社内恋愛にご注意!!

ミミリン

文字の大きさ
上 下
84 / 107

本音は会いたくない

しおりを挟む
先日平井さんからぽんちゃんの飼い主で平井さんの住んでいるマンションの持ち主、そして平井さんの叔母である里子さんという女性と会ってほしいと言われた。



本音を言えば会いたくない。



その里子さんがどうこうではなく、人付き合いが苦手だからだ。



会ったって何を話していいか分からない。


仕事であれば話す内容が決まっているからそこまで苦ではない。


いや、それでもかなりしんどい。


時々顧客から伝えたイメージが違うと何度も修正が入ってしまうこともしばしばある。


出来る限り絵に集中したいのが本音だ。


俺は、相手のイメージをくみ取るだけでじゃなく、あえて突き放したり言いくるめたり、おだてて仕事を進めるような芸当は出来ない。

声帯の衰えたぬりかべだ。





そんな俺と平井さんの親戚が会うって想像がつかない。



ぽんちゃんのお礼とか言ってるけど、可愛い姪っ子に近づく良からぬ男を見定めるためだろう。


なんせ、あの田所と同棲するのを許可した過去があるから次は慎重にいきたいんだろう。



俺はそんな土俵に立つ男じゃない。


平井さんの恋愛対象ではないからだ。



俺が女性ならこんな野暮ったい男はお断りだ。


自分で自分を分析していてちょっと嫌になるくらいに。



最近よく思う。


平井さんがデザイン課に異動してきてから、俺の生活がどんどん変わってきている。



健康的になったのは平井さんのおかげだ。


けど、怖さもある。


大吾の時以来人とここまで距離を縮めることがなかった俺は今の変化に追いついていない気がする。


今までさび付いて動きが鈍い歯車がごりごり動き始めて、今俺のコントロールできないスピードで回転し始めている感覚だ。



ちゃんと戒めておかないといけない。


俺は身の程をしっかりわきまえて調子に乗ってはいけないと。




平井さんの件は約束してしまったからパソコンの基本を教えることはするが、それで終わりにしよう。


ぽんちゃんのことや田所との事は平井さんに新しい彼氏ができれば解決するはずだ。


それまで平井さんが困らないように俺がつなぎでいるだけ。

つなぎというか、居れば多少マシくらいの存在だ。お母さんでも忠犬でも何でも良い。



里子さんと言う人には最低限の礼儀マナーで会えばいいだろう。もうすぐに切れる縁だし。



そういえば、ぽんちゃんを病院に連れて行ったあの日、平井さんがやけに自宅に招こうとしたりご飯を食べようとしたり一生懸命な気がした。



いつも落ち着いているイメージだったからちょっと驚いたけど、平井さんにあそこまで誘われて拒否できるわけもなく…。


俺って意志弱いな。



平井さん、義理が固いからああやって俺に色々とおもてなししてくれてるんだろうけど。


今後平井さんの彼氏候補がうじゃうじゃ出てくるだろうから、その頃にはさっとフェードアウトできるようにしておこう。


しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫と息子は私が守ります!〜呪いを受けた夫とワケあり義息子を守る転生令嬢の奮闘記〜

梵天丸
恋愛
グリーン侯爵家のシャーロットは、妾の子ということで本妻の子たちとは差別化され、不遇な扱いを受けていた。 そんなシャーロットにある日、いわくつきの公爵との結婚の話が舞い込む。 実はシャーロットはバツイチで元保育士の転生令嬢だった。そしてこの物語の舞台は、彼女が愛読していた小説の世界のものだ。原作の小説には4行ほどしか登場しないシャーロットは、公爵との結婚後すぐに離婚し、出戻っていた。しかしその後、シャーロットは30歳年上のやもめ子爵に嫁がされた挙げ句、愛人に殺されるという不遇な脇役だった。 悲惨な末路を避けるためには、何としても公爵との結婚を長続きさせるしかない。 しかし、嫁いだ先の公爵家は、極寒の北国にある上、夫である公爵は魔女の呪いを受けて目が見えない。さらに公爵を始め、公爵家の人たちはシャーロットに対してよそよそしく、いかにも早く出て行って欲しいという雰囲気だった。原作のシャーロットが耐えきれずに離婚した理由が分かる。しかし、実家に戻れば、悲惨な末路が待っている。シャーロットは図々しく居座る計画を立てる。 そんなある日、シャーロットは城の中で公爵にそっくりな子どもと出会う。その子どもは、公爵のことを「お父さん」と呼んだ。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

双子の事情

詩織
恋愛
顔がそっくりな私達。 好きな食べ物、好きな服、趣味、そして好きな人、全て同じな私達。 ずっと仲良くいたいけど、私はいつも複雑で…

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

不倫するクズ夫の末路 ~日本で許されるあらゆる手段を用いて後悔させる。全力で謝ってくるがもう遅い~

ネコ
恋愛
結婚してもうじき10年というある日、夫に不倫が発覚した。 夫は不倫をあっさり認め、「裁判でも何でも好きにしろよ」と開き直る。 どうやらこの男、分かっていないようだ。 お金を払ったら許されるという浅はかな誤解。 それを正し、後悔させ、絶望させて、破滅させる必要がある。 私は法律・不動産・経営・その他、あらゆる知識を総動員して、夫を破滅に追い込む。 夫が徐々にやつれ、痩せ細り、医者から健康状態を心配されようと関係ない。 これは、一切の慈悲なく延々と夫をぶっ潰しにかかる女の物語。 最初は調子に乗って反撃を試みる夫も、最後には抵抗を諦める。 それでも私は攻撃の手を緩めず、周囲がドン引きしようと関係ない。 現代日本で不倫がどれほどの行為なのか、その身をもって思い知れ!

処理中です...