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一緒にいるから 1
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シェルニティは目を覚ましたのに、目をしばたたかせる。
森の家、シェルニティの部屋のベッドに横になっていた。
「おはよう、シェリー」
隣に、彼が寝そべっている。
半身を彼女のほうに向け、左肘をついて頭を支えていた。
森の家は、広いけれど、王都の屋敷ほどではない。
シェルニティの部屋も、狭くはないが、そこそこの広さだ。
調度品だって、それほど多くはなかった。
当然に、ベッドも1人用のものが備えつけられている。
つまり、彼との距離が、非常に近い。
シェルニティは、瞬きを繰り返した。
それでも、彼の姿は、ちゃんと見えている。
「夢かと思っていたわ」
クリフォードに殴られたのは、覚えていた。
ナイフで切りつけられたのも、記憶している。
「死ぬ間際には、幻や夢を見るものなのでしょう? だから、死んだのだなって、そう思っていたのよ」
右手を伸ばし、彼が、シェルニティの頬を撫でた。
暖かな感触が、はっきりと伝わってくる。
ようやく、現実が、実感できた。
「きみは、生きているよ」
「そうね。死んでいないということは、生きているということだもの」
微笑んでいる彼を、じっと見つめる。
そして、ハッとなった。
ガバッと体を起こす。
「アリス! アリスは、どうなったかしら?! あの子、私のせいで、大変な目に合ったの! すぐに助けてあげなくちゃ!」
シェルニティは慌てているのに、彼は、体を起こそうともしない。
平気な顔をして、寝転がっている。
「ねえ! 起きて! 本当に大変なの! アリスを助けてあげて!」
ゆさゆさ。
体を揺さぶっても、彼は起きようとせずにいる。
あげく、右斜め上に視線を向け、知らん顔をしたのだ。
「酷いわ! アリスを見捨てるのね! あの子、あんなに苦しがっていたのに!」
これが「怒る」という感覚かもしれない。
いっこうに動こうとしない彼に腹が立つ。
「もういいわ! 私だけで……」
「シェリー。アリスなら無事だよ。昨夜、治癒しておいたからね」
ぴたっと、シェルニティの動きが止まった。
大きく息をつく。
それから、わずかに唇をとがらせた。
「それなら、早く言ってくれればいいのに……」
「きみが、アリスのことばかり言うものだから、ちょっとばかり面白くなくてね」
「え……?」
「こうして隣にいる私を、そっちのけなのだからなあ。きみの1番はアリスなのかと、嫉妬するくらいは許されるべきではないかな?」
シェルニティは、再び、彼の顔を「まじまじ」と見つめる。
彼は、本当に、少しだけ不機嫌そうだった。
そのことに、驚いてしまう。
「あなた……本当に、嫉妬をしているのね」
「そうとも。気づいてくれて、ありがたいよ。私にも、自尊心やら羞恥心という、主に、人に見せたくない類の感情はあるのでね」
「まあ……私に嫉妬なんて……あなたがする必要はない気がするのだけれど……」
「嫉妬というものはね、きみ。必要があってするものではない。せずにいよう、と思っていてさえ、自然発生的にわきあがる感情なのさ」
彼が、軽く肩をすくめる。
寝転がっていても、彼は器用に、その仕草をみせるのだ。
「でも、アリスは……」
「あ、あ、きみ。それは、関係のないことだよ」
「馬でも?」
「馬でも、だ」
シェルニティは、ちょっぴり困っている。
アリスは、彼女の「お気に入り」なのだ。
動物とふれあったのは、アリスが初めてだったし、なにより懐いてくれている。
賢くて、美男子で、時に彼女を慰めてくれるほど優しく、そして勇敢だった。
「きみが、夜中に、アリスを恋しがって泣いたりしたら、私は、どうすればいいのだろうね。心の裡では、アリスの尾に火をつけたいと思いながら、きみを慰めなくちゃならないのかな」
「でも……アリスは、馬だもの」
「きみの、お気に入りのね」
「ええ、お気に入りよ。取り上げられたくないわ」
それこそ、アリスを恋しがって泣くかもしれない。
思っているシェルニティを見つめながら、彼が溜め息をつく。
なんとも、わざとらしかった。
「私は、嫉妬と独占欲だらけな男だが、きみからアリスを取り上げたりはしない。分別と自制を捨てたくなる時があっても、大人らしく振る舞うと約束するよ」
「あなたが、嫉妬と独占欲だらけな人だとは知らなかったわ」
「私も、初めて知ったさ」
「あら。私、あなたの初めてを、ひとつ、手に入れたようね」
シェルニティは、くすくすと笑う。
今まで、歳を意識したことはなかったが、彼は、17も年上なのだ。
なのに、子供っぽく感じられ、それが、おかしかった。
なにしろ、彼は、すねている。
「ともかく、きみが、私の心の平穏を気にかけてくれるのなら、アリスには口づけないと、誓ってくれたまえ」
「とても難しいことだわ」
「だろうね。いかに自制が難しいか、身につまされるよ」
「いいわ。誓って、アリスには、口づけない。たてがみ以外はね」
彼が、不満そうに唸った。
が、しかたなさそうに、うなずく。
「そのくらいは譲歩しよう。きみは、交渉が上手だ」
「できないことは誓えないもの。私、あなたを見習っているのよ」
「嘘をつくと、後が面倒ってだけさ」
言って、彼は、苦笑いをもらした。
困ったような顔をして、言う。
「実は、アーヴィのことでも、私は妬いていた」
「あなたが、仲立ちをしたのに?」
「そこさ、私の愚かなところはね。あの時は、そうするほうがいいと思っていた。きみを手放したくはなかったが……」
その言葉に、安堵した。
彼は、自分を早く手放したくて、王太子を紹介したのではなかったのだ。
「私も、手放されたくないわ」
彼が、体を起こす。
シェルニティの頬に手をあて、微笑んでいた。
「それについては、きみに決めてもらう必要がある。だが、その前に……」
彼の顔が、すいっと近づいてくる。
唇が重なり、シェルニティは目を閉じた。
(本当に、夢ではなかったようね……彼、私を愛しているのだわ……)
改めて、昨夜、彼に言われた言葉を思い出している。
彼は、シェルニティに「愛している」と言ったのだ。
そして、こうも言った。
いつでも、ずっと、傍にいる、と。
森の家、シェルニティの部屋のベッドに横になっていた。
「おはよう、シェリー」
隣に、彼が寝そべっている。
半身を彼女のほうに向け、左肘をついて頭を支えていた。
森の家は、広いけれど、王都の屋敷ほどではない。
シェルニティの部屋も、狭くはないが、そこそこの広さだ。
調度品だって、それほど多くはなかった。
当然に、ベッドも1人用のものが備えつけられている。
つまり、彼との距離が、非常に近い。
シェルニティは、瞬きを繰り返した。
それでも、彼の姿は、ちゃんと見えている。
「夢かと思っていたわ」
クリフォードに殴られたのは、覚えていた。
ナイフで切りつけられたのも、記憶している。
「死ぬ間際には、幻や夢を見るものなのでしょう? だから、死んだのだなって、そう思っていたのよ」
右手を伸ばし、彼が、シェルニティの頬を撫でた。
暖かな感触が、はっきりと伝わってくる。
ようやく、現実が、実感できた。
「きみは、生きているよ」
「そうね。死んでいないということは、生きているということだもの」
微笑んでいる彼を、じっと見つめる。
そして、ハッとなった。
ガバッと体を起こす。
「アリス! アリスは、どうなったかしら?! あの子、私のせいで、大変な目に合ったの! すぐに助けてあげなくちゃ!」
シェルニティは慌てているのに、彼は、体を起こそうともしない。
平気な顔をして、寝転がっている。
「ねえ! 起きて! 本当に大変なの! アリスを助けてあげて!」
ゆさゆさ。
体を揺さぶっても、彼は起きようとせずにいる。
あげく、右斜め上に視線を向け、知らん顔をしたのだ。
「酷いわ! アリスを見捨てるのね! あの子、あんなに苦しがっていたのに!」
これが「怒る」という感覚かもしれない。
いっこうに動こうとしない彼に腹が立つ。
「もういいわ! 私だけで……」
「シェリー。アリスなら無事だよ。昨夜、治癒しておいたからね」
ぴたっと、シェルニティの動きが止まった。
大きく息をつく。
それから、わずかに唇をとがらせた。
「それなら、早く言ってくれればいいのに……」
「きみが、アリスのことばかり言うものだから、ちょっとばかり面白くなくてね」
「え……?」
「こうして隣にいる私を、そっちのけなのだからなあ。きみの1番はアリスなのかと、嫉妬するくらいは許されるべきではないかな?」
シェルニティは、再び、彼の顔を「まじまじ」と見つめる。
彼は、本当に、少しだけ不機嫌そうだった。
そのことに、驚いてしまう。
「あなた……本当に、嫉妬をしているのね」
「そうとも。気づいてくれて、ありがたいよ。私にも、自尊心やら羞恥心という、主に、人に見せたくない類の感情はあるのでね」
「まあ……私に嫉妬なんて……あなたがする必要はない気がするのだけれど……」
「嫉妬というものはね、きみ。必要があってするものではない。せずにいよう、と思っていてさえ、自然発生的にわきあがる感情なのさ」
彼が、軽く肩をすくめる。
寝転がっていても、彼は器用に、その仕草をみせるのだ。
「でも、アリスは……」
「あ、あ、きみ。それは、関係のないことだよ」
「馬でも?」
「馬でも、だ」
シェルニティは、ちょっぴり困っている。
アリスは、彼女の「お気に入り」なのだ。
動物とふれあったのは、アリスが初めてだったし、なにより懐いてくれている。
賢くて、美男子で、時に彼女を慰めてくれるほど優しく、そして勇敢だった。
「きみが、夜中に、アリスを恋しがって泣いたりしたら、私は、どうすればいいのだろうね。心の裡では、アリスの尾に火をつけたいと思いながら、きみを慰めなくちゃならないのかな」
「でも……アリスは、馬だもの」
「きみの、お気に入りのね」
「ええ、お気に入りよ。取り上げられたくないわ」
それこそ、アリスを恋しがって泣くかもしれない。
思っているシェルニティを見つめながら、彼が溜め息をつく。
なんとも、わざとらしかった。
「私は、嫉妬と独占欲だらけな男だが、きみからアリスを取り上げたりはしない。分別と自制を捨てたくなる時があっても、大人らしく振る舞うと約束するよ」
「あなたが、嫉妬と独占欲だらけな人だとは知らなかったわ」
「私も、初めて知ったさ」
「あら。私、あなたの初めてを、ひとつ、手に入れたようね」
シェルニティは、くすくすと笑う。
今まで、歳を意識したことはなかったが、彼は、17も年上なのだ。
なのに、子供っぽく感じられ、それが、おかしかった。
なにしろ、彼は、すねている。
「ともかく、きみが、私の心の平穏を気にかけてくれるのなら、アリスには口づけないと、誓ってくれたまえ」
「とても難しいことだわ」
「だろうね。いかに自制が難しいか、身につまされるよ」
「いいわ。誓って、アリスには、口づけない。たてがみ以外はね」
彼が、不満そうに唸った。
が、しかたなさそうに、うなずく。
「そのくらいは譲歩しよう。きみは、交渉が上手だ」
「できないことは誓えないもの。私、あなたを見習っているのよ」
「嘘をつくと、後が面倒ってだけさ」
言って、彼は、苦笑いをもらした。
困ったような顔をして、言う。
「実は、アーヴィのことでも、私は妬いていた」
「あなたが、仲立ちをしたのに?」
「そこさ、私の愚かなところはね。あの時は、そうするほうがいいと思っていた。きみを手放したくはなかったが……」
その言葉に、安堵した。
彼は、自分を早く手放したくて、王太子を紹介したのではなかったのだ。
「私も、手放されたくないわ」
彼が、体を起こす。
シェルニティの頬に手をあて、微笑んでいた。
「それについては、きみに決めてもらう必要がある。だが、その前に……」
彼の顔が、すいっと近づいてくる。
唇が重なり、シェルニティは目を閉じた。
(本当に、夢ではなかったようね……彼、私を愛しているのだわ……)
改めて、昨夜、彼に言われた言葉を思い出している。
彼は、シェルニティに「愛している」と言ったのだ。
そして、こうも言った。
いつでも、ずっと、傍にいる、と。
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