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第2章 黒い風と金のいと
お祖父さまと一緒 2
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レティシアは、1人で休憩室にいる。
ぼ~っとしていた。
(貴族のご令嬢って、基本、ヒマなんだな)
屋敷の改装だとか、連れ去り事件とか。
死にかけたこともあったりして、この世界に来てから、毎日は、かなり慌ただしかった。
最初は、みんなと打ち解けることだけを考えていたし。
その後は、王子様から逃げることばかりになっていたし。
(あと少しで、半年になるのか~)
思うと、あっという間だった気がする。
渦中にいる時には感じなかったが、振り返ると色々なことがあった。
現代日本にいたら驚くようなことだらけだ。
なにしろ、あちらの世界にはない「魔術」が、この世界にはある。
貴族風な社会であっても、あちら側の貴族とは微妙に違ってもいた。
もちろんレティシアは、あちら側の貴族のことも詳しく知っているとは言えない。
歴史や小説、洋画などで知り得た知識しかないので、どこが違うと明確にはできないのだ。
それでも、ここが別の次元の世界だということを、ちょこちょこと感じる。
本を読んでいても、理屈がさっぱり理解できない。
つい最近のことでは、私戦などが、それだ。
2人に解説してもらって、ようやく飲み込めている。
(平和だったんだよなぁ。あっちじゃ、攫われるかもとか、殺されるかもとか、思ったことなかったもんなー)
現代日本では、私戦は認められてはおらず、裁判で決着をつけるのが普通だった。
家同士で喧嘩をするなど、それこそヤのつく職業くらいしか思いつけない。
考えかたは似ているのかもしれないが、レティシアの持つ貴族の印象とは、だいぶかけ離れている。
(でも、ここで生きてくんだから、もっと勉強しないとなー。グレイやサリーがいないと、意味わかんないこと多いけどさ)
以前のレティシアが学んでいたからか、文字の読み書きはできた。
だとしても、意味がわかるかどうかは別だ。
ちょっとしたことが、わからなかったりする。
たとえば「暦」についても、少し前に知ったばかりだった。
現代日本は、常にカレンダーに生活が縛られている。
学校も職場も、平日に休日、祝日があり、それに従って行動していた。
金曜日になれば、週末だなと感じる。
日曜の夜には、明日から新しい週の始まりかと思う。
それを不思議に思ったこともない。
夏休みがあるのも「暑いから」「お盆は風習」以上の理屈を必要とはしていなかった。
(そういうもんだって思ってたよ。習慣ってやつだね)
それが、この世界では異なるのだ。
暦は国によって違うらしいし、ぴったりとカウントされるわけでもない。
だいたいこれぐらい、といったふうに季節が動いていく。
建国記念日すら決まった日がないというのだから驚いてしまう。
(でも、1月から12月まであるってとこは同じだから、おっかしいよなー)
どこでどう帳尻を合わせているのか、一応、1年は1月から12月までと定まっていた。
なのに、1ヶ月が30日とか31日とかではないのだ。
(なんとなく8月になったとか……それでやってけるのが謎過ぎる……)
派遣社員として働いていたレティシアとしては、そんな大雑把で生活が成り立っているのが、信じられない。
1日何時間労働、フルタイムかシフトか、休みは土日か平日か。
とかく、きっちりとした管理は必要だった。
直接的に給与に繋がるため、ぼんやりしていると生活できなくなる。
(こっちの世界は平和ではないけど、のんびりはしてるってことだよね)
屋敷のみんなは、住み込みで働いている。
衣食住は雇い主持ちが常識だった。
雇い主である貴族は領民からの税金で生活を賄っている。
そして、その領民は、貴族によって守られていた。
領地でのモメ事や、別の領地との諍いは、領主がおさめることになっている。
その対価が税なのだ。
(でも、ウチって特殊なんだよなー。領地があるようでないも同然。領民がいないのに、どっからお金が湧いて出てくるんだろ……お父さまのお給料……? 宰相だし、それなりに高給取りってやつなのかな)
ローエルハイド公爵家は、ほかの貴族とは違う。
公爵家自体に、そもそも領地がない。
祖父は領地を持っているが、ほとんどが森で領民はいなかった。
グレイ曰く「ローエルハイドとの縁を結びたがる者が、多過ぎるのですよ」とのこと。
下位貴族を持たないのも同じ理由だ。
そりゃそうだ、と思う。
1人でも領民とすれば、我も我もと集まってくるに違いない。
絶対的な命の保証がされるのだから、当然だろう。
下位貴族の中には、公爵家との繋がりを笠に着る者も出てくるかもしれない。
祖父は偉大に過ぎる。
力を持つというのは、そういうことなのだ。
自らが何もしなくても、厄介事があちらからやってくる。
それを寄せつけないために、あえて公爵家は孤立を選んできた。
(まぁ、お祖父さまにお父さま、お母さまもいるし、みんなだっているしね。全然、寂しくないんだな、これが)
あちらの世界での暮らしでは、いろんな人との繋がりはあったが、毎日が寂しかった。
比べると、こちら世界では寂しいと感じることがない。
夜、眠るのも怖くなかった。
明日は何をしようかとか、マルクのおウチご飯とか、楽しみなことがたくさんある。
(あっちでさ。お父さんとお母さんが生きてたら、未練あっただろうけど……帰ったって1人なんだもん……未練なんて、なーんもない)
あちらにいたら、もっと両親のことを思い出して寂しくなっていたはずだ。
ここにいるから、寂しさも忘れていられる。
あちらの世界で生きていたことをなかったことにはしたくないし、できない。
だから、時々は思い出したりするけれども。
「レティ、いるかい?」
休憩室の扉が開き、祖父が顔を出した。
祖父は、昼食後、森の様子を見に帰っていたのだ。
ぴょんっとソファから立ち上がり、入ってきた祖父に駆け寄る。
すぐに抱き着く。
最近、どんどん遠慮がなくなってきた気はするが、顔を見ると嬉しくなってしまうのだ。
一緒にいる時間が長くなっているせいか、甘え度が上がっている。
「あっちはどうだった?」
「サディアスに入ってから、ワスプが多くなっていたね」
「ワスプ……蜂か~! おっきい奴でしょ?」
「そうだよ。ワスプは蜂蜜も作らず、悪さばかりして困ったものだ」
祖父が、いつものように軽口を叩きながら、肩をすくめた。
仕草のひとつひとつに、見惚れる。
陽気で洒落が利いていて、いかにもジェントル。
気取りがないところも素敵だ。
口調が穏やかで優しいからだろう。
ブルジョア感が、まったくない。
祖父は「貴族気質が染みついている」と言っていたが、そんな雰囲気は感じられなかった。
ちなみにサディアスというのは、現代日本でいう「8月」の呼び名だ。
レティシアは、8月を「葉月」と呼称されていたのと同じ感覚で覚えていた。
現代日本では季節や風習からつけられたものだったが、この国での暦の名は歴代国王の名になっている。
とはいえ、まだ国が成り立つ前からの統治者の名が含まれているらしい。
初代国王のガルベリー1世は、12月の「ホルス」だ。
レティシアがこの世界に来たのが3月のジリル、打ち解けようとしていたのが4月のナサニエル、死にかけて祖父と逃避行したのが5月のケネス、攫われたのが6月のデクスター、屋敷に戻り何事もなかったのは、今のところ7月のランドルだけだった。
この後、9月のエメリー、トラビス、フィランダー、ホルス、年が明けてアリスタ、ブレント、となる。
レティシアの誕生月はジリルの中旬。
3月生まれなのだ。
「今日はグレイがいなくて、サリーも忙しくしているようだね」
「うん。グレイって、やっぱり有能執事なんだなーって思った」
くすくすと祖父が笑う。
胸を、きゅーんとさせながら、レティシアは祖父の顔を見上げていた。
そのレティシアの頭を、祖父がゆるく撫でてくれる。
「どうだろう。私と2人で出かけないかい?」
「行く!」
即答だった。
祖父の「お誘い」を断るなんて考えもしない。
きっと楽しいに決まっているのだから。
「それなら、軽く準備をしてから出発しよう」
「準備?」
「動き易い格好のほうがいいところ、なのだよ」
祖父が、いたずらっぽく片目を閉じてみせた。
(う、ウィンクー!! お祖父さまのウィンク……破壊力、半端ない……)
この感覚を現代日本風に、レティシアは心で表現する。
お祖父さまが素敵過ぎて、ツラい。
ぼ~っとしていた。
(貴族のご令嬢って、基本、ヒマなんだな)
屋敷の改装だとか、連れ去り事件とか。
死にかけたこともあったりして、この世界に来てから、毎日は、かなり慌ただしかった。
最初は、みんなと打ち解けることだけを考えていたし。
その後は、王子様から逃げることばかりになっていたし。
(あと少しで、半年になるのか~)
思うと、あっという間だった気がする。
渦中にいる時には感じなかったが、振り返ると色々なことがあった。
現代日本にいたら驚くようなことだらけだ。
なにしろ、あちらの世界にはない「魔術」が、この世界にはある。
貴族風な社会であっても、あちら側の貴族とは微妙に違ってもいた。
もちろんレティシアは、あちら側の貴族のことも詳しく知っているとは言えない。
歴史や小説、洋画などで知り得た知識しかないので、どこが違うと明確にはできないのだ。
それでも、ここが別の次元の世界だということを、ちょこちょこと感じる。
本を読んでいても、理屈がさっぱり理解できない。
つい最近のことでは、私戦などが、それだ。
2人に解説してもらって、ようやく飲み込めている。
(平和だったんだよなぁ。あっちじゃ、攫われるかもとか、殺されるかもとか、思ったことなかったもんなー)
現代日本では、私戦は認められてはおらず、裁判で決着をつけるのが普通だった。
家同士で喧嘩をするなど、それこそヤのつく職業くらいしか思いつけない。
考えかたは似ているのかもしれないが、レティシアの持つ貴族の印象とは、だいぶかけ離れている。
(でも、ここで生きてくんだから、もっと勉強しないとなー。グレイやサリーがいないと、意味わかんないこと多いけどさ)
以前のレティシアが学んでいたからか、文字の読み書きはできた。
だとしても、意味がわかるかどうかは別だ。
ちょっとしたことが、わからなかったりする。
たとえば「暦」についても、少し前に知ったばかりだった。
現代日本は、常にカレンダーに生活が縛られている。
学校も職場も、平日に休日、祝日があり、それに従って行動していた。
金曜日になれば、週末だなと感じる。
日曜の夜には、明日から新しい週の始まりかと思う。
それを不思議に思ったこともない。
夏休みがあるのも「暑いから」「お盆は風習」以上の理屈を必要とはしていなかった。
(そういうもんだって思ってたよ。習慣ってやつだね)
それが、この世界では異なるのだ。
暦は国によって違うらしいし、ぴったりとカウントされるわけでもない。
だいたいこれぐらい、といったふうに季節が動いていく。
建国記念日すら決まった日がないというのだから驚いてしまう。
(でも、1月から12月まであるってとこは同じだから、おっかしいよなー)
どこでどう帳尻を合わせているのか、一応、1年は1月から12月までと定まっていた。
なのに、1ヶ月が30日とか31日とかではないのだ。
(なんとなく8月になったとか……それでやってけるのが謎過ぎる……)
派遣社員として働いていたレティシアとしては、そんな大雑把で生活が成り立っているのが、信じられない。
1日何時間労働、フルタイムかシフトか、休みは土日か平日か。
とかく、きっちりとした管理は必要だった。
直接的に給与に繋がるため、ぼんやりしていると生活できなくなる。
(こっちの世界は平和ではないけど、のんびりはしてるってことだよね)
屋敷のみんなは、住み込みで働いている。
衣食住は雇い主持ちが常識だった。
雇い主である貴族は領民からの税金で生活を賄っている。
そして、その領民は、貴族によって守られていた。
領地でのモメ事や、別の領地との諍いは、領主がおさめることになっている。
その対価が税なのだ。
(でも、ウチって特殊なんだよなー。領地があるようでないも同然。領民がいないのに、どっからお金が湧いて出てくるんだろ……お父さまのお給料……? 宰相だし、それなりに高給取りってやつなのかな)
ローエルハイド公爵家は、ほかの貴族とは違う。
公爵家自体に、そもそも領地がない。
祖父は領地を持っているが、ほとんどが森で領民はいなかった。
グレイ曰く「ローエルハイドとの縁を結びたがる者が、多過ぎるのですよ」とのこと。
下位貴族を持たないのも同じ理由だ。
そりゃそうだ、と思う。
1人でも領民とすれば、我も我もと集まってくるに違いない。
絶対的な命の保証がされるのだから、当然だろう。
下位貴族の中には、公爵家との繋がりを笠に着る者も出てくるかもしれない。
祖父は偉大に過ぎる。
力を持つというのは、そういうことなのだ。
自らが何もしなくても、厄介事があちらからやってくる。
それを寄せつけないために、あえて公爵家は孤立を選んできた。
(まぁ、お祖父さまにお父さま、お母さまもいるし、みんなだっているしね。全然、寂しくないんだな、これが)
あちらの世界での暮らしでは、いろんな人との繋がりはあったが、毎日が寂しかった。
比べると、こちら世界では寂しいと感じることがない。
夜、眠るのも怖くなかった。
明日は何をしようかとか、マルクのおウチご飯とか、楽しみなことがたくさんある。
(あっちでさ。お父さんとお母さんが生きてたら、未練あっただろうけど……帰ったって1人なんだもん……未練なんて、なーんもない)
あちらにいたら、もっと両親のことを思い出して寂しくなっていたはずだ。
ここにいるから、寂しさも忘れていられる。
あちらの世界で生きていたことをなかったことにはしたくないし、できない。
だから、時々は思い出したりするけれども。
「レティ、いるかい?」
休憩室の扉が開き、祖父が顔を出した。
祖父は、昼食後、森の様子を見に帰っていたのだ。
ぴょんっとソファから立ち上がり、入ってきた祖父に駆け寄る。
すぐに抱き着く。
最近、どんどん遠慮がなくなってきた気はするが、顔を見ると嬉しくなってしまうのだ。
一緒にいる時間が長くなっているせいか、甘え度が上がっている。
「あっちはどうだった?」
「サディアスに入ってから、ワスプが多くなっていたね」
「ワスプ……蜂か~! おっきい奴でしょ?」
「そうだよ。ワスプは蜂蜜も作らず、悪さばかりして困ったものだ」
祖父が、いつものように軽口を叩きながら、肩をすくめた。
仕草のひとつひとつに、見惚れる。
陽気で洒落が利いていて、いかにもジェントル。
気取りがないところも素敵だ。
口調が穏やかで優しいからだろう。
ブルジョア感が、まったくない。
祖父は「貴族気質が染みついている」と言っていたが、そんな雰囲気は感じられなかった。
ちなみにサディアスというのは、現代日本でいう「8月」の呼び名だ。
レティシアは、8月を「葉月」と呼称されていたのと同じ感覚で覚えていた。
現代日本では季節や風習からつけられたものだったが、この国での暦の名は歴代国王の名になっている。
とはいえ、まだ国が成り立つ前からの統治者の名が含まれているらしい。
初代国王のガルベリー1世は、12月の「ホルス」だ。
レティシアがこの世界に来たのが3月のジリル、打ち解けようとしていたのが4月のナサニエル、死にかけて祖父と逃避行したのが5月のケネス、攫われたのが6月のデクスター、屋敷に戻り何事もなかったのは、今のところ7月のランドルだけだった。
この後、9月のエメリー、トラビス、フィランダー、ホルス、年が明けてアリスタ、ブレント、となる。
レティシアの誕生月はジリルの中旬。
3月生まれなのだ。
「今日はグレイがいなくて、サリーも忙しくしているようだね」
「うん。グレイって、やっぱり有能執事なんだなーって思った」
くすくすと祖父が笑う。
胸を、きゅーんとさせながら、レティシアは祖父の顔を見上げていた。
そのレティシアの頭を、祖父がゆるく撫でてくれる。
「どうだろう。私と2人で出かけないかい?」
「行く!」
即答だった。
祖父の「お誘い」を断るなんて考えもしない。
きっと楽しいに決まっているのだから。
「それなら、軽く準備をしてから出発しよう」
「準備?」
「動き易い格好のほうがいいところ、なのだよ」
祖父が、いたずらっぽく片目を閉じてみせた。
(う、ウィンクー!! お祖父さまのウィンク……破壊力、半端ない……)
この感覚を現代日本風に、レティシアは心で表現する。
お祖父さまが素敵過ぎて、ツラい。
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