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伝えたいことは 1
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アリスは、森を出たところで、ぴたりと足を止めた。
魔力感知はできないが、気配を感じ取るのは得意なのだ。
とくに変転中は、その動物の能力が、ある程度は付加される。
「どうしたの、アリス?」
シェルニティが、アリスの耳を撫でていた。
アリスの耳が、真後ろに、ぴったりとくっつくほど倒れているからだ。
アリスの感情に反応して、自然に、そうなっている。
アリスは、今、危険を察知していた。
ここにいるのは「ヤバい」と感じている。
見えなくても、わかるのだ。
じりっと、後ろに下がった。
(魔術師がいる。たぶん、レックスモアの……)
思ったところに、衝撃を受ける。
バーンッと、体に、なにかがぶつかってきた。
必死で、体勢を保とうと脚を踏ん張る。
倒れてしまったら、シェルニティを地面に叩き落とすことになるからだ。
それでも、保ち切れず、ゆらっと、体が斜めにかしぐ。
背中で、小さな悲鳴が聞こえた。
一瞬、落としてしまったかと焦る。
が、シェルニティも必死で、アリスの首にしがみついていた。
(逃げるのは……無理か……)
相手は魔術師だ。
一瞬で、炎につつまれることも有り得る。
アリスは魔術が使えない。
防ぐ手立ても持ってはいなかった。
(森ン中に戻るしかねーな。そうすりゃ、あの人の感知に引っ掛かるはずだ)
彼が気づきさえすれば、問題は解決する。
どんな魔術師だろうが、彼に敵うはずはないのだから。
「シェルニティ・ブレインバーグ。馬から降りて、こちらに来てください」
ローブ姿の魔術師が姿を現した。
アリスのことは無視して、シェルニティだけを見ている。
大きく動けば、魔術で攻撃されるとわかっていた。
そのため、じわりと体を後退させる。
べき。
嫌な音がした。
勝手に、体が前に傾く。
アリスの前脚が折れていた。
「アリスッ!!」
アリスは痛みに耐えながらも、立とうとする。
が、次の瞬間、また音がした。
今度は後ろ脚だ。
「やめてっ!! アリスに酷いことしないで!!」
「あなたが、1人では降りられないようでしたから、手伝ってあけただけですよ」
シェルニティが、アリスの背から飛び降りる。
かがみこみ、泣きそうな顔で、アリスの首筋を撫でていた。
「アリス、アリス……ああ、酷いわ、こんな……」
首を伸ばし、シェルニティの頬を舐める。
大丈夫だと伝えたかったのだ。
「こちらに来なさい。でなければ、その馬に、もっと痛い目を……」
「やめてっ!! どうして、こんなことをするのっ?」
「あなたが素直に従えば、なにもしませんよ。私は馬になど興味はありません」
魔術師も、わかっているらしい。
森に逃げ込まれれば、彼に知れる。
だから、森から出るまで待っていたに違いない。
そして、森に逃げられないよう、シェルニティのほうから、近づいて来るように仕向けている。
「わかったわ。だから、アリスに酷いことをしないでちょうだい」
「私と一緒に来ていただけますね?」
「ええ。あなたと、一緒に行くわ」
シェルニティが、アリスのほうに向き直る。
頬のあたりに口づけ、手で、たてがみを撫でてきた。
「ごめんなさい、アリス。あなたを、こんな目に合わせてしまって……」
言ってから、シェルニティが、立ち上がろうとする。
その彼女の襟元をアリスは噛んだ。
首を大きく降って、森のほうへと投げ飛ばす。
シェルニティに手荒なことはしたくなかったが、しかたがなかった。
(転移で連れてかれちまうよりは……)
この辺りには、点門に必要な「点」はない。
だから、魔術師は、あえてシェルニティに同意を求めた。
シェルニティは、その言葉に「一緒に行く」と返事をしてしまっている。
それは、転移への便乗を承諾したことになるのだ。
彼女の体の半分が、森の領域に入っている。
アリスは、内心で、舌打ちをした。
手足を折られた激痛と、踏んばりの効かなさで、力足らずだったのだ。
本当は、もっと遠くまで、投げるつもりだったのだけれども。
「この……うっとうしい馬が……っ……」
べきべき。
ごふっと、アリスの口から血があふれた。
肋骨が折られたようだ。
視線の先に、白い骨が見える。
腹を突き破っているのだろう。
「嫌っ!! アリス!! なんてこと……っ……」
(こっちに来んな! 森に逃げなきゃダメなんだよっ!)
言葉にしたかったが、声が出ない。
変転の場合、話そうと思えば話せるのだが、喉や口に血があふれていて、しかも激痛により、言葉にならなかった。
「こちらに来ていただけないのなら、その馬を殺します」
「待って!! あなたと行くと言ったでしょうっ?!」
「では、早く来てください」
シェルニティが、アリスに駆け寄って来る。
また森から出てしまった。
「こんな状態のあなたを置いていくのは、つらいわ。でも、行かなければ、あなたが殺されてしまうの。わかってちょうだいね……アリス……どうか、死なないで」
アリスの頭を撫でたあと、シェルニティが魔術師のほうに向かって歩いて行く。
自分では、彼女を守ることはできない。
できなかった。
(……オレなんかのことより、自分の心配しろよな……シェリー……)
アリスの目の前で、魔術師がシェルニティの肩に手を置く。
瞬間、2人の姿が、パッと消えた。
体も痛いが、それより、もっと心が痛い。
(畜生……なんで、オレは、ウィリュアートンなんだ!! 与える者の力なんかいらねえ! オレは……オレは、守るための力がほしいんだよっ!!)
弟も守れなかった。
そして、シェルニティのことも守れなかった。
ただ魔力を与えるだけの力になど、なんの意味もない。
(悔やんでても、しかたねーよな……ないものは、ない……あるもので、なんとかやりくりしなけりゃならねーんだ……)
アリスは、必死で考える。
痛みで朦朧としつつ、ひとつの手立てを思いついた。
(命懸けだぜ……リカ、早まるなよ……あの人は、絶対に間に合うからサ……)
アリスは、自分の体に残る魔術師の魔力痕をかき集める。
そして、アリスに授けられた、もうひとつの能力を使った。
この状態で、2つの能力を同時に使うのが、命懸けだとわかっていたけれども。
魔力感知はできないが、気配を感じ取るのは得意なのだ。
とくに変転中は、その動物の能力が、ある程度は付加される。
「どうしたの、アリス?」
シェルニティが、アリスの耳を撫でていた。
アリスの耳が、真後ろに、ぴったりとくっつくほど倒れているからだ。
アリスの感情に反応して、自然に、そうなっている。
アリスは、今、危険を察知していた。
ここにいるのは「ヤバい」と感じている。
見えなくても、わかるのだ。
じりっと、後ろに下がった。
(魔術師がいる。たぶん、レックスモアの……)
思ったところに、衝撃を受ける。
バーンッと、体に、なにかがぶつかってきた。
必死で、体勢を保とうと脚を踏ん張る。
倒れてしまったら、シェルニティを地面に叩き落とすことになるからだ。
それでも、保ち切れず、ゆらっと、体が斜めにかしぐ。
背中で、小さな悲鳴が聞こえた。
一瞬、落としてしまったかと焦る。
が、シェルニティも必死で、アリスの首にしがみついていた。
(逃げるのは……無理か……)
相手は魔術師だ。
一瞬で、炎につつまれることも有り得る。
アリスは魔術が使えない。
防ぐ手立ても持ってはいなかった。
(森ン中に戻るしかねーな。そうすりゃ、あの人の感知に引っ掛かるはずだ)
彼が気づきさえすれば、問題は解決する。
どんな魔術師だろうが、彼に敵うはずはないのだから。
「シェルニティ・ブレインバーグ。馬から降りて、こちらに来てください」
ローブ姿の魔術師が姿を現した。
アリスのことは無視して、シェルニティだけを見ている。
大きく動けば、魔術で攻撃されるとわかっていた。
そのため、じわりと体を後退させる。
べき。
嫌な音がした。
勝手に、体が前に傾く。
アリスの前脚が折れていた。
「アリスッ!!」
アリスは痛みに耐えながらも、立とうとする。
が、次の瞬間、また音がした。
今度は後ろ脚だ。
「やめてっ!! アリスに酷いことしないで!!」
「あなたが、1人では降りられないようでしたから、手伝ってあけただけですよ」
シェルニティが、アリスの背から飛び降りる。
かがみこみ、泣きそうな顔で、アリスの首筋を撫でていた。
「アリス、アリス……ああ、酷いわ、こんな……」
首を伸ばし、シェルニティの頬を舐める。
大丈夫だと伝えたかったのだ。
「こちらに来なさい。でなければ、その馬に、もっと痛い目を……」
「やめてっ!! どうして、こんなことをするのっ?」
「あなたが素直に従えば、なにもしませんよ。私は馬になど興味はありません」
魔術師も、わかっているらしい。
森に逃げ込まれれば、彼に知れる。
だから、森から出るまで待っていたに違いない。
そして、森に逃げられないよう、シェルニティのほうから、近づいて来るように仕向けている。
「わかったわ。だから、アリスに酷いことをしないでちょうだい」
「私と一緒に来ていただけますね?」
「ええ。あなたと、一緒に行くわ」
シェルニティが、アリスのほうに向き直る。
頬のあたりに口づけ、手で、たてがみを撫でてきた。
「ごめんなさい、アリス。あなたを、こんな目に合わせてしまって……」
言ってから、シェルニティが、立ち上がろうとする。
その彼女の襟元をアリスは噛んだ。
首を大きく降って、森のほうへと投げ飛ばす。
シェルニティに手荒なことはしたくなかったが、しかたがなかった。
(転移で連れてかれちまうよりは……)
この辺りには、点門に必要な「点」はない。
だから、魔術師は、あえてシェルニティに同意を求めた。
シェルニティは、その言葉に「一緒に行く」と返事をしてしまっている。
それは、転移への便乗を承諾したことになるのだ。
彼女の体の半分が、森の領域に入っている。
アリスは、内心で、舌打ちをした。
手足を折られた激痛と、踏んばりの効かなさで、力足らずだったのだ。
本当は、もっと遠くまで、投げるつもりだったのだけれども。
「この……うっとうしい馬が……っ……」
べきべき。
ごふっと、アリスの口から血があふれた。
肋骨が折られたようだ。
視線の先に、白い骨が見える。
腹を突き破っているのだろう。
「嫌っ!! アリス!! なんてこと……っ……」
(こっちに来んな! 森に逃げなきゃダメなんだよっ!)
言葉にしたかったが、声が出ない。
変転の場合、話そうと思えば話せるのだが、喉や口に血があふれていて、しかも激痛により、言葉にならなかった。
「こちらに来ていただけないのなら、その馬を殺します」
「待って!! あなたと行くと言ったでしょうっ?!」
「では、早く来てください」
シェルニティが、アリスに駆け寄って来る。
また森から出てしまった。
「こんな状態のあなたを置いていくのは、つらいわ。でも、行かなければ、あなたが殺されてしまうの。わかってちょうだいね……アリス……どうか、死なないで」
アリスの頭を撫でたあと、シェルニティが魔術師のほうに向かって歩いて行く。
自分では、彼女を守ることはできない。
できなかった。
(……オレなんかのことより、自分の心配しろよな……シェリー……)
アリスの目の前で、魔術師がシェルニティの肩に手を置く。
瞬間、2人の姿が、パッと消えた。
体も痛いが、それより、もっと心が痛い。
(畜生……なんで、オレは、ウィリュアートンなんだ!! 与える者の力なんかいらねえ! オレは……オレは、守るための力がほしいんだよっ!!)
弟も守れなかった。
そして、シェルニティのことも守れなかった。
ただ魔力を与えるだけの力になど、なんの意味もない。
(悔やんでても、しかたねーよな……ないものは、ない……あるもので、なんとかやりくりしなけりゃならねーんだ……)
アリスは、必死で考える。
痛みで朦朧としつつ、ひとつの手立てを思いついた。
(命懸けだぜ……リカ、早まるなよ……あの人は、絶対に間に合うからサ……)
アリスは、自分の体に残る魔術師の魔力痕をかき集める。
そして、アリスに授けられた、もうひとつの能力を使った。
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