ!!」
いっそ殺されてしまえばいい。
だが、この状況では、自分まで巻き添えで殺されてしまう。
それに、レティシアを含む4人の目が冷たい気がして、不安になった。
まさか、レイモンドの言葉を信じているのではなかろうか。
「……レイモンド」
本当は、ものすごく嫌だったが、言うことを聞かせるためだと思い、我慢する。
我慢して、我慢して、レイモンドの両肩をつかむ。
「良いか、受け入れ先は、もう決まったことなのだ。覆すのであれば、手順を踏まねばならん。俺だけではなく、お前まで見縊られることになるのでな」
「僕の心配をしてくださるのですか?」
「う、うむ……そ、そういうことだ」
不本意だったし、嘘だった。
最近すっかり嘘をつく癖が抜けていたので「平然と」も抜けている。
少しぎこちなく、レイモンドに、うなずいてみせた。
「かしこまりました。であれば、僕も、あのアイザック・ローエルハイドめの決定を覆してみせましょう!」
「そうだな。それが良い」
「それでは、早速に!」
ユージーンは、心の底から安堵する。
が、そのユージーンの手が掴まれた。
レイモンドは、跪いたまま、ユージーンの手の甲に、口づける。
「しばしのお別れですが、すぐに戻ってまいります。長くはお待たせしないことを、お約束いたします、殿下」
言うなり、ほかの者には挨拶もせず、出て行った。
その姿が消えたのを確認してから、ユージーンは、アリシアに手を差し出す。
「手拭きの布を貸せ、アリシア」
「絶対、嫌! ユージーン、超ヤバいッ!」
それはなんだ、と聞く間もない。
アリシアは身を翻して、小ホールから駆け去った。
まったく、どいつもこいつも、と言いたくなる。
「これを使え」
グレイが出してくれた手拭き布を受け取り、手の甲を、ごしごしと拭いた。
拭きながら、気づく。
3人の視線が自分に集まっていた。
「なんだ?」
「いやぁ……あの人、すんごいユージーンのこと好きなんだなーって」
「それは違うぞ、レティシア。奴は、金髪に緑の目をした者を好むという、独特の嗜好を持っているだけだ」
「完全に、ユージーンのことじゃん」
確かに、あてはまってはいるが、ユージーン個人のことではない。
それが、レティシアには、わかっていないのだ。
「違うと言っているだろ。好みにあてはまっておれば、男も女も見境なしにベッドに誘う。そういう奴なのだ」
「ユージーンに、その気はないの?」
聞かれて、目を見開く。
いったい何を聞いていたのか、と思った。
さっき、あれほど自分の好みを言ったというのに。
「あるわけがなかろう。俺に、男を好む嗜好はない」
「良かったぁ。ちょっと心配してたんだよね」
ホッとしているレティシアに、ユージーンもホッとする。
伝わっていなかったわけではなさそうだ。
と、思ったのだけれども。
「お祖父さまを狙ってるのかって、本気で心配しちゃったよー」
あまりの衝撃に、ユージーンの頭は、久々に、真っ白になる。
お祖父さま素敵だからなー、などと言っているレティシアの言葉も、耳に入らなかった。
あれは、6歳の頃だ。
確かに、それまでは、レイモンドとよく遊んでいた。
ウィリュアートン公爵家は大派閥であり、王族としても、つきあっておくべき相手だったからだ。
とはいえ、あの頃はレイモンドの独特の嗜好など、知らずに遊んでいる。
サイラスが、いち早く気づき、遠ざけていなかったら、どうなっていたか。
人の嗜好を、とやかく言うつもりはない。
ただし、自分を標的にしない限り、という前提条件がつく。
しかも、レイモンドは、とてもしつこかった。
サイラスにより遠ざけられていてでさえ、夜会や貴族の集まりがあるたび、すり寄ってきたのだ。
「いいかげんにいたせ! 俺は、好きで、ここにいるのだぞ! お前の屋敷になど行くものか!」
行ってたまるか、と思う。
サイラスではないが、それこそ「怪しい薬」を、食事に入れられかねない。
寝室に忍びこまれる恐れすらある。
「あのアイザック・ローエルハイドめは、受け入れ先を、他の臣下に問うことなく、決めてしまったのです! 僕は、殿下が、このような有り様になられていることも知らされておらず……まことに口惜しくてなりません!」
「俺が承認したのだから、問題はない! さっさと帰れッ!」
「ですが、ご安心ください! 僕がまいりましたからには、もう殿下に、不自由な思いはさせません!」
これだ。
レイモンドには、話が通じない。
だから、レティシアを囮にする策を、早めに講じる必要があった。
どんなに説明しようが、レイモンドは勝手な解釈をする。
そして、レティシアやジョーを、危険に晒すのは間違いない。
ここで引かせても、状況は変わらないのだ。
とにかく、最も厄介な女魔術師を排しておかなければ、危険、もといレイモンドに、つきまとわれることになる。
(こ奴……髪や目の色を、まだ戻しておらんではないか……)
元の色を知っているユージーンとしては、非常に不快な気分になった。
金色の髪に、緑の目。
顔立ちはまったく違うものの、鏡でも見せられているような錯覚に陥る。
状況は変わらなくても、レイモンドを屋敷から追いはらう必要はあった。
長居をされると、いろいろまずい。
「レイモンド!」
名を呼んだとたん、レイモンドが、ハッとしたように口を閉じる。
そして、瞳を潤ませた。
ものすごく不本意だったが、いたしかたがない。
「俺は、黒髪に黒眼が好みなのだ。お前が金髪を好むようにな。ゆえに、自身が、俺の好みに、あてはまっておらん、ということを知れ」
こんな形で気持ちを伝えるのは、はなはだ不本意だ。
さりとて、本当のことでもある。
ユージーンの好みは「レティシア」だけだった。
レイモンドは、ちらっと、レティシアに視線を投げる。
「殿下……そこまでローエルハイドに、お気を遣われる必要は、ないのではないでしょうか? もろちん、そこの者が正妃候補であったのは存じております。しかしながら、殿下が辞退をお勧めになられたことも、存じております」
一瞬、レイモンドが何を言っているのか、わからなかった。
が、すぐに記憶が蘇ってくる。
(あれか……あの夜会の折の……そう思わせるためではあったが……)
今さらに、自分の言葉が悔やまれた。
ユージーンは、レティシアと2人で話した夜会の日に、こう言っている。
『この間は、ろくに話もしないまま帰してしまったので気になっていた』
つまり、レティシアが帰ったのではなく、ユージーンが「帰した」のだと。
あの時は「辞退」などという前代未聞の不祥事を隠す必要があった。
公爵家が集う夜会で無様は晒せない、という事情をかかえていたのだ。
「殿下が、お気になさることはございません。このような見目の芳しくない者が、正妃選びの儀の列に並ぶなど、おこがましい限りなのです」
「お前、死にたいのかッ?!」
「ええ、本当に、殿下のお心をお察ししますと、死にたくなるほど、つらい気持ちになります」
ユージーンの腹立ちはともかく。
今のようなことを大公に聞かれでもしたら、と思う。
当のレティシアは、複雑な表情を浮かべていた。
笑っているような、困っているような。
「違うぞ! レイモンド。俺は、本当に、黒髪と黒眼を好んでいるッ!」
変な誤解をされては、ユージーンのほうが困る。
必死で否定した。
すると、レイモンドが、今度は目を見開く。
「まさか……殿下……殿下は、大公様を好いておられるのですかっ?!」
「お前、殺されたいのかッ?!」
とんでもないことを言う奴だ。
レティシアが、目を細めて、ユージーンを見ている。
「違う! 俺は、そのような……っ……」
「ですが、殿下……大公様は、僕に興味がおありのようです」
「お前、なにを……っ……?!」
「なにかを教えてくださるとか……もしや夜のお手並みかもしれませんね」
「お前、本当に殺されるぞッ!!」
いっそ殺されてしまえばいい。
だが、この状況では、自分まで巻き添えで殺されてしまう。
それに、レティシアを含む4人の目が冷たい気がして、不安になった。
まさか、レイモンドの言葉を信じているのではなかろうか。
「……レイモンド」
本当は、ものすごく嫌だったが、言うことを聞かせるためだと思い、我慢する。
我慢して、我慢して、レイモンドの両肩をつかむ。
「良いか、受け入れ先は、もう決まったことなのだ。覆すのであれば、手順を踏まねばならん。俺だけではなく、お前まで見縊られることになるのでな」
「僕の心配をしてくださるのですか?」
「う、うむ……そ、そういうことだ」
不本意だったし、嘘だった。
最近すっかり嘘をつく癖が抜けていたので「平然と」も抜けている。
少しぎこちなく、レイモンドに、うなずいてみせた。
「かしこまりました。であれば、僕も、あのアイザック・ローエルハイドめの決定を覆してみせましょう!」
「そうだな。それが良い」
「それでは、早速に!」
ユージーンは、心の底から安堵する。
が、そのユージーンの手が掴まれた。
レイモンドは、跪いたまま、ユージーンの手の甲に、口づける。
「しばしのお別れですが、すぐに戻ってまいります。長くはお待たせしないことを、お約束いたします、殿下」
言うなり、ほかの者には挨拶もせず、出て行った。
その姿が消えたのを確認してから、ユージーンは、アリシアに手を差し出す。
「手拭きの布を貸せ、アリシア」
「絶対、嫌! ユージーン、超ヤバいッ!」
それはなんだ、と聞く間もない。
アリシアは身を翻して、小ホールから駆け去った。
まったく、どいつもこいつも、と言いたくなる。
「これを使え」
グレイが出してくれた手拭き布を受け取り、手の甲を、ごしごしと拭いた。
拭きながら、気づく。
3人の視線が自分に集まっていた。
「なんだ?」
「いやぁ……あの人、すんごいユージーンのこと好きなんだなーって」
「それは違うぞ、レティシア。奴は、金髪に緑の目をした者を好むという、独特の嗜好を持っているだけだ」
「完全に、ユージーンのことじゃん」
確かに、あてはまってはいるが、ユージーン個人のことではない。
それが、レティシアには、わかっていないのだ。
「違うと言っているだろ。好みにあてはまっておれば、男も女も見境なしにベッドに誘う。そういう奴なのだ」
「ユージーンに、その気はないの?」
聞かれて、目を見開く。
いったい何を聞いていたのか、と思った。
さっき、あれほど自分の好みを言ったというのに。
「あるわけがなかろう。俺に、男を好む嗜好はない」
「良かったぁ。ちょっと心配してたんだよね」
ホッとしているレティシアに、ユージーンもホッとする。
伝わっていなかったわけではなさそうだ。
と、思ったのだけれども。
「お祖父さまを狙ってるのかって、本気で心配しちゃったよー」
あまりの衝撃に、ユージーンの頭は、久々に、真っ白になる。
お祖父さま素敵だからなー、などと言っているレティシアの言葉も、耳に入らなかった。
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