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ずっとがほしくて 3
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シェルニティは、また混乱してくる。
呪いが解かれ、痣がなくなったため、周囲の反応が変わった。
それは、理解ができた。
体裁が悪くなくなったので、両親も態度を変えたのだ。
が、もとよりシェルニティには、彼らに対する「憎しみ」がない。
周囲に憎悪をいだいたり、恨んだりしたこともなかった。
彼女は「なぜ自分だけが」と、己の不遇を悲しんだことすらないのだ。
そうした発想すらいだけない、本当に1人ぼっちの世界に生きてきたので。
世界から切り離され、見捨てられた、シェルニティ・ブレインバーグ。
それが、彼女の、あたり前の「日常」だった。
別の世界があると教えてくれたのは、彼だ。
自分を見つめ、会話をしてくれる人がいると知った。
そこから、シェルニティの新しい世界は開けている。
だが、彼女を見つめ、普通に会話をしてくれるのは、彼だけではなかったのだ。
彼は、自分に呪いがかかっていたと知っていたが、王太子は違う。
本当の意味で「痣」など、気にしなかった。
気にせず、あんなふうに、自然に笑いかけてくれたのだ。
周囲の目も気にせず、ダンスを踊ってくれた。
「少なくとも、私は、アーヴィなら信じてもいいと思っている」
「信じるって、なにを?」
「きみを傷つけない、ということを」
握られていた手に、彼が、もう1度、口づけてくる。
とても優しい仕草で、いつもは安心できていた。
なのに、今は不安に胸がざわついている。
「シェリー、私のお気に入り」
彼が顔を上げ、シェルニティを見つめてきた。
また嫌な鼓動が鳴り始めている。
彼の瞳が、もう揺らいでいなかったからだ。
「きみは自由の身だ。何者にも、縛られることはない。私は、きみを支配する気はないし、きみを従わせる気もないのだからね」
「私……今すぐ決めなければならないの……? ここには、いられない?」
彼が、ふっと小さく微笑む。
それから、首を横に振った。
「この先の人生に関わることだ。今すぐ、決める必要はないよ。少なくとも、もうしばらくはね」
いずれ、という言葉が「もうしばらく」に変わっている。
要は、そう長い間ではない、ということだ。
そして、その日は、シェルニティが思っていた以上に、早く来るに違いない。
彼は決めている。
そう感じた。
シェルニティと、ずっと一緒にいる気はないのだ。
前にも言われている。
シェルニティも納得していた。
その時には。
(どうしてかしら……すごく苦しいわ……あの時、池で溺れていたら、こんな感じだったのかもしれないわね)
滝から身を投げた日。
溺れるのは苦しいから意識がなくなればいい、と思ったのを思い出す。
もし彼が助けてくれていなかったら、こんな思いをしていたのかもしれない。
彼が、そっとシェルニティの手を離した。
まるで、自分自身が放り出されたような気がする。
そんな彼女に、彼が、いたずらっぽく笑った。
「早晩、アーヴィが訪ねてくるよ。間違いなくね」
「なぜ?」
「そりゃあ、きみに会いたくてさ」
平然と言われてしまうと、もうなにも言えなくなる。
ずっと一緒にいたいなんて言っても、彼を困らせるだけだろう。
シェルニティは、精一杯、にこやかに言った。
声が震えないよう、細心の注意をはらう。
「民服でも、殿下は気になさらないかしら?」
「気にしないだろうね。アーヴィは、きみに会いに来るのであって、ドレスに会いに来るのではないよ」
「それなら、気楽でいられるわ」
「いつも通りの、きみでいい。無理をしても碌なことにはならないからね」
彼が、おどけたように肩をすくめた。
その仕草を、自分が「気に入っている」ことに、初めて気づく。
皮肉を交えた彼の軽口も、とても好ましいと感じているのだ。
(好ましいというのと愛は別物よね……私には、愛がどういうものかわからない。彼は愛を失った、と言っていたわ……)
彼には妻がいた。
その妻が亡くなった時に、愛を失ったのだと聞いている。
だが、愛があったのか疑わしいとも言っていた。
失ったことで、曖昧になっているのかもしれない。
彼は、その女性を愛していたから婚姻をしたのだ。
放蕩をしていたとの話が信じられないくらい、彼に軽薄さはなかった。
クリフォードの「遊蕩」とは、質が違う気がする。
彼に妻がいたと知った時、きっと幸せな生活をしていたのだろうと想像した。
婚姻後の彼が「不逞」をするとは、とても思えない。
(私……いけないわ。彼に、婚姻なんて望んでいないと言ったもの)
それに、愛がなければ、たぶん「末永く」とはいかないのだ。
愛がわからなくても、なんとなく、そう思っている。
ずっと一緒にいたい、というだけでは、婚姻はできない。
ましてや、彼に婚姻の意思などないのだから。
王太子のところに身を寄せるつもりもないが、彼のところに、ずっといるつもりもない。
彼と遠出をした時に思ったように、1人での暮らしを始めるのだ。
この、ひと月余りで、出来ることも増えている。
両親の様子からすれば、自分の願いを拒まれることもないだろう。
「あの……夜会に行く前に、あなたが言っていたことなのだけれど」
ひょこんと、彼が眉を上げた。
すでに、いつもの彼に戻っている。
物憂げな雰囲気は、消えていた。
「興味が出てきたらしいね」
「そうなの。周りがあれでは、気にしないではいられないわ」
「確かに、そうかもな」
彼が立ち上がったので、シェルニティもソファから腰を上げた。
テーブルの向こうの、暖炉脇に向き合って立つ。
カタンと小さな音が響いた。
全等身の鏡。
彼が、魔術で出したのだろう。
そこに、シェルニティの姿が映っている。
正直、驚いていた。
長く鏡を見ていなかったせいもある。
「ええっと……あの、あなた、呪いを解いただけ? 私に、ほかの魔術もかけたのじゃない?」
「いいや。呪いを解いただけだよ。私の尊厳に誓ってね」
「でも……髪の色も前とは違うわ」
金髪をイチゴで染めたような色の髪、ぼやけた薄茶色だった瞳は澄んで鮮やかになっていた。
とても、自分とは思えずにいる。
「めずらしい色なのは確かだが、稀にある色だ。きみの父親は金髪で、母親は赤。ほかにも要素が含まれているとしても、有り得ないことはないさ」
「そう……これが、今の、私……」
まるで見知らぬ人に会っているような感覚がした。
痣のない顔も、見慣れない。
シェルニティの思いを察したのか、彼が、にっこりする。
「すぐに慣れる必要はないのだよ。そのうち、これが自然になっていくから」
呪いが解かれ、痣がなくなったため、周囲の反応が変わった。
それは、理解ができた。
体裁が悪くなくなったので、両親も態度を変えたのだ。
が、もとよりシェルニティには、彼らに対する「憎しみ」がない。
周囲に憎悪をいだいたり、恨んだりしたこともなかった。
彼女は「なぜ自分だけが」と、己の不遇を悲しんだことすらないのだ。
そうした発想すらいだけない、本当に1人ぼっちの世界に生きてきたので。
世界から切り離され、見捨てられた、シェルニティ・ブレインバーグ。
それが、彼女の、あたり前の「日常」だった。
別の世界があると教えてくれたのは、彼だ。
自分を見つめ、会話をしてくれる人がいると知った。
そこから、シェルニティの新しい世界は開けている。
だが、彼女を見つめ、普通に会話をしてくれるのは、彼だけではなかったのだ。
彼は、自分に呪いがかかっていたと知っていたが、王太子は違う。
本当の意味で「痣」など、気にしなかった。
気にせず、あんなふうに、自然に笑いかけてくれたのだ。
周囲の目も気にせず、ダンスを踊ってくれた。
「少なくとも、私は、アーヴィなら信じてもいいと思っている」
「信じるって、なにを?」
「きみを傷つけない、ということを」
握られていた手に、彼が、もう1度、口づけてくる。
とても優しい仕草で、いつもは安心できていた。
なのに、今は不安に胸がざわついている。
「シェリー、私のお気に入り」
彼が顔を上げ、シェルニティを見つめてきた。
また嫌な鼓動が鳴り始めている。
彼の瞳が、もう揺らいでいなかったからだ。
「きみは自由の身だ。何者にも、縛られることはない。私は、きみを支配する気はないし、きみを従わせる気もないのだからね」
「私……今すぐ決めなければならないの……? ここには、いられない?」
彼が、ふっと小さく微笑む。
それから、首を横に振った。
「この先の人生に関わることだ。今すぐ、決める必要はないよ。少なくとも、もうしばらくはね」
いずれ、という言葉が「もうしばらく」に変わっている。
要は、そう長い間ではない、ということだ。
そして、その日は、シェルニティが思っていた以上に、早く来るに違いない。
彼は決めている。
そう感じた。
シェルニティと、ずっと一緒にいる気はないのだ。
前にも言われている。
シェルニティも納得していた。
その時には。
(どうしてかしら……すごく苦しいわ……あの時、池で溺れていたら、こんな感じだったのかもしれないわね)
滝から身を投げた日。
溺れるのは苦しいから意識がなくなればいい、と思ったのを思い出す。
もし彼が助けてくれていなかったら、こんな思いをしていたのかもしれない。
彼が、そっとシェルニティの手を離した。
まるで、自分自身が放り出されたような気がする。
そんな彼女に、彼が、いたずらっぽく笑った。
「早晩、アーヴィが訪ねてくるよ。間違いなくね」
「なぜ?」
「そりゃあ、きみに会いたくてさ」
平然と言われてしまうと、もうなにも言えなくなる。
ずっと一緒にいたいなんて言っても、彼を困らせるだけだろう。
シェルニティは、精一杯、にこやかに言った。
声が震えないよう、細心の注意をはらう。
「民服でも、殿下は気になさらないかしら?」
「気にしないだろうね。アーヴィは、きみに会いに来るのであって、ドレスに会いに来るのではないよ」
「それなら、気楽でいられるわ」
「いつも通りの、きみでいい。無理をしても碌なことにはならないからね」
彼が、おどけたように肩をすくめた。
その仕草を、自分が「気に入っている」ことに、初めて気づく。
皮肉を交えた彼の軽口も、とても好ましいと感じているのだ。
(好ましいというのと愛は別物よね……私には、愛がどういうものかわからない。彼は愛を失った、と言っていたわ……)
彼には妻がいた。
その妻が亡くなった時に、愛を失ったのだと聞いている。
だが、愛があったのか疑わしいとも言っていた。
失ったことで、曖昧になっているのかもしれない。
彼は、その女性を愛していたから婚姻をしたのだ。
放蕩をしていたとの話が信じられないくらい、彼に軽薄さはなかった。
クリフォードの「遊蕩」とは、質が違う気がする。
彼に妻がいたと知った時、きっと幸せな生活をしていたのだろうと想像した。
婚姻後の彼が「不逞」をするとは、とても思えない。
(私……いけないわ。彼に、婚姻なんて望んでいないと言ったもの)
それに、愛がなければ、たぶん「末永く」とはいかないのだ。
愛がわからなくても、なんとなく、そう思っている。
ずっと一緒にいたい、というだけでは、婚姻はできない。
ましてや、彼に婚姻の意思などないのだから。
王太子のところに身を寄せるつもりもないが、彼のところに、ずっといるつもりもない。
彼と遠出をした時に思ったように、1人での暮らしを始めるのだ。
この、ひと月余りで、出来ることも増えている。
両親の様子からすれば、自分の願いを拒まれることもないだろう。
「あの……夜会に行く前に、あなたが言っていたことなのだけれど」
ひょこんと、彼が眉を上げた。
すでに、いつもの彼に戻っている。
物憂げな雰囲気は、消えていた。
「興味が出てきたらしいね」
「そうなの。周りがあれでは、気にしないではいられないわ」
「確かに、そうかもな」
彼が立ち上がったので、シェルニティもソファから腰を上げた。
テーブルの向こうの、暖炉脇に向き合って立つ。
カタンと小さな音が響いた。
全等身の鏡。
彼が、魔術で出したのだろう。
そこに、シェルニティの姿が映っている。
正直、驚いていた。
長く鏡を見ていなかったせいもある。
「ええっと……あの、あなた、呪いを解いただけ? 私に、ほかの魔術もかけたのじゃない?」
「いいや。呪いを解いただけだよ。私の尊厳に誓ってね」
「でも……髪の色も前とは違うわ」
金髪をイチゴで染めたような色の髪、ぼやけた薄茶色だった瞳は澄んで鮮やかになっていた。
とても、自分とは思えずにいる。
「めずらしい色なのは確かだが、稀にある色だ。きみの父親は金髪で、母親は赤。ほかにも要素が含まれているとしても、有り得ないことはないさ」
「そう……これが、今の、私……」
まるで見知らぬ人に会っているような感覚がした。
痣のない顔も、見慣れない。
シェルニティの思いを察したのか、彼が、にっこりする。
「すぐに慣れる必要はないのだよ。そのうち、これが自然になっていくから」
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