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夜会と視線 1
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なるほど、確かに、彼は「貴族」だ。
シェルニティは、そう思う。
審議の時も、彼は正装だったが、あれは「礼装」でもあった。
それでも、華やかに見えたのに、今夜は、いっそう華やかだ。
彼は、見事なまでの、ホワイト・タイ。
民服姿のほうが見慣れているはずだが、こうした服も似合う、と感じる。
前が短くカットされ、背部分の長い黒の上着に、白いウィングカラーのシャツ。
ピンタックの入ったシャツには、黒のスタッドボタンと、袖口にカフリンクスがつけられている。
おそらく、素材はオニキスだろう。
そして、やはり白色のベストに、ボウタイ。
髪と目は、元の色に戻っており、シェルニティには、それが、より服装を、引き立てているように見えた。
なんだか、ピリッとしているように感じられ、精悍さが増しているのだ。
民服姿の気楽な雰囲気とは、まるで違う。
「あなたは、一張羅を何着も持っているのね」
「用途に応じて、というところさ」
軽く肩をすくめる仕草は、変わらない。
それだけで、会話が気軽なものになった。
「なんだか気後れがするわ。あなたは、とても貴族らしいのだもの」
「そう虐めないでほしいな、可愛い人。精一杯、虚勢を張っているだけなのでね」
とても、そうは見えなくて、シェルニティは、小さく笑う。
彼は「放蕩」するのに、苦労しなかったはずだ。
黙って立っていても、女性が集まってくる気がする。
シェルニティは夜会に出たことがないので、実際のところはわからないけれど。
「それでは、きみの支度をしようか」
「自分で着られるとは思うけれど、あまり自信がないわね」
屋敷にいる時は、メイドが身支度を整えてくれていた。
好む好まないにかかわらず、そういうものだったのだ。
室内用のものであれば、自分で着替えをしていたが、正装には自信がない。
最近、着慣れてきた民服のほうが、よほど「ちゃんと」着られる。
「心配はいらない。勤め人はいなくても、私がいるだろう?」
「あなたが、私の着替えを手伝ってくれるの?」
「手伝う、というほどではないな。きみは信じないだろうが、私は、女性の肌を、そう簡単に見ていいとは思っていないのだよ?」
ぱちん。
彼が、右手で指を鳴らした。
瞬間、ふわっと空気が揺れる。
「まあ……魔術って、こんなこともできるのね。知らなかったわ」
一瞬で、彼女の「身支度」が整っていた。
服を脱いだ、という感覚すらない。
が、しかし。
「あの……これは、少し……まずいのではないかしら……」
シェルニティは、小声で言いながら、うつむく。
彼女の髪が、結い上げられていたからだ。
これでは、顔が完全に見えてしまう。
もちろん、右頬の痣だって。
「ちっとも、まずいことなんてないさ、シェリー」
くいっと、顎を持ち上げられる。
彼の黒い瞳には、やわらかな色が漂っていた。
「いいかい、きみ。周りの目など、気にする必要はない。誰にも、なにも言わせはしないよ。そもそも、きみは、自分が美しいということを知っておくべきだ」
シェルニティの顎を持ち上げていた彼の人差し指が、すいっと頬を撫でていく。
それから、手のひらで、左頬をつつまれた。
彼が、体を倒し、右頬に口づける。
どういう意味があるのかはわからないが、彼は、決まって、そうするのだ。
「あなたに、恥をかかせなければいいのだけれど」
「シェリー、きみをエスコートできるのは栄誉であって、恥ではない。断じて」
彼のまなざしには、信じるに足る以上の、真摯さがあった。
シェルニティは、にっこりしてから、うなずく。
そして、今夜は、うつむかず、彼と夜会を楽しもうと思った。
せっかく、素敵なドレスを着せてもらってもいるし。
袖のない、グレイがかった薄いピンクのドレス。
胸元から腰までの、体にぴたりと沿っている少し厚めの生地は、ふんわり透けるレースに覆われている。
腰には、薄い銀の花飾りがあしらわれていた。
そこから、下は足元まで、ゆったりと流れるような裾が広がっている。
足首くらいから足元にかけては、だんだんに白の色調に変化していた。
髪を、上に結い上げているため、首元から肩のラインが見えている。
その首には、白金で細く編まれたネックレス。
軽いのに、とても存在感がありそうだ。
耳にも、おそらく同系統のイヤリングがつけられているのだろう。
「鏡を見るかい?」
言われて、シェルニティは首を横に振る。
見ると、勇気が失われてしまう気がしたからだ。
「夜会から帰って、その気になれれば、見てみるわ」
「おそらく、帰る頃には鏡に興味を持っていると思うよ? 誓って言うが、きみを美しいと言ったのは、お追従ではない。わかったね?」
「ええ、あなたが、お追従を言う姿なんて、想像できないもの」
彼が、ぷっと笑う。
いつ見ても、優しい表情だ。
彼の笑顔に、胸が、どきどきと弾む。
なんとなく、気恥ずかしいような気分になった。
「さあ、行こうか」
差し出された腕に、手を回す。
肘のあたりに軽く置いて、一緒に家を出た。
外には、馬車がある。
見たことのない、変わった形の馬車だった。
「あら。馬車で行くの?」
「そのほうが、格好がつくと思ってね」
「屋根がないようだけれど」
「上天気な夜に、わざわざ窮屈な箱に閉じこもることはないだろう?」
ソファのような腰かけは、背もたれ部分に施されている彫刻と相まって、とても優雅に見える。
馬車を引くのは、アリスだ。
先に乗り込んだ彼に手を引いてもらいつつ、アリスに声をかける。
「こんなに重いと、疲れてしまうのじゃない、アリス? 大丈夫?」
アリスが、小さく鳴き声を上げた。
前脚で、地面を軽く蹴っている。
早く行こうとでもいう仕草に、シェルニティは、アリスのたてがみを撫でた。
「本当は6頭立てにしたかったのだが、生憎、手の、いや、足の空いている馬が、アリスしかいなかったのだよ」
「6頭立てでなくとも、アリスがいれば、十分、素敵だわ」
「きみ曰く、アリスは“美男子”だからね」
「そうよ。どんな豪奢な馬車より、目を惹かれるのは間違いないもの」
アリスが、なにか誇らしげに、首をピンと伸ばす。
彼は、ちょっぴり呆れ顔で、手綱を軽く弾いた。
夜道に、アリスの、かぽっかぽっという蹄の音が響く。
少し緊張している彼女の手が、握られた。
「きみとのダンスが楽しみだ。実は、想像をしていたのだよ」
「想像? なにを?」
「釣りをしている、きみの抜き足差し足を見て、ダンスでは、さぞかし、軽やかにステップを踏むのだろうなってね」
「そんなところを見られているとは思わなかったわ」
彼の軽口に、気持ちがほぐれる。
貴族教育の中で、シェルニティは、ダンスも習っていた。
パートナーのいる練習をしたことはなかったが、ひと通り踊ることはできる。
「誰かと踊るのは初めてだけれど、あなたの足を踏まないって、約束するわ」
「きみの“初めて”を、1つでも手に入れられるというのは、光栄だな」
「あら、もう2つ、3つ、手に入れているわよ?」
目線を合わせての会話だとか、頬への口づけだとか。
彼が、握ったシェルニティの手を引き寄せ、その甲に口づけて、言った。
「それでも、さらに、もう1つ、と考えるくらい、私は欲張りなのさ」
シェルニティは、そう思う。
審議の時も、彼は正装だったが、あれは「礼装」でもあった。
それでも、華やかに見えたのに、今夜は、いっそう華やかだ。
彼は、見事なまでの、ホワイト・タイ。
民服姿のほうが見慣れているはずだが、こうした服も似合う、と感じる。
前が短くカットされ、背部分の長い黒の上着に、白いウィングカラーのシャツ。
ピンタックの入ったシャツには、黒のスタッドボタンと、袖口にカフリンクスがつけられている。
おそらく、素材はオニキスだろう。
そして、やはり白色のベストに、ボウタイ。
髪と目は、元の色に戻っており、シェルニティには、それが、より服装を、引き立てているように見えた。
なんだか、ピリッとしているように感じられ、精悍さが増しているのだ。
民服姿の気楽な雰囲気とは、まるで違う。
「あなたは、一張羅を何着も持っているのね」
「用途に応じて、というところさ」
軽く肩をすくめる仕草は、変わらない。
それだけで、会話が気軽なものになった。
「なんだか気後れがするわ。あなたは、とても貴族らしいのだもの」
「そう虐めないでほしいな、可愛い人。精一杯、虚勢を張っているだけなのでね」
とても、そうは見えなくて、シェルニティは、小さく笑う。
彼は「放蕩」するのに、苦労しなかったはずだ。
黙って立っていても、女性が集まってくる気がする。
シェルニティは夜会に出たことがないので、実際のところはわからないけれど。
「それでは、きみの支度をしようか」
「自分で着られるとは思うけれど、あまり自信がないわね」
屋敷にいる時は、メイドが身支度を整えてくれていた。
好む好まないにかかわらず、そういうものだったのだ。
室内用のものであれば、自分で着替えをしていたが、正装には自信がない。
最近、着慣れてきた民服のほうが、よほど「ちゃんと」着られる。
「心配はいらない。勤め人はいなくても、私がいるだろう?」
「あなたが、私の着替えを手伝ってくれるの?」
「手伝う、というほどではないな。きみは信じないだろうが、私は、女性の肌を、そう簡単に見ていいとは思っていないのだよ?」
ぱちん。
彼が、右手で指を鳴らした。
瞬間、ふわっと空気が揺れる。
「まあ……魔術って、こんなこともできるのね。知らなかったわ」
一瞬で、彼女の「身支度」が整っていた。
服を脱いだ、という感覚すらない。
が、しかし。
「あの……これは、少し……まずいのではないかしら……」
シェルニティは、小声で言いながら、うつむく。
彼女の髪が、結い上げられていたからだ。
これでは、顔が完全に見えてしまう。
もちろん、右頬の痣だって。
「ちっとも、まずいことなんてないさ、シェリー」
くいっと、顎を持ち上げられる。
彼の黒い瞳には、やわらかな色が漂っていた。
「いいかい、きみ。周りの目など、気にする必要はない。誰にも、なにも言わせはしないよ。そもそも、きみは、自分が美しいということを知っておくべきだ」
シェルニティの顎を持ち上げていた彼の人差し指が、すいっと頬を撫でていく。
それから、手のひらで、左頬をつつまれた。
彼が、体を倒し、右頬に口づける。
どういう意味があるのかはわからないが、彼は、決まって、そうするのだ。
「あなたに、恥をかかせなければいいのだけれど」
「シェリー、きみをエスコートできるのは栄誉であって、恥ではない。断じて」
彼のまなざしには、信じるに足る以上の、真摯さがあった。
シェルニティは、にっこりしてから、うなずく。
そして、今夜は、うつむかず、彼と夜会を楽しもうと思った。
せっかく、素敵なドレスを着せてもらってもいるし。
袖のない、グレイがかった薄いピンクのドレス。
胸元から腰までの、体にぴたりと沿っている少し厚めの生地は、ふんわり透けるレースに覆われている。
腰には、薄い銀の花飾りがあしらわれていた。
そこから、下は足元まで、ゆったりと流れるような裾が広がっている。
足首くらいから足元にかけては、だんだんに白の色調に変化していた。
髪を、上に結い上げているため、首元から肩のラインが見えている。
その首には、白金で細く編まれたネックレス。
軽いのに、とても存在感がありそうだ。
耳にも、おそらく同系統のイヤリングがつけられているのだろう。
「鏡を見るかい?」
言われて、シェルニティは首を横に振る。
見ると、勇気が失われてしまう気がしたからだ。
「夜会から帰って、その気になれれば、見てみるわ」
「おそらく、帰る頃には鏡に興味を持っていると思うよ? 誓って言うが、きみを美しいと言ったのは、お追従ではない。わかったね?」
「ええ、あなたが、お追従を言う姿なんて、想像できないもの」
彼が、ぷっと笑う。
いつ見ても、優しい表情だ。
彼の笑顔に、胸が、どきどきと弾む。
なんとなく、気恥ずかしいような気分になった。
「さあ、行こうか」
差し出された腕に、手を回す。
肘のあたりに軽く置いて、一緒に家を出た。
外には、馬車がある。
見たことのない、変わった形の馬車だった。
「あら。馬車で行くの?」
「そのほうが、格好がつくと思ってね」
「屋根がないようだけれど」
「上天気な夜に、わざわざ窮屈な箱に閉じこもることはないだろう?」
ソファのような腰かけは、背もたれ部分に施されている彫刻と相まって、とても優雅に見える。
馬車を引くのは、アリスだ。
先に乗り込んだ彼に手を引いてもらいつつ、アリスに声をかける。
「こんなに重いと、疲れてしまうのじゃない、アリス? 大丈夫?」
アリスが、小さく鳴き声を上げた。
前脚で、地面を軽く蹴っている。
早く行こうとでもいう仕草に、シェルニティは、アリスのたてがみを撫でた。
「本当は6頭立てにしたかったのだが、生憎、手の、いや、足の空いている馬が、アリスしかいなかったのだよ」
「6頭立てでなくとも、アリスがいれば、十分、素敵だわ」
「きみ曰く、アリスは“美男子”だからね」
「そうよ。どんな豪奢な馬車より、目を惹かれるのは間違いないもの」
アリスが、なにか誇らしげに、首をピンと伸ばす。
彼は、ちょっぴり呆れ顔で、手綱を軽く弾いた。
夜道に、アリスの、かぽっかぽっという蹄の音が響く。
少し緊張している彼女の手が、握られた。
「きみとのダンスが楽しみだ。実は、想像をしていたのだよ」
「想像? なにを?」
「釣りをしている、きみの抜き足差し足を見て、ダンスでは、さぞかし、軽やかにステップを踏むのだろうなってね」
「そんなところを見られているとは思わなかったわ」
彼の軽口に、気持ちがほぐれる。
貴族教育の中で、シェルニティは、ダンスも習っていた。
パートナーのいる練習をしたことはなかったが、ひと通り踊ることはできる。
「誰かと踊るのは初めてだけれど、あなたの足を踏まないって、約束するわ」
「きみの“初めて”を、1つでも手に入れられるというのは、光栄だな」
「あら、もう2つ、3つ、手に入れているわよ?」
目線を合わせての会話だとか、頬への口づけだとか。
彼が、握ったシェルニティの手を引き寄せ、その甲に口づけて、言った。
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