社内恋愛にご注意!!

ミミリン

文字の大きさ
上 下
63 / 107

私もご一緒しても良いですよね

しおりを挟む
えっと、休憩室と談話室はここだったよね。


あーあ、何か地味な女ばっかり揃いもそろって集合してるじゃん。

あ、マコ先輩と滝野瀬さんだ!


「お疲れ様でーす!私も一緒にお弁当食べていですか?」


「え?瑠美ちゃん?」


「近藤さん?何で私たちとご飯食べるんですか?」


「瑠美だって毎回お店でランチ食べてるわけじゃないしい~今日は美味しそうなベーグル買ったからここで食べようと思ったの。この場所って社員なら誰でも使っていい場所でしょ?瑠美がここでご飯食べるのはおかしい話じゃないでしょ。」


「…。う、うん。そうだけど…。」


ははは、マコ先輩めっちゃ嫌そうな顔してる。


「って事でお二人の席に座らせてもらいまーす!あ、二人とも手作り弁当だ。なになにお母さんに作って貰たんですか?いいですね、生活感が丸出しって感じで。」


マコ先輩のお弁当なんてほんと地味だわ。まあ、滝野瀬さんのお弁当は何かお洒落よね。生意気。


「ああ、昨日食べきれなかったおかず入れちゃったからなかな。一人分の食事って難しいからお弁当で量を調整しないといけないの。」


マコ先輩が困ったように笑った後、自分の手で自分の口を閉ざそうとしていた。

自分が余計なこと喋ったと思ったみたい。


「へええええ?一人分の料理ですか?じゃあ、今一人暮らしなんですね?ふうううん。しかも一人分の料理って事は一緒に暮らしている人もいないんだ。あれ?でもこの前私には待っている大切な存在がどうのこうのって会議で言ってましたよね?あれ、男じゃないんだ。もしかしてペット?やだやだ、失恋の痛みをペットで癒してもらってる系ですか?ちょっとかわいそう…。」


「…。」


「あ、もしかして図星?すみませええん。瑠美、思った事すぐ口に出しちゃうんです。何かサバサバ系っていうか~。で、どこに住んでるんですか?滝野瀬さんは家に入れてもらったんでしょ。私も招待してほしいな。」


「あの家は…。」



「うんうん。あの家は?」



「やめましょう。何か取調室みたいで気分が悪いです。私、自分のデスクで食べるのでマコさんも今日はそうしませんか?」


「え、あ、そうだね。うん。私ももう戻るね。瑠美ちゃんはここで食べたらいいよ。」


「はあ?何それ?せっかく瑠美が来てあげたのに瑠美だけ仲間はずれにするの?嫌がらせ?あ、職場いじめだ。」


「近藤さん、この会話周りの職員さんも聞こえてますよ。近藤さんの発言が昼休憩時の不快感になってるんです。分かりませんか?」


はあ?そんなことないでしょ?だって周りは地味で大人しい女ばっかりじゃない。

訳分かんない本読んでたり、ダサい編み物したりしてるだけじゃん。


私は周りを見渡した。


多方向から視線が刺さる。明らかに迷惑そうな敵意のある視線だ。


「な、なによ。滝野瀬さんがそう言うこと言うから注目されちゃったじゃない。やめてよ。」


「私が発言する前から、マコさんを尋問してるときからずっと迷惑でしたよ。」


「さっきからあんた、本当に生意気だよね。パートのくせに正社員に盾突くとどうなるか分かってんの?あんたの部署はね全員私の味方なの!気を付けた方が良いよ。」


「え?やだ、怖い。それって脅しですか?どうしよう…。」


「だ~か~ら~、そうやって被害者ぶるのやめてくれる?本当に性格悪い女。」


「性格が悪いだなんて…。」


「もう、席を外そうめぐちゃん。じゃあ、お騒がせしました。」


そう言ってマコ先輩と滝野瀬さんは退室した。


あーあ。もうちょっとでマコ先輩の情報吐かせられたのにな~。

あの生意気なパートのせいで無理だったじゃん。


まだ周囲は私への視線が集まっている。何なのよ、見世物じゃないっつーの。


「あーあ、食べる気失せた!このベーグル固すぎて美味しくないし!もういらない!」

一口かじっただけのベーグルをゴミ箱に捨てて私も退室した。



今日分かったことはマコ先輩に彼氏は居ないって事だけだ。


まあ、それだけでも笑いが込みあがっちゃう。


あーあ、みじめなマコ先輩。


綺麗になるのも彼氏が欲しくて必死な感じなのかもね。

やっぱり瑠美の方が幸せだわ。またこうやってじわじわお弁当を一緒に食べましょう作戦で突撃してやろう。



やっぱり私ってあったま良い!

しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

日給10万の結婚〜性悪男の嫁になりました〜

橘しづき
恋愛
 服部舞香は弟と二人で暮らす二十五歳の看護師だ。両親は共に蒸発している。弟の進学費用のために働き、貧乏生活をしながら貯蓄を頑張っていた。  そんなある日、付き合っていた彼氏には二股掛けられていたことが判明し振られる。意気消沈しながら帰宅すれば、身に覚えのない借金を回収しにガラの悪い男たちが居座っていた。どうやら、蒸発した父親が借金を作ったらしかった。     その額、三千万。    到底払えそうにない額に、身を売ることを決意した途端、見知らぬ男が現れ借金の肩代わりを申し出る。    だがその男は、とんでもない仕事を舞香に提案してきて……  

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

処理中です...