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第1章
第29話 部屋の中
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(ナビさん、ノノーキルの居場所は!)
『回答提示。村の入り口にいます。』
「ちょっと元凶のノノーキルを呼んで来ますね。」
見つけたらまず殴るけどな!
殴るだけで済めばいいな!
そうだ!麻痺させて蔦で吊るそう!
吊るした後、石を投げてやろう!
よし行こう!
「おいおい、さっきの見ただろ?今外に出られる状況じゃないからやめとけって。てか、お前目当てで集まってるんだから、出たら囲まれて動けなくなるだけだぞ?」
部屋から出ようとしたところで、キャナタさんに止められてしまった。
確かに、ノノーキルのせいだとは言え、何故だか俺が注目を受けてしまっている状態なのを忘れていた。
俺が外に出たら、それこそパニックが起きてしまうかもしれない…くそ…敵のいる場所は分かっているのに…そこに行けないなんて最悪すぎるだろ!
「じゃあ、私が行ってきましょうか?」
ロールさんが、そう言って手を上げてくれる。
この中だと、優子は俺と同じで外に出られないし、キャナタさん達のどちらかに行ってもらえればありがたいが…
「ロール、外に行く気か?」
「だって、この騒ぎ、ノノーキルさんが原因みたいじゃない?だったら、ちゃんと話しを聞かないと。」
「お願いできますか?ノノーキルは村の入り口、門のあたりにいると思うので。」
「「え?門のところに?」」
あ…
「いや、多分そうじゃないかと思っただけです。これだけ周りに広めてる奴が、家でじっとしている訳ないと思ったらだけで…他に理由は…ない…です…」
「ぼんってたまに変なこと言うよね?」
「うるさいよ優子!余計なこと言わなくていいから!」
優子も少しは誤魔化すのに協力してくれよ!
「えぇー、なんか怒られたねしろま。」
「ねー。それよりチョコ食べたい。」
ロールさんが持ってきてくれた、朝食のパン手に取った優子と、チョコをせがむしろまに呆れるが、もう黙っていてくれればいいや…
「えっと…すみませんが、ロールさん、ノノーキルのことをお願いできますか?」
「そ、そうね…それじゃ、まず家に行ってみて、居なかったら門まで行ってみるわね。」
「はい、それでお願いします。」
よし、ロールはノノーキルを呼びに行ってくれるようで、部屋から出ていく。
ロールさんを見送って、俺はノノーキルが来るまで一息つけるかと思って居たんだが…
「でだ。」
「わ!」
「おい、何驚いてんだ?ずっと居ただろうが?」
「いや、はい…すみません…」
キャナタさんが部屋にいたことを普通に忘れてた。
ノノーキルが来るまで、少しは落ち着けるかと思って居たので、結構真面目に驚いてしまった。
「さ、ロールがノノーキルを呼んで来るまでは時間があるだろ?その時間で、これの説明をしてもらえないかな?」
キャナタさんは、優子の座るマットレスを指差して聞いてきた。
昨日見た時も驚いていたから、いつか聞かれるとは思っていたけど…色々あって言い訳の準備をしてなかった。
どう説明したらいいのか迷っていると、優子が口を開く。
「これはベッド、寝るところだよ?」
「べッ…これが…か?」
まぁ、部屋にあったのが藁のベッドだからな、スプリングマットレスのベッドなんて、まだ存在しないんだろうから、そんなものを見たらビックリもする…のか?
見た目だけなら、布張りのベッドと変わらないはずだし、それくらいならありそうなものだけど…
「ボン、このベッド、ほんの少しだけ触ってみてもいいか?」
「え?あぁ、触るだけなら大丈夫ですよ。優子、ちょっとそこ退けたげて。」
「ん?はーい。」
パンを頬張っていた優子が、しろま達を連れてベッドから退けると、キャナタさんは恐る恐るベッドの端に手を触れる。
「おぉ!なんだこれ!おぉ!おぉー!」
そりゃ藁のベッドに比べたら、弾むのは当然なんだけど、そんなに喜ぶことなのだろうか?
このままだと、初めてホテルに泊まった子供みたいに、見た目はいい年した大人のキャナタさんが、ベッドの上で飛び跳ねかねないくらいのテンションで、興奮している。
そして、この後の展開は大体予想がついてしまう。
「うはは、凄いなこれ!なぁボン!これ売って…「ダメですよ。」くれな…いか…1日だけでいいから貸し「ませんよ。」てく…れもしないか…」
ほらね?
普通の感性だと売ってくれ、これが貴族や高圧的な奴だと寄越せって言われる。
ドワーフなんかの職人なら、造り方を教えろとか言われるんだよ。
貸してと言われて貸したが最後、なんだかんだと理由をつけて、返してくれなくなるに決まってる。
これくらいはよくあるテンプレだから、きちんと受け答えできるように、心構えが出来ていたさ。
俺に拒否されたキャナタさんは、先程までのはしゃぎようが嘘のように、ベッドの端を押し込んだまま項垂れてしまう。
「ダメか…これ、そりゃ売れないか…」
ベッドを名残惜しそうに手で押しながら、キャナタさんは残念そうに呟いた。
ベッドの予備は持ってきていないんだから、簡単に売れる訳ないでしょうに。
もし、売って大金を手にしても、その後は藁で寝ることになるんだぞ?そんなの嫌過ぎる。
ここは、キャナタさんに諦めてもらうしかない。
「ところでボンよ…もう1つ聞きたいんだがいいか?」
「はい?なんでしょうか?」
他に何か聞かれるようなことしたかな?
ベッドのことを諦めてくれるなら、話が変わるのは願ったりだ。
「そこに置いてあるのはなんだ?」
「そこ?」
キャナタが指差す先を目で追うと、封印した汚れた桶があった。
そうだね…あったね…
あー…臭すぎて咄嗟にビニール袋に入れて、その後部屋の隅に放置してたんだった…
「薄い膜か?中にあるのはウチの桶だよな?」
普通に忘れていたよ。
てか、思い出したくもなかったから、記憶から消していた…
「…えー…見なかったことには…「ならないな」…ですよねー…」
と言われても、ビニール袋をどう説明したらいいんだ…
(ナビさん助けて!ビニールってどう説明したらいいの?)
『情報提示。グランファミリアでは、原料となるポリエチレン樹脂が開発されていません。元素式の説明を行いますか?』
(違う!キャナタさんを誤魔化す方法はないかってこと!)
『回答提示。魔道具とすることで、村人キャナタの追求を一時的に回避することができます。』
それだ!
「えっと…その透明なやつは魔道具でして、ちょっと説明は難しいかなと…」
「ぼん?それはゴミ袋だ…」
「優子さん?ちょーっとこっちこようか!」
優子は変わらずの平常運転だが、いまは黙っていて欲しい。
優子の腕を掴んで、部屋の隅に移動して、キャナタさんに聞こえない声でお願いする。
「たのむから黙っててくれないかな!?こっちの世界にゴミ袋の素材なんて無いんだから、どう説明しても厄介なことになるんだよ!俺がなんとか誤魔化すから、お願いだから優子は喋らないで!」
「そなの?ふーん。」
優子は、分かったのか分かっていないのか微妙な返事をして、ぬいぐるみを抱えたままベッドに座る。
黙ってくれるならそれでいい。
「なぁボン…」
「はい!…あ、その透明な奴ですよね、それはここに来るまでの道中で手に入れた魔道具でして、薄くて透明な袋に見えるんですが、中に入れたものを外気に触れないようにできる優れものなんですよ!
あぁ、大丈夫です、中のものは変質もしませんし、壊れもしませんので、安心してください。」
今ある知識で、なんとか誤魔化すために口を開く。
相手に考えられる間を作っちゃいけないんだ。
「ボンよ…」
「はい?あ、先に言っておきますが、売りませんよ?何個も持ってるものでもないですし、次にいつ手に入るか分かりませんからね。」
「いや、あのな?よく分からんが貴重な魔道具なんだろ?」
「え?あ、はい。そうですよ。これを手に入れたのは…」
「まてまて、こんな見たこともないもの、使い方も分からんから別にいらんよ。俺が聞きたいのはだな…なんでそんなものに、糞桶なんかを入れてるんだってことで…」
まぁ、そうなりますかね…単純に臭いが耐えられなかっただけなんだけど…
ああ、面倒くさい…ロールさん…
早くノノーキルを連れてきてーーー
ーーーー
作者です。
ゴミ袋に使う袋って、ビニールじゃなくてポリエチレンなのを知りました。
ビニール袋じゃなくてポリ袋が正しいみたいです。
因みに、トイレは簡易トイレを使うようにしています。
お互いのストレージリングに、複数入れてあるので、どちらかがいないと我慢するしかない。みたいな状況にはなっていません。
感想その他、お時間あれば是非。
『回答提示。村の入り口にいます。』
「ちょっと元凶のノノーキルを呼んで来ますね。」
見つけたらまず殴るけどな!
殴るだけで済めばいいな!
そうだ!麻痺させて蔦で吊るそう!
吊るした後、石を投げてやろう!
よし行こう!
「おいおい、さっきの見ただろ?今外に出られる状況じゃないからやめとけって。てか、お前目当てで集まってるんだから、出たら囲まれて動けなくなるだけだぞ?」
部屋から出ようとしたところで、キャナタさんに止められてしまった。
確かに、ノノーキルのせいだとは言え、何故だか俺が注目を受けてしまっている状態なのを忘れていた。
俺が外に出たら、それこそパニックが起きてしまうかもしれない…くそ…敵のいる場所は分かっているのに…そこに行けないなんて最悪すぎるだろ!
「じゃあ、私が行ってきましょうか?」
ロールさんが、そう言って手を上げてくれる。
この中だと、優子は俺と同じで外に出られないし、キャナタさん達のどちらかに行ってもらえればありがたいが…
「ロール、外に行く気か?」
「だって、この騒ぎ、ノノーキルさんが原因みたいじゃない?だったら、ちゃんと話しを聞かないと。」
「お願いできますか?ノノーキルは村の入り口、門のあたりにいると思うので。」
「「え?門のところに?」」
あ…
「いや、多分そうじゃないかと思っただけです。これだけ周りに広めてる奴が、家でじっとしている訳ないと思ったらだけで…他に理由は…ない…です…」
「ぼんってたまに変なこと言うよね?」
「うるさいよ優子!余計なこと言わなくていいから!」
優子も少しは誤魔化すのに協力してくれよ!
「えぇー、なんか怒られたねしろま。」
「ねー。それよりチョコ食べたい。」
ロールさんが持ってきてくれた、朝食のパン手に取った優子と、チョコをせがむしろまに呆れるが、もう黙っていてくれればいいや…
「えっと…すみませんが、ロールさん、ノノーキルのことをお願いできますか?」
「そ、そうね…それじゃ、まず家に行ってみて、居なかったら門まで行ってみるわね。」
「はい、それでお願いします。」
よし、ロールはノノーキルを呼びに行ってくれるようで、部屋から出ていく。
ロールさんを見送って、俺はノノーキルが来るまで一息つけるかと思って居たんだが…
「でだ。」
「わ!」
「おい、何驚いてんだ?ずっと居ただろうが?」
「いや、はい…すみません…」
キャナタさんが部屋にいたことを普通に忘れてた。
ノノーキルが来るまで、少しは落ち着けるかと思って居たので、結構真面目に驚いてしまった。
「さ、ロールがノノーキルを呼んで来るまでは時間があるだろ?その時間で、これの説明をしてもらえないかな?」
キャナタさんは、優子の座るマットレスを指差して聞いてきた。
昨日見た時も驚いていたから、いつか聞かれるとは思っていたけど…色々あって言い訳の準備をしてなかった。
どう説明したらいいのか迷っていると、優子が口を開く。
「これはベッド、寝るところだよ?」
「べッ…これが…か?」
まぁ、部屋にあったのが藁のベッドだからな、スプリングマットレスのベッドなんて、まだ存在しないんだろうから、そんなものを見たらビックリもする…のか?
見た目だけなら、布張りのベッドと変わらないはずだし、それくらいならありそうなものだけど…
「ボン、このベッド、ほんの少しだけ触ってみてもいいか?」
「え?あぁ、触るだけなら大丈夫ですよ。優子、ちょっとそこ退けたげて。」
「ん?はーい。」
パンを頬張っていた優子が、しろま達を連れてベッドから退けると、キャナタさんは恐る恐るベッドの端に手を触れる。
「おぉ!なんだこれ!おぉ!おぉー!」
そりゃ藁のベッドに比べたら、弾むのは当然なんだけど、そんなに喜ぶことなのだろうか?
このままだと、初めてホテルに泊まった子供みたいに、見た目はいい年した大人のキャナタさんが、ベッドの上で飛び跳ねかねないくらいのテンションで、興奮している。
そして、この後の展開は大体予想がついてしまう。
「うはは、凄いなこれ!なぁボン!これ売って…「ダメですよ。」くれな…いか…1日だけでいいから貸し「ませんよ。」てく…れもしないか…」
ほらね?
普通の感性だと売ってくれ、これが貴族や高圧的な奴だと寄越せって言われる。
ドワーフなんかの職人なら、造り方を教えろとか言われるんだよ。
貸してと言われて貸したが最後、なんだかんだと理由をつけて、返してくれなくなるに決まってる。
これくらいはよくあるテンプレだから、きちんと受け答えできるように、心構えが出来ていたさ。
俺に拒否されたキャナタさんは、先程までのはしゃぎようが嘘のように、ベッドの端を押し込んだまま項垂れてしまう。
「ダメか…これ、そりゃ売れないか…」
ベッドを名残惜しそうに手で押しながら、キャナタさんは残念そうに呟いた。
ベッドの予備は持ってきていないんだから、簡単に売れる訳ないでしょうに。
もし、売って大金を手にしても、その後は藁で寝ることになるんだぞ?そんなの嫌過ぎる。
ここは、キャナタさんに諦めてもらうしかない。
「ところでボンよ…もう1つ聞きたいんだがいいか?」
「はい?なんでしょうか?」
他に何か聞かれるようなことしたかな?
ベッドのことを諦めてくれるなら、話が変わるのは願ったりだ。
「そこに置いてあるのはなんだ?」
「そこ?」
キャナタが指差す先を目で追うと、封印した汚れた桶があった。
そうだね…あったね…
あー…臭すぎて咄嗟にビニール袋に入れて、その後部屋の隅に放置してたんだった…
「薄い膜か?中にあるのはウチの桶だよな?」
普通に忘れていたよ。
てか、思い出したくもなかったから、記憶から消していた…
「…えー…見なかったことには…「ならないな」…ですよねー…」
と言われても、ビニール袋をどう説明したらいいんだ…
(ナビさん助けて!ビニールってどう説明したらいいの?)
『情報提示。グランファミリアでは、原料となるポリエチレン樹脂が開発されていません。元素式の説明を行いますか?』
(違う!キャナタさんを誤魔化す方法はないかってこと!)
『回答提示。魔道具とすることで、村人キャナタの追求を一時的に回避することができます。』
それだ!
「えっと…その透明なやつは魔道具でして、ちょっと説明は難しいかなと…」
「ぼん?それはゴミ袋だ…」
「優子さん?ちょーっとこっちこようか!」
優子は変わらずの平常運転だが、いまは黙っていて欲しい。
優子の腕を掴んで、部屋の隅に移動して、キャナタさんに聞こえない声でお願いする。
「たのむから黙っててくれないかな!?こっちの世界にゴミ袋の素材なんて無いんだから、どう説明しても厄介なことになるんだよ!俺がなんとか誤魔化すから、お願いだから優子は喋らないで!」
「そなの?ふーん。」
優子は、分かったのか分かっていないのか微妙な返事をして、ぬいぐるみを抱えたままベッドに座る。
黙ってくれるならそれでいい。
「なぁボン…」
「はい!…あ、その透明な奴ですよね、それはここに来るまでの道中で手に入れた魔道具でして、薄くて透明な袋に見えるんですが、中に入れたものを外気に触れないようにできる優れものなんですよ!
あぁ、大丈夫です、中のものは変質もしませんし、壊れもしませんので、安心してください。」
今ある知識で、なんとか誤魔化すために口を開く。
相手に考えられる間を作っちゃいけないんだ。
「ボンよ…」
「はい?あ、先に言っておきますが、売りませんよ?何個も持ってるものでもないですし、次にいつ手に入るか分かりませんからね。」
「いや、あのな?よく分からんが貴重な魔道具なんだろ?」
「え?あ、はい。そうですよ。これを手に入れたのは…」
「まてまて、こんな見たこともないもの、使い方も分からんから別にいらんよ。俺が聞きたいのはだな…なんでそんなものに、糞桶なんかを入れてるんだってことで…」
まぁ、そうなりますかね…単純に臭いが耐えられなかっただけなんだけど…
ああ、面倒くさい…ロールさん…
早くノノーキルを連れてきてーーー
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作者です。
ゴミ袋に使う袋って、ビニールじゃなくてポリエチレンなのを知りました。
ビニール袋じゃなくてポリ袋が正しいみたいです。
因みに、トイレは簡易トイレを使うようにしています。
お互いのストレージリングに、複数入れてあるので、どちらかがいないと我慢するしかない。みたいな状況にはなっていません。
感想その他、お時間あれば是非。
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