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伝えたいことは 3
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シェルニティは、少し朦朧としている。
くらくらしているのは、転移に便乗したからだろう。
たいして詳しくはないが、ひと通りの魔術知識も持っていた。
転移は移動に使うものであっても、点門とは違う。
転移に便乗すると、魔力顕現していない者は、魔力の影響を受けるのだ。
が、シェルニティは意識を失うまでには至っていない。
(確か、長距離の移動をすると、意識を失ったり、命に関わったりするほどの影響を受けるのだったわね)
だとすると、それほど長距離の移動はしていないことになる。
周囲を、注意深く見回した。
石造りの薄暗い部屋だ。
木の扉があり、その両脇に、蝋燭で明かりが灯されている。
壊れた書き物机に、薄汚れたベッド。
ほかにも、ガラクタのようなものが、あちこちに転がっていた。
不要な物を放り込んでおく物置部屋かもしれない。
(この岩肌……見たことがあるわ……ここは、レックスモアのお屋敷……?)
部屋の壁は石造りになっている。
その岩肌の風合いは、レックスモアの屋敷と同じものに思えた。
年月を経た色味が独特だったからだ。
それに、森からレックスモアの屋敷までなら、そう遠くはない。
「そうだわ……アリス! アリスは、どうなったかしら……」
血だらけになって横たわっていたアリスが気がかりで、落ち着かなくなる。
彼が帰れば、なんとかしてくれるだろうけれど、いつ帰って来るか、わからないのだ。
その間に、アリスが死んでしまうかもしれない。
「……ここは地下のようね。空気が薄いし、明かり取りの窓もないもの……」
とはいえ、シェルニティにできるのは、周囲を観察することくらいだった。
木の扉は頑丈そうで、おそらく鍵もかかっているだろうから、逃げられない。
仮に、逃げられたとしても、あの魔術師に追われることになる。
「……なんとか、アリスだけでも、助けられればいいのだけれど……」
思った時、ハッとなった。
慌てて、スカートのポケットを探る。
笛があった。
手に笛を握った時だ。
ガチャっと音がして、扉が開く。
咄嗟に、笛を握りこんだ手を後ろに隠した。
入って来たのは、クリフォードだ。
バタンっと、扉が閉まる。
クリフォードが閉めたようには見えなかった。
なにしろ、クリフォードの目には、シェルニティしか映っていない。
わかるくらいには、まっすぐに歩いて来る。
「クリフォード様、これはいったい……」
「お前のせいだ。お前のせいで、私は、すべてを失った」
口調から、なにか危険なものを感じる。
クリフォードの思考や心情はわからなくても、激しい怒りが、声音に表れているのには気づいていた。
シェルニティは、クリフォードに、いつも「叱られて」いたが、その何十倍もの激しさが声に宿っている。
あ、と思った時には、クリフォードに腕を掴まれていた。
体が、薄汚れたベッドの上に投げ出される。
横倒しになったシェルニティを、クリフォードが、力任せに仰向けにした。
のしかかられ、両手を押さえつけられる。
「嬲り尽くしたあとで、殺してやる。呪いを、私にかけた報いだ」
「呪いなんて、私はかけ……っ……」
言葉が止まった。
クリフォードの片手が、シェルニティから離れている。
代わりに、スカートをまくりあげられていた。
太腿から膝の裏に手が滑ってきて、掴まれる。
「やめて……っ……!」
「暴れたって無駄さ。お前を犯すくらい、容易いことだ」
クリフォードの目が、ギラついていた。
正気ではないと悟り、ゾッとする。
シェルニティは、初めて「恐怖」を知った。
「どうせ、あの男と、散々、楽しんでいたのだろう。今さら貞淑ぶるな」
ぐいっと、足が持ち上げられた。
クリフォードの膝が、シェルニティの両足を割ってくる。
「嫌……っ! やめて……っ……」
「お前だけじゃない。あの男にも、思い知らせてやる」
彼の顔が思い浮かぶ。
不機嫌そうだったり、笑っていたり、困っていたり、おどけていたり。
いろんな表情だった。
額や頬にふれてきた手や唇の感触。
彼に対しては、1度も抵抗感をいだいたことはなかった。
けれど、今は、嫌悪感と抵抗感しかない。
必死で、掴まれていないほうの足をバタつかせる。
解放された手も振り回した。
その拳が、クリフォードの頬に当たる。
同時に、手が開いてしまった。
かこん。
シェルニティは、床のほうへと顔を向ける。
手に握っていたはずの笛が転がっていた。
焦って、体を、そちらに向ける。
「あれは……そうか。あの男を呼ぶつもりだったのだろう」
クリフォードが体を起こした。
あれだけは取られたくないとの思いから、クリフォードにしがみつく。
「退けッ!!」
ドンッと、腹に衝撃を受けて、ベッドに倒れ伏した。
クリフォードに蹴られたのだ。
ベッドから降りたクリフォードが、笛の側にしゃがみこむ。
そして、懐からナイフを取り出した。
ガンガンッと音がする。
腹を押さえながら、シェルニティは、体を起こした。
音がやみ、立ち上がったクリフォードが「それ」を放って来る。
「ああ……そんな……」
「もう、それは使いものにならないな」
手にした笛は、ナイフの柄で叩かれたせいで、完全に、ひしゃげていた。
もとより音は鳴らなかったが、これでは吹くことすらできないだろう。
(もう……彼を呼べないわ……どこにいても……あれを吹けば……)
彼に会えると、どこかで思っていた。
だから、家を出る勇気も出たのだ。
1人で暮らすことになったとしても、彼との繋がりが切れることはない。
あの笛がある限り。
その、たったひとつの希望が壊れてしまった。
彼とは、2度と会えない。
それが、悲しくてつらくて、苦しくなる。
この先ずっと、彼のいない毎日を生きていくなんて、できるのだろうか。
ギシッとベッドが軋んだ。
クリフォードが、再び、シェルニティに覆いかぶさってくる。
抵抗しようとしたとたん、顔を殴られた。
悲鳴を上げると、また殴られた。
「お前の顔には、これがお似合いだ。これは、お前の呪いなのだからな」
顔に激痛が走る。
クリフォードが、シェルニティの顔をナイフで切りつけていた。
このまま死ぬのかもしれない、と思う。
未練や後悔をたくさん遺して。
『棺桶に打たれた釘を抜いてでも生き返りたい、なんて思いたくはないじゃあないか』
濡れた感触を、シェルニティは、涙と勘違いする。
そして、そうか、と思った。
棺桶に打たれた釘を抜いてでも生き返りたい、と思うほどの後悔がある。
もっと早く、自分の想いに気づいていたら、彼に伝えられたのだ。
王太子は、シェルニティの外見を気にせず、優しく感じ良く振る舞ってくれた。
そんな王太子の気持ちを受け取らなかったのも。
クリフォードにふれられるのが、ひどく嫌だと感じるのも。
今、こんなにも、彼に会いたいと思うのも。
きっと同じ理由なのだ。
(これが愛というものなら、彼に伝わるといいのだけれど……ねえ、ジョザイア、私、あなたを愛しているみたい……)
血まみれになったシェルニティの手から、力が抜けていく。
その手から、笛が転がり落ちていた。
くらくらしているのは、転移に便乗したからだろう。
たいして詳しくはないが、ひと通りの魔術知識も持っていた。
転移は移動に使うものであっても、点門とは違う。
転移に便乗すると、魔力顕現していない者は、魔力の影響を受けるのだ。
が、シェルニティは意識を失うまでには至っていない。
(確か、長距離の移動をすると、意識を失ったり、命に関わったりするほどの影響を受けるのだったわね)
だとすると、それほど長距離の移動はしていないことになる。
周囲を、注意深く見回した。
石造りの薄暗い部屋だ。
木の扉があり、その両脇に、蝋燭で明かりが灯されている。
壊れた書き物机に、薄汚れたベッド。
ほかにも、ガラクタのようなものが、あちこちに転がっていた。
不要な物を放り込んでおく物置部屋かもしれない。
(この岩肌……見たことがあるわ……ここは、レックスモアのお屋敷……?)
部屋の壁は石造りになっている。
その岩肌の風合いは、レックスモアの屋敷と同じものに思えた。
年月を経た色味が独特だったからだ。
それに、森からレックスモアの屋敷までなら、そう遠くはない。
「そうだわ……アリス! アリスは、どうなったかしら……」
血だらけになって横たわっていたアリスが気がかりで、落ち着かなくなる。
彼が帰れば、なんとかしてくれるだろうけれど、いつ帰って来るか、わからないのだ。
その間に、アリスが死んでしまうかもしれない。
「……ここは地下のようね。空気が薄いし、明かり取りの窓もないもの……」
とはいえ、シェルニティにできるのは、周囲を観察することくらいだった。
木の扉は頑丈そうで、おそらく鍵もかかっているだろうから、逃げられない。
仮に、逃げられたとしても、あの魔術師に追われることになる。
「……なんとか、アリスだけでも、助けられればいいのだけれど……」
思った時、ハッとなった。
慌てて、スカートのポケットを探る。
笛があった。
手に笛を握った時だ。
ガチャっと音がして、扉が開く。
咄嗟に、笛を握りこんだ手を後ろに隠した。
入って来たのは、クリフォードだ。
バタンっと、扉が閉まる。
クリフォードが閉めたようには見えなかった。
なにしろ、クリフォードの目には、シェルニティしか映っていない。
わかるくらいには、まっすぐに歩いて来る。
「クリフォード様、これはいったい……」
「お前のせいだ。お前のせいで、私は、すべてを失った」
口調から、なにか危険なものを感じる。
クリフォードの思考や心情はわからなくても、激しい怒りが、声音に表れているのには気づいていた。
シェルニティは、クリフォードに、いつも「叱られて」いたが、その何十倍もの激しさが声に宿っている。
あ、と思った時には、クリフォードに腕を掴まれていた。
体が、薄汚れたベッドの上に投げ出される。
横倒しになったシェルニティを、クリフォードが、力任せに仰向けにした。
のしかかられ、両手を押さえつけられる。
「嬲り尽くしたあとで、殺してやる。呪いを、私にかけた報いだ」
「呪いなんて、私はかけ……っ……」
言葉が止まった。
クリフォードの片手が、シェルニティから離れている。
代わりに、スカートをまくりあげられていた。
太腿から膝の裏に手が滑ってきて、掴まれる。
「やめて……っ……!」
「暴れたって無駄さ。お前を犯すくらい、容易いことだ」
クリフォードの目が、ギラついていた。
正気ではないと悟り、ゾッとする。
シェルニティは、初めて「恐怖」を知った。
「どうせ、あの男と、散々、楽しんでいたのだろう。今さら貞淑ぶるな」
ぐいっと、足が持ち上げられた。
クリフォードの膝が、シェルニティの両足を割ってくる。
「嫌……っ! やめて……っ……」
「お前だけじゃない。あの男にも、思い知らせてやる」
彼の顔が思い浮かぶ。
不機嫌そうだったり、笑っていたり、困っていたり、おどけていたり。
いろんな表情だった。
額や頬にふれてきた手や唇の感触。
彼に対しては、1度も抵抗感をいだいたことはなかった。
けれど、今は、嫌悪感と抵抗感しかない。
必死で、掴まれていないほうの足をバタつかせる。
解放された手も振り回した。
その拳が、クリフォードの頬に当たる。
同時に、手が開いてしまった。
かこん。
シェルニティは、床のほうへと顔を向ける。
手に握っていたはずの笛が転がっていた。
焦って、体を、そちらに向ける。
「あれは……そうか。あの男を呼ぶつもりだったのだろう」
クリフォードが体を起こした。
あれだけは取られたくないとの思いから、クリフォードにしがみつく。
「退けッ!!」
ドンッと、腹に衝撃を受けて、ベッドに倒れ伏した。
クリフォードに蹴られたのだ。
ベッドから降りたクリフォードが、笛の側にしゃがみこむ。
そして、懐からナイフを取り出した。
ガンガンッと音がする。
腹を押さえながら、シェルニティは、体を起こした。
音がやみ、立ち上がったクリフォードが「それ」を放って来る。
「ああ……そんな……」
「もう、それは使いものにならないな」
手にした笛は、ナイフの柄で叩かれたせいで、完全に、ひしゃげていた。
もとより音は鳴らなかったが、これでは吹くことすらできないだろう。
(もう……彼を呼べないわ……どこにいても……あれを吹けば……)
彼に会えると、どこかで思っていた。
だから、家を出る勇気も出たのだ。
1人で暮らすことになったとしても、彼との繋がりが切れることはない。
あの笛がある限り。
その、たったひとつの希望が壊れてしまった。
彼とは、2度と会えない。
それが、悲しくてつらくて、苦しくなる。
この先ずっと、彼のいない毎日を生きていくなんて、できるのだろうか。
ギシッとベッドが軋んだ。
クリフォードが、再び、シェルニティに覆いかぶさってくる。
抵抗しようとしたとたん、顔を殴られた。
悲鳴を上げると、また殴られた。
「お前の顔には、これがお似合いだ。これは、お前の呪いなのだからな」
顔に激痛が走る。
クリフォードが、シェルニティの顔をナイフで切りつけていた。
このまま死ぬのかもしれない、と思う。
未練や後悔をたくさん遺して。
『棺桶に打たれた釘を抜いてでも生き返りたい、なんて思いたくはないじゃあないか』
濡れた感触を、シェルニティは、涙と勘違いする。
そして、そうか、と思った。
棺桶に打たれた釘を抜いてでも生き返りたい、と思うほどの後悔がある。
もっと早く、自分の想いに気づいていたら、彼に伝えられたのだ。
王太子は、シェルニティの外見を気にせず、優しく感じ良く振る舞ってくれた。
そんな王太子の気持ちを受け取らなかったのも。
クリフォードにふれられるのが、ひどく嫌だと感じるのも。
今、こんなにも、彼に会いたいと思うのも。
きっと同じ理由なのだ。
(これが愛というものなら、彼に伝わるといいのだけれど……ねえ、ジョザイア、私、あなたを愛しているみたい……)
血まみれになったシェルニティの手から、力が抜けていく。
その手から、笛が転がり落ちていた。
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