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第1章 暗い闇と蒼い薔薇
おウチに帰ろう 3
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ジークは、眠っている彼の孫娘の顔を、じっと見ていた。
ベッドの端には、彼が座っている。
彼も、彼女の顔を見つめていた。
彼は、ウサギのことを話す気はないらしい。
孫娘が自由気ままにしていられなくなるのを避けたいからだ。
たかがウサギ1匹。
されどウサギ1匹。
1を疑えば、すべてを疑わざるを得なくなる。
彼女は、あのウサギを追ってサイラスの罠に嵌っていた。
直前まで抱いていたことから考えても、気にいっていたのは間違いない。
騙されていたと知れば、傷つきもするだろう。
そして、森にいる動物が、誰かの「変化」かもしれない、と疑うことになる。
彼の気持ちが、ジークには理解できた。
窮屈に縛りつけられた生活なんて似合わない。
彼の孫娘は変わっているから。
(なぁ、なんで屋敷に帰るんだ?)
あんなことがあったばかりだ。
それに、サイラスだって同じ手が何度も通用するとは思っていないだろう。
ジークも、当然に、そんなことは許すつもりはない。
だから、屋敷にいるより、ここにいるほうが安全に思えた。
ウサギの話をしないのであれば、彼女も自由に伸び伸びできる。
なぜ、あえて屋敷に帰るのかが、ジークにはわからなかった。
「絶対、というものがないからだよ」
彼の口調に、わずかな感情が漂っている。
とてもめずらしいことだ。
どうやら彼も、ここを離れるのは本意ではないらしい。
残念がっているのが伝わってくる。
「ここは広過ぎる。常にレティを私の監視下に置く、というのもね」
彼が「看随」を使えば、常に彼女の動向を知ることはできるのだ。
看随は、彼の眼が孫娘にくっつくようなもので、遠眼鏡と連動させると、どこにいるかの把握も、簡単にできる。
(でも、サイラスは同じ手は使わないだろ?)
「同じ手を、使わないからさ」
絶対などない。
別の策で、サイラスは彼女を攫おうとするかもしれない。
が、森は広過ぎて、むしろ対処が遅れることになりかねない。
今回のように。
(屋敷のほうが安全かもな……人目があるし)
「そこなのだよ、ジーク」
この場所は人目がないため、サイラスもやりたい放題できる。
なにしろ「即移」なんて、とびきりの大技を使ったぐらいだ。
あんなもの王都で発動させたら、大変なことになる。
ここだからこそ、取れた策だった。
魔術は万能ではない。
それぞれに、なにがしかの制約がある。
たとえば移動に関する魔術なども、その種類によって制約が違った。
転移は意思に縛られる魔術だ。
他者を転移させることはできても、その相手が同意していなければならない。
即移は意思とは関係なく、強制的に他者を特定の場所に連れて行ける。
ただし、そのためには魔術発動のための「目印」がいる場所に相手を誘導しなければならない。
転移と即移は、基本的に意識のある者にかける魔術だが、意識のない者にかける「遷致」という魔術もあった。
が、これは必ず相手にふれなければならないし、あらかじめ移動させる場所を決めておく必要がある。
そうした魔術の特性のほとんどを、彼は把握していた。
なにしろ彼より多く魔術を扱える者などいないのだ。
おそらくサイラスが「やりたい放題」できる場所で使える、何か大きな魔術が存在している。
彼は、それを警戒しているのだろう。
サイラスに使えるのかどうかはともかく「絶対」は、ない。
少なくとも王都の、王宮に近い屋敷付近で大技の披露などできないはずだ。
もちろん、それも「絶対」ではないけれど。
「どうせサイラスも、当面は動けなくなる。今回の件の後始末に、時間をとられるだろうからね」
(ああ。あの城、どっかの貴族の持ち城だったっけ)
「アンバス侯爵が気の毒だよ」
ジークは貴族にも、その行く末にも興味がない。
なので、彼に肩をすくめてみせただけだ。
彼も、本気で同情しているわけではないだろう。
彼の感情のすべては孫娘だけに向けられている。
辺境地の貴族がどうなろうと、知ったことではないのだ。
おそらくサイラスは、その貴族に罪をなすりつける気でいる。
そういう奴だとの印象があった。
どんな「後始末」をする気かは知らないけれど。
彼はとっくに宰相である息子に連絡をとっている。
王宮に属しているし、なにより彼女の父親だ。
事の次第を知らせておくべきではある。
自分の娘が攫われたとなれば、彼の息子も黙ってはいまい。
王宮でひと悶着あると考えるのが妥当だ。
正直、ジークには王宮自体が「面倒の種」だと思える。
ジークは、彼女から外した視線を彼に向けた。
そのわずかな気配を、彼はすぐに察する。
「確かに、あの2人に始末をつけるほうが、手っ取り早いのはわかっているよ」
(なら、なんでしねーの? 息子が王宮勤めしてるからか?)
ふっと、彼が小さく笑った。
ジークの予想はハズレだったらしい。
「どうにもね。レティは、王太子を悪い奴だと思っていないのだよ」
それは、あまりにもお人好しに過ぎるのではないか。
自分を攫った男が、悪い奴でないわけがない。
そう言いたかったものの、彼だって同じ意見を持っているとわかっていたので、黙っていた。
彼にとって大事なのは、彼自身やジークがどう思うかではないのだ。
「今のところ、冤罪“かもしれない”という可能性も残されていることだし、勝手に始末をつけることはできないさ」
執事が言っていた「偽物」の話を、ジークは切り捨てている。
可能性など微塵もない。
冤罪なんて言っているが、彼もそんな可能性がないことを知っている。
あんな大技を使える魔術師は、そうはいないのだ。
「王太子は……まぁ、ただレティにじゃれついているだけかもしれないのでね」
それでも見逃すつもりはないのだろう。
ジークは、言外にこめられた、彼女を害さない限り、との意味を感じとっていた。
「それに、サイラスはともかく、少なくとも今は、王太子には生きていてもらう必要はある」
生きている、というのなら、あの城にいた老人も生きてはいる。
手のひらに乗るくらいの大きさになった、四角い箱の中で悲鳴を上げ続けているとしても、だ。
命が消滅していないことを「生」とするならば、老人は生きていると言えた。
彼とジークにとって、生きていること自体は、さしたる意味を持たない。
生も死も、そこに苦痛があるかどうかに、意味がある。
彼は孫娘の生に、苦痛は望まない。
が、あの老人の生には苦痛を望んだ。
同じ「生」であっても、真逆の意味を持たせている。
王太子に対しては「今のところ」どちらでもないのだろう。
単純に「生きている」だけでいい、ということ。
彼にとって、どうでもいいのなら、ジークにとっても、どうでもよかった。
「ジーク。レティは……この娘は、私の宝なのだよ」
(うん)
彼は、眠っている彼女の額に口づけをしてから立ち上がる。
ジークは、彼がどれほど孫娘を大事に想っているか、わかっている。
ジークがわかっていないとは、彼も思っていないはずだ。
にもかかわらず、言葉にした。
彼は、サイラスを許す気はない。
彼女の魔力暴走を促し、殺そうとしたこと。
彼女に死の恐怖をいだかせたこと。
そのどちらも、彼は許してなどいないのだ。
ひそやかに怒りを心の裡に宿らせ続けている。
いずれ始末をつけるつもりに違いない。
その時が来たら、サイラスは死ぬ。
彼の怒りの激しさを、ジークは感じた。
この世に、サイラスという魂すら残したくないと思うほどの、熱量だ。
あの老人に向けていた怒りとは比較にならなかった。
老人に対しても、かなり怒ってはいたが「懲らしめる」だけで終わらせている。
が、サイラスは「懲らしめる」では、すませられないのだろう。
孫娘は、彼にとっての宝。
それを心に刻む。
自分は彼の武器であり、相棒なのだ。
彼の宝は、ジークにとって「どうでもよくない」ことの範疇にある。
「ジーク」
(あいよ)
サイラスとケリをつける時には一緒に来い。
そう言われている。
それが、とても嬉しかった。
どんな、なにがあろうと、彼と道を違える気はない。
そこが深い深い闇の底でも、ついていく。
ジークは、己の生と死に、さしたる意味を持たせてはいなかった。
ベッドの端には、彼が座っている。
彼も、彼女の顔を見つめていた。
彼は、ウサギのことを話す気はないらしい。
孫娘が自由気ままにしていられなくなるのを避けたいからだ。
たかがウサギ1匹。
されどウサギ1匹。
1を疑えば、すべてを疑わざるを得なくなる。
彼女は、あのウサギを追ってサイラスの罠に嵌っていた。
直前まで抱いていたことから考えても、気にいっていたのは間違いない。
騙されていたと知れば、傷つきもするだろう。
そして、森にいる動物が、誰かの「変化」かもしれない、と疑うことになる。
彼の気持ちが、ジークには理解できた。
窮屈に縛りつけられた生活なんて似合わない。
彼の孫娘は変わっているから。
(なぁ、なんで屋敷に帰るんだ?)
あんなことがあったばかりだ。
それに、サイラスだって同じ手が何度も通用するとは思っていないだろう。
ジークも、当然に、そんなことは許すつもりはない。
だから、屋敷にいるより、ここにいるほうが安全に思えた。
ウサギの話をしないのであれば、彼女も自由に伸び伸びできる。
なぜ、あえて屋敷に帰るのかが、ジークにはわからなかった。
「絶対、というものがないからだよ」
彼の口調に、わずかな感情が漂っている。
とてもめずらしいことだ。
どうやら彼も、ここを離れるのは本意ではないらしい。
残念がっているのが伝わってくる。
「ここは広過ぎる。常にレティを私の監視下に置く、というのもね」
彼が「看随」を使えば、常に彼女の動向を知ることはできるのだ。
看随は、彼の眼が孫娘にくっつくようなもので、遠眼鏡と連動させると、どこにいるかの把握も、簡単にできる。
(でも、サイラスは同じ手は使わないだろ?)
「同じ手を、使わないからさ」
絶対などない。
別の策で、サイラスは彼女を攫おうとするかもしれない。
が、森は広過ぎて、むしろ対処が遅れることになりかねない。
今回のように。
(屋敷のほうが安全かもな……人目があるし)
「そこなのだよ、ジーク」
この場所は人目がないため、サイラスもやりたい放題できる。
なにしろ「即移」なんて、とびきりの大技を使ったぐらいだ。
あんなもの王都で発動させたら、大変なことになる。
ここだからこそ、取れた策だった。
魔術は万能ではない。
それぞれに、なにがしかの制約がある。
たとえば移動に関する魔術なども、その種類によって制約が違った。
転移は意思に縛られる魔術だ。
他者を転移させることはできても、その相手が同意していなければならない。
即移は意思とは関係なく、強制的に他者を特定の場所に連れて行ける。
ただし、そのためには魔術発動のための「目印」がいる場所に相手を誘導しなければならない。
転移と即移は、基本的に意識のある者にかける魔術だが、意識のない者にかける「遷致」という魔術もあった。
が、これは必ず相手にふれなければならないし、あらかじめ移動させる場所を決めておく必要がある。
そうした魔術の特性のほとんどを、彼は把握していた。
なにしろ彼より多く魔術を扱える者などいないのだ。
おそらくサイラスが「やりたい放題」できる場所で使える、何か大きな魔術が存在している。
彼は、それを警戒しているのだろう。
サイラスに使えるのかどうかはともかく「絶対」は、ない。
少なくとも王都の、王宮に近い屋敷付近で大技の披露などできないはずだ。
もちろん、それも「絶対」ではないけれど。
「どうせサイラスも、当面は動けなくなる。今回の件の後始末に、時間をとられるだろうからね」
(ああ。あの城、どっかの貴族の持ち城だったっけ)
「アンバス侯爵が気の毒だよ」
ジークは貴族にも、その行く末にも興味がない。
なので、彼に肩をすくめてみせただけだ。
彼も、本気で同情しているわけではないだろう。
彼の感情のすべては孫娘だけに向けられている。
辺境地の貴族がどうなろうと、知ったことではないのだ。
おそらくサイラスは、その貴族に罪をなすりつける気でいる。
そういう奴だとの印象があった。
どんな「後始末」をする気かは知らないけれど。
彼はとっくに宰相である息子に連絡をとっている。
王宮に属しているし、なにより彼女の父親だ。
事の次第を知らせておくべきではある。
自分の娘が攫われたとなれば、彼の息子も黙ってはいまい。
王宮でひと悶着あると考えるのが妥当だ。
正直、ジークには王宮自体が「面倒の種」だと思える。
ジークは、彼女から外した視線を彼に向けた。
そのわずかな気配を、彼はすぐに察する。
「確かに、あの2人に始末をつけるほうが、手っ取り早いのはわかっているよ」
(なら、なんでしねーの? 息子が王宮勤めしてるからか?)
ふっと、彼が小さく笑った。
ジークの予想はハズレだったらしい。
「どうにもね。レティは、王太子を悪い奴だと思っていないのだよ」
それは、あまりにもお人好しに過ぎるのではないか。
自分を攫った男が、悪い奴でないわけがない。
そう言いたかったものの、彼だって同じ意見を持っているとわかっていたので、黙っていた。
彼にとって大事なのは、彼自身やジークがどう思うかではないのだ。
「今のところ、冤罪“かもしれない”という可能性も残されていることだし、勝手に始末をつけることはできないさ」
執事が言っていた「偽物」の話を、ジークは切り捨てている。
可能性など微塵もない。
冤罪なんて言っているが、彼もそんな可能性がないことを知っている。
あんな大技を使える魔術師は、そうはいないのだ。
「王太子は……まぁ、ただレティにじゃれついているだけかもしれないのでね」
それでも見逃すつもりはないのだろう。
ジークは、言外にこめられた、彼女を害さない限り、との意味を感じとっていた。
「それに、サイラスはともかく、少なくとも今は、王太子には生きていてもらう必要はある」
生きている、というのなら、あの城にいた老人も生きてはいる。
手のひらに乗るくらいの大きさになった、四角い箱の中で悲鳴を上げ続けているとしても、だ。
命が消滅していないことを「生」とするならば、老人は生きていると言えた。
彼とジークにとって、生きていること自体は、さしたる意味を持たない。
生も死も、そこに苦痛があるかどうかに、意味がある。
彼は孫娘の生に、苦痛は望まない。
が、あの老人の生には苦痛を望んだ。
同じ「生」であっても、真逆の意味を持たせている。
王太子に対しては「今のところ」どちらでもないのだろう。
単純に「生きている」だけでいい、ということ。
彼にとって、どうでもいいのなら、ジークにとっても、どうでもよかった。
「ジーク。レティは……この娘は、私の宝なのだよ」
(うん)
彼は、眠っている彼女の額に口づけをしてから立ち上がる。
ジークは、彼がどれほど孫娘を大事に想っているか、わかっている。
ジークがわかっていないとは、彼も思っていないはずだ。
にもかかわらず、言葉にした。
彼は、サイラスを許す気はない。
彼女の魔力暴走を促し、殺そうとしたこと。
彼女に死の恐怖をいだかせたこと。
そのどちらも、彼は許してなどいないのだ。
ひそやかに怒りを心の裡に宿らせ続けている。
いずれ始末をつけるつもりに違いない。
その時が来たら、サイラスは死ぬ。
彼の怒りの激しさを、ジークは感じた。
この世に、サイラスという魂すら残したくないと思うほどの、熱量だ。
あの老人に向けていた怒りとは比較にならなかった。
老人に対しても、かなり怒ってはいたが「懲らしめる」だけで終わらせている。
が、サイラスは「懲らしめる」では、すませられないのだろう。
孫娘は、彼にとっての宝。
それを心に刻む。
自分は彼の武器であり、相棒なのだ。
彼の宝は、ジークにとって「どうでもよくない」ことの範疇にある。
「ジーク」
(あいよ)
サイラスとケリをつける時には一緒に来い。
そう言われている。
それが、とても嬉しかった。
どんな、なにがあろうと、彼と道を違える気はない。
そこが深い深い闇の底でも、ついていく。
ジークは、己の生と死に、さしたる意味を持たせてはいなかった。
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