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最終章 黒い羽と青のそら
ご到着日和 4
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扉を開き、サリーは中に入るよう、ユージーンを促す。
グレイが隣に立っていた。
(大丈夫なの?)
(大丈夫だ。押し負けないようにと、レティシア様からも言われているからな)
(そうね。“ナメられない”のが肝心よ)
目で、ちょっとしたやりとりをしてから、うなずき合う。
が、ここから先は、どちらかと言えば、グレイの仕事だ。
本当に、身ひとつで来たらしいユージーンの背中に、グレイが声をかける。
「ここが、今日から、あなた……きみ……お前の部屋だ」
部屋の中央まで進んでいたユージーンが、肩越しに振り返った。
なぜか目を、少し細めている。
非常に嫌な感じだ。
「俺は勤め人として、ここに来たのだ。きちんと理解している。主導権を握りたいのはわかるが、そうあからさまだと、逆に侮られるぞ、黒縁」
なにか、グレイが顔を険しくしている。
胃の腑でも、傷むのかもしれない。
ユージーンの受け入れ準備をしていた間、彼は時々、胃が痛むと言っていた。
が、あえて、それらを無視したように、両腕を組む。
ユージーンの言う通りかもしれないが、認めたくもないというところ。
ここで折れたら、折れっ放しになること請け合いだ。
「その黒縁というのは、やめろ。私の名は知っているだろう」
「愛称だ、気にするな」
「そういうことではない。お前と私とでは、立場が違うんだよ」
「ほう。立場を持ち出すか」
ゆっくりと、ユージーンが振り向く。
組んだ両腕を胸の位置まで掲げ、いかにも、ふんぞり返っているという姿。
勤め人として来たことを理解しているとは、言いがたい態度だ。
サリーは、グレイが心配になってくる。
「いいか。私は、この屋敷の執事であり、お前は、まだ“ペーペー”……」
「グ、グレイ……」
慌てて止めたが、もう遅い。
ユージーンの前では、なるべくレティシア語を使わないようにと、レティシアから言いつかっていたのだった。
理由は「面倒くさいことになるから」だ。
『いい? ものすーっごく面倒くさいことになるからね。おまけに、諦めないし、しつこい。だから、レティシア語は使わない方向で』
レティシアの体験談だったらしい。
サリーは、額を押さえる。
グレイは「やってしまった」のだ。
「なんだ、今の言葉は? ぺーぺーとは、なんだ?」
すかさずユージーンが食いついてくる。
1度こうなると、彼は、どこまでも食い下がってくるのだそうだ。
しかし、口に出してしまったものはしかたがない。
顔をしかめながら、グレイが口を開く。
「ペーペーというは、ヒラ……」
「ひら、とはなんだ? ペーペーとは違うのか? どのような関連性がある」
ものすごく面倒くさい。
本当に、予想以上の面倒くささだ。
が、適当なことを言うこともできなかった。
レティシア語は、レティシアの使う言葉なのだ。
理解させておかなければ、レティシアが、この面倒の餌食になる。
「ペーペーというのは、仕事を始めたばかりで、何もできない新入りのことだ。つまり、見習いのさらに、下っ端を指す。そういう任される役目のない者を、まとめて“ヒラ”と言うんだよ」
「ならば、俺はペーペーであり、ヒラということになるな」
「そうだ。対して、私は執事を任じられている」
有能が外れ、現在「普通」の執事なのだけれど、それはともかく。
サリーも、それについては「スルー」した。
格下げになっても、グレイが有能なのは知っている。
「ちなみに、今、この屋敷で、ヒラは、お前だけだ」
「で、あろうな。この屋敷には、長く勤めている者が多い」
サァ…と、サリーの顔が蒼褪めた。
いったい、どのくらいレティシアを「念入り」に調べたのか。
ユージーンは、みんなの年齢のみならず、勤め年数まで知っているのだ。
アリシアではないが、悲鳴を上げたくなる。
(大丈夫か、サリー? ぶっ倒れるまで、こいつにつきあうことはないんだぞ)
(いいえ、私にはメイド長としての責があるのよ。それに、押し負けることは許されないもの)
(わかった。だが、無理はするな)
「ならば、俺のことは、ヒラと呼んではどうか」
「いや、それは……」
「周りの者にも、新入りだと分かり易かろう」
グレイは、考えている様子。
サリーも、少し考えてみた。
「それは、できないね」
「ええ、それは、できません」
口を揃えて言う。
悪い案ではない、とは思った。
が、レティシアから「名で呼ぶ」ように言われている。
差別とイジメは、してはならないのだ。
「なぜだ? 皆も呼び易いだろ」
2人が、少し考えたことで、何か察するところがあったのだろう。
実際、レティシアとの話の中、名呼びに抵抗感を示している。
それを見抜かれている気がして、居心地が悪い気分になった。
グレイも、似た感覚を持っているのか、顔をしかめている。
(彼、案外、勘が鋭いのかしら?)
(そのようだな。レティシア様のお気持ちに気づいていないようだから、鈍いのかと思っていたが)
ユージーンは、レティシアに「食い意地が張っている」だの「太れ」だのと、よけいなことばかり言っていた。
女性の扱いに慣れていないグレイでも、そんなことは言わない。
ホウキの柄で殴られると、わかっているからだ。
勘が鋭いのか、鈍いのか。
判断がつきかねるところが、2人を微妙な気持ちにさせている。
ナメられないよう、押し負けないようにと、気を張っているつもりなのに、いつしか主導権を握られてしまいそうな。
「とにかく、お前のことは、名で呼ぶと決まっている。ただ、立場として、お前はヒラなんだから、それをわきまえろという話だ」
「つまり、俺は下っ端だから、よけいな口を差し挟まず、大人しくしていろ、ということか」
サリーは、うーん…と唸りたくなった。
そう言われると、レティシアの考えと食い違ってしまう気がする。
なにも上から圧を加えようということではないからだ。
「そうではないわ。屋敷には、それぞれ独自のやり方があるの。ウチでは、屋敷のことをウチと呼んだりするけれど、ほかの屋敷では違うでしょうね。そういう、独自のやり方を覚えるまでは、ほかの者を見習ってほしい、ということよ」
「そうか。では、この屋敷では、愛称で呼ぶことは認められておらんのだな」
うっと、言葉に詰まりそうになる。
なんという細かさだろうか。
レティシアの言う「面倒くさい」を、心底、理解した。
「そうではなくてだな……良い意味の愛称や、本人が嫌だと感じないものであればいいが、その逆は駄目だということだ」
「ほう。では、ヒラというのは、蔑称なのだな」
「それに近いものではある。俺は、黒縁というのが、愛称だとは思えない。そう呼ばれるのは不本意だ。お前だって、下っ端と呼ばれるのは嫌じゃないか?」
グレイの忍耐強さに、サリーは少し驚いている。
グレイは感情的になることこそ少ないが、大公ほどの理性の持ち合わせはない。
状況によっては、腹を立てることもあったし、それを表に出すこともあった。
だから、この面倒くさい男を相手に、よく保っていると感心する。
正直、サリーは、すでに、つきあいきれない、と思っていた。
「だが、実際、俺は下っ端だ。ならば、そう呼ばれても、しかたあるまい」
「しかたがなくても、本人が嫌かどうかが問題なんだ」
「なぜだ? 嫌でもしかたがないものは、しかたがないではないか」
「それでは、イジメになる」
ああ…と、サリーは心の中で呻く。
案の定、さらに面倒なことになった。
「いじめ? いじめとはなんだ? 愛称で呼ぶ話だったはずだが」
「イジメというのは、誰かを虐げたり、故意に仲間外れにしたりする、という意味で、蔑称的な呼び方をするのは、これに当たる。イジメは、この屋敷では、許されないことだ」
いったい、どこに着地しようとしているのか、サリーには見えない。
「先輩は後輩の面倒を見て、後輩が先輩を敬うのは当然の……」
「せんぱい? こうはい? なんだ、それは? それも愛称か?」
泥沼である。
グレイが隣に立っていた。
(大丈夫なの?)
(大丈夫だ。押し負けないようにと、レティシア様からも言われているからな)
(そうね。“ナメられない”のが肝心よ)
目で、ちょっとしたやりとりをしてから、うなずき合う。
が、ここから先は、どちらかと言えば、グレイの仕事だ。
本当に、身ひとつで来たらしいユージーンの背中に、グレイが声をかける。
「ここが、今日から、あなた……きみ……お前の部屋だ」
部屋の中央まで進んでいたユージーンが、肩越しに振り返った。
なぜか目を、少し細めている。
非常に嫌な感じだ。
「俺は勤め人として、ここに来たのだ。きちんと理解している。主導権を握りたいのはわかるが、そうあからさまだと、逆に侮られるぞ、黒縁」
なにか、グレイが顔を険しくしている。
胃の腑でも、傷むのかもしれない。
ユージーンの受け入れ準備をしていた間、彼は時々、胃が痛むと言っていた。
が、あえて、それらを無視したように、両腕を組む。
ユージーンの言う通りかもしれないが、認めたくもないというところ。
ここで折れたら、折れっ放しになること請け合いだ。
「その黒縁というのは、やめろ。私の名は知っているだろう」
「愛称だ、気にするな」
「そういうことではない。お前と私とでは、立場が違うんだよ」
「ほう。立場を持ち出すか」
ゆっくりと、ユージーンが振り向く。
組んだ両腕を胸の位置まで掲げ、いかにも、ふんぞり返っているという姿。
勤め人として来たことを理解しているとは、言いがたい態度だ。
サリーは、グレイが心配になってくる。
「いいか。私は、この屋敷の執事であり、お前は、まだ“ペーペー”……」
「グ、グレイ……」
慌てて止めたが、もう遅い。
ユージーンの前では、なるべくレティシア語を使わないようにと、レティシアから言いつかっていたのだった。
理由は「面倒くさいことになるから」だ。
『いい? ものすーっごく面倒くさいことになるからね。おまけに、諦めないし、しつこい。だから、レティシア語は使わない方向で』
レティシアの体験談だったらしい。
サリーは、額を押さえる。
グレイは「やってしまった」のだ。
「なんだ、今の言葉は? ぺーぺーとは、なんだ?」
すかさずユージーンが食いついてくる。
1度こうなると、彼は、どこまでも食い下がってくるのだそうだ。
しかし、口に出してしまったものはしかたがない。
顔をしかめながら、グレイが口を開く。
「ペーペーというは、ヒラ……」
「ひら、とはなんだ? ペーペーとは違うのか? どのような関連性がある」
ものすごく面倒くさい。
本当に、予想以上の面倒くささだ。
が、適当なことを言うこともできなかった。
レティシア語は、レティシアの使う言葉なのだ。
理解させておかなければ、レティシアが、この面倒の餌食になる。
「ペーペーというのは、仕事を始めたばかりで、何もできない新入りのことだ。つまり、見習いのさらに、下っ端を指す。そういう任される役目のない者を、まとめて“ヒラ”と言うんだよ」
「ならば、俺はペーペーであり、ヒラということになるな」
「そうだ。対して、私は執事を任じられている」
有能が外れ、現在「普通」の執事なのだけれど、それはともかく。
サリーも、それについては「スルー」した。
格下げになっても、グレイが有能なのは知っている。
「ちなみに、今、この屋敷で、ヒラは、お前だけだ」
「で、あろうな。この屋敷には、長く勤めている者が多い」
サァ…と、サリーの顔が蒼褪めた。
いったい、どのくらいレティシアを「念入り」に調べたのか。
ユージーンは、みんなの年齢のみならず、勤め年数まで知っているのだ。
アリシアではないが、悲鳴を上げたくなる。
(大丈夫か、サリー? ぶっ倒れるまで、こいつにつきあうことはないんだぞ)
(いいえ、私にはメイド長としての責があるのよ。それに、押し負けることは許されないもの)
(わかった。だが、無理はするな)
「ならば、俺のことは、ヒラと呼んではどうか」
「いや、それは……」
「周りの者にも、新入りだと分かり易かろう」
グレイは、考えている様子。
サリーも、少し考えてみた。
「それは、できないね」
「ええ、それは、できません」
口を揃えて言う。
悪い案ではない、とは思った。
が、レティシアから「名で呼ぶ」ように言われている。
差別とイジメは、してはならないのだ。
「なぜだ? 皆も呼び易いだろ」
2人が、少し考えたことで、何か察するところがあったのだろう。
実際、レティシアとの話の中、名呼びに抵抗感を示している。
それを見抜かれている気がして、居心地が悪い気分になった。
グレイも、似た感覚を持っているのか、顔をしかめている。
(彼、案外、勘が鋭いのかしら?)
(そのようだな。レティシア様のお気持ちに気づいていないようだから、鈍いのかと思っていたが)
ユージーンは、レティシアに「食い意地が張っている」だの「太れ」だのと、よけいなことばかり言っていた。
女性の扱いに慣れていないグレイでも、そんなことは言わない。
ホウキの柄で殴られると、わかっているからだ。
勘が鋭いのか、鈍いのか。
判断がつきかねるところが、2人を微妙な気持ちにさせている。
ナメられないよう、押し負けないようにと、気を張っているつもりなのに、いつしか主導権を握られてしまいそうな。
「とにかく、お前のことは、名で呼ぶと決まっている。ただ、立場として、お前はヒラなんだから、それをわきまえろという話だ」
「つまり、俺は下っ端だから、よけいな口を差し挟まず、大人しくしていろ、ということか」
サリーは、うーん…と唸りたくなった。
そう言われると、レティシアの考えと食い違ってしまう気がする。
なにも上から圧を加えようということではないからだ。
「そうではないわ。屋敷には、それぞれ独自のやり方があるの。ウチでは、屋敷のことをウチと呼んだりするけれど、ほかの屋敷では違うでしょうね。そういう、独自のやり方を覚えるまでは、ほかの者を見習ってほしい、ということよ」
「そうか。では、この屋敷では、愛称で呼ぶことは認められておらんのだな」
うっと、言葉に詰まりそうになる。
なんという細かさだろうか。
レティシアの言う「面倒くさい」を、心底、理解した。
「そうではなくてだな……良い意味の愛称や、本人が嫌だと感じないものであればいいが、その逆は駄目だということだ」
「ほう。では、ヒラというのは、蔑称なのだな」
「それに近いものではある。俺は、黒縁というのが、愛称だとは思えない。そう呼ばれるのは不本意だ。お前だって、下っ端と呼ばれるのは嫌じゃないか?」
グレイの忍耐強さに、サリーは少し驚いている。
グレイは感情的になることこそ少ないが、大公ほどの理性の持ち合わせはない。
状況によっては、腹を立てることもあったし、それを表に出すこともあった。
だから、この面倒くさい男を相手に、よく保っていると感心する。
正直、サリーは、すでに、つきあいきれない、と思っていた。
「だが、実際、俺は下っ端だ。ならば、そう呼ばれても、しかたあるまい」
「しかたがなくても、本人が嫌かどうかが問題なんだ」
「なぜだ? 嫌でもしかたがないものは、しかたがないではないか」
「それでは、イジメになる」
ああ…と、サリーは心の中で呻く。
案の定、さらに面倒なことになった。
「いじめ? いじめとはなんだ? 愛称で呼ぶ話だったはずだが」
「イジメというのは、誰かを虐げたり、故意に仲間外れにしたりする、という意味で、蔑称的な呼び方をするのは、これに当たる。イジメは、この屋敷では、許されないことだ」
いったい、どこに着地しようとしているのか、サリーには見えない。
「先輩は後輩の面倒を見て、後輩が先輩を敬うのは当然の……」
「せんぱい? こうはい? なんだ、それは? それも愛称か?」
泥沼である。
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