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次期君主とダンスを 3
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エドモンド・ハーバント公爵。
ディーナリアスは、わずかに苛立ちを感じている。
せっかくジョゼフィーネの緊張が解けてきたところだったのだ。
シードルに嬉しそうな顔をする彼女を微笑ましく見ていた。
が、彼女は今また緊張に身をつつんでいる。
ジョゼフィーネの体が小さく震えていた。
見知らぬ者が、急に声をかけてきたからだろう。
「リフルワンスから、わざわざお越しくださった妃殿下に、是非ご挨拶をと」
それならば今でなくともかまわないはずだと、思う。
ディーナリアスは「疲れた」と言いおいてから、テーブルについていた。
ジョゼフィーネを膝にかかえている姿を見ればわかるのだ。
彼がジョゼフィーネと「いちゃつきたい」ことくらいは。
証拠に、エドモンド以外、誰も寄っては来なかった。
ハーバント公爵家は、それなりに大きな家ではある。
が、同じ公爵家でも「格」というものがあり、ハーバントは中の中程度。
ウィリュアートンのような大派閥でも、由緒正しくもない。
言ってしまえば、王族が気を遣うほどの家ではないのだ。
ただし、ディーナリアス自身は、どんな大派閥だろうが気を遣った対応などはしないのだけれども。
「私は、エドモンド・ハーバントと申します。以後、お見知りおきください」
ディーナリアスはエドモンドが伸ばそうとした手を、ぱんっと弾く。
不快げに視線を彼に向けたエドモンドを、厳しく睨みつけた。
「ジョゼフィーネは、俺の嫁だ。許しなくふれることは許さん」
「これは、ご無礼をいたしました。お許しください、殿下」
「真に無礼だと思うのであれば、 退がれ」
エドモンドは不満そうにしているが、ディーナリアスのほうが、よほど不快に感じている。
平たく言えば、2人の時間を邪魔されたことが気に食わないのだ。
貴族は体裁や儀礼的なことにうるさいくせに、無礼を無礼とも思わない者が少なからずいる。
「それでは……これで、退がらせていただきます」
エドモンドが軽く会釈をして、テーブルから離れていった。
ジョゼフィーネが、ホッと息をつく。
それから、シードルを、こくこくと飲んだ。
緊張で喉が渇いたらしい。
(ジョゼからすれば知らぬ者ばかりだ……緊張せずにはおられぬであろう)
ジョゼフィーネはシードルを飲み干していた。
グラスを、その手から受け取り、テーブルに置く。
ディーナリアスもワインのグラスを置いた。
そして、ジョゼフィーネの顔を見つめて言う。
「1曲、踊ってみるか」
ジョゼフィーネが、すぐに不安そうな表情を浮かべた。
その頬を撫でる。
「で、でも……」
「そのために練習しておったのだからな。無駄にするのは惜しい」
彼女が今夜のためにと練習していたのは知っている。
練習相手がリスだったのは気に食わないが、それはともかく。
少しでも、ジョゼフィーネに「大丈夫」だと教えたかった。
「転ぶのなら、転んでもよい。俺も一緒に転んでやる。足を踏むのなら、踏め。なにも気に病むことはない。俺がすべて、どうにでもしてやる」
ユージーン・ガルベリーの書。
第1章、第8節。
『嫁のしくじりを責める前に、己が嫁に成したことを考えよ』
自分は、まだ何も成していない。
ジョゼフィーネを安心させることもできずにいるのだ。
彼女からの信頼も得られていなかった。
だからこそ、何が起きても「大丈夫」だと、ジョゼフィーネに知ってほしい。
「どうしても嫌なら、やめておくが」
ジョゼフィーネが、じっとディーナリアスの目を見つめてくる。
彼女の薄紫をした瞳は、色づいたばかりの菫の花のように美しかった。
可憐で、健気で、愛らしくもある。
「う、うまく……踊れないかも……しれないけど……」
「かまわぬさ。俺も、たいしてうまくはない」
すくっと立ちあがり、ジョゼフィーネを床に降ろす。
差し出した腕に、ジョゼフィーネの手が乗せられた。
それだけで胸が暖かくなる。
とても不思議な感覚だ。
まだ短い期間しか一緒にいないのに、ジョゼフィーネが隣にいるのが当たり前になっていた。
「では、まいろう」
2人でホールに戻る。
貴族たちに声をかけられる前に、ディーナリアスは指を鳴らした。
ジョゼフィーネが練習をしていた曲を指示したのだ。
ジョゼフィーネの手を取り、楽器奏者たちの前に進み出る。
「俺のことだけを見ておれ。そうすれば周りのことなど気にならぬはずだ」
言葉に、なぜかジョゼフィーネが、ふわんと頬を赤くした。
彼女の腰に回した腕に力が入る。
これでは自分のほうがジョゼフィーネの足を踏みかねない。
(なぜジョゼは赤くなっておるのだ? 俺は、何を言った?)
ジョゼフィーネが頬を赤くするようなことを言った、という自覚がなかった。
彼女の反応は、しばしばディーナリアスの予測を超えてくる。
比べるべくもないが、ジョゼフィーネは、ほかの女性とは違うのだ。
気が弱く、臆病なところさえも愛おしい。
音楽が鳴り始める。
ディーナリアスの言葉に、ジョゼフィーネは忠実だった。
じっと、ディーナリアスだけを見つめてくる。
見つめ返しながらの、スローなワルツ。
王族が開く夜会では、王太子がダンス中、貴族は周囲で見守るのみというのが慣例となっていた。
兄弟、姉妹が同じフロアに立つことはあるが、今夜は2人が主役。
ほかに踊る者はいない。
「うまいではないか、ジョゼ。俺は2人で床に転ぶのを期待していたのだぞ。俺と嫁の仲睦まじさを、皆に見せつけてやろうと思ってな」
半ば、本気。
ジョゼフィーネは自分のものなのだと、誇示したい気分だったのだ。
ダンスを申し入れてきた貴族の子爵やエドモンドに対してだけでなく、その場にいる全員に知らしめておきたい。
(ジョゼは、俺の嫁なのだ)
自分だけが彼女にふれることを許されている。
それを、嬉しいと感じていた。
ジョゼフィーネの瞳には、リードするディーナリアスが映っている。
結果、彼女は、1度もステップを間違えなかった。
ディーナリアスは、わずかに苛立ちを感じている。
せっかくジョゼフィーネの緊張が解けてきたところだったのだ。
シードルに嬉しそうな顔をする彼女を微笑ましく見ていた。
が、彼女は今また緊張に身をつつんでいる。
ジョゼフィーネの体が小さく震えていた。
見知らぬ者が、急に声をかけてきたからだろう。
「リフルワンスから、わざわざお越しくださった妃殿下に、是非ご挨拶をと」
それならば今でなくともかまわないはずだと、思う。
ディーナリアスは「疲れた」と言いおいてから、テーブルについていた。
ジョゼフィーネを膝にかかえている姿を見ればわかるのだ。
彼がジョゼフィーネと「いちゃつきたい」ことくらいは。
証拠に、エドモンド以外、誰も寄っては来なかった。
ハーバント公爵家は、それなりに大きな家ではある。
が、同じ公爵家でも「格」というものがあり、ハーバントは中の中程度。
ウィリュアートンのような大派閥でも、由緒正しくもない。
言ってしまえば、王族が気を遣うほどの家ではないのだ。
ただし、ディーナリアス自身は、どんな大派閥だろうが気を遣った対応などはしないのだけれども。
「私は、エドモンド・ハーバントと申します。以後、お見知りおきください」
ディーナリアスはエドモンドが伸ばそうとした手を、ぱんっと弾く。
不快げに視線を彼に向けたエドモンドを、厳しく睨みつけた。
「ジョゼフィーネは、俺の嫁だ。許しなくふれることは許さん」
「これは、ご無礼をいたしました。お許しください、殿下」
「真に無礼だと思うのであれば、 退がれ」
エドモンドは不満そうにしているが、ディーナリアスのほうが、よほど不快に感じている。
平たく言えば、2人の時間を邪魔されたことが気に食わないのだ。
貴族は体裁や儀礼的なことにうるさいくせに、無礼を無礼とも思わない者が少なからずいる。
「それでは……これで、退がらせていただきます」
エドモンドが軽く会釈をして、テーブルから離れていった。
ジョゼフィーネが、ホッと息をつく。
それから、シードルを、こくこくと飲んだ。
緊張で喉が渇いたらしい。
(ジョゼからすれば知らぬ者ばかりだ……緊張せずにはおられぬであろう)
ジョゼフィーネはシードルを飲み干していた。
グラスを、その手から受け取り、テーブルに置く。
ディーナリアスもワインのグラスを置いた。
そして、ジョゼフィーネの顔を見つめて言う。
「1曲、踊ってみるか」
ジョゼフィーネが、すぐに不安そうな表情を浮かべた。
その頬を撫でる。
「で、でも……」
「そのために練習しておったのだからな。無駄にするのは惜しい」
彼女が今夜のためにと練習していたのは知っている。
練習相手がリスだったのは気に食わないが、それはともかく。
少しでも、ジョゼフィーネに「大丈夫」だと教えたかった。
「転ぶのなら、転んでもよい。俺も一緒に転んでやる。足を踏むのなら、踏め。なにも気に病むことはない。俺がすべて、どうにでもしてやる」
ユージーン・ガルベリーの書。
第1章、第8節。
『嫁のしくじりを責める前に、己が嫁に成したことを考えよ』
自分は、まだ何も成していない。
ジョゼフィーネを安心させることもできずにいるのだ。
彼女からの信頼も得られていなかった。
だからこそ、何が起きても「大丈夫」だと、ジョゼフィーネに知ってほしい。
「どうしても嫌なら、やめておくが」
ジョゼフィーネが、じっとディーナリアスの目を見つめてくる。
彼女の薄紫をした瞳は、色づいたばかりの菫の花のように美しかった。
可憐で、健気で、愛らしくもある。
「う、うまく……踊れないかも……しれないけど……」
「かまわぬさ。俺も、たいしてうまくはない」
すくっと立ちあがり、ジョゼフィーネを床に降ろす。
差し出した腕に、ジョゼフィーネの手が乗せられた。
それだけで胸が暖かくなる。
とても不思議な感覚だ。
まだ短い期間しか一緒にいないのに、ジョゼフィーネが隣にいるのが当たり前になっていた。
「では、まいろう」
2人でホールに戻る。
貴族たちに声をかけられる前に、ディーナリアスは指を鳴らした。
ジョゼフィーネが練習をしていた曲を指示したのだ。
ジョゼフィーネの手を取り、楽器奏者たちの前に進み出る。
「俺のことだけを見ておれ。そうすれば周りのことなど気にならぬはずだ」
言葉に、なぜかジョゼフィーネが、ふわんと頬を赤くした。
彼女の腰に回した腕に力が入る。
これでは自分のほうがジョゼフィーネの足を踏みかねない。
(なぜジョゼは赤くなっておるのだ? 俺は、何を言った?)
ジョゼフィーネが頬を赤くするようなことを言った、という自覚がなかった。
彼女の反応は、しばしばディーナリアスの予測を超えてくる。
比べるべくもないが、ジョゼフィーネは、ほかの女性とは違うのだ。
気が弱く、臆病なところさえも愛おしい。
音楽が鳴り始める。
ディーナリアスの言葉に、ジョゼフィーネは忠実だった。
じっと、ディーナリアスだけを見つめてくる。
見つめ返しながらの、スローなワルツ。
王族が開く夜会では、王太子がダンス中、貴族は周囲で見守るのみというのが慣例となっていた。
兄弟、姉妹が同じフロアに立つことはあるが、今夜は2人が主役。
ほかに踊る者はいない。
「うまいではないか、ジョゼ。俺は2人で床に転ぶのを期待していたのだぞ。俺と嫁の仲睦まじさを、皆に見せつけてやろうと思ってな」
半ば、本気。
ジョゼフィーネは自分のものなのだと、誇示したい気分だったのだ。
ダンスを申し入れてきた貴族の子爵やエドモンドに対してだけでなく、その場にいる全員に知らしめておきたい。
(ジョゼは、俺の嫁なのだ)
自分だけが彼女にふれることを許されている。
それを、嬉しいと感じていた。
ジョゼフィーネの瞳には、リードするディーナリアスが映っている。
結果、彼女は、1度もステップを間違えなかった。
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