64 / 304
第1章 暗い闇と蒼い薔薇
お祖父さまと逃避行 4
しおりを挟む
森の中の小道を、3人で歩いている。
昼食後の散策は日課になっていた。
大きな森の中、1時間ほど歩いてから帰る。
レティシアが獣道を歩きたがるのは、少し困りものなのだけれど。
(お元気になられて本当に良かった)
サリーは、顔色も良く、楽しげに歩くレティシアの姿に安心していた。
あんなにも嫌いだったはずの「姫さま」が、今のサリーにとっては大事な主となっている。
死にかけているレティシアを見て、全身が震えるほど怖かった。
レティシアを失うということは、今の生活を失うことと同じだ。
彼女がおかしな言葉を解説したり、おウチご飯に目をきらきらさせたり、笑ったりする毎日。
屋敷はとても明るくなった。
そういう日々をサリーも楽しんでいる。
レティシアの危うげな言動を指摘するのさえ楽しかった。
くるくる変わる彼女の表情を見るのも好きだ。
「そういえばさー、サリーって魔術が使えるんだよね?」
「日頃は使わないようにしておりましたので、申し上げておりませんでした」
サリーは小さい頃から魔力を隠してきた。
そのせいで、サリー自身、魔力があることを、ほとんど忘れている。
レティシアに対し、意図的に隠していたというわけではないのだが、言いそびれていたことを申し訳なく思った。
「ん? もしかしてウチのみんなにも言ってないの?」
「ガドとマルクには話しておりましたが、ほかの者には黙っておりました」
「サリーは謙虚だなぁ。私なら履歴書の特技欄に書いてるよ、絶対」
グレイのほうをチラっと見たが、軽く首を横に振られる。
そうだろうとは思ったけれど、新レティシア語だ。
「りれきしょ、というのは、なんですか?」
「あー、就職……働き口を見つけるための書類かな。どの学校に通ってたとか、ほかにどんなとこで働いたことあるかとか、書くんだよ。その中で自分のことも書くわけ。特技や趣味なんかをさ」
「履歴……履歴の書類……なるほど。それは便利そうですね」
グレイは執事として屋敷の者を取りまとめている。
今は新しい使用人を雇う予定はないが、過去にはあった。
サリーのあとから雇われた者たちは、グレイが雇い入れの判断をしている。
最終的な判断は、屋敷の主である公爵がするとしても、グレイの判断がそのまま決定だと言えた。
「内定だね」
「内定、ですか」
「正式じゃないけど、ほぼ決まり、みたいな?」
サリーは選ばれる側であり、選ぶ側ではない。
だから、この新レティシア語はグレイの管轄だ。
「働くほうは雇い主に、履歴書で訴えるわけ。こんなに色々できるんですよー、ここで働きたいんですよーって」
それで、特技に魔術ということか、とサリーは苦笑する。
貴族の屋敷で働くのに、魔術は必要ない。
むしろ、歓迎されないのだ。
同じことを思っているのか、グレイも苦笑いをしている。
「あれ? 魔術って、書くと良くない感じ?」
「そうですね。魔力持ちは基本的には王宮魔術師を目指すべきですから」
「えっ? そうなの?」
魔力が顕現すると、王宮にいる魔術師に感知される。
そして、魔術師から裁定がくだされるのだ。
魔力量が小さければ放免され、それなりの量だと王宮に連れて行かれる。
その後は魔術師として勤めるべく、教育が施されるのだけれども。
「私は、王宮勤めをするのが嫌で、ずっと隠しておりました」
「貴族の屋敷で働くほうが良かったってコト?」
「まぁ……そうですね。魔術師になりますと、大勢の貴族と関わりを持つことになります。それなら、ひとつのお屋敷に勤めるほうがよいと考えました」
魔術師は貴族よりも下に見られている。
爵位を持たないからだ。
そのせいで下級魔術師などは、貴族に体のいい便利屋のごとく扱われていた。
大勢の貴族の小間使いになるなんてゾっとする。
「そうなんだ……なら、この間、魔術を使ったのってヤバいんじゃない? 感知、とかされて、王宮に来いって言われたり、とか……」
レティシアが足を止め、心配げにサリーを見ていた。
自分のせいで迷惑をかけているとも思っているのだろう。
そんなレティシアに笑ってみせた。
空元気でもなんでもない。
本当に、もう心配は無用だからだ。
理由を語ってきかせる。
「今回、大公様は私をお連れくださいました。それは大きな意味を持ちます。公爵家の使用人という立場ではありますが、大公様にとっても私は”信頼厚い”使用人だとみなされるはずです」
「簡単に申し上げますと、公爵家からサリーを引き抜こうとすれば、大公様のご不興をかうことになる、ということですね」
2人の言葉に、レティシアは納得したようにうなずいていた。
暗くなりかけていた表情に明るさが戻っている。
「あー、良かったぁ。サリー、取られちゃうかと思って焦ったよ」
「私がいないと困りますか?」
冗談で言ったつもりだった。
なのに、彼女は予想外の返事を口にする。
「困る困らないじゃなくてさ。サリーがいないと、寂しいじゃん」
レティシアが王宮から戻った日のことを、なぜか思い出す。
丁寧な言葉を使ったレティシアに「自分は使用人だ」と言った。
その際に、彼女は困惑したような表情を浮かべていた。
(レティシア様は……本当に私たちを使用人だと思っていないのね……)
ずっと前から思っていたが、レティシアは、まるで友人のように接してくる。
本当は、貴族であるなら主従の関係を重んじるべきなのだ。
わかっているから、サリーはレティシアが近づこうとするたび、退いてきた。
けれど、ドレスの裾をつかもうとする子供のように、レティシアはサリーを追いかけてくる。
そんな彼女に、いつしか根負けしていた。
それに、マリエッタやパットのこともある。
レティシアは、1人1人を、ちゃんと見てくれているのだ。
彼女がみんなを大事に思うから、みんなも彼女を大事に思う。
簡単そうで難しい。
が、彼女に言わせれば「それがフツー」らしい。
サリーは、今、損得勘定抜きで、彼女のためにできるだけのことをしたいと思っている。
「グレイは転職……仕事を変えるって意味なんだけど、執事に転職してるよね。魔術師になんなかったのは、やっぱり王宮が嫌だったから?」
「その通りです」
「てか、グレイ、お祖父さまの側にいたかっただけなんじゃない?」
「…………ええ、まぁ……」
今さら、とサリーは言葉を濁しているグレイに呆れた。
グレイの大公への忠誠心は誰もが知るところだ。
元魔術騎士だったのだから、当然とも言える。
「我々の隊で、魔術師に転職した者は誰もいないのですよ」
「へえ! ほかのみんなはどうしてるの?」
「いろいろですね。各地に散らばって、医師をしたり、農地改良をしたり。魔術は、使う者もいれば使わない者もいるといったところでしょうか。ですが、おおむね平民の生活をしているようですね」
「そっか。人の役に立つ仕事してるみたいだし、王宮にいるより、いいね」
元魔術騎士は全員が大公の部下だった。
あんな上官を知って、他の誰の下につきたいと思うだろう。
大公以上の存在など彼らにはいなかったに違いない。
隊に所属していなかったサリーですら、そう思える。
「この頃のお祖父さまだよねぇ」
パチンとロケットを開き、レティシアが写真を見ていた。
グレイと目が合う。
すぐにもレティシアが「戻って来られなくなる」とわかっていた。
「……素敵過ぎる……はぁ~、カッコいい……今も素敵なのに、若い頃も、また違う良さが……」
ロケットの中には、24歳の大公の写真が入っている。
白黒ではあるが、そもそも髪や目の色が黒なので、印象はそのままだ。
サリーには、レティシアの言う「若い頃の良さ」がわかる。
(今のお歳の半分の年齢ですものね。今の大公様は、いつも微笑んでおられる印象だけど、お写真の大公様はキリっとしていて……こう精悍さのほうが前に出ているのよね……)
「サリー……」
つんっと肘で突かれ、ハッとした。
眼鏡の奥の目が細められているのに気づいて、つんっとそっぽを向く。
グレイは大公に心酔しているのだから、少しくらい自分の気持ちをわかってくれてもいいように思えた。
なにせ大公は、本当に素敵なのだ。
恋愛の情というより「見ているだけで幸せ」レベル。
「レティシア様も!お戻りください」
グレイの「も」に、少しトゲを感じる。
誰に対抗心をいだいているのかと、サリーはやはりグレイに呆れるのだった。
昼食後の散策は日課になっていた。
大きな森の中、1時間ほど歩いてから帰る。
レティシアが獣道を歩きたがるのは、少し困りものなのだけれど。
(お元気になられて本当に良かった)
サリーは、顔色も良く、楽しげに歩くレティシアの姿に安心していた。
あんなにも嫌いだったはずの「姫さま」が、今のサリーにとっては大事な主となっている。
死にかけているレティシアを見て、全身が震えるほど怖かった。
レティシアを失うということは、今の生活を失うことと同じだ。
彼女がおかしな言葉を解説したり、おウチご飯に目をきらきらさせたり、笑ったりする毎日。
屋敷はとても明るくなった。
そういう日々をサリーも楽しんでいる。
レティシアの危うげな言動を指摘するのさえ楽しかった。
くるくる変わる彼女の表情を見るのも好きだ。
「そういえばさー、サリーって魔術が使えるんだよね?」
「日頃は使わないようにしておりましたので、申し上げておりませんでした」
サリーは小さい頃から魔力を隠してきた。
そのせいで、サリー自身、魔力があることを、ほとんど忘れている。
レティシアに対し、意図的に隠していたというわけではないのだが、言いそびれていたことを申し訳なく思った。
「ん? もしかしてウチのみんなにも言ってないの?」
「ガドとマルクには話しておりましたが、ほかの者には黙っておりました」
「サリーは謙虚だなぁ。私なら履歴書の特技欄に書いてるよ、絶対」
グレイのほうをチラっと見たが、軽く首を横に振られる。
そうだろうとは思ったけれど、新レティシア語だ。
「りれきしょ、というのは、なんですか?」
「あー、就職……働き口を見つけるための書類かな。どの学校に通ってたとか、ほかにどんなとこで働いたことあるかとか、書くんだよ。その中で自分のことも書くわけ。特技や趣味なんかをさ」
「履歴……履歴の書類……なるほど。それは便利そうですね」
グレイは執事として屋敷の者を取りまとめている。
今は新しい使用人を雇う予定はないが、過去にはあった。
サリーのあとから雇われた者たちは、グレイが雇い入れの判断をしている。
最終的な判断は、屋敷の主である公爵がするとしても、グレイの判断がそのまま決定だと言えた。
「内定だね」
「内定、ですか」
「正式じゃないけど、ほぼ決まり、みたいな?」
サリーは選ばれる側であり、選ぶ側ではない。
だから、この新レティシア語はグレイの管轄だ。
「働くほうは雇い主に、履歴書で訴えるわけ。こんなに色々できるんですよー、ここで働きたいんですよーって」
それで、特技に魔術ということか、とサリーは苦笑する。
貴族の屋敷で働くのに、魔術は必要ない。
むしろ、歓迎されないのだ。
同じことを思っているのか、グレイも苦笑いをしている。
「あれ? 魔術って、書くと良くない感じ?」
「そうですね。魔力持ちは基本的には王宮魔術師を目指すべきですから」
「えっ? そうなの?」
魔力が顕現すると、王宮にいる魔術師に感知される。
そして、魔術師から裁定がくだされるのだ。
魔力量が小さければ放免され、それなりの量だと王宮に連れて行かれる。
その後は魔術師として勤めるべく、教育が施されるのだけれども。
「私は、王宮勤めをするのが嫌で、ずっと隠しておりました」
「貴族の屋敷で働くほうが良かったってコト?」
「まぁ……そうですね。魔術師になりますと、大勢の貴族と関わりを持つことになります。それなら、ひとつのお屋敷に勤めるほうがよいと考えました」
魔術師は貴族よりも下に見られている。
爵位を持たないからだ。
そのせいで下級魔術師などは、貴族に体のいい便利屋のごとく扱われていた。
大勢の貴族の小間使いになるなんてゾっとする。
「そうなんだ……なら、この間、魔術を使ったのってヤバいんじゃない? 感知、とかされて、王宮に来いって言われたり、とか……」
レティシアが足を止め、心配げにサリーを見ていた。
自分のせいで迷惑をかけているとも思っているのだろう。
そんなレティシアに笑ってみせた。
空元気でもなんでもない。
本当に、もう心配は無用だからだ。
理由を語ってきかせる。
「今回、大公様は私をお連れくださいました。それは大きな意味を持ちます。公爵家の使用人という立場ではありますが、大公様にとっても私は”信頼厚い”使用人だとみなされるはずです」
「簡単に申し上げますと、公爵家からサリーを引き抜こうとすれば、大公様のご不興をかうことになる、ということですね」
2人の言葉に、レティシアは納得したようにうなずいていた。
暗くなりかけていた表情に明るさが戻っている。
「あー、良かったぁ。サリー、取られちゃうかと思って焦ったよ」
「私がいないと困りますか?」
冗談で言ったつもりだった。
なのに、彼女は予想外の返事を口にする。
「困る困らないじゃなくてさ。サリーがいないと、寂しいじゃん」
レティシアが王宮から戻った日のことを、なぜか思い出す。
丁寧な言葉を使ったレティシアに「自分は使用人だ」と言った。
その際に、彼女は困惑したような表情を浮かべていた。
(レティシア様は……本当に私たちを使用人だと思っていないのね……)
ずっと前から思っていたが、レティシアは、まるで友人のように接してくる。
本当は、貴族であるなら主従の関係を重んじるべきなのだ。
わかっているから、サリーはレティシアが近づこうとするたび、退いてきた。
けれど、ドレスの裾をつかもうとする子供のように、レティシアはサリーを追いかけてくる。
そんな彼女に、いつしか根負けしていた。
それに、マリエッタやパットのこともある。
レティシアは、1人1人を、ちゃんと見てくれているのだ。
彼女がみんなを大事に思うから、みんなも彼女を大事に思う。
簡単そうで難しい。
が、彼女に言わせれば「それがフツー」らしい。
サリーは、今、損得勘定抜きで、彼女のためにできるだけのことをしたいと思っている。
「グレイは転職……仕事を変えるって意味なんだけど、執事に転職してるよね。魔術師になんなかったのは、やっぱり王宮が嫌だったから?」
「その通りです」
「てか、グレイ、お祖父さまの側にいたかっただけなんじゃない?」
「…………ええ、まぁ……」
今さら、とサリーは言葉を濁しているグレイに呆れた。
グレイの大公への忠誠心は誰もが知るところだ。
元魔術騎士だったのだから、当然とも言える。
「我々の隊で、魔術師に転職した者は誰もいないのですよ」
「へえ! ほかのみんなはどうしてるの?」
「いろいろですね。各地に散らばって、医師をしたり、農地改良をしたり。魔術は、使う者もいれば使わない者もいるといったところでしょうか。ですが、おおむね平民の生活をしているようですね」
「そっか。人の役に立つ仕事してるみたいだし、王宮にいるより、いいね」
元魔術騎士は全員が大公の部下だった。
あんな上官を知って、他の誰の下につきたいと思うだろう。
大公以上の存在など彼らにはいなかったに違いない。
隊に所属していなかったサリーですら、そう思える。
「この頃のお祖父さまだよねぇ」
パチンとロケットを開き、レティシアが写真を見ていた。
グレイと目が合う。
すぐにもレティシアが「戻って来られなくなる」とわかっていた。
「……素敵過ぎる……はぁ~、カッコいい……今も素敵なのに、若い頃も、また違う良さが……」
ロケットの中には、24歳の大公の写真が入っている。
白黒ではあるが、そもそも髪や目の色が黒なので、印象はそのままだ。
サリーには、レティシアの言う「若い頃の良さ」がわかる。
(今のお歳の半分の年齢ですものね。今の大公様は、いつも微笑んでおられる印象だけど、お写真の大公様はキリっとしていて……こう精悍さのほうが前に出ているのよね……)
「サリー……」
つんっと肘で突かれ、ハッとした。
眼鏡の奥の目が細められているのに気づいて、つんっとそっぽを向く。
グレイは大公に心酔しているのだから、少しくらい自分の気持ちをわかってくれてもいいように思えた。
なにせ大公は、本当に素敵なのだ。
恋愛の情というより「見ているだけで幸せ」レベル。
「レティシア様も!お戻りください」
グレイの「も」に、少しトゲを感じる。
誰に対抗心をいだいているのかと、サリーはやはりグレイに呆れるのだった。
0
お気に入りに追加
307
あなたにおすすめの小説
俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。
そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、
理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。
しかも理樹には婚約者がいたのである。
全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。
二人は結婚出来るのであろうか。
竜人のつがいへの執着は次元の壁を越える
たま
恋愛
次元を超えつがいに恋焦がれるストーカー竜人リュートさんと、うっかりリュートのいる異世界へ落っこちた女子高生結の絆されストーリー
その後、ふとした喧嘩らか、自分達が壮大な計画の歯車の1つだったことを知る。
そして今、最後の歯車はまずは世界の幸せの為に動く!
異世界で王城生活~陛下の隣で~
遥
恋愛
女子大生の友梨香はキャンピングカーで一人旅の途中にトラックと衝突して、谷底へ転落し死亡した。けれど、気が付けば異世界に車ごと飛ばされ王城に落ちていた。神様の計らいでキャンピングカーの内部は電気も食料も永久に賄えるられる事になった。
グランティア王国の人達は異世界人の友梨香を客人として迎え入れてくれて。なぜか保護者となった国陛下シリウスはやたらと構ってくる。一度死んだ命だもん、これからは楽しく生きさせて頂きます!
※キャンピングカー、魔石効果などなどご都合主義です。
※のんびり更新。他サイトにも投稿しております。
私は幼い頃に死んだと思われていた侯爵令嬢でした
さこの
恋愛
幼い頃に誘拐されたマリアベル。保護してくれた男の人をお母さんと呼び、父でもあり兄でもあり家族として暮らしていた。
誘拐される以前の記憶は全くないが、ネックレスにマリアベルと名前が記されていた。
数年後にマリアベルの元に侯爵家の遣いがやってきて、自分は貴族の娘だと知る事になる。
お母さんと呼ぶ男の人と離れるのは嫌だが家に戻り家族と会う事になった。
片田舎で暮らしていたマリアベルは貴族の子女として学ぶ事になるが、不思議と読み書きは出来るし食事のマナーも悪くない。
お母さんと呼ばれていた男は何者だったのだろうか……? マリアベルは貴族社会に馴染めるのか……
っと言った感じのストーリーです。
この度、青帝陛下の番になりまして
四馬㋟
恋愛
蓬莱国(ほうらいこく)を治める青帝(せいてい)は人ならざるもの、人の形をした神獣――青龍である。ゆえに不老不死で、お世継ぎを作る必要もない。それなのに私は青帝の妻にされ、后となった。望まれない后だった私は、民の反乱に乗して後宮から逃げ出そうとしたものの、夫に捕まり、殺されてしまう。と思ったら時が遡り、夫に出会う前の、四年前の自分に戻っていた。今度は間違えない、と決意した矢先、再び番(つがい)として宮城に連れ戻されてしまう。けれど状況は以前と変わっていて……。
公爵家の隠し子だと判明した私は、いびられる所か溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
実は、公爵家の隠し子だったルネリア・ラーデインは困惑していた。
なぜなら、ラーデイン公爵家の人々から溺愛されているからである。
普通に考えて、妾の子は疎まれる存在であるはずだ。それなのに、公爵家の人々は、ルネリアを受け入れて愛してくれている。
それに、彼女は疑問符を浮かべるしかなかった。一体、どうして彼らは自分を溺愛しているのか。もしかして、何か裏があるのではないだろうか。
そう思ったルネリアは、ラーデイン公爵家の人々のことを調べることにした。そこで、彼女は衝撃の真実を知ることになる。
【完結】消された第二王女は隣国の王妃に熱望される
風子
恋愛
ブルボマーナ国の第二王女アリアンは絶世の美女だった。
しかし側妃の娘だと嫌われて、正妃とその娘の第一王女から虐げられていた。
そんな時、隣国から王太子がやって来た。
王太子ヴィルドルフは、アリアンの美しさに一目惚れをしてしまう。
すぐに婚約を結び、結婚の準備を進める為に帰国したヴィルドルフに、突然の婚約解消の連絡が入る。
アリアンが王宮を追放され、修道院に送られたと知らされた。
そして、新しい婚約者に第一王女のローズが決まったと聞かされるのである。
アリアンを諦めきれないヴィルドルフは、お忍びでアリアンを探しにブルボマーナに乗り込んだ。
そしてある夜、2人は運命の再会を果たすのである。
あなたたちのことなんて知らない
gacchi
恋愛
母親と旅をしていたニナは精霊の愛し子だということが知られ、精霊教会に捕まってしまった。母親を人質にされ、この国にとどまることを国王に強要される。仕方なく侯爵家の養女ニネットとなったが、精霊の愛し子だとは知らない義母と義妹、そして婚約者の第三王子カミーユには愛人の子だと思われて嫌われていた。だが、ニネットに虐げられたと嘘をついた義妹のおかげで婚約は解消される。それでも精霊の愛し子を利用したい国王はニネットに新しい婚約者候補を用意した。そこで出会ったのは、ニネットの本当の姿が見える公爵令息ルシアンだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる