社内恋愛にご注意!!

ミミリン

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叔母から見た山根君

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私は里子。



今パリから日本に帰国しているの。



今日可愛い姪っ子のマコちゃんの同僚でぽんちゃんの恩人である山根君に会ってきた。


山根君を値踏みしたり査定する気はさらさらない。

と言いたいところだけど、私の可愛い姪っ子が私の目の前で苦しむ姿は見ていて辛かった過去がある。



自分が明るく振舞うことで何とかマコちゃんの気が軽くなるようにと配慮してきた。


だから、山根君と言う男の子に対してかなり失礼なやり方でこの場を作ったのは自覚している。

まだ見ぬ山根君、本当にごめんね。


これは叔母である私のわがままです。




そして、初めて会う山根君だが、びっくりするほど第一印象は良くなかった。


だって髪の毛がボサボサで髭ももじゃもじゃしてるから顔がどうなってるのか分かりにくい。



声もぼそぼそ話すから聞き取りづらくて何回か聞き返すほどだった。



お礼もかねて少しお高めのレストランに招待したから山根君、一応ジャケットは着てきたけどはっきり言ってファッションセンスは皆無だった。

背は高いしスタイルは悪くないから着こなしの問題なんだろう。



まあ、じゃあブランドで固めたファッションで登場されてもそれはそれで嫌なんだけどね。


そんなこんなで外見と初めの挨拶はイケてない男の子だったけど徐々にイメージを崩されていった。



マコちゃんが何でこんな浮世離れした人を好きになったか疑問だったけど、山根君の店員に対する振る舞いや食事のマナーなどはっきり言って完璧だった。


この子、お坊ちゃま?



国立の大学を卒業しているって事は頭も良いのよね。

確かに英語のメニューを見てうろたえながらも何となく料理のイメージをつけている感じだった。


食後ぽんちゃんを預けていたサロンのカフェでお茶をすることになった時もヒールで歩くマコちゃんの歩調を気にかけてたし正面からスマホを見て歩く通行人にマコちゃんとぶつかりそうに前に出てさりげなくかばっていた。



話の受け答えも聞き取りづらいけど、大切な話題の返答はまっすぐな声で返してくれていた。


緊張が少し解けてきた頃には穏やかにお互い話すことが出来る相手だった。



そしてそして、何よりぽんちゃんを慈しむ態度がものすごく好感をもてる子だった。


あの元カレ田所とは真逆と言っていいような男の子だ。



マコちゃんは山根君の事を好きなんだよね。


山根君も多分マコちゃんに好意を持っている気がする。


けど、二人とも奥手そうだなあ。


山根君がマコちゃんに遠慮している微妙な空気感もあった。


何と言うか好きなんだけど距離は保ってこれ以上近づかないような努力をしている感じ。


まあ、それくらいの方が良いのかも。

元カレがあれだからね。



ぽんちゃんに何かあった時のためにと理由こじをつけて私は山根君と連絡先を交換させてもらった。


山根君ならマコちゃんに何か起こっても助けてくれそうだし私にも相談してくれそうだったから。



山根君が私の同じマンションに住んでいるのも今となっては心強いな。



そう言うことで、山根君と会う時間が終わるときそっとマコちゃんに

「彼、いい子だね。マコちゃん頑張りなよ。」

とエールを送った。


あの受け身なマコちゃんが好きになる山根君、期待しているぞ。



日本での滞在中はお姉ちゃんに会いに行ったり仕事仲間と打ち合わせしたりペット可のホテルでぽんちゃんと一緒に過ごし充実した時間だった。



パリに戻ってからもマコちゃんは相変わらずぽんちゃんの動画や情報を送ってくれている。


本当に律儀でまじめな子。



だから絶対幸せになって欲しい。

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