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第1章 暗い闇と蒼い薔薇
王子様の誤算 3
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ジークは空を飛んでいる。
晴れた青空の下、気持ちのいい空気が漂っていた。
が、ジークが飛んでいるのは、良い天気だからではない。
彼の孫娘が、ここで暮らし始めてからの日課だ。
定期的に空からの監視を行っている。
1日に数回、烏の姿で飛びながら「危険」を探していた。
ジークは、自在に体を変えることができる。
都合がよいので烏になっているだけで、時と場合によって使い分けるのだ。
ネズミのような小さなものから狼のような中型の獣など、見たことのある生き物になら、なんにでもなれる。
これがジークの生まれながらに持つ「変転」という能力だった。
魔術や薬での「変化」とは違う。
おかげで、彼から与えられる魔力は、純粋に攻撃や防御に使うことができた。
体が大きくなろうと小さくなろうと魔力量は変わらない。
そして、数は半分ほどで規模も小さくはあるが、ジークは彼と同じ力を有している。
(遠眼鏡が使えりゃ、下がもっとはっきり見えるんだけどサ)
上空から見ると、森全体に、うっすらと靄がかかっていた。
彼のかけた絶対防御の領域特有の現象だ。
動物本来の能力で言えば、鷹や鷲のほうが目はいい。
だが、体が動物の姿をとっても、その能力までは受け継がないので、種類には意味がなかった。
逆に、その動物の能力を無視するからこそ、力が混在することなく、ジークはジーク本来の力を使えるとも言える。
つまり、烏の姿はジークの好みなのだ。
彼の象徴である「黒」が気に入っている。
(サイラスは、せっかちって言ってたな。そんなことじゃ、あの人に太刀打ちできねーと思うぜ?)
彼は恐ろしく気が長く、待つことをなんとも思わない。
孫娘のことにしたって、十年も待ったのだ。
彼曰く「早く結末を見たところで、たいていはがっかりするものだよ」とのこと。
戦争で、8ヶ月も待ったあげくの結果が、あれだった。
ただ待っているだけで勝てた戦争で、危うく犠牲を出しかけたのだ。
それでも、人は感情に流される生き物だし、彼のようにどんな時でも理性的でいられるわけではない。
彼は特別に過ぎる。
だから孤独でしかいられないのだろう。
彼に見えているのが、どんな結末なのかはわからない。
けれど、結末を見る時に、隣に自分がいればいい、と思う。
空を飛んでいるジークよりも彼は飄々としているから。
知らない間に消えている、なんてこともありそうで怖かった。
両親に捨てられたジークの心の拠りどころは彼だけだ。
彼に置いていかれたら、どこにも居場所などない。
傷の舐め合いをする気はないが、彼といると孤独が癒される。
彼もまた、そうであればいいのに、とジークは思うのだ。
ただ、未だ彼にとって自分がどんな存在かは、わからずにいる。
(ま、やることがあるうちは大丈夫だろ)
孫娘がいる間、彼はどこにもいかない。
声をあげて笑うようにもなったのだし。
そんな彼を見ていると、家族とはなんだろうと思うことがある。
ジークに家族はいなかった。
彼は相棒であって、家族ではないからだ。
だから、家族がどんなものか知らないまま生きている。
欲しくないというより、必要を感じなかった。
彼にとっては、なにか特別なのだろうとは思うのだけれど。
(あの人のトクベツなら、俺にとってもトクベツってだけサ)
孫娘に対しては、嫉妬も羨望もいだいていない。
ジークの思考は、とても簡単な方向に向いている。
どうでもいいことと、どうでもよくないこと。
この2つしかなかった。
してもいいことだとか、やりたいことだとかは存在しないのだ。
ジークは空を、ひゅるりひゅるりと旋回中。
その動きが止まる。
輪を描くのをやめて、ひとつところにとどまった。
地表に動くものを見つけたのだ。
(なんだ、アイツラ)
少し高度を下げて、動く人影を追う。
攻撃に転じなかったのは、知った人物だったからだ。
執事とメイドの2人が、木々に紛れるようにして森を歩いている。
こんなところで何をしているのか。
さらに高度を下げ、彼らの頭上を飛んで行った。
(ああ。そういうことか)
彼らの先に、少し拓けた場所がある。
そこにある石の上に、彼の孫娘が座っていた。
彼らは、彼女の背後にいるのだ。
ジークから見えているのも後ろ姿だったが、間違えるはずもない。
彼女は魔力を抑制する魔術すら使えないため、魔力感知に引っかかる。
執事とメイドは魔力を隠しているらしかった、
実際、ジークは魔力感知ではなく彼らを視認している。
(なにやってんだかな)
おそらく彼女は部屋を抜け出してきたのだろう。
それを、彼らは追ってきた、というところ。
執事とメイドは彼女の側に仕えるのが仕事だ。
なぜあんなふうに、こそこそしているのか、わからない。
声をかければいいはずなのに、少し離れた場所にとどまっている。
どうやら姿を見せるつもりはないようだ。
ジークも、よく姿を消して彼女を見守っていたりはする。
みんなが寝静まった夜中とかは、とくに注意をはらっていた。
逆に、人の動きがある日中は外の警戒をしている。
(あの人は、そうでもないって言ってたけど、やっぱり変わってるぜ)
貴族の令嬢は、森を1人で歩き回ったりはしない。
ましてや自分の危うい状況を理解していながら、供も連れず出歩いたりはしないものだ。
だが、彼女は少しも気にしている様子がなかった。
彼が一緒にいることで安心しきっているのかと思えば、そういうことでもないように感じる。
性格というか資質というか。
だいたい彼女は自分の魔力を把握していないのだ。
それも解せない。
彼女から吸い上げた魔力を、一身に受けたジークとしては、その大きさがとてつもないものだとわかっている。
受け止めた端から捨てていなければ大量の魔力の渦に巻き込まれていただろう。
ジークは、姿を自在に変えられる「変転」のほかに、もう1つ独自の能力を持っていた。
ジークだけが使える「積在」という力だ。
荷物を小さな箱に詰め、物置にしまいこむようなもので、魔力を取っておいたり、捨てたりできる。
彼から魔力を与えられてはいるが、常に彼と繋がっていられるとは限らない。
だから、用心のためジークは余剰分の魔力を箱詰めにしてストックしている。
とはいえ、彼の孫娘の魔力は大量で、せっせと箱に詰め、せっせと捨てた。
少しくらいは取っておこうか、なんて欲をかけないほどの量だったからだ。
あんなものを抱えているのに平然としていられるのが、ジークには信じられなかった。
普通なら、とっくに「壊れて」いる。
しかも、彼女は彼の孫娘であるにもかかわらず、魔術を習得しようとは思っていないらしい。
習いたいだとか、覚えたいだとか、彼に相談するそぶりも見せなかった。
(わかんねーよな。あんだけの魔力と器がありゃ、すげえコトがいっぱいできるってのに。欲がないのかね)
ともあれ、彼女が変わっていることは確かだ。
そのため日頃は人に関心のないジークでさえも好奇心をいだいている。
することがないので物思いにふけりつつ、ひゅるりひゅるりと旋回を続けた。
彼女にも、後ろに控えている2人にも動きはない。
何度目かの輪を描いた時だ。
(……なんだ? なんか……気持ち、わりい……)
なにがということもないのだが、なんだか気持ちが悪い感じがする。
はっきりとはしない。
澄んだ空気中に、ごく微量の「おかしな」ものが混じっていて、それをなんとなく嗅ぎ分けているといったふうだった。
だが、ジークは即座に魔術を発動する。
『おかしいと思ったら、それはおかしいのだよ。いつも通りではない、ということだからね。無視してはいけない』
彼から、そう教わっていた。
ジークが発動したのは「早言葉」と呼ばれる、決まった相手と会話をするための魔術。
もちろん、決まった相手というのは彼だ。
(どうしたね?)
少し遅れて言葉がとどく。
早言葉は、彼の使える「即言葉」とは違い、時間的に少し遅れる。
だから、すぐに魔術を切った。
彼からの呼びかけに応じたほうが、自分が魔術を使うより会話が早いからだ。
(なんかおかしい。気持ちわりいんだ)
(そうか。ジーク、レティの近くに動物はいるかい?)
(動物……?)
旋回しながら彼の孫娘を、よく観察する。
後ろ姿だけでは見えなかった場所が見えた。
(いる! アンタの孫娘、ウサギを抱いてる!)
(私もすぐにそっちに行くよ)
(オレの真下だ!)
言わずもがなのことを口走ってしまう。
そんなこと、言わなくても彼にはわかっているはずなのに。
(くそう! しくじった!)
彼からは「絶対などということはない」と教わってもいた。
なのに、どこかで、ここは安全だと思い込んでいたのだ。
自分だって、この姿で空を飛んでいる。
他の鳥や動物を、散々、見ていたのに気づかなかった。
不意に、ウサギが顔を上げる。
そして、まるでジークに気づいたかのように、彼女の腕から飛び出した。
木々に紛れ、小さなウサギの姿は、あっという間に見えなくなる。
それを追うためか、彼女まで走り出し、その後ろに続く2人。
姿が見えないためウサギだけを狙うことはできない。
噴き飛ばすか、丸焼きにするかするのなら中範囲での攻撃が有効だ。
けれど、近くには彼の孫娘がいる。
個の絶対防御は、身の危険を感じなければ発動しない。
ジークに今できることは、彼女の姿を見失わないようにすることだけだった。
晴れた青空の下、気持ちのいい空気が漂っていた。
が、ジークが飛んでいるのは、良い天気だからではない。
彼の孫娘が、ここで暮らし始めてからの日課だ。
定期的に空からの監視を行っている。
1日に数回、烏の姿で飛びながら「危険」を探していた。
ジークは、自在に体を変えることができる。
都合がよいので烏になっているだけで、時と場合によって使い分けるのだ。
ネズミのような小さなものから狼のような中型の獣など、見たことのある生き物になら、なんにでもなれる。
これがジークの生まれながらに持つ「変転」という能力だった。
魔術や薬での「変化」とは違う。
おかげで、彼から与えられる魔力は、純粋に攻撃や防御に使うことができた。
体が大きくなろうと小さくなろうと魔力量は変わらない。
そして、数は半分ほどで規模も小さくはあるが、ジークは彼と同じ力を有している。
(遠眼鏡が使えりゃ、下がもっとはっきり見えるんだけどサ)
上空から見ると、森全体に、うっすらと靄がかかっていた。
彼のかけた絶対防御の領域特有の現象だ。
動物本来の能力で言えば、鷹や鷲のほうが目はいい。
だが、体が動物の姿をとっても、その能力までは受け継がないので、種類には意味がなかった。
逆に、その動物の能力を無視するからこそ、力が混在することなく、ジークはジーク本来の力を使えるとも言える。
つまり、烏の姿はジークの好みなのだ。
彼の象徴である「黒」が気に入っている。
(サイラスは、せっかちって言ってたな。そんなことじゃ、あの人に太刀打ちできねーと思うぜ?)
彼は恐ろしく気が長く、待つことをなんとも思わない。
孫娘のことにしたって、十年も待ったのだ。
彼曰く「早く結末を見たところで、たいていはがっかりするものだよ」とのこと。
戦争で、8ヶ月も待ったあげくの結果が、あれだった。
ただ待っているだけで勝てた戦争で、危うく犠牲を出しかけたのだ。
それでも、人は感情に流される生き物だし、彼のようにどんな時でも理性的でいられるわけではない。
彼は特別に過ぎる。
だから孤独でしかいられないのだろう。
彼に見えているのが、どんな結末なのかはわからない。
けれど、結末を見る時に、隣に自分がいればいい、と思う。
空を飛んでいるジークよりも彼は飄々としているから。
知らない間に消えている、なんてこともありそうで怖かった。
両親に捨てられたジークの心の拠りどころは彼だけだ。
彼に置いていかれたら、どこにも居場所などない。
傷の舐め合いをする気はないが、彼といると孤独が癒される。
彼もまた、そうであればいいのに、とジークは思うのだ。
ただ、未だ彼にとって自分がどんな存在かは、わからずにいる。
(ま、やることがあるうちは大丈夫だろ)
孫娘がいる間、彼はどこにもいかない。
声をあげて笑うようにもなったのだし。
そんな彼を見ていると、家族とはなんだろうと思うことがある。
ジークに家族はいなかった。
彼は相棒であって、家族ではないからだ。
だから、家族がどんなものか知らないまま生きている。
欲しくないというより、必要を感じなかった。
彼にとっては、なにか特別なのだろうとは思うのだけれど。
(あの人のトクベツなら、俺にとってもトクベツってだけサ)
孫娘に対しては、嫉妬も羨望もいだいていない。
ジークの思考は、とても簡単な方向に向いている。
どうでもいいことと、どうでもよくないこと。
この2つしかなかった。
してもいいことだとか、やりたいことだとかは存在しないのだ。
ジークは空を、ひゅるりひゅるりと旋回中。
その動きが止まる。
輪を描くのをやめて、ひとつところにとどまった。
地表に動くものを見つけたのだ。
(なんだ、アイツラ)
少し高度を下げて、動く人影を追う。
攻撃に転じなかったのは、知った人物だったからだ。
執事とメイドの2人が、木々に紛れるようにして森を歩いている。
こんなところで何をしているのか。
さらに高度を下げ、彼らの頭上を飛んで行った。
(ああ。そういうことか)
彼らの先に、少し拓けた場所がある。
そこにある石の上に、彼の孫娘が座っていた。
彼らは、彼女の背後にいるのだ。
ジークから見えているのも後ろ姿だったが、間違えるはずもない。
彼女は魔力を抑制する魔術すら使えないため、魔力感知に引っかかる。
執事とメイドは魔力を隠しているらしかった、
実際、ジークは魔力感知ではなく彼らを視認している。
(なにやってんだかな)
おそらく彼女は部屋を抜け出してきたのだろう。
それを、彼らは追ってきた、というところ。
執事とメイドは彼女の側に仕えるのが仕事だ。
なぜあんなふうに、こそこそしているのか、わからない。
声をかければいいはずなのに、少し離れた場所にとどまっている。
どうやら姿を見せるつもりはないようだ。
ジークも、よく姿を消して彼女を見守っていたりはする。
みんなが寝静まった夜中とかは、とくに注意をはらっていた。
逆に、人の動きがある日中は外の警戒をしている。
(あの人は、そうでもないって言ってたけど、やっぱり変わってるぜ)
貴族の令嬢は、森を1人で歩き回ったりはしない。
ましてや自分の危うい状況を理解していながら、供も連れず出歩いたりはしないものだ。
だが、彼女は少しも気にしている様子がなかった。
彼が一緒にいることで安心しきっているのかと思えば、そういうことでもないように感じる。
性格というか資質というか。
だいたい彼女は自分の魔力を把握していないのだ。
それも解せない。
彼女から吸い上げた魔力を、一身に受けたジークとしては、その大きさがとてつもないものだとわかっている。
受け止めた端から捨てていなければ大量の魔力の渦に巻き込まれていただろう。
ジークは、姿を自在に変えられる「変転」のほかに、もう1つ独自の能力を持っていた。
ジークだけが使える「積在」という力だ。
荷物を小さな箱に詰め、物置にしまいこむようなもので、魔力を取っておいたり、捨てたりできる。
彼から魔力を与えられてはいるが、常に彼と繋がっていられるとは限らない。
だから、用心のためジークは余剰分の魔力を箱詰めにしてストックしている。
とはいえ、彼の孫娘の魔力は大量で、せっせと箱に詰め、せっせと捨てた。
少しくらいは取っておこうか、なんて欲をかけないほどの量だったからだ。
あんなものを抱えているのに平然としていられるのが、ジークには信じられなかった。
普通なら、とっくに「壊れて」いる。
しかも、彼女は彼の孫娘であるにもかかわらず、魔術を習得しようとは思っていないらしい。
習いたいだとか、覚えたいだとか、彼に相談するそぶりも見せなかった。
(わかんねーよな。あんだけの魔力と器がありゃ、すげえコトがいっぱいできるってのに。欲がないのかね)
ともあれ、彼女が変わっていることは確かだ。
そのため日頃は人に関心のないジークでさえも好奇心をいだいている。
することがないので物思いにふけりつつ、ひゅるりひゅるりと旋回を続けた。
彼女にも、後ろに控えている2人にも動きはない。
何度目かの輪を描いた時だ。
(……なんだ? なんか……気持ち、わりい……)
なにがということもないのだが、なんだか気持ちが悪い感じがする。
はっきりとはしない。
澄んだ空気中に、ごく微量の「おかしな」ものが混じっていて、それをなんとなく嗅ぎ分けているといったふうだった。
だが、ジークは即座に魔術を発動する。
『おかしいと思ったら、それはおかしいのだよ。いつも通りではない、ということだからね。無視してはいけない』
彼から、そう教わっていた。
ジークが発動したのは「早言葉」と呼ばれる、決まった相手と会話をするための魔術。
もちろん、決まった相手というのは彼だ。
(どうしたね?)
少し遅れて言葉がとどく。
早言葉は、彼の使える「即言葉」とは違い、時間的に少し遅れる。
だから、すぐに魔術を切った。
彼からの呼びかけに応じたほうが、自分が魔術を使うより会話が早いからだ。
(なんかおかしい。気持ちわりいんだ)
(そうか。ジーク、レティの近くに動物はいるかい?)
(動物……?)
旋回しながら彼の孫娘を、よく観察する。
後ろ姿だけでは見えなかった場所が見えた。
(いる! アンタの孫娘、ウサギを抱いてる!)
(私もすぐにそっちに行くよ)
(オレの真下だ!)
言わずもがなのことを口走ってしまう。
そんなこと、言わなくても彼にはわかっているはずなのに。
(くそう! しくじった!)
彼からは「絶対などということはない」と教わってもいた。
なのに、どこかで、ここは安全だと思い込んでいたのだ。
自分だって、この姿で空を飛んでいる。
他の鳥や動物を、散々、見ていたのに気づかなかった。
不意に、ウサギが顔を上げる。
そして、まるでジークに気づいたかのように、彼女の腕から飛び出した。
木々に紛れ、小さなウサギの姿は、あっという間に見えなくなる。
それを追うためか、彼女まで走り出し、その後ろに続く2人。
姿が見えないためウサギだけを狙うことはできない。
噴き飛ばすか、丸焼きにするかするのなら中範囲での攻撃が有効だ。
けれど、近くには彼の孫娘がいる。
個の絶対防御は、身の危険を感じなければ発動しない。
ジークに今できることは、彼女の姿を見失わないようにすることだけだった。
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