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サラ…と、ティファの髪を手ですくった。
見事なまでに、黒い髪だ。
艶があり、まるで水浴びをしたあとの烏の羽のような色をしている。
「泥水のような色でもよかったのだが、これが、お前本来の色なのだな」
「……うん……」
ティファが、うつむいていた。
その理由を、セスは、ソルから聞いている。
人ならざる者。
セスも、まったく知らないわけではなかった。
ただ、実在するとは思っていなかったのだ。
この大陸で、黒髪、黒眼は、特殊な意味を持つ。
誰もが知っているが、本物を見た者は、ほとんどいない。
そのため、伝説のように捉えていた。
「大公、ジョシュア・ローエルハイド。それが、お前の祖父か」
「そう……私のお祖父さま……」
隣国リフルワンスとの戦争を、たったひとつの魔術で終結させた英雄。
だが、同時に他国からは恐怖の対象ともされている。
もう70年以上前の出来事ではあるが、近隣諸国は、未だにロズウェルドを恐れていた。
それは、ロズウェルドに、ローエルハイド公爵家が存在しているからだ。
現在の当主であるティファの父は、ローエルハイドの直系だが、黒髪、黒眼ではないらしい。
王宮で会ったティファの叔母も、ブルーグレイの髪と瞳をしていた。
現状、黒髪、黒眼は、ティファだけだという。
そのため、ティファの父は、幼い頃から、あの泥水色の髪と瞳に変装させていたようだ。
(ティファは、魔力顕現とやらをしていない。持ってもいない力をアテにして利用しようとする輩も現れるであろうし、なにより政の道具にされかねん)
思えば、ティファの父が変装をさせたのも、理解できる。
周囲が、過保護とも思えるくらい用心深くなっていたのも、わかる気がした。
「どう思う……?」
「どうとも思わん」
「……テスアでも知られてるよね?」
「それはそうだが、テスアのことは気にするな。むろん、俺は、あの泥水色でも、いっこうかまわんがな」
「気にするなって言われてもさぁ。セス、国王なんだよ?」
「であればこそだ。俺の妻は王妃となるのだぞ? 髪や目の色ごときで、とやかく言わせはしない」
テスアなら、多少、めずらしい色というだけの話にできる。
王妃を相手に、政の道具にすることなどできないし、もとより、セスが、そんなことは許さない。
ティファの手を握り、庭の出口のほうに向かって歩き出した。
「なにを心配することがある。お前には、絶対の味方がいるではないか」
「あ、ソル?」
ぴた。
歩き出したところだが、セスは足を止める。
顔をしかめ、ティファを睨んだ。
「なぜ、そこで、ほかの男の名を言うか」
「えっと……」
「お前の伴侶となるのが誰か、言ってみろ」
「…………セス……」
「そうだ。この俺だ。ソルではない」
くいっと手を引っ張る。
腰を抱き寄せ、顔を近づけた。
「お前は、俺のものだと言っただろう。ほかの男の名を呼ぶな」
「けど、ソルは……」
「呼ぶなと言っている」
「セス、マジ、ヤキモチ妬きなんだケド」
「否定はしておらん」
相手が誰であろうと、気に食わないものは、気に食わない。
ソルも、セスを気に食わないらしかったが、お互いさまだ。
ティファの父の指示でなければ、セスに指南する気はなかったと言っていたし。
(だが、肝心の、ティファの父には、まだ会っておらん。本当に感謝すべき相手だというのにな)
どういうわけか、ティファの父は、なにかと手を打つだけで、姿を見せようとはしないのだ。
もちろんセスも、自分に対する好意から、段取りをつけてくれたなどとは思っていない。
すべては、ティファのためだろう。
「そういえば、セス、他国の国王の養子になったりしてよかったの?」
「なんの問題もない。単に、俺個人が養子になっただけだ」
「養子になっただけっていうのは、これといって、なにも変わらないってこと?」
「そうだ。我が地とロズウェルドの間に、国交が結ばれたのでもなければ、協定や同盟を結んだわけでもない」
本当に、ティファと婚姻をするためだけのものなのだ。
国とは、いっさい関わりはなかった。
テスアもロズウェルドも、今まで通り、国としては、なにも変わらない。
「だが、お前の家族や友人には、我が地への出入りを許可する」
「えっ?! いいの?! 外から人が入るのは駄目なんでしょ?」
「本来はそうだが、お前の知り合いは、皆、魔術師ではないか。止めたところで、勝手に入ってくるであろうし、止めようもない」
ティファが、困ったように、眉を下げる。
ティファのために、セスが「法」を曲げていると感じているに違いない。
また「駄目な国王になる」と思われたくはなかった。
セスだって、ちゃんと学んでいるのだ。
「お前の知り合いであれば、外に情報をもらすようなことはない。どうせ我が地に興味があって来るのではなかろう」
「それは、そうかもしれないけど……」
「お前に会えないと言って暴れられるほうが、よほど困る」
なにを思い出したのかはともかく、ティファが、小さく呻いた。
思い当たる節があるのだろう。
セスにだって思い当たる節がある。
義理の母に、瓶詰めにされるかもしれないのだ。
「俺は駄目な国王にはならんと言ったはずだぞ。これは、お前のためというより、むしろ、国益のためだ」
ようやく、ティファが納得したようにうなずいた。
2人で手を繋ぎ、のんびりと歩く。
セスは、なにげないふうを装い、ティファに訊いてみた。
「お前は、我が地で暮らすことを、どう思う?」
「え……? たくさん勉強しないといけないなって思ってるけど?」
「我が地で暮らしても良いと思っているのだな?」
「そりゃあ、セスのところに嫁ぐんだから、そうなるよね? 違うの?」
「いや、その通りだ。お前は、我が地に連れて帰る」
ティファが、あまりに、あたり前みたいな返事をするので、小さく笑った。
ほんの少し、気がかりではあったのだ。
生まれ育ったロズウェルドを離れることや、テスアという異国で暮らすこと。
それを、ティファが納得しているのかどうか、心配だった。
「まぁ、点門とやらを使えば、簡単に行き来できそうだ」
「そうだね。里帰りは簡単にできるんじゃないかな」
「たびたびは帰るなよ?」
「里帰りって、そんなに頻繁にするものじゃないと思うケド」
「ならば、良い。しょっちゅう独り寝をさせられてはかなわん」
何気なく言った言葉だ。
この3ヶ月、ティファのいない寝所が、もの寂しかったのを思い出していた。
が、隣からの返事がない。
ちらっと視線を投げると、ティファが首まで赤くしている。
「俺の腕が、それほど恋しかったか?」
「べ、別に……そういうわけじゃ……」
「ほう。そうかそうか。最早、俺なしでは寝ることもかなわんようだ」
「そんなこと言ってないじゃん!」
「俺は、眠れなかったぞ?」
半分は、ソルからの「宿題」のせいだったが、それはともかく。
ティファがいなくなってから、寝つきが悪くなったのは確かだった。
手を繋いでいないほうの手で、無意識に顎をさする。
「だが、お前は、羊を12匹以上、数えられん女だからな。どちらが寝かしつけているのやら」
「だから、それは……」
「それは?」
「……セスの隣が……居心地いいから……」
ぽそぽそっと言葉を落とすティファに、また笑った。
これなら、モレドに言えそうだ、と思う。
自分は、ちゃんと笑えるようになった、と。
見事なまでに、黒い髪だ。
艶があり、まるで水浴びをしたあとの烏の羽のような色をしている。
「泥水のような色でもよかったのだが、これが、お前本来の色なのだな」
「……うん……」
ティファが、うつむいていた。
その理由を、セスは、ソルから聞いている。
人ならざる者。
セスも、まったく知らないわけではなかった。
ただ、実在するとは思っていなかったのだ。
この大陸で、黒髪、黒眼は、特殊な意味を持つ。
誰もが知っているが、本物を見た者は、ほとんどいない。
そのため、伝説のように捉えていた。
「大公、ジョシュア・ローエルハイド。それが、お前の祖父か」
「そう……私のお祖父さま……」
隣国リフルワンスとの戦争を、たったひとつの魔術で終結させた英雄。
だが、同時に他国からは恐怖の対象ともされている。
もう70年以上前の出来事ではあるが、近隣諸国は、未だにロズウェルドを恐れていた。
それは、ロズウェルドに、ローエルハイド公爵家が存在しているからだ。
現在の当主であるティファの父は、ローエルハイドの直系だが、黒髪、黒眼ではないらしい。
王宮で会ったティファの叔母も、ブルーグレイの髪と瞳をしていた。
現状、黒髪、黒眼は、ティファだけだという。
そのため、ティファの父は、幼い頃から、あの泥水色の髪と瞳に変装させていたようだ。
(ティファは、魔力顕現とやらをしていない。持ってもいない力をアテにして利用しようとする輩も現れるであろうし、なにより政の道具にされかねん)
思えば、ティファの父が変装をさせたのも、理解できる。
周囲が、過保護とも思えるくらい用心深くなっていたのも、わかる気がした。
「どう思う……?」
「どうとも思わん」
「……テスアでも知られてるよね?」
「それはそうだが、テスアのことは気にするな。むろん、俺は、あの泥水色でも、いっこうかまわんがな」
「気にするなって言われてもさぁ。セス、国王なんだよ?」
「であればこそだ。俺の妻は王妃となるのだぞ? 髪や目の色ごときで、とやかく言わせはしない」
テスアなら、多少、めずらしい色というだけの話にできる。
王妃を相手に、政の道具にすることなどできないし、もとより、セスが、そんなことは許さない。
ティファの手を握り、庭の出口のほうに向かって歩き出した。
「なにを心配することがある。お前には、絶対の味方がいるではないか」
「あ、ソル?」
ぴた。
歩き出したところだが、セスは足を止める。
顔をしかめ、ティファを睨んだ。
「なぜ、そこで、ほかの男の名を言うか」
「えっと……」
「お前の伴侶となるのが誰か、言ってみろ」
「…………セス……」
「そうだ。この俺だ。ソルではない」
くいっと手を引っ張る。
腰を抱き寄せ、顔を近づけた。
「お前は、俺のものだと言っただろう。ほかの男の名を呼ぶな」
「けど、ソルは……」
「呼ぶなと言っている」
「セス、マジ、ヤキモチ妬きなんだケド」
「否定はしておらん」
相手が誰であろうと、気に食わないものは、気に食わない。
ソルも、セスを気に食わないらしかったが、お互いさまだ。
ティファの父の指示でなければ、セスに指南する気はなかったと言っていたし。
(だが、肝心の、ティファの父には、まだ会っておらん。本当に感謝すべき相手だというのにな)
どういうわけか、ティファの父は、なにかと手を打つだけで、姿を見せようとはしないのだ。
もちろんセスも、自分に対する好意から、段取りをつけてくれたなどとは思っていない。
すべては、ティファのためだろう。
「そういえば、セス、他国の国王の養子になったりしてよかったの?」
「なんの問題もない。単に、俺個人が養子になっただけだ」
「養子になっただけっていうのは、これといって、なにも変わらないってこと?」
「そうだ。我が地とロズウェルドの間に、国交が結ばれたのでもなければ、協定や同盟を結んだわけでもない」
本当に、ティファと婚姻をするためだけのものなのだ。
国とは、いっさい関わりはなかった。
テスアもロズウェルドも、今まで通り、国としては、なにも変わらない。
「だが、お前の家族や友人には、我が地への出入りを許可する」
「えっ?! いいの?! 外から人が入るのは駄目なんでしょ?」
「本来はそうだが、お前の知り合いは、皆、魔術師ではないか。止めたところで、勝手に入ってくるであろうし、止めようもない」
ティファが、困ったように、眉を下げる。
ティファのために、セスが「法」を曲げていると感じているに違いない。
また「駄目な国王になる」と思われたくはなかった。
セスだって、ちゃんと学んでいるのだ。
「お前の知り合いであれば、外に情報をもらすようなことはない。どうせ我が地に興味があって来るのではなかろう」
「それは、そうかもしれないけど……」
「お前に会えないと言って暴れられるほうが、よほど困る」
なにを思い出したのかはともかく、ティファが、小さく呻いた。
思い当たる節があるのだろう。
セスにだって思い当たる節がある。
義理の母に、瓶詰めにされるかもしれないのだ。
「俺は駄目な国王にはならんと言ったはずだぞ。これは、お前のためというより、むしろ、国益のためだ」
ようやく、ティファが納得したようにうなずいた。
2人で手を繋ぎ、のんびりと歩く。
セスは、なにげないふうを装い、ティファに訊いてみた。
「お前は、我が地で暮らすことを、どう思う?」
「え……? たくさん勉強しないといけないなって思ってるけど?」
「我が地で暮らしても良いと思っているのだな?」
「そりゃあ、セスのところに嫁ぐんだから、そうなるよね? 違うの?」
「いや、その通りだ。お前は、我が地に連れて帰る」
ティファが、あまりに、あたり前みたいな返事をするので、小さく笑った。
ほんの少し、気がかりではあったのだ。
生まれ育ったロズウェルドを離れることや、テスアという異国で暮らすこと。
それを、ティファが納得しているのかどうか、心配だった。
「まぁ、点門とやらを使えば、簡単に行き来できそうだ」
「そうだね。里帰りは簡単にできるんじゃないかな」
「たびたびは帰るなよ?」
「里帰りって、そんなに頻繁にするものじゃないと思うケド」
「ならば、良い。しょっちゅう独り寝をさせられてはかなわん」
何気なく言った言葉だ。
この3ヶ月、ティファのいない寝所が、もの寂しかったのを思い出していた。
が、隣からの返事がない。
ちらっと視線を投げると、ティファが首まで赤くしている。
「俺の腕が、それほど恋しかったか?」
「べ、別に……そういうわけじゃ……」
「ほう。そうかそうか。最早、俺なしでは寝ることもかなわんようだ」
「そんなこと言ってないじゃん!」
「俺は、眠れなかったぞ?」
半分は、ソルからの「宿題」のせいだったが、それはともかく。
ティファがいなくなってから、寝つきが悪くなったのは確かだった。
手を繋いでいないほうの手で、無意識に顎をさする。
「だが、お前は、羊を12匹以上、数えられん女だからな。どちらが寝かしつけているのやら」
「だから、それは……」
「それは?」
「……セスの隣が……居心地いいから……」
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もちろん、私は全て読ませていただきます。
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