26 / 84
罪の重さから 2
しおりを挟む
シェルニティと子供らの笑い声が遠くから聞こえてくる。
それを耳にしつつ、彼はテラスで紅茶を飲んでいた。
隣にキサティーロが控えている。
いつものごとく、執事服を身につけたキサティーロは、完璧だ。
「シェリーが産まれたあと、消えた侍女。これはまた、怪しいねえ」
「実質、その侍女が実行犯であるのは間違いございません」
「きみが言うのだから、そうなのだろうな」
言いつつ、彼も同意見だった。
相手が正妻だとはいえ、側室自ら給仕などしない。
イノックエルの正妻ロゼッティに性質の悪い魔術を仕込んだのは、その侍女だ。
侍女ならば、日々の飲食物に魔術のかかった薬を入れることは可能だし、それを運んでいても不自然ではない。
「ブレインバーグ公爵から問い詰められた側室の女性は、その侍女に唆されたと、言い訳をしておりました」
「ふぅん。その侍女と側室の間に美しき友情があったとは思えない。側室の依頼を断れなかった理由があったとも思えない」
仮に、依頼されたとしても、それをイノックエルかロゼッティに告げ口をすればすむ話だ。
侍女のほうに側室に対する思い入れがあったとか、弱みを握られていたとかの理由でもあれば、別だけれども。
なにしろ、事が露見して割を食うのは、侍女だけなのだ。
実際、側室は「侍女に唆された」と言っている。
罪を押しつけられるとわかっていながら、実行した理由が不明瞭だった。
「そもそも、その侍女というのは、何者かね?」
「元はダリード男爵家の令嬢で、16の時、ルノーヴァ伯爵家に側室として嫁いでおります。その後、子が出来ず、20で婚姻無効を言い渡され、家を出されたようです。結果、ブレインバーグの勤め人となったのでしょう」
自らと同じ側室という立場に同情を覚えたのか。
イノックエルの側室側に思い入れはなくとも、侍女の側にはあったのか。
「なにやら、うまくはまらないな」
「どうせ危険を冒す覚悟があるのなら、ブレインバーグ公爵夫人を殺したほうが手っ取り早い、ということでございましょう?」
「まさにね。側室の彼女には、そのような覚悟はなかったはずだ。イノックエルに見捨てられては、元も子もないからね。だから、側室の一存だと言うのなら、呪いを選んだ理由にも納得がいく。殺せなかったから、というだけのことだとね」
けれど、実際に手をくだしたのは、侍女であり、側室ではない。
危険を冒してもかまわない、というほどの思い入れがあったのなら、1人で罪をかぶり、ロゼッティを殺せばすんだ。
なのに、殺しはせず、「呪い」を選んでいる。
「実に、中途半端だ」
キサティーロも同じように考え、同じ結論に達しているに違いない。
彼が気づいていることにも、同様に気がついている。
そして、その結論に、彼が苛立ちを感じていることにも。
「その侍女は、この世にはいない。そうだね、キット?」
「さようにございます、我が君」
どのような死にかたをしたのかはともかく、死人に話は訊けない。
それが苛立ちの原因だった。
「今後、そのことで、なにか害はあるかい?」
「可能性としては」
キサティーロは否定をせずにいる。
つまり、まったく危険がない、とまでは言えない、ということだ。
呪いが解けても、まだシェルニティに害がおよぶ可能性はある。
さりとて、侍女は死んでいて、どういう危険があるかまでは、わからない。
現状「なにか」起きるまでは、できることがなかった。
「ところで、我が君、少々、苦言を呈させていただきます」
「苦言? 私は、35になっても、きみに叱られなくちゃならないわけだ」
「私は、ただの鏡ではございません」
「わかっているさ」
彼はティーカップをテーブルに戻し、両手を上げる。
5つ年上のキサティーロは、彼の師でもあった。
ローエルハイドの当主に仕えてはいるが、隷属する立場ではない。
とくにキサティーロは、主に物申す執事なのだ。
「シェルニティ様と、お話し合いをされましたか?」
「したさ。どういうことでも、2人で話し合って決めている」
「そのようには見受けられません」
ぴしゃりと言われ、彼は顔をしかめる。
いくらキサティーロでも、シェルニティとの関係には口出しされたくなかった。
とても繊細な状況であったし、彼自身、心の揺らぎを感じているからだ。
図星をさされて、いい気分になる者はいない。
「シェルニティ様は、お子を望んでおられます」
「彼女は子供はいらないと言った」
「言葉が必ずしも心を語るわけではございません」
「シェリーは嘘などつかない」
「嘘だとは申し上げておりません、我が君」
さすがに、カチンと来る。
まるでキサティーロのほうが、彼よりもシェルニティを知っていると言わんばかりの言い様が、癪に障った。
彼とて、シェルニティとの関係が微妙にぎくしゃくしているのは感じている。
痛いところにさわられて、喜ぶ者だっていやしないのだ。
「アビーの時も、それくらい口を出してくれるとよかったのだがね」
アビゲイルとの婚姻について、キサティーロは、なにも言わなかった。
屋敷に寄りつかなくなっても、苦言のひとつも口にせずにいた。
キサティーロからは連絡すら取って来なかったほどだ。
彼が呼べば返答はあったし、必要なことはしてくれたが、それだけだった。
「シェルニティ様は、あのかたとは違います。我が君も、あの頃とは違います」
「そりゃあね。私も成長しただろうさ。だが、17歳の頃の私のほうが、今よりよほどきみの“苦言”を必要としていたと思わないか?」
「いいえ。率直に申し上げて、あの頃の我が君には、どのような苦言もとどきはしなかったでしょう」
キサティーロは完璧だ。
いつも物事を客観的に判断し、平気で主観を切り捨てる。
彼も感情を制御することに長けてはいるが、キサティーロほどではない。
「キット……シェリーは……怖くなった、と言ったのだよ」
自分以外に、こうした話ができるのは、キサティーロだけだった。
弱音を吐いたところで、キサティーロが慰めてはくれないと知っている。
だからこそ、言えるのだ。
「なにが怖くなったのか、お訊きになられましたか?」
「訊いちゃいないが、それは明白だろう?」
「我が君が思い込んでおられることを明白とは申せません」
「私の思い込みだと言うのかね?」
「あのかたのことがおありなので、先入観で判断されておられるのでしょう」
シェルニティは「怖くなった」とは言ったが、「なにが」とは言っていない。
そして、彼も、それについては訊いていなかった。
明らかだと思っていたからだ。
「なぜ、そう思う?」
「シェルニティ様が我が君を愛しておられるからです」
「だが、それと子を成すということは、話が違う」
「確かにシェルニティ様の感情には未発達な部分がございましょう。それが、ご心配なのもわかります」
キサティーロは淡々とした口調を崩さない。
が、返ってそれが、彼を落ち着かせている。
彼は、まだ半分以上も残っている紅茶を、じっと見つめていた。
「ですが、我が君。シェルニティ様が最初に掴んだ感情は、我が君への愛にございました」
言われて、ハッとする。
「シェルニティ様は、あのかたとは違うのですよ、我が君」
シェルニティの感情が、自分に対する「愛」を基盤にして枝葉を伸ばしているとしたら、どうだろうか。
彼の耳に、シェルニティの声が聞こえる。
『私には大事な人というのが、よくわかっていなかったの。大事な人がいなかったからだと思うのだけれど……でも、あなたのことは、大事なのだと思うわ』
キサティーロの言う通り、すぐにでもシェルニティと話し合う必要があった。
そう思い、立ち上がりかけた彼にキサティーロが言う。
「残念ですが、お客様のようです。お茶を淹れかえなければなりませんね」
それを耳にしつつ、彼はテラスで紅茶を飲んでいた。
隣にキサティーロが控えている。
いつものごとく、執事服を身につけたキサティーロは、完璧だ。
「シェリーが産まれたあと、消えた侍女。これはまた、怪しいねえ」
「実質、その侍女が実行犯であるのは間違いございません」
「きみが言うのだから、そうなのだろうな」
言いつつ、彼も同意見だった。
相手が正妻だとはいえ、側室自ら給仕などしない。
イノックエルの正妻ロゼッティに性質の悪い魔術を仕込んだのは、その侍女だ。
侍女ならば、日々の飲食物に魔術のかかった薬を入れることは可能だし、それを運んでいても不自然ではない。
「ブレインバーグ公爵から問い詰められた側室の女性は、その侍女に唆されたと、言い訳をしておりました」
「ふぅん。その侍女と側室の間に美しき友情があったとは思えない。側室の依頼を断れなかった理由があったとも思えない」
仮に、依頼されたとしても、それをイノックエルかロゼッティに告げ口をすればすむ話だ。
侍女のほうに側室に対する思い入れがあったとか、弱みを握られていたとかの理由でもあれば、別だけれども。
なにしろ、事が露見して割を食うのは、侍女だけなのだ。
実際、側室は「侍女に唆された」と言っている。
罪を押しつけられるとわかっていながら、実行した理由が不明瞭だった。
「そもそも、その侍女というのは、何者かね?」
「元はダリード男爵家の令嬢で、16の時、ルノーヴァ伯爵家に側室として嫁いでおります。その後、子が出来ず、20で婚姻無効を言い渡され、家を出されたようです。結果、ブレインバーグの勤め人となったのでしょう」
自らと同じ側室という立場に同情を覚えたのか。
イノックエルの側室側に思い入れはなくとも、侍女の側にはあったのか。
「なにやら、うまくはまらないな」
「どうせ危険を冒す覚悟があるのなら、ブレインバーグ公爵夫人を殺したほうが手っ取り早い、ということでございましょう?」
「まさにね。側室の彼女には、そのような覚悟はなかったはずだ。イノックエルに見捨てられては、元も子もないからね。だから、側室の一存だと言うのなら、呪いを選んだ理由にも納得がいく。殺せなかったから、というだけのことだとね」
けれど、実際に手をくだしたのは、侍女であり、側室ではない。
危険を冒してもかまわない、というほどの思い入れがあったのなら、1人で罪をかぶり、ロゼッティを殺せばすんだ。
なのに、殺しはせず、「呪い」を選んでいる。
「実に、中途半端だ」
キサティーロも同じように考え、同じ結論に達しているに違いない。
彼が気づいていることにも、同様に気がついている。
そして、その結論に、彼が苛立ちを感じていることにも。
「その侍女は、この世にはいない。そうだね、キット?」
「さようにございます、我が君」
どのような死にかたをしたのかはともかく、死人に話は訊けない。
それが苛立ちの原因だった。
「今後、そのことで、なにか害はあるかい?」
「可能性としては」
キサティーロは否定をせずにいる。
つまり、まったく危険がない、とまでは言えない、ということだ。
呪いが解けても、まだシェルニティに害がおよぶ可能性はある。
さりとて、侍女は死んでいて、どういう危険があるかまでは、わからない。
現状「なにか」起きるまでは、できることがなかった。
「ところで、我が君、少々、苦言を呈させていただきます」
「苦言? 私は、35になっても、きみに叱られなくちゃならないわけだ」
「私は、ただの鏡ではございません」
「わかっているさ」
彼はティーカップをテーブルに戻し、両手を上げる。
5つ年上のキサティーロは、彼の師でもあった。
ローエルハイドの当主に仕えてはいるが、隷属する立場ではない。
とくにキサティーロは、主に物申す執事なのだ。
「シェルニティ様と、お話し合いをされましたか?」
「したさ。どういうことでも、2人で話し合って決めている」
「そのようには見受けられません」
ぴしゃりと言われ、彼は顔をしかめる。
いくらキサティーロでも、シェルニティとの関係には口出しされたくなかった。
とても繊細な状況であったし、彼自身、心の揺らぎを感じているからだ。
図星をさされて、いい気分になる者はいない。
「シェルニティ様は、お子を望んでおられます」
「彼女は子供はいらないと言った」
「言葉が必ずしも心を語るわけではございません」
「シェリーは嘘などつかない」
「嘘だとは申し上げておりません、我が君」
さすがに、カチンと来る。
まるでキサティーロのほうが、彼よりもシェルニティを知っていると言わんばかりの言い様が、癪に障った。
彼とて、シェルニティとの関係が微妙にぎくしゃくしているのは感じている。
痛いところにさわられて、喜ぶ者だっていやしないのだ。
「アビーの時も、それくらい口を出してくれるとよかったのだがね」
アビゲイルとの婚姻について、キサティーロは、なにも言わなかった。
屋敷に寄りつかなくなっても、苦言のひとつも口にせずにいた。
キサティーロからは連絡すら取って来なかったほどだ。
彼が呼べば返答はあったし、必要なことはしてくれたが、それだけだった。
「シェルニティ様は、あのかたとは違います。我が君も、あの頃とは違います」
「そりゃあね。私も成長しただろうさ。だが、17歳の頃の私のほうが、今よりよほどきみの“苦言”を必要としていたと思わないか?」
「いいえ。率直に申し上げて、あの頃の我が君には、どのような苦言もとどきはしなかったでしょう」
キサティーロは完璧だ。
いつも物事を客観的に判断し、平気で主観を切り捨てる。
彼も感情を制御することに長けてはいるが、キサティーロほどではない。
「キット……シェリーは……怖くなった、と言ったのだよ」
自分以外に、こうした話ができるのは、キサティーロだけだった。
弱音を吐いたところで、キサティーロが慰めてはくれないと知っている。
だからこそ、言えるのだ。
「なにが怖くなったのか、お訊きになられましたか?」
「訊いちゃいないが、それは明白だろう?」
「我が君が思い込んでおられることを明白とは申せません」
「私の思い込みだと言うのかね?」
「あのかたのことがおありなので、先入観で判断されておられるのでしょう」
シェルニティは「怖くなった」とは言ったが、「なにが」とは言っていない。
そして、彼も、それについては訊いていなかった。
明らかだと思っていたからだ。
「なぜ、そう思う?」
「シェルニティ様が我が君を愛しておられるからです」
「だが、それと子を成すということは、話が違う」
「確かにシェルニティ様の感情には未発達な部分がございましょう。それが、ご心配なのもわかります」
キサティーロは淡々とした口調を崩さない。
が、返ってそれが、彼を落ち着かせている。
彼は、まだ半分以上も残っている紅茶を、じっと見つめていた。
「ですが、我が君。シェルニティ様が最初に掴んだ感情は、我が君への愛にございました」
言われて、ハッとする。
「シェルニティ様は、あのかたとは違うのですよ、我が君」
シェルニティの感情が、自分に対する「愛」を基盤にして枝葉を伸ばしているとしたら、どうだろうか。
彼の耳に、シェルニティの声が聞こえる。
『私には大事な人というのが、よくわかっていなかったの。大事な人がいなかったからだと思うのだけれど……でも、あなたのことは、大事なのだと思うわ』
キサティーロの言う通り、すぐにでもシェルニティと話し合う必要があった。
そう思い、立ち上がりかけた彼にキサティーロが言う。
「残念ですが、お客様のようです。お茶を淹れかえなければなりませんね」
0
お気に入りに追加
279
あなたにおすすめの小説
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
もう彼女でいいじゃないですか
キムラましゅろう
恋愛
ある日わたしは婚約者に婚約解消を申し出た。
常にわたし以外の女を腕に絡ませている事に耐えられなくなったからだ。
幼い頃からわたしを溺愛する婚約者は婚約解消を絶対に認めないが、わたしの心は限界だった。
だからわたしは行動する。
わたしから婚約者を自由にするために。
わたしが自由を手にするために。
残酷な表現はありませんが、
性的なワードが幾つが出てきます。
苦手な方は回れ右をお願いします。
小説家になろうさんの方では
ifストーリーを投稿しております。
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
不妊を理由に離縁されて、うっかり妊娠して幸せになる話
七辻ゆゆ
恋愛
「妊娠できない」ではなく「妊娠しづらい」と診断されたのですが、王太子である夫にとってその違いは意味がなかったようです。
離縁されてのんびりしたり、お菓子づくりに協力したりしていたのですが、年下の彼とどうしてこんなことに!?
側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります。
とうや
恋愛
「私はシャーロットを妻にしようと思う。君は側妃になってくれ」
成婚の儀を迎える半年前。王太子セオドアは、15年も婚約者だったエマにそう言った。微笑んだままのエマ・シーグローブ公爵令嬢と、驚きの余り硬直する近衛騎士ケイレブ・シェパード。幼馴染だった3人の関係は、シャーロットという少女によって崩れた。
「側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります」
********************************************
ATTENTION
********************************************
*世界軸は『側近候補を外されて覚醒したら〜』あたりの、なんちゃってヨーロッパ風。魔法はあるけれど魔王もいないし神様も遠い存在。そんなご都合主義で設定うすうすの世界です。
*いつものような残酷な表現はありませんが、倫理観に難ありで軽い胸糞です。タグを良くご覧ください。
*R-15は保険です。
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
【完結】そんなに側妃を愛しているなら邪魔者のわたしは消えることにします。
たろ
恋愛
わたしの愛する人の隣には、わたしではない人がいる。………彼の横で彼を見て微笑んでいた。
わたしはそれを遠くからそっと見て、視線を逸らした。
ううん、もう見るのも嫌だった。
結婚して1年を過ぎた。
政略結婚でも、結婚してしまえばお互い寄り添い大事にして暮らしていけるだろうと思っていた。
なのに彼は婚約してからも結婚してからもわたしを見ない。
見ようとしない。
わたしたち夫婦には子どもが出来なかった。
義両親からの期待というプレッシャーにわたしは心が折れそうになった。
わたしは彼の姿を見るのも嫌で彼との時間を拒否するようになってしまった。
そして彼は側室を迎えた。
拗れた殿下が妻のオリエを愛する話です。
ただそれがオリエに伝わることは……
とても設定はゆるいお話です。
短編から長編へ変更しました。
すみません
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる