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鼻の下は見えにくい 3
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ナルは、伯爵家であてがわれている自室に、1人でいる。
陽が暮れかかっていた。
そろそろ夕食時だ。
セラフィーナは、今頃、馬車の中。
アドルーリット公爵家に向かっている。
ネイサンとの夕食は、楽しいものにはならないだろう。
彼女の父親は喜ぶだろうが、本人は、ちっとも喜んでいないのだ。
楽しいはずがない。
それでも、うまくやり過ごしてもらいたいと、ナルは思っていた。
こんなところで、つまずいては困る。
なんの成果も得られないまま、伯爵家を去ることはできない。
「どうにも、うまくいきませんね」
内心では、苛ついていた。
セラフィーナに無自覚に煽られてしまう自分に、腹が立つ。
そして、ネイサンが、予想以上に、セラフィーナに興味を示し始めたことには、もっと腹が立つ。
セラフィーナの言っていたように、夜会でのことは失敗だったかもしれない。
彼女を詳しく調べ直し、ネイサンが、考えを改めたのだと予想がついていた。
大昔。
ロズウェルド王国と隣国との間に、戦争が起きた。
その戦争で、ロズウェルドに勝利をもたらしたとされる「英雄」がいる。
彼は、偉大な魔術師であり、一夜にして戦争を終結させたと言われていた。
今でも語り継がれている史実だ。
ローエルハイド。
その公爵家の名を知らない者は、ロズウェルドにはいない。
この国が平和でいられる理由でもあるからだった。
現状、ローエルハイドが表に出てくることはないが、諸外国からは、未だに恐れられている。
その名自体が、抑止力になっているのだ。
とはいえ、ローエルハイド公爵家は、王宮とは無関係に存在していた。
爵位を持ちながら、重臣として名を連ねてもいないし、貴族たちとのつきあいも、ほとんどない。
誰もが名を知っているにもかかわらず、あたかも「伝説」のごとく語られるのは、ローエルハイドが表舞台に立とうとはしないからだ。
が、ローエルハイドは「伝説」ではない。
実在している。
そして、ウィリュアートン公爵家以上に、影響力は強い。
表に出る気があれば、簡単に王宮を支配できるほどだ。
そのローエルハイド公爵家に縁のある貴族が、セシエヴィル子爵家だった。
アーノルド・アルサリアの側室、つまり、セラフィーナの母親の出自でもある。
ネイサンは、今さらに、それを知ったに違いない。
セラフィーナと婚姻すれば、ローエルハイドと縁ができると思っている。
「ふれてはならないところだと、知らないのでしょうか」
アルサリア伯爵が、なぜ最初からセラフィーナの出自を明確にしなかったか。
ネイサンの父であるスチュアート・アドルーリット公爵が、なぜ、そこに、言及せずにいたか。
理由は、ひとつしかない。
ローエルハイドの逆鱗にふれるのが恐ろしかったからだ。
ローエルハイドは「道具」にされるのを好まない。
ひとたび逆鱗にふれれば、王族だろうが貴族だろうが、おかまいなしに潰す。
しかも、実際的な力でもって、意思を示すのだ。
王宮内でも、ごく少数にしか知られていない事実を、ナルは知っている。
やはり大昔、セシエヴィル子爵家の上位貴族であるラペル公爵家の者が、ローエルハイドの逆鱗にふれた。
表向きは、当主と三男が自死をしたことになっている。
が、裏でローエルハイドが動いたのは明白だった。
うっかり、で、ふれていいような相手ではない。
己の身を亡ぼすどころか、家までなくなる可能性すらある。
どんなに、日頃、鳴りを潜めていても、一線を越えた者に容赦はしない。
それがローエルハイドという貴族の在り様なのだ。
「アドルーリットが消えるのは、どうでもいいことですがね」
セラフィーナに、何事か起こってからでは、意味がなかった。
アドルーリットが消えても、取り返しはつかないのだから。
ナルは、深く溜め息をもらす。
セラフィーナに、必要以上に干渉するのは本意ではない。
だからといって、放っておくのも危険に過ぎる。
彼女の無防備な瞳を思い出していた。
「本当に、困った人ですよ、あなたは」
無意識に、苦笑いを浮かべる。
セラフィーナは、また怒るのだろうが、しかたがない。
ナルは、看髄を発動して、彼女の視界を共有する。
それから、特定の相手と会話のできる、即言葉と呼ばれる魔術も使った。
夜会の時と同じ状態だ。
(もう着きましたか?)
(……ナル?)
(繋いでおきますから、なにかあればどうぞ)
即言葉では、声しかとどかないし、抑揚も、ほとんど再現されない。
なのに、セラフィーナが、ムっとしている気配が伝わってくる。
(私は、信用がないようね)
(それもありますが、私自身、読みが外れることもあると反省しているのですよ)
(反省? ナルが?)
不審げな言葉に、セラフィーナの表情が目に見えるようだった。
ふっと、笑いたくなるのを堪える。
セラフィーナは、なかなかに勘が良い。
ナルが、セラフィーナの心情を察するのと同じくらい、気配が伝わってしまうに違いないのだ。
(ナル、ひとつ聞いてもいい?)
(嫌です)
(……ひとつって言ってるじゃない)
(ひとつ聞けば、またひとつと言い出すのが、わかっていますから)
(ケチね)
セラフィーナとの、何気ないやりとりを、楽しんでいる。
失敗続きの自分にナルは呆れ、そして、気持ち半分、放り出した。
どうせ失敗しているのだから、と。
(それを言うのなら、“ど”をつけたほうが、正しいですよ。私は、ケチではなく、どケチなのです)
(私はまだ、正しく使えるほど新語には精通していないの)
(ご令嬢としては、半人前ですね)
(知らなかったわ。いつの間に、半人前まで格上げされたのかしら)
(格上げにもなるでしょう? あなたには、私がついているのですから)
言ってしまってから、ハッとする。
どうせ失敗しているとしても、失敗のし過ぎだ。
セラフィーナが、なにかを言う前に、ナルは、言葉を付け足した。
(教育係として)
(ええ、そうね。わかっているわよ)
セラフィーナの言葉が、そっけなくなっている。
そのことに落胆を感じていた。
(着いたわ。必要があれば、声をかけてちょうだい。どうせ見えてるんでしょ?)
ナルは、すでに、こうして声をかけている。
乞われなくても、きっと自分はセラフィーナを助けるのだろうと、思った。
陽が暮れかかっていた。
そろそろ夕食時だ。
セラフィーナは、今頃、馬車の中。
アドルーリット公爵家に向かっている。
ネイサンとの夕食は、楽しいものにはならないだろう。
彼女の父親は喜ぶだろうが、本人は、ちっとも喜んでいないのだ。
楽しいはずがない。
それでも、うまくやり過ごしてもらいたいと、ナルは思っていた。
こんなところで、つまずいては困る。
なんの成果も得られないまま、伯爵家を去ることはできない。
「どうにも、うまくいきませんね」
内心では、苛ついていた。
セラフィーナに無自覚に煽られてしまう自分に、腹が立つ。
そして、ネイサンが、予想以上に、セラフィーナに興味を示し始めたことには、もっと腹が立つ。
セラフィーナの言っていたように、夜会でのことは失敗だったかもしれない。
彼女を詳しく調べ直し、ネイサンが、考えを改めたのだと予想がついていた。
大昔。
ロズウェルド王国と隣国との間に、戦争が起きた。
その戦争で、ロズウェルドに勝利をもたらしたとされる「英雄」がいる。
彼は、偉大な魔術師であり、一夜にして戦争を終結させたと言われていた。
今でも語り継がれている史実だ。
ローエルハイド。
その公爵家の名を知らない者は、ロズウェルドにはいない。
この国が平和でいられる理由でもあるからだった。
現状、ローエルハイドが表に出てくることはないが、諸外国からは、未だに恐れられている。
その名自体が、抑止力になっているのだ。
とはいえ、ローエルハイド公爵家は、王宮とは無関係に存在していた。
爵位を持ちながら、重臣として名を連ねてもいないし、貴族たちとのつきあいも、ほとんどない。
誰もが名を知っているにもかかわらず、あたかも「伝説」のごとく語られるのは、ローエルハイドが表舞台に立とうとはしないからだ。
が、ローエルハイドは「伝説」ではない。
実在している。
そして、ウィリュアートン公爵家以上に、影響力は強い。
表に出る気があれば、簡単に王宮を支配できるほどだ。
そのローエルハイド公爵家に縁のある貴族が、セシエヴィル子爵家だった。
アーノルド・アルサリアの側室、つまり、セラフィーナの母親の出自でもある。
ネイサンは、今さらに、それを知ったに違いない。
セラフィーナと婚姻すれば、ローエルハイドと縁ができると思っている。
「ふれてはならないところだと、知らないのでしょうか」
アルサリア伯爵が、なぜ最初からセラフィーナの出自を明確にしなかったか。
ネイサンの父であるスチュアート・アドルーリット公爵が、なぜ、そこに、言及せずにいたか。
理由は、ひとつしかない。
ローエルハイドの逆鱗にふれるのが恐ろしかったからだ。
ローエルハイドは「道具」にされるのを好まない。
ひとたび逆鱗にふれれば、王族だろうが貴族だろうが、おかまいなしに潰す。
しかも、実際的な力でもって、意思を示すのだ。
王宮内でも、ごく少数にしか知られていない事実を、ナルは知っている。
やはり大昔、セシエヴィル子爵家の上位貴族であるラペル公爵家の者が、ローエルハイドの逆鱗にふれた。
表向きは、当主と三男が自死をしたことになっている。
が、裏でローエルハイドが動いたのは明白だった。
うっかり、で、ふれていいような相手ではない。
己の身を亡ぼすどころか、家までなくなる可能性すらある。
どんなに、日頃、鳴りを潜めていても、一線を越えた者に容赦はしない。
それがローエルハイドという貴族の在り様なのだ。
「アドルーリットが消えるのは、どうでもいいことですがね」
セラフィーナに、何事か起こってからでは、意味がなかった。
アドルーリットが消えても、取り返しはつかないのだから。
ナルは、深く溜め息をもらす。
セラフィーナに、必要以上に干渉するのは本意ではない。
だからといって、放っておくのも危険に過ぎる。
彼女の無防備な瞳を思い出していた。
「本当に、困った人ですよ、あなたは」
無意識に、苦笑いを浮かべる。
セラフィーナは、また怒るのだろうが、しかたがない。
ナルは、看髄を発動して、彼女の視界を共有する。
それから、特定の相手と会話のできる、即言葉と呼ばれる魔術も使った。
夜会の時と同じ状態だ。
(もう着きましたか?)
(……ナル?)
(繋いでおきますから、なにかあればどうぞ)
即言葉では、声しかとどかないし、抑揚も、ほとんど再現されない。
なのに、セラフィーナが、ムっとしている気配が伝わってくる。
(私は、信用がないようね)
(それもありますが、私自身、読みが外れることもあると反省しているのですよ)
(反省? ナルが?)
不審げな言葉に、セラフィーナの表情が目に見えるようだった。
ふっと、笑いたくなるのを堪える。
セラフィーナは、なかなかに勘が良い。
ナルが、セラフィーナの心情を察するのと同じくらい、気配が伝わってしまうに違いないのだ。
(ナル、ひとつ聞いてもいい?)
(嫌です)
(……ひとつって言ってるじゃない)
(ひとつ聞けば、またひとつと言い出すのが、わかっていますから)
(ケチね)
セラフィーナとの、何気ないやりとりを、楽しんでいる。
失敗続きの自分にナルは呆れ、そして、気持ち半分、放り出した。
どうせ失敗しているのだから、と。
(それを言うのなら、“ど”をつけたほうが、正しいですよ。私は、ケチではなく、どケチなのです)
(私はまだ、正しく使えるほど新語には精通していないの)
(ご令嬢としては、半人前ですね)
(知らなかったわ。いつの間に、半人前まで格上げされたのかしら)
(格上げにもなるでしょう? あなたには、私がついているのですから)
言ってしまってから、ハッとする。
どうせ失敗しているとしても、失敗のし過ぎだ。
セラフィーナが、なにかを言う前に、ナルは、言葉を付け足した。
(教育係として)
(ええ、そうね。わかっているわよ)
セラフィーナの言葉が、そっけなくなっている。
そのことに落胆を感じていた。
(着いたわ。必要があれば、声をかけてちょうだい。どうせ見えてるんでしょ?)
ナルは、すでに、こうして声をかけている。
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