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第2章 黒い風と金のいと
王子様ご乱心 2
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グレイが屋敷に帰ってきたのは、祖父が審議を受けた翌日のことだ。
半月近くも逃げ回っていたはずなのに、あまり疲れた様子はなかった。
いつもの、きちんとした身なりのグレイで、祖父に連れられ、帰ってきている。
それから、いくつかの手続きのための半月を経て、グレイは公爵家の執事に戻っていた。
今は、祖父、レティシア、サリー、グレイの4人で休憩室にいる。
祖父とレティシアは長ソファに腰掛け、2人は1人掛けのほうに座っていた。
ここは休憩室なのだからと言い、座ることを促したのは祖父だ。
レティシアが気にすると知っているからだろう。
「それで? どこに隠れてたの?」
どこかアテでもあったのかと、レティシアは不思議に思っていた。
グレイは、捨てる必要のなかった爵位を捨て、勘当も同然の扱い。
実家には帰れなかったはずだ。
「きみから、どうぞ」
祖父が、右手をスッと差し出す。
その手は、グレイを指していた。
「エッテルハイムの城です」
「は……? あの気持ち悪い城にいたってこと?」
「はい。あの城は魔力疎外されておりますので」
「魔力感知に引っかからない、ということね」
隣からサリーが口を挟んだ。
祖父は「私のことは気にせず、いつも通りに」と言っていた。
レティシアは気楽な会話が好きなので、グレイやサリーが口を挟むことを嫌がらない。
むしろ、いちいち指示するほうが嫌だと感じる。
2人もわかっているので、いつも通りにしているのだ。
「それはそうかもしれないけど……追跡はされるでしょう?」
「だから、先に大公様の森の入り口まで転移したんだよ」
グレイの言葉に、首をかしげた。
確かに、森は広いし、隠れるにはいいかもしれないけれど。
「お祖父さまの森?」
「あの森には絶対防御がかかっておりますから、大公様のお許しなく入ることはできませんが」
「入れないとわかっていて、行ったのね」
レティシアは、パッと隣に顔を向ける。
祖父も顔を向けて、レティシアを見ていた。
「え~? お祖父さま、こっそりグレイが入れるようにしておいてあげたんじゃないの?」
「あれは防御の魔術であって、魔力感知を疎外するものではないのでね。近くで感知されれば、グレイが領域内にいると、わかってしまうのだよ。私は、グレイとは無関係の立場だったのだから、入れるわけにはいかないさ」
レティシアは、魔力の感知もできない。
だから、それが、どの程度の確度を持つのか、想像できずにいる。
GPSほどの正確さなのか、金属探知機のようなものなのか。
今は、ひとまず話に関係ないので聞かないが、今後のため、あとでグレイに確認しておこうと思った。
「私が屋敷を出た瞬間から、魔力も分配されなくなっていましたし」
ぽそっと、グレイが呟く。
聞き逃さなかったのか、祖父が眉をひょこんと上げた。
「おや? 私が、とても酷い男のように言うじゃあないか、グレイ」
「あ! い、いえ、まったくそんなことは……」
慌てるグレイに、祖父は小さく笑う。
またグレイは「いじられ」ているのだ。
「まぁ、いいさ」
本気でどうこうということではないため、祖父もすぐに切り替える。
真面目な会話でも、ちょこちょこ冗談を交えたりと、祖父は本当にそつがない。
「そう。グレイ、あなた、即移痕を使ったのね」
「そうだよ、サリー。すごすご引き替えした、という痕跡を残してからだけどね」
「即移痕?」
1人、意味がわからずにいるレティシアに、グレイが説明をする。
こういうことは、グレイの「十八番」なのだ。
魔術も含め、いろんなことに精通していて、必要な際に必要なだけ説明を加えてくれる。
「即移は、かなりの大技です。発動するのは一瞬ですが、魔力の痕跡が、そこら中に散らばりますし、それが長く残るんですよ」
「その中に紛れて、追跡を巻いたってこと?」
「そういうことです」
「へえ! やるじゃん、グレイ! さすがだね!」
本当に感心したのだが、グレイは苦笑いをしている。
そして、祖父に視線を投げた。
「ですが、大公様には、あっという間に見つかってしまいました」
祖父は、相変わらずだ。
いつものように穏やかな口調で、なんでもなさそうに言う。
「きみの考えそうなことくらい、わからなくてどうするね?」
簡単そうに言っているが、ラペル公爵家もおかかえの魔術師を使ってグレイを探していたようだ。
それでも、見つからずにいたグレイをどうやって見つけたのか気になる。
まだ再雇用していない内に、魔力の分配を行ったのだろうか。
グレイはエッテルハイムの城に隠れていたのだ。
あの城は、魔力疎外がされている。
魔力の分配は行えなかったはずだ。
けれど、だからこそ、エッテルハイムの城ではないか、と当たりをつけることはできたかもしれない。
そう思って、聞いてみた。
「お祖父さま、グレイに魔力分配してたの?」
「いや、雇い直し前には、していなかったよ。どんな難癖をつけられるかわからないからね。用心していたのさ」
「なら、どうやってグレイを見つけたの?」
「見つけるというより、グレイを知っている、といったところかな。ルパート……ラペル公爵は、魔術師を使って捜索させていた。にもかかわらず、グレイは見つからない。だとすると……」
ひょいと、祖父が軽く肩をすくめる。
「感知できない場所にいる、ということだ。それに、最近、グレイは潜伏先に適した場所を知ったばかりだからね」
「すごいね! お祖父さま、探偵みたい!」
「たんてい? 探しものが上手な者のことかい?」
「だいたいそんな感じ。推理……状況とか相手の性格とかから推測して、犯人を見つける仕事をしてる人のことだよ」
レティシアの言葉に、グレイが微妙な顔をした。
ちょっぴり不本意といった表情が混じっている。
「……犯人……」
たとえが悪かったと、すぐさま反省した。
今回のことでは、グレイは被害者なのだ。
レティシアは、そそくさと話題を変える。
「でもさ、ずっとあそこにいるつもりだったの? 食べ物なさそうだったけど」
「近くには川がございましたし、城の外には動物もいましたので、問題はありませんでした」
「時々、外に出て狩りをしていたのね」
サリーの言葉に、グレイがうなずいた。
あの城には、突然、中に放り込まれたので周りの様子は、よく知らない。
帰りに、少しだけ城の外に出たが、夜だったので見えなかったのだ。
「辺境地というのも都合がよかったよ。アンバス侯爵を捜索していた近衛も引き上げていたしね。井戸もあって、飲み水には困らなかったんだ」
おそらくグレイは、頭の中にあるという地図も利用したのだろう。
膨大な量を記憶しているのだと、サリーから聞いていた。
そのサリーが、少し不機嫌そうにグレイに聞く。
「それで……? どのくらいを想定していたのかしら?」
サリーの不機嫌さに、グレイは気づかなかったようだ。
いつもサリーを見ているくせに、グレイは、ちょいちょい鈍かった。
「5年かな」
あっさり言われても。
レティシアは、その長さに驚いて声をあげる。
「ご……っ……5年っ?」
が、グレイは、あたり前という顔を崩さなかった。
グレイのことだから、事前に見積もっていたに違いない。
「私戦は人を使います。財政が逼迫してくれば、長くは続けられません」
「いや、グレイ……5年は長いでしょ……」
「そうでしょうか?」
グレイにとっては、予測の範疇なのだろう。
だとしても、毎日、心配していた身としては、それがどれほど長いかわかってほしいと思う。
とくにサリーは、ひどく心を痛め、泣いていたのだ。
少しだけグレイに、イラっとした。
そこにすかさず、祖父の声がする。
「サリー、私が許そう。グレイを箒の柄で、ぶってやりなさい」
ひゅと、祖父が左手を軽く振った。
とたん、サリーの膝の上にホウキが現れる。
見て、グレイは泡を食ったように立ち上がった。
「な、なぜでしょうかっ……?!」
「なぜでも、だよ」
サリーも、ホウキを手に立ち上がっている。
祖父のそっけない言葉に呆然となっているらしきグレイに向かって。
バシーン!!
「いっ……っ!!」
頭を押さえ、グレイがしゃがみこんだ。
祖父が、にこやかに微笑む。
「サリーは優しいねえ。柄ではなく穂先を使うとは」
これは、グレイが悪い、と明確に言えた。
レティシアも、しっかりとうなずく。
「まったくだよ」
グレイが頭をさすりながら、立ち上がった。
サリーはホウキを膝に、ソファに腰を下ろしている。
が、つーんと、そっぽを向いていた。
「グレイ、きみは”普通”の執事から、出直したまえ」
「……かしこまりました」
グレイが、しょんぼりと肩を落とし、ぺこりと頭を下げた。
その姿には、同情を禁じ得ないけれど。
グレイが騎士として振る舞うことの是非はともかくとして、だ。
もう少し恋にかまけてもいいのではなかろうか。
そのためには「普通の」執事のほうがいいのかもしれない、と思った。
半月近くも逃げ回っていたはずなのに、あまり疲れた様子はなかった。
いつもの、きちんとした身なりのグレイで、祖父に連れられ、帰ってきている。
それから、いくつかの手続きのための半月を経て、グレイは公爵家の執事に戻っていた。
今は、祖父、レティシア、サリー、グレイの4人で休憩室にいる。
祖父とレティシアは長ソファに腰掛け、2人は1人掛けのほうに座っていた。
ここは休憩室なのだからと言い、座ることを促したのは祖父だ。
レティシアが気にすると知っているからだろう。
「それで? どこに隠れてたの?」
どこかアテでもあったのかと、レティシアは不思議に思っていた。
グレイは、捨てる必要のなかった爵位を捨て、勘当も同然の扱い。
実家には帰れなかったはずだ。
「きみから、どうぞ」
祖父が、右手をスッと差し出す。
その手は、グレイを指していた。
「エッテルハイムの城です」
「は……? あの気持ち悪い城にいたってこと?」
「はい。あの城は魔力疎外されておりますので」
「魔力感知に引っかからない、ということね」
隣からサリーが口を挟んだ。
祖父は「私のことは気にせず、いつも通りに」と言っていた。
レティシアは気楽な会話が好きなので、グレイやサリーが口を挟むことを嫌がらない。
むしろ、いちいち指示するほうが嫌だと感じる。
2人もわかっているので、いつも通りにしているのだ。
「それはそうかもしれないけど……追跡はされるでしょう?」
「だから、先に大公様の森の入り口まで転移したんだよ」
グレイの言葉に、首をかしげた。
確かに、森は広いし、隠れるにはいいかもしれないけれど。
「お祖父さまの森?」
「あの森には絶対防御がかかっておりますから、大公様のお許しなく入ることはできませんが」
「入れないとわかっていて、行ったのね」
レティシアは、パッと隣に顔を向ける。
祖父も顔を向けて、レティシアを見ていた。
「え~? お祖父さま、こっそりグレイが入れるようにしておいてあげたんじゃないの?」
「あれは防御の魔術であって、魔力感知を疎外するものではないのでね。近くで感知されれば、グレイが領域内にいると、わかってしまうのだよ。私は、グレイとは無関係の立場だったのだから、入れるわけにはいかないさ」
レティシアは、魔力の感知もできない。
だから、それが、どの程度の確度を持つのか、想像できずにいる。
GPSほどの正確さなのか、金属探知機のようなものなのか。
今は、ひとまず話に関係ないので聞かないが、今後のため、あとでグレイに確認しておこうと思った。
「私が屋敷を出た瞬間から、魔力も分配されなくなっていましたし」
ぽそっと、グレイが呟く。
聞き逃さなかったのか、祖父が眉をひょこんと上げた。
「おや? 私が、とても酷い男のように言うじゃあないか、グレイ」
「あ! い、いえ、まったくそんなことは……」
慌てるグレイに、祖父は小さく笑う。
またグレイは「いじられ」ているのだ。
「まぁ、いいさ」
本気でどうこうということではないため、祖父もすぐに切り替える。
真面目な会話でも、ちょこちょこ冗談を交えたりと、祖父は本当にそつがない。
「そう。グレイ、あなた、即移痕を使ったのね」
「そうだよ、サリー。すごすご引き替えした、という痕跡を残してからだけどね」
「即移痕?」
1人、意味がわからずにいるレティシアに、グレイが説明をする。
こういうことは、グレイの「十八番」なのだ。
魔術も含め、いろんなことに精通していて、必要な際に必要なだけ説明を加えてくれる。
「即移は、かなりの大技です。発動するのは一瞬ですが、魔力の痕跡が、そこら中に散らばりますし、それが長く残るんですよ」
「その中に紛れて、追跡を巻いたってこと?」
「そういうことです」
「へえ! やるじゃん、グレイ! さすがだね!」
本当に感心したのだが、グレイは苦笑いをしている。
そして、祖父に視線を投げた。
「ですが、大公様には、あっという間に見つかってしまいました」
祖父は、相変わらずだ。
いつものように穏やかな口調で、なんでもなさそうに言う。
「きみの考えそうなことくらい、わからなくてどうするね?」
簡単そうに言っているが、ラペル公爵家もおかかえの魔術師を使ってグレイを探していたようだ。
それでも、見つからずにいたグレイをどうやって見つけたのか気になる。
まだ再雇用していない内に、魔力の分配を行ったのだろうか。
グレイはエッテルハイムの城に隠れていたのだ。
あの城は、魔力疎外がされている。
魔力の分配は行えなかったはずだ。
けれど、だからこそ、エッテルハイムの城ではないか、と当たりをつけることはできたかもしれない。
そう思って、聞いてみた。
「お祖父さま、グレイに魔力分配してたの?」
「いや、雇い直し前には、していなかったよ。どんな難癖をつけられるかわからないからね。用心していたのさ」
「なら、どうやってグレイを見つけたの?」
「見つけるというより、グレイを知っている、といったところかな。ルパート……ラペル公爵は、魔術師を使って捜索させていた。にもかかわらず、グレイは見つからない。だとすると……」
ひょいと、祖父が軽く肩をすくめる。
「感知できない場所にいる、ということだ。それに、最近、グレイは潜伏先に適した場所を知ったばかりだからね」
「すごいね! お祖父さま、探偵みたい!」
「たんてい? 探しものが上手な者のことかい?」
「だいたいそんな感じ。推理……状況とか相手の性格とかから推測して、犯人を見つける仕事をしてる人のことだよ」
レティシアの言葉に、グレイが微妙な顔をした。
ちょっぴり不本意といった表情が混じっている。
「……犯人……」
たとえが悪かったと、すぐさま反省した。
今回のことでは、グレイは被害者なのだ。
レティシアは、そそくさと話題を変える。
「でもさ、ずっとあそこにいるつもりだったの? 食べ物なさそうだったけど」
「近くには川がございましたし、城の外には動物もいましたので、問題はありませんでした」
「時々、外に出て狩りをしていたのね」
サリーの言葉に、グレイがうなずいた。
あの城には、突然、中に放り込まれたので周りの様子は、よく知らない。
帰りに、少しだけ城の外に出たが、夜だったので見えなかったのだ。
「辺境地というのも都合がよかったよ。アンバス侯爵を捜索していた近衛も引き上げていたしね。井戸もあって、飲み水には困らなかったんだ」
おそらくグレイは、頭の中にあるという地図も利用したのだろう。
膨大な量を記憶しているのだと、サリーから聞いていた。
そのサリーが、少し不機嫌そうにグレイに聞く。
「それで……? どのくらいを想定していたのかしら?」
サリーの不機嫌さに、グレイは気づかなかったようだ。
いつもサリーを見ているくせに、グレイは、ちょいちょい鈍かった。
「5年かな」
あっさり言われても。
レティシアは、その長さに驚いて声をあげる。
「ご……っ……5年っ?」
が、グレイは、あたり前という顔を崩さなかった。
グレイのことだから、事前に見積もっていたに違いない。
「私戦は人を使います。財政が逼迫してくれば、長くは続けられません」
「いや、グレイ……5年は長いでしょ……」
「そうでしょうか?」
グレイにとっては、予測の範疇なのだろう。
だとしても、毎日、心配していた身としては、それがどれほど長いかわかってほしいと思う。
とくにサリーは、ひどく心を痛め、泣いていたのだ。
少しだけグレイに、イラっとした。
そこにすかさず、祖父の声がする。
「サリー、私が許そう。グレイを箒の柄で、ぶってやりなさい」
ひゅと、祖父が左手を軽く振った。
とたん、サリーの膝の上にホウキが現れる。
見て、グレイは泡を食ったように立ち上がった。
「な、なぜでしょうかっ……?!」
「なぜでも、だよ」
サリーも、ホウキを手に立ち上がっている。
祖父のそっけない言葉に呆然となっているらしきグレイに向かって。
バシーン!!
「いっ……っ!!」
頭を押さえ、グレイがしゃがみこんだ。
祖父が、にこやかに微笑む。
「サリーは優しいねえ。柄ではなく穂先を使うとは」
これは、グレイが悪い、と明確に言えた。
レティシアも、しっかりとうなずく。
「まったくだよ」
グレイが頭をさすりながら、立ち上がった。
サリーはホウキを膝に、ソファに腰を下ろしている。
が、つーんと、そっぽを向いていた。
「グレイ、きみは”普通”の執事から、出直したまえ」
「……かしこまりました」
グレイが、しょんぼりと肩を落とし、ぺこりと頭を下げた。
その姿には、同情を禁じ得ないけれど。
グレイが騎士として振る舞うことの是非はともかくとして、だ。
もう少し恋にかまけてもいいのではなかろうか。
そのためには「普通の」執事のほうがいいのかもしれない、と思った。
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