79 / 80
放蕩公爵の愛ある日常 3
しおりを挟む
結局、必要があれば、シェルニティの好きなほうで呼ぶ、ということになった。
正式名でも、愛称でも、どちらでもかまわない、としている。
とはいえ、彼自身、愛称で呼ばれたことがない。
周囲の者は、正式名か爵位で呼ぶからだ。
(確かに、ほかの者とは違った呼ばれかたをする、というのは特別な気持ちになるものだね)
シェルニティは、必要が生じた時のために「愛称を考えておく」と言った。
どういうものになるのか、少し楽しみな気がする。
シェルニティの声が聞こえた時、彼女は、彼を正式名で呼んでいた。
が、あれは、笛を通じて流れてきた、彼女の心の声なのだ。
直接に、呼ばれたことは、1度もない。
(私は、最初に名乗らなかったし、彼女も、私の名を知っていたはずなのに呼ばずにいたし……無意識とはいえ、ずっと我が家の伝統に則っていたわけだ)
思って、少し苦笑いをもらした。
あの日、シェルニティが滝に身を投げたのは、偶然だ。
けれど、出会うべくして出会ったのかもしれない、と思える。
(そういうことなら、あれも生かしておいても良かったかな)
名など、すでに覚えてはいなかった。
シェルニティに、森の散策を勧めたという女性。
さりとて、消してしまったものはしかたがない。
死んだ者を生き返らせる魔術はないのだ。
(今後は“消しかた”にも、配慮するとしよう)
なにしろ、彼のしたことの罪は、シェルニティが負うことになる。
できるだけ「殺さず」に「消す」方法を考えておこうと思った。
キサティーロにも言っておこうとして、やめておく。
どうせ、キサティーロは、言わなくても、わかっているだろうから。
『遠回りのせいで、シェルニティ様を危険に晒したと、反省されましたか?』
主に対しても、キサティーロは厳しい。
庭の散策をアーヴィングに任せた際、キサティーロは不満そうだったのだ。
なにも言わずにいたのは、彼が「言われたくない」という雰囲気をまき散らしていたからに過ぎない。
(いったい、シェリーは、どうやって、キットに気に入られたのだろうね)
5日に1度くらいの頻度で、王都の屋敷を、2人で訪れていた。
キサティーロは、シェルニティを認めている。
彼ですら数回しか見たことのない、小さな笑みを浮かべる時があるほどなのだ。
よほど、気に入っている証拠だった。
(……どうも、私には“恋敵”が多いようだ)
キサティーロは既婚者で、妻を愛していると知っているので除外するとしても、シェルニティの周囲にいる男性陣は、こぞって彼女を気に入っている。
アリスを筆頭に。
「なにか、悩ましい命題でもあるの?」
シェルニティが、ぽすんと、彼の隣に座ってきた。
森の家の、いつものソファだ。
体を彼のほうに向け、首をかしげている。
彼女は、長い髪を後ろで、ひと括りに束ねていた。
まるで、アリスの尾のように、少し揺れている。
シェルニティは、もう顔を隠したりはしない。
美しくなったから、というよりは、必要を感じなくなったからだろう。
「悩ましい命題というよりは、不条理に苦しんでいる、といったところさ」
「不条理?」
「私は、嫉妬をせずにはいられず、どうすれば、きみを独り占めできるかを考えてばかりいる。なのに、きみときたら、ちっとも嫉妬してくれない。これは、とても不条理だと言えるのじゃないかい?」
一瞬、きょとんとした顔をしたあと、シェルニティが笑った。
彼女が笑うと、以前よりも、ずっと周囲が明るく感じられる。
夕食をすませ、外は、すっかり暗くなっているとしても。
「あなたが嫉妬すると、アリスの尾に火をつけたくなるのは、知っているけれど、私は、誰の尾に火をつければいいのか、わからないのよ」
現状、彼の周りに、女性の影はない。
もちろん「美女の馬」もいない。
「それでは、もし、私の中の、放蕩の虫が目を覚ましたら、どうするね?」
「サロンに通ったりする、ということかしら?」
「こっそり、お忍びでね」
「朝には帰ってくるでしょう?」
「それは……まぁ……そうだが……」
シェルニティの表情に、変化はなかった。
少なくとも「嫉妬」の感情は見受けられない。
「私は、まだ朝食を作れるようになっていないの。だから、朝食を作って、あなたを待つ、ということができないわ。やっぱり料理を習っておかな……」
「シェリー、本気で言ったわけではないよ」
彼のほうが、慌てている。
本気に受け止められるとは、思っていなかったからだ。
シェルニティに「放蕩者」の烙印を押されたくなくて、急いで訂正した。
「そうなの? 男の人って、放蕩するのが好きなのでしょう?」
「私は違う。放蕩なんてしないさ。絶対にね。いいかい? わかったね?」
互いの気持ちを確認し合ってから4ヶ月余り。
シェルニティの感情は、日増しに豊かにはなっていた。
それでも、嫉妬や独占欲というのは、分かりにくい類の感情なのだ。
彼女に言ったように「自然発生的」なものであり、意識しているものでもない。
彼は、シェルニティの感情の成長を、待っている。
彼女の愛を疑ってはいないが、様々なことを理解した上で、最終的な決断をするべきなのだ。
だから、急かせるつもりはなかった。
実際、シェルニティと同じ部屋で眠ったことすらない。
「放蕩していた頃には“フラれた”ことなんかないさ」
シェルニティが、彼の言った言葉や口調を真似て言う。
揶揄しているという響きはなく、面白がっているようだ。
「そんなふうに言っていたのに、やめられるの?」
「実際、やめていたよ。ここ……4,5年ほどはね」
「放蕩する男性は、40歳を越えても、サロン通いをするわ」
「私は愛に憑りつかれている憐れな男で、夜な夜な耐え難い苦痛を味わっている。だが、その苦しみを紛らわせるために、サロンに足を向けたりはしないよ」
彼も、おどけて、軽く肩をすくめてみせる。
どうやら、シェルニティは、愛と放蕩は別物と認識しているらしい。
知識として「男性は放蕩をするもの」との刷り込みがあったのだろう。
(イノックエルの奴め。あいつが、側室まで迎えておきながらサロン通いを続けているものだから、シェリーが誤解しているじゃないか)
イノックエルに、軽くイラっとした。
次に、会ったら、少しばかり嫌味を言ってやることにする。
遅かれ早かれ、会うのは間違いないのだ。
「そうね。そうしてくれると、嬉しいわ」
「当然だよ、きみ。私が、きみを置いて、どこに行けると言うのだい?」
「ええ……実は、あなたがいない夜や朝は、寂しいだろうと思っていたの」
ほんの少し、気後れした様子で言う、シェルニティに、胸が、きゅっとなる。
夫の放蕩に口出しをするのは、貴族では好まれない。
正妻も自尊心から、知らない顔をするのだ。
シェルニティが、言いにくそうにしたのは、その知識ゆえだろう。
「シェリー、私たちは、貴族らしくない、貴族だ。民服を着て、布靴を履いてさ。畑仕事をしたり釣りをしたり……勤め人も、ほとんどいない。そうだろう?」
「王都のお屋敷でも、民服ですものね」
「その通り」
彼は、シェルニティの顎に軽く片手をそえて、持ち上げる。
澄んだ綺麗な瞳を見つめて言った。
「私は、きみを愛しているのだよ? 片時も離れたくないってくらいにね」
彼女の唇に、そっと口づける。
同じくらい、そっと唇を離した。
シェルニティが閉じていた目を開き、彼に言う。
その表情には、強い決意が滲んでいた。
「私、あなたに言わなくちゃならないことが、あるの」
正式名でも、愛称でも、どちらでもかまわない、としている。
とはいえ、彼自身、愛称で呼ばれたことがない。
周囲の者は、正式名か爵位で呼ぶからだ。
(確かに、ほかの者とは違った呼ばれかたをする、というのは特別な気持ちになるものだね)
シェルニティは、必要が生じた時のために「愛称を考えておく」と言った。
どういうものになるのか、少し楽しみな気がする。
シェルニティの声が聞こえた時、彼女は、彼を正式名で呼んでいた。
が、あれは、笛を通じて流れてきた、彼女の心の声なのだ。
直接に、呼ばれたことは、1度もない。
(私は、最初に名乗らなかったし、彼女も、私の名を知っていたはずなのに呼ばずにいたし……無意識とはいえ、ずっと我が家の伝統に則っていたわけだ)
思って、少し苦笑いをもらした。
あの日、シェルニティが滝に身を投げたのは、偶然だ。
けれど、出会うべくして出会ったのかもしれない、と思える。
(そういうことなら、あれも生かしておいても良かったかな)
名など、すでに覚えてはいなかった。
シェルニティに、森の散策を勧めたという女性。
さりとて、消してしまったものはしかたがない。
死んだ者を生き返らせる魔術はないのだ。
(今後は“消しかた”にも、配慮するとしよう)
なにしろ、彼のしたことの罪は、シェルニティが負うことになる。
できるだけ「殺さず」に「消す」方法を考えておこうと思った。
キサティーロにも言っておこうとして、やめておく。
どうせ、キサティーロは、言わなくても、わかっているだろうから。
『遠回りのせいで、シェルニティ様を危険に晒したと、反省されましたか?』
主に対しても、キサティーロは厳しい。
庭の散策をアーヴィングに任せた際、キサティーロは不満そうだったのだ。
なにも言わずにいたのは、彼が「言われたくない」という雰囲気をまき散らしていたからに過ぎない。
(いったい、シェリーは、どうやって、キットに気に入られたのだろうね)
5日に1度くらいの頻度で、王都の屋敷を、2人で訪れていた。
キサティーロは、シェルニティを認めている。
彼ですら数回しか見たことのない、小さな笑みを浮かべる時があるほどなのだ。
よほど、気に入っている証拠だった。
(……どうも、私には“恋敵”が多いようだ)
キサティーロは既婚者で、妻を愛していると知っているので除外するとしても、シェルニティの周囲にいる男性陣は、こぞって彼女を気に入っている。
アリスを筆頭に。
「なにか、悩ましい命題でもあるの?」
シェルニティが、ぽすんと、彼の隣に座ってきた。
森の家の、いつものソファだ。
体を彼のほうに向け、首をかしげている。
彼女は、長い髪を後ろで、ひと括りに束ねていた。
まるで、アリスの尾のように、少し揺れている。
シェルニティは、もう顔を隠したりはしない。
美しくなったから、というよりは、必要を感じなくなったからだろう。
「悩ましい命題というよりは、不条理に苦しんでいる、といったところさ」
「不条理?」
「私は、嫉妬をせずにはいられず、どうすれば、きみを独り占めできるかを考えてばかりいる。なのに、きみときたら、ちっとも嫉妬してくれない。これは、とても不条理だと言えるのじゃないかい?」
一瞬、きょとんとした顔をしたあと、シェルニティが笑った。
彼女が笑うと、以前よりも、ずっと周囲が明るく感じられる。
夕食をすませ、外は、すっかり暗くなっているとしても。
「あなたが嫉妬すると、アリスの尾に火をつけたくなるのは、知っているけれど、私は、誰の尾に火をつければいいのか、わからないのよ」
現状、彼の周りに、女性の影はない。
もちろん「美女の馬」もいない。
「それでは、もし、私の中の、放蕩の虫が目を覚ましたら、どうするね?」
「サロンに通ったりする、ということかしら?」
「こっそり、お忍びでね」
「朝には帰ってくるでしょう?」
「それは……まぁ……そうだが……」
シェルニティの表情に、変化はなかった。
少なくとも「嫉妬」の感情は見受けられない。
「私は、まだ朝食を作れるようになっていないの。だから、朝食を作って、あなたを待つ、ということができないわ。やっぱり料理を習っておかな……」
「シェリー、本気で言ったわけではないよ」
彼のほうが、慌てている。
本気に受け止められるとは、思っていなかったからだ。
シェルニティに「放蕩者」の烙印を押されたくなくて、急いで訂正した。
「そうなの? 男の人って、放蕩するのが好きなのでしょう?」
「私は違う。放蕩なんてしないさ。絶対にね。いいかい? わかったね?」
互いの気持ちを確認し合ってから4ヶ月余り。
シェルニティの感情は、日増しに豊かにはなっていた。
それでも、嫉妬や独占欲というのは、分かりにくい類の感情なのだ。
彼女に言ったように「自然発生的」なものであり、意識しているものでもない。
彼は、シェルニティの感情の成長を、待っている。
彼女の愛を疑ってはいないが、様々なことを理解した上で、最終的な決断をするべきなのだ。
だから、急かせるつもりはなかった。
実際、シェルニティと同じ部屋で眠ったことすらない。
「放蕩していた頃には“フラれた”ことなんかないさ」
シェルニティが、彼の言った言葉や口調を真似て言う。
揶揄しているという響きはなく、面白がっているようだ。
「そんなふうに言っていたのに、やめられるの?」
「実際、やめていたよ。ここ……4,5年ほどはね」
「放蕩する男性は、40歳を越えても、サロン通いをするわ」
「私は愛に憑りつかれている憐れな男で、夜な夜な耐え難い苦痛を味わっている。だが、その苦しみを紛らわせるために、サロンに足を向けたりはしないよ」
彼も、おどけて、軽く肩をすくめてみせる。
どうやら、シェルニティは、愛と放蕩は別物と認識しているらしい。
知識として「男性は放蕩をするもの」との刷り込みがあったのだろう。
(イノックエルの奴め。あいつが、側室まで迎えておきながらサロン通いを続けているものだから、シェリーが誤解しているじゃないか)
イノックエルに、軽くイラっとした。
次に、会ったら、少しばかり嫌味を言ってやることにする。
遅かれ早かれ、会うのは間違いないのだ。
「そうね。そうしてくれると、嬉しいわ」
「当然だよ、きみ。私が、きみを置いて、どこに行けると言うのだい?」
「ええ……実は、あなたがいない夜や朝は、寂しいだろうと思っていたの」
ほんの少し、気後れした様子で言う、シェルニティに、胸が、きゅっとなる。
夫の放蕩に口出しをするのは、貴族では好まれない。
正妻も自尊心から、知らない顔をするのだ。
シェルニティが、言いにくそうにしたのは、その知識ゆえだろう。
「シェリー、私たちは、貴族らしくない、貴族だ。民服を着て、布靴を履いてさ。畑仕事をしたり釣りをしたり……勤め人も、ほとんどいない。そうだろう?」
「王都のお屋敷でも、民服ですものね」
「その通り」
彼は、シェルニティの顎に軽く片手をそえて、持ち上げる。
澄んだ綺麗な瞳を見つめて言った。
「私は、きみを愛しているのだよ? 片時も離れたくないってくらいにね」
彼女の唇に、そっと口づける。
同じくらい、そっと唇を離した。
シェルニティが閉じていた目を開き、彼に言う。
その表情には、強い決意が滲んでいた。
「私、あなたに言わなくちゃならないことが、あるの」
11
お気に入りに追加
626
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。

好きだった人 〜二度目の恋は本物か〜
ぐう
恋愛
アンジェラ編
幼い頃から大好だった。彼も優しく会いに来てくれていたけれど…
彼が選んだのは噂の王女様だった。
初恋とさよならしたアンジェラ、失恋したはずがいつのまにか…
ミラ編
婚約者とその恋人に陥れられて婚約破棄されたミラ。冤罪で全て捨てたはずのミラ。意外なところからいつのまにか…
ミラ編の方がアンジェラ編より過去から始まります。登場人物はリンクしています。
小説家になろうに投稿していたミラ編の分岐部分を改稿したものを投稿します。
悪役令嬢エリザベート物語
kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ
公爵令嬢である。
前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。
ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。
父はアフレイド・ノイズ公爵。
ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。
魔法騎士団の総団長でもある。
母はマーガレット。
隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。
兄の名前はリアム。
前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。
そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。
王太子と婚約なんてするものか。
国外追放になどなるものか。
乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。
私は人生をあきらめない。
エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。
⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです
ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい
珂里
ファンタジー
ある日、仲の良かった友達が突然いなくなってしまった。
本当に、急に、目の前から消えてしまった友達には、二度と会えなかった。
…………私も消えることができるかな。
私が消えても、きっと、誰も何とも思わない。
私は、邪魔な子だから。
私は、いらない子だから。
だからきっと、誰も悲しまない。
どこかに、私を必要としてくれる人がいないかな。
そんな人がいたら、絶対に側を離れないのに……。
異世界に迷い込んだ少女と、孤独な獣人の少年が徐々に心を通わせ成長していく物語。
☆「神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです」と同じ世界です。
彩菜が神隠しに遭う時に、公園で一緒に遊んでいた「ゆうちゃん」こと優香の、もう一つの神隠し物語です。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
【完結】私の望み通り婚約を解消しようと言うけど、そもそも半年間も嫌だと言い続けたのは貴方でしょう?〜初恋は終わりました。
るんた
恋愛
「君の望み通り、君との婚約解消を受け入れるよ」
色とりどりの春の花が咲き誇る我が伯爵家の庭園で、沈痛な面持ちで目の前に座る男の言葉を、私は内心冷ややかに受け止める。
……ほんとに屑だわ。
結果はうまくいかないけど、初恋と学園生活をそれなりに真面目にがんばる主人公のお話です。
彼はイケメンだけど、あれ?何か残念だな……。という感じを目指してます。そう思っていただけたら嬉しいです。
彼女視点(side A)と彼視点(side J)を交互にあげていきます。
【完結】欲しがり義妹に王位を奪われ偽者花嫁として嫁ぎました。バレたら処刑されるとドキドキしていたらイケメン王に溺愛されてます。
美咲アリス
恋愛
【Amazonベストセラー入りしました(長編版)】「国王陛下!わたくしは偽者の花嫁です!どうぞわたくしを処刑してください!!」「とりあえず、落ち着こうか?(にっこり)」意地悪な義母の策略で義妹の代わりに辺境国へ嫁いだオメガ王女のフウル。正直な性格のせいで嘘をつくことができずに命を捨てる覚悟で夫となる国王に真実を告げる。だが美貌の国王リオ・ナバはなぜかにっこりと微笑んだ。そしてフウルを甘々にもてなしてくれる。「きっとこれは処刑前の罠?」不幸生活が身についたフウルはビクビクしながら城で暮らすが、実は国王にはある考えがあって⋯⋯?

人質王女の恋
小ろく
恋愛
先の戦争で傷を負った王女ミシェルは顔に大きな痣が残ってしまい、ベールで隠し人目から隠れて過ごしていた。
数年後、隣国の裏切りで亡国の危機が訪れる。
それを救ったのは、今まで国交のなかった強大国ヒューブレイン。
両国の国交正常化まで、ミシェルを人質としてヒューブレインで預かることになる。
聡明で清楚なミシェルに、国王アスランは惹かれていく。ミシェルも誠実で美しいアスランに惹かれていくが、顔の痣がアスランへの想いを止める。
傷を持つ王女と一途な国王の恋の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる