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第1章
第2話 マメとぬいぐるみ
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「はい、これはしろまのね。」
「ん。マメも一緒に食べよう。」
優子は、普通にストレージリングから敷物とお菓子を取り出して、しろまと呼んでいる白熊のぬいぐるみと食べ始める。
そういえばいつの頃からか優子の事はマメって呼んでいたが…なんでだか理由は忘れた。
ぬいぐるみが動いてものを食べていることを除けば、行楽地でピクニックをしている様にしか見えない光景だが、ここは地球じゃないグランファミリアって名前の別の星で、小説や漫画にしか出てこないような魔物や魔獣が普通にいるらしい危険な場所だ。
現代日本とは違い、一般人が外を気軽に出歩けるような環境だとは思えない…
この瞬間だって、いつ襲われても不思議じゃない、そんな星で普通にピクニック…
「ぼんさん?ぼんさんは食べないの?」
もう一体の白熊のぬいぐるみ、でっかちゃん(ちゃんまでが名前だそうだ)がズボンを引っ張ってくる…が、そもそもどうやって動いてるんだ?
足元のぬいぐるみを持ち上げて触ってみるが、触れた感じは普通のぬいぐるみのモフモフ感程度で、骨格的なものは感じられない。
「どしたの?食べに行かないの?」
「ん?あ~…いいよ、食べてきな。」
「そう?じゃあ食べてくるね~」
でっかちゃんを下ろすと、トテトテと4本足で歩いて優子の所へ戻って行った。
(ナビさん、ぬいぐるみが動いてるのはなんで?)
『回答提示。大気内に含まれている魔素が作用し、無機物に生命が宿り生体化したものと考えられます。』
魔素による変質ってなんだ?
魔素なんて、地球には無かったものだし何が起きても不思議じゃないが…
ただ、なんかしっくりこないんだよな…
『推測情報。ナフタ様の悪ふざけである可能性を示唆します。』
ですよねー…
そっちの方が何倍も説得力があると思うんだよね。
この調子だと他にも仕掛けがありそうだけど…とりあえずは放置しておくことにした。
現状何か対策が出来るわけじゃないし、しろま達動くぬいぐるみがいても、食料が減る事以外困ることはないだろうし、それもストレージリングを貰えたおかげで、当初の用意数以上に持ってこれたから、暫くは問題なさそうだしね。
それよりも、ここでのんびりしていていいのかが正直分かんないんだよね。
(ナビさん、進行方向で出来るだけ安全な場所を教えて欲しい。可能なら日没まで余裕のある状態で到着したいんだけど、どこか無いかな?)
『回答提示。地形情報から判断した候補地点を提示します。距離は東方向に約15km、川沿いの岩場が適当と考えます。行程は5時間程度と想定、1時間以内に出発することをお勧めします。』
ふむ、頭の中に浮かんで来た候補地点は、元のルートと殆ど変わらなかった。強いて言うなら少し北寄りになったぐらいで、大きくズレないし大丈夫だと考えられる。
後は、途中で何も起きない事を祈るばかりだな。
「チョコうまうま。」
「ふふ♪楽しいね~♪」
「お菓子もいいけどさ、肉はないの?」
ナビさんとの脳内会議を終わらせ、優子達の方に視線を移すと、しろまはお菓子食いまくってるし、優子は笑ってるし、でっかちゃんは自由だし…
うん、まったく出発するつもりも危機感も感じられないな。
「おーい、いつまで休憩するんだ?少しでも進んでおかないとだから、そろそろ出発するぞ。」
「ん?そう?ちょっと待ってー」
優子は出していた板チョコを包み直してポケットに入れると、まだお菓子を食べているしろま達を抱き上げ、敷物を器用にストレージに収納する。
抱き上げるときに若干抵抗したように見えたが、食い意地の張ったぬいぐるみのしろまが、口の周りをチョコで汚しながら優子に聞く。
「散歩行くの?」
「ん。行こー」
会話だけ聞くと、本当に散歩に出かけるみたいに聞こえるから凄いよな。
もしかしたら俺が警戒し過ぎているだけかもしれな…
『緊急報告。敵性体が接近して来ます。注意して下さい。』
は?
ーーーー
今回少し短めです。
次回はその分長めです。
ご感想お待ちしております。
「ん。マメも一緒に食べよう。」
優子は、普通にストレージリングから敷物とお菓子を取り出して、しろまと呼んでいる白熊のぬいぐるみと食べ始める。
そういえばいつの頃からか優子の事はマメって呼んでいたが…なんでだか理由は忘れた。
ぬいぐるみが動いてものを食べていることを除けば、行楽地でピクニックをしている様にしか見えない光景だが、ここは地球じゃないグランファミリアって名前の別の星で、小説や漫画にしか出てこないような魔物や魔獣が普通にいるらしい危険な場所だ。
現代日本とは違い、一般人が外を気軽に出歩けるような環境だとは思えない…
この瞬間だって、いつ襲われても不思議じゃない、そんな星で普通にピクニック…
「ぼんさん?ぼんさんは食べないの?」
もう一体の白熊のぬいぐるみ、でっかちゃん(ちゃんまでが名前だそうだ)がズボンを引っ張ってくる…が、そもそもどうやって動いてるんだ?
足元のぬいぐるみを持ち上げて触ってみるが、触れた感じは普通のぬいぐるみのモフモフ感程度で、骨格的なものは感じられない。
「どしたの?食べに行かないの?」
「ん?あ~…いいよ、食べてきな。」
「そう?じゃあ食べてくるね~」
でっかちゃんを下ろすと、トテトテと4本足で歩いて優子の所へ戻って行った。
(ナビさん、ぬいぐるみが動いてるのはなんで?)
『回答提示。大気内に含まれている魔素が作用し、無機物に生命が宿り生体化したものと考えられます。』
魔素による変質ってなんだ?
魔素なんて、地球には無かったものだし何が起きても不思議じゃないが…
ただ、なんかしっくりこないんだよな…
『推測情報。ナフタ様の悪ふざけである可能性を示唆します。』
ですよねー…
そっちの方が何倍も説得力があると思うんだよね。
この調子だと他にも仕掛けがありそうだけど…とりあえずは放置しておくことにした。
現状何か対策が出来るわけじゃないし、しろま達動くぬいぐるみがいても、食料が減る事以外困ることはないだろうし、それもストレージリングを貰えたおかげで、当初の用意数以上に持ってこれたから、暫くは問題なさそうだしね。
それよりも、ここでのんびりしていていいのかが正直分かんないんだよね。
(ナビさん、進行方向で出来るだけ安全な場所を教えて欲しい。可能なら日没まで余裕のある状態で到着したいんだけど、どこか無いかな?)
『回答提示。地形情報から判断した候補地点を提示します。距離は東方向に約15km、川沿いの岩場が適当と考えます。行程は5時間程度と想定、1時間以内に出発することをお勧めします。』
ふむ、頭の中に浮かんで来た候補地点は、元のルートと殆ど変わらなかった。強いて言うなら少し北寄りになったぐらいで、大きくズレないし大丈夫だと考えられる。
後は、途中で何も起きない事を祈るばかりだな。
「チョコうまうま。」
「ふふ♪楽しいね~♪」
「お菓子もいいけどさ、肉はないの?」
ナビさんとの脳内会議を終わらせ、優子達の方に視線を移すと、しろまはお菓子食いまくってるし、優子は笑ってるし、でっかちゃんは自由だし…
うん、まったく出発するつもりも危機感も感じられないな。
「おーい、いつまで休憩するんだ?少しでも進んでおかないとだから、そろそろ出発するぞ。」
「ん?そう?ちょっと待ってー」
優子は出していた板チョコを包み直してポケットに入れると、まだお菓子を食べているしろま達を抱き上げ、敷物を器用にストレージに収納する。
抱き上げるときに若干抵抗したように見えたが、食い意地の張ったぬいぐるみのしろまが、口の周りをチョコで汚しながら優子に聞く。
「散歩行くの?」
「ん。行こー」
会話だけ聞くと、本当に散歩に出かけるみたいに聞こえるから凄いよな。
もしかしたら俺が警戒し過ぎているだけかもしれな…
『緊急報告。敵性体が接近して来ます。注意して下さい。』
は?
ーーーー
今回少し短めです。
次回はその分長めです。
ご感想お待ちしております。
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