妖が潜む街

若城

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45話

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 赤崎は以前から抱いていた嫌な予感が見事に的中し、目の前に迫ってくる二体の妖怪を見て、ため息を吐いた。
 天華と共に帰路に着いているところに本を持った座敷童が現れ、ついてこいと、半ば無理矢理この場に連れてこられた。怪我を負った天華については、これ以上の行動は控え、本の中で傷を癒すのに専念する事になった。彼女は大丈夫だと言っていたものの、座敷童に怒られ、渋々と本の中へ消えて行ってしまった。座敷童が相手になると、あれ程の威厳が何処かへ消え失せてしまう。

「座敷童、せめて言っておきなさいよ……」
「ごめぇん」

 反省の色を見せない謝罪に呆れ、首を左右に振ると、満身創痍の言葉が似合う彼らに目を向ける。彼らは口から汚らしい涎を垂らし続け、悪に相応しい不気味な笑みを深めさせる。

「一瞬で殺してやるから安心せい、ふぇっふぇっふぇ」
「いや、殺されて嬉しいと思うような変な趣味はないから」

 赤崎は妖怪達が多く封印されている本を開き、怪我によって、大量の汗を流した天華の為に買っておいた、飲みかけのペットボトルを片手で器用に開ける。

「持って来ておいてよかった、のかな」

 そして、ペットボトルの口を逆さまにし、妖怪本へ浴びせかけた。触れない箇所が無いように、隅々まで浴びせた後、勢いよく本を閉じる。閉じた事で、本から滴る水が四散し、僅かの水の量が顔に掛かった。だが、その冷たさがとても心地良く、思わず笑みを浮かべてしまう。

「あっ――皆だぁ」

 座敷童が繋いでいた手を離すと、後方を振り向き、嬉しそうに飛び跳ねた。赤崎も一瞬振り返ろうとしたが、振り返る事を止める。振り返らずとも分かる。
 後ろには、本の中に居た全ての妖怪が列を成し、山姥と大天狗を睨みつけている。その圧力が背中にひしひしと伝わってきた。しかし、それに恐怖という感情は一切抱かず、むしろ安心感が胸の中に広がっていく。
 記憶の中には河童、お歯黒べったり、付喪神などの良くテレビや本に出てくる妖怪が、傍に居るのだと思うと、不思議な気分になる。

(はぁ、気持ちいい)

 小さく笑い、本を払って残った水を払う。

『俺らの座敷童を食おうってのか!? あぁっ!?』、『あんた、こっちにきんさい』、『そうだよ、危ないよ。鬼がいるじゃん』、『ダメ、ザシキワラシ』、『逃がすなら、おいらに任せて』、『どさくさに紛れて、逃げんなよ?』
 風の音だけが耳に届いてたのが、あっという間に騒音が加わった事に、少し後悔した。あらかじめ、誰を出すのかを決めておけば良かったと思ったが、全員の封印を解いてしまったからには、もう訂正する事は出来ない。

「あぁもうっ。うるさいわねっ!」

『こわっ、今の人間ってこえぇ……』、『聞いたぞ、今の女って男より怖いってよ』、『女社会ってやつか』

 大多数は喋るのを止めたが、ぼそぼそと喋る妖怪を睨みつける。
 そこで、漸く妖怪の姿を目の当たりにした。目の前には、自分よりも一回りも大きい妖怪が居れば、自分よりも小さく幼い妖怪、付喪神と思われるつぎはぎだらけの傘の妖怪が、驚愕の表情を浮かべていた。鳥なのか疑問に思える妖怪が、目が合うなり目の前で両手を合わせ、何かを拝むようにして擦り合わせる。
 すると、大勢の妖怪が居るのにも関わらず、山姥と大天狗は大きな声で腹を抱えながら、高らかに笑った。

「ぐほはははははははははっ!! 貴様らのような下賤な妖怪共が儂らに挑もうと言うのか。深手を負った儂でも、片手で十分だ」
「ふぇっふぇっふぇ、身の程を知れ、雑魚共ぉ」

 これ程、相手を馬鹿にするような言動をする者を初めて見た。赤崎が発言の対象者である妖怪達に目を向けると、彼らは歯ぎしりをしながら、二体の妖怪に睨みを強めていく。
 そんな中、

「こいつらを舐めんじゃねぇぞ、山姥」

 酒呑童子の声がどこからか聞こえてきたと思えば、何処からともなく彼が隣に降り立った。
 突然の事に赤崎は体を大きく跳ねさせ、彼の頭を叩く。

「あ、あんた……驚かせるんじゃないわよっ」
「いってっ! こういうのは遅れてくるほどかっこいいだろ?」

 痛そうに頭を擦る酒呑童子が、得意げに胸を張る。

「ってのは建前で……道に迷った」
「はっ倒すわよ? 気配で追えるとか言ってたじゃない」
「まぁまぁ、それは置いといて。山姥、久しぶりだな。俺の刀、大事に持ってくれてんだ」

 赤崎から山姥へと視線を向ける酒呑童子。赤崎も山姥の方へ目を向けると、予想だにしない表情を浮かべていた彼女が居た。
 山姥は腰に携えた刀に手を当て、怯えた様子で体を震わせていた。今までの威勢が遥か彼方へ消えてしまったように、見る影もなかった。ただ怯えているのではなく、絶対的な何かが彼女を追いたてているように見える。

「しゅしゅ、酒呑童子……生きていたのか……」
「おかげさまでな。お前がそれ持って逃げられた時は、どうなるかと思ったけど」

 封印程度で済んで良かったわ、と笑みを浮かべさせる。しかし、その笑みからは確実な怒りを含ませているのが、赤崎には分かった。

「あんた、あいつ知ってんの?」
「あぁ、俺が纏めてた鬼の一匹だ」

 それを聞き、合点がいった。彼女が酒呑童子に怯え、彼が山姥に静かな怒りを抱いているのが、数百年前のあった出来事によるものだったらしい。互いに、封印された経緯は違うも、時を越えて再会するという事は、運命的なものだと感じた。しかし、最愛の者との再会ではなく、因縁の相手同士という、最悪なケースでだ。

「き、貴様ら……今、天華と言わなかったか……?」

 山姥に目を向けていると、不意に大天狗からも震えた声が聞こえてきた。次に彼の顔に視線を向ける。顔が明らかに引き攣らせており、心なしか体を震わせているようにも見えた。

「なんじゃ、呼んだか?」

 今度は姿の無い天華の声が聞こえてきたと思い、酒呑童子とは逆の方を見やると、大きな胸を持ち上げるようにして腕を組んだ天華が片眉を上げ、大天狗を見つめていた。

「天華、大丈夫なの?」

 赤崎は血で固まった傷を見て、不安げに問いかける。それに対し、彼女は頭を撫でてくれる事で、否定してきた。

「大丈夫じゃ、気にするな。ところで、カラスにやられたようじゃな、大天狗」
「実力で負けた訳じゃないわ……っ! 邪魔が入らなければ……」

 状況は一切掴めないが、烏の天狗に負けたという事だけはなんとか分かった。そして、そのことについて言い訳をしている、というのも分かり、赤崎は気付かれない様に鼻で笑った。

「あぁ悪い。少し、やり過ぎたみたいだ。はっはっはっ」

 わざとらしく笑う酒呑童子を大天狗が射抜かんばかりに睨みつける。

「貴様がやったのか、若造……?」
「や、やめいっ……。あやつを若造で収まる様な器ではない……」

 山姥が大天狗の袖を掴む事で、それ以上の発言を止めさせようとする。しかし、それを聞いた酒呑童子はわざとらしい笑みを消し、山姥に向けて目を細めさせる。

「分かってるなら最初から盗むなよ、山姥」
「ひっ……」

 短い悲鳴を山姥が洩らしていると、次に天華が口を開いた。

「とにかく、おぬしらにもはや勝ち目はないという事じゃ。このまま、妾達にやられるか、一度襲った小僧と妖怪を襲わないと約束して去るか。選べ」

 彼女の言葉に、山姥と大天狗はお互いに顔を見合わせた後、再び天華の方へ向けられる。彼女達の表情を見る限り、身を引くという選択をしたのが窺えた。大天狗の方は酒呑童子に対して殺意を露わにしていたが、傷の深さの事もあってそれ以上の事をせず、睨み続けるだけだった。
 ――ま、多勢に無勢だしね。普通に考えれば、多くの妖怪に、鬼の党首と大天狗が加われば、戦わなくともどうなるのか分かりきっている。彼らも馬鹿ではない筈だ。この状況でも挑んでくるとなれば、それは只の愚か者である。
 しかし、

「あぁっ!? おい、てめぇら。さっきの威勢はどうしたよ」

 ドラム缶に腰掛けていた男性が、そこから降りるなり苛立った様子で怒鳴りつけてきた。
 赤崎がこちらに歩み寄ってくる彼に目を向けると、男性は目が合った事でより一層苛立った表情を深めさせる。

「こんな餓鬼どもビビってんじゃねぇぞっ!! 只のロン毛と派手な女だろうがっ!!」

 遠くに居たため、酒呑童子ともう一体の大天狗であるというのを、聴こえていなかったのだろう。たとえ、聞いていたとしても大天狗はともかく、酒呑童子がどのような妖怪なのか知っているとは思えない。そう思える程に、彼の顔から知識の薄さが伝わってきた。
 全く空気を読めていない彼に、山姥と大天狗は僅かに振り返り、目で黙る様に睨みつける。しかし、当の本人はそんな事にも気付く様子も無く、天華を指差しては唾を吐きながら、再び怒声を上げた。

「この乳がでけぇだけの女に何ビビってんだよ、大天狗。てめぇなら、片手でも捻れるだろうが」
「だ、だまれ……。こやつは同じ大天狗――」

 大天狗が男性に忠告しようとした時だ。

「ほう、妾が只の女だと言いたいと?」

 天華の口から、今まで聞いた事のない低い声が発せられた。その声色は静かな怒りが込められており、深いため息すら聞こえてくる。
 突然の態度の変化に、赤崎は呆然と目を瞬かせていると、後ろの妖怪達が各々ため息をついていくのを聞いた。
『あぁあ、怒っちゃった』、『怒らせたら止めれるの酒呑とがしゃどくろしかいないのに……』
 その二つの言葉にどうしようもない不安に駆られ、恐る恐る天華の顔を覗き込んだ。彼女の瞼辺りに描かれた朱色がたちまち赤くなっていき、最終的には赤黒いものへと染まってしまった。目の色はまるで血の様に真っ赤に染まり、瞳孔が猫の様に縦長に細くなっていく。

「て、天華……?」
「貴様、妾がそこの大天狗に劣る女だと言いたいのか?」

 問い掛けの言葉が耳に届いておらず、赤崎に目を向ける事もなく、男性を赤い瞳でゆっくりと睨みつける。睨まれた男性はその瞳に体を大きく震わせ、大天狗の腕を掴み、盾にするも、図体の大きさにびくともしなかったようだ。

「鞍馬の天狗に呆気なく負け、それ以来、格下に戦わずにして踏ん反り返りおった分際がぁ……。この天華を愚弄するかぁ……っ!?」

 怒りの対象が男性から大天狗へとすり替わり、怒りを向けられた本人は男性を見やった後、慌てた様子で天華に向き直る。弁明しようと口を開いたが、彼女の言葉にハッとした様子で目を見開かせた。

「なぜ、儂が鞍馬の天狗に負けた事を……。その頃は、貴様は居なかった――」
「居なくとも分かるわ……。貴様、天華の天を何だと思っている……?」
「なっ……、それは――」
「天狗の天と思っているのか? ふざけるな、愚天狗が」

 白く生え揃った歯がどういった理屈は分からないが、爪とみるみる鋭く尖っていく。

「妾の天は――天逆毎の天ぞっ!!」

 鬼に見せた姿を再び現し、激昂する。
 天狗の祖である存在。決して、天狗を見下している訳ではないが、目の前に居る天狗と一緒にされたのが相当、気に触れたのだろう。そうでなければ、天逆毎の姿に戻らない。

「さぁ、どうしてくれようぞ、酒呑」
「んん? そんなの、俺が決めることじゃねぇよ」

 酒呑童子は首を大きく回し、赤崎と座敷童に首だけで振り返る。

「俺らのリーダーと持ち主が決める事だろ」

 そして、笑った。
 赤崎と座敷童はお互い見合わせると、こちらも笑みを浮かべさせ、酒呑童子と天華を含む妖怪達全員を見渡した。そして、敵である人間一人、妖怪二体を指差す。

「決まってるじゃない、悪い妖怪なら――」
「お仕置きだよぉっ!」

 赤崎と座敷童の言葉を合図に、味方である妖怪達が一斉に深い笑みを浮かべ、身構えはじめる。百を超える妖怪が一度に身構える音は壮大で、それが敵である彼らに拭う事の出来ない恐怖を駆り立てていく。

「お、お、お前ら……」
「無理だ……神が相手など、勝てる筈が無い……っ!」
「わっちは降ろさせてもらららら……」

 舌の回らない山姥と恐怖に体を震わせる大天狗は、こちらに背を向けて地面を蹴ろうとしたが、それを男性が大天狗の方の背中に乗りかかる事で止める。

「て、てめぇらっ! 俺を置いて逃げんじゃねぇよっ!!」
「ええい、乗るなっ!!」

 ぎゃあぎゃあと騒ぐ彼らに、赤崎は呆れて深いため息を吐いていると、座敷童が何かを思い出したように声を上げ、こちらの服の袖を引っ張ってきた。

「ねぇ、沙綾香。忘れてる子がいたよ」
「え?」

 そう言われ、臨戦態勢に入っている妖怪達を見渡すと、ある妖怪の姿が見当たらない事に気付いた。

「あぁ、がしゃどくろ」

 赤崎は持っていた本を地面に置き、がしゃどくろの絵が描かれているページを開いてから二歩後ろに下がる。すると、本が大きく震え始め、通常の数倍の大きさを誇る手が現れた。右手、左手、頭、と順番に窮屈な空間から無理矢理抜け出す形で現れ、『ばあああああああああああああああ……』、と全身の骨に振動が伝わってくる程の低い声が一面に轟かせる。

「ごめんね、出る前に閉じちゃったみたいで」

 軽く五メートルを超える大きさになるがしゃどくろの手を撫で、謝罪する。
 白骨である彼から表情は窺えないが、特に怒っているような事はなく、大きな頭を左右に振ってくれた。そんな彼に小さく笑い、戦闘に参加を促すように軽く叩く。

「ががが、がしゃどくろ……っ!? き、貴様……一体何者だ……」

 大天狗が自分よりも体格の大きいがしゃどくろを見上げた後、こちらを驚愕の色に染めた顔で見てきた。
 何者か。そんなの誰から見ても、一目瞭然だ。
 人間であり、彼らの友達だ。これからの生活を独りではなく、彼らと共に過ごしていくのを決心する事が出来た大切な存在達。
 赤崎は自分の胸に手を当て、手から伝わってくる心臓の音を確かに聞き、目を閉じる。
 生きていて、生きていなかったと感じていた鼓動が、友達が出来た事で喜びを打っていた。これほどまでに無い感覚が、体中を駆け巡る。
 閉じていた目を開け、胸に当てていた手で大天狗を指差す。

「見て分からない? 私は、ちょっとした友達よ」

 それを合図に、身構えていた妖怪達が掛け声と共に地面を蹴った。凄まじい闘気に面食らってしまい思わず、『おぉぉ……』と間の抜けた声を上げてしまう。
 無様に逃げようとする敵は、迫りくる妖怪達を首だけで振り返るなり、情けない悲鳴を上げた。それは本当に情けなく、まるで大人に軽く攻められた幼い子供が上げる様な、聞くに堪えないものだった。


「ひいいいいいいいいいいいいあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」
  
  
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