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酔って覚えてない
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家に帰ってから、義明がストックしているビールやお酒も拝借する。
発泡酒じゃなくてビールをちゃんと買うってのがお金の余裕を感じるわ。
あ、このワイン気になってたやつだ。今日は飲んじゃえ!
お酒を飲んで配信を見たりして人事の同期の返信を待っていた。
「おっそいなあ。ちょっと調べるだけでどんだけ時間かかってんのよ。」
『ピロン』と着信が鳴った。
「ああ、やっと来たか。待たせすぎだっての。」私は画面を開ける。
『ごめん。職員の住所を含めた個人情報を閲覧するにはパスワードが必要になってたの。私のIDでは権限がなくて無理だった。それにね、清水部長にアクセスしようとしたのがバレてさっきまですごい怒られちゃった。これ以上私は平井さんの個人情報は探せない。外科医の紹介は気になったけどこれ以上清水部長に目を付けられると本当にやばいから諦めて。』
「うっそ。ええ~どんだけ能無しなの?信じらんない。」
『私の依頼で調べたって言ってないよね?』
『言ってないよ。安心して。』
『なら良いけど。じゃあ紹介はなし。期待して損した。もういい。』
『なんか、あなたってすごい性格悪いね。こっちこそもういいわ。』
「あ!この子私の事ブロックした!特に可愛くもないし役にも立ってないくせに腹立つ~~。」
あ~~!!!何で私がこんな目に遭わないといけないのよ!これもそれも全部マコ先輩のせいじゃん!!こうなったら飲むしかない!!
私は義明のお酒をさらに追加で拝借した。
途中から酔いが回ったのかぼんやりしてきた。
そう思ってたら義明が仕事から帰ってきた。義明になぐさめてもらおう。
「義明、聞いてよ。みんなが私の事ひどい扱いするんだけど。今日見てたでしょ?」
「ああ、何か俺の後に色々言われたみたいだなってうわ!お前酒くさっ!しかも部屋汚いし俺の酒勝手に飲んでるし。勘弁してくれよ…。」
「ね~え!義明私の事好き?好きだよね?そろそろ結婚の話とか進めようよ。」
「はあ?何で俺がお前と結婚する話になってんだよ。勝手に決めんなよ。ってかさ俺まだ酒代とか返してもらってないのに勝手に飲むとか非常識すぎ。」
「酒代を返す?意味不明なんだけど。」
「だーかーらー、前にも言っただろ?俺が家賃負担で後の生活費は全部瑠美もちなんだって。このビールとかワインは食費から出る訳。だから俺レシート渡すから瑠美が俺にお金を返すことになってるんだよ。」
「え?私このストックしてるお酒全然飲んでないよ。何で私が負担しなくちゃいけないの?」
「マコの時にそう決めたの。マコは何にも言わなかったぞ。瑠美のその反応の方が意味不明なんだけど。」
「だって…義明の実家ってお金持ちなんでしょう?何で彼女にそんなせこい事言うの?」
「せこいって…。当り前の話だろ。マコはそれで良かったんだよ。あとさあ、そろそろ飯作れよ。俺外食ばっかりなんだぜ。それも瑠美に請求するつもりだから。」
「ちょ、ちょ、ちょっと待って。何で私がご飯作らないといけないの?しかも、何で私が義明の外食費を支払わないといけないわけ?」
「あのなあ、同棲してるカップルってこういうもんだろ?お前どんだけ世間知らずなんだよ。あ!あと光熱費も口座申請しておけよ。この前はがきが来て俺が振り込んだんだからな。」
「え?光熱費とか水道代の口座ってどこにあるの?出しといてよ。」
「だから!何回も言わせるなよ。瑠美の口座から引き落としにするの!何で何で聞くなよ。これはマコとの生活で決まったんだ。お前は後から来たんだからそれに従えばいいんだから余計な事をギャーギャー言うな。」
「な、な、な…。」開いた口が塞がらない。
「それに、瑠美にはもっとやってもらわないといけない事あるからな。ほら、そこのパソコンあるだろ?あれで俺の外勤営業用の資料を作ってもらわなくちゃいけないんだ。そろそろ生活も慣れてきただろうし化粧の研究で鏡見る時間あるってことは暇って事だろ?そっちもスタート切ってもらうからな。」
「はあ?このパソコンって義明のでしょ?こんなプロが使うようなの私触ったこともないんだけど。何言っちゃてんの?」
「おい…嘘だろ?マコはさっさと資料作ってたぞ。お前マコより優秀って言ってたよな?こんなパソコンくらい操作出来るんだろ?」
「義明さっきから何言ってんの?ん?義明の顔も二人分になってきてるぞ?んんんん?」
「瑠美…飲みすぎだ。俺、頭痛くなってきた。先寝るわ。夜中起きてシャワー浴びるなよ音で起こされるの嫌だから。じゃあな。」
そう言って義明は自分の部屋にとぼとぼ入っていった。
私はこの一連の会話をあまり覚えていない。
朝起きたらリビングのソファだった。そのまま寝ちゃってたみたい。
メイク落としてないから悲惨な事になってる…。
義明がベッドに連れて行ってくれてもいいのに私放置されてたって事?
昨日、料理がどうとかパソコンがどうとかやたらとマコ先輩ってキーワードが出てた気がするけど思い出しても良い事なさそうだった。
だから朝に義明の顔見たとき昨日の夜の事は掘り返さなかった。
なーんかすっごく機嫌悪そうだったし。
まあ、物事はポジティブに考えなくちゃね。そうそう、いい女はいつだって前向きなんだから。
マコ先輩や滝野瀬さんなんかに負けてたまるか。
そういえば、滝野瀬さんとマコ先輩って前に私が追い出された休憩室か隣の談話室でお弁当食べてるんだよね。
ふふふっ良いこと思いついた!
発泡酒じゃなくてビールをちゃんと買うってのがお金の余裕を感じるわ。
あ、このワイン気になってたやつだ。今日は飲んじゃえ!
お酒を飲んで配信を見たりして人事の同期の返信を待っていた。
「おっそいなあ。ちょっと調べるだけでどんだけ時間かかってんのよ。」
『ピロン』と着信が鳴った。
「ああ、やっと来たか。待たせすぎだっての。」私は画面を開ける。
『ごめん。職員の住所を含めた個人情報を閲覧するにはパスワードが必要になってたの。私のIDでは権限がなくて無理だった。それにね、清水部長にアクセスしようとしたのがバレてさっきまですごい怒られちゃった。これ以上私は平井さんの個人情報は探せない。外科医の紹介は気になったけどこれ以上清水部長に目を付けられると本当にやばいから諦めて。』
「うっそ。ええ~どんだけ能無しなの?信じらんない。」
『私の依頼で調べたって言ってないよね?』
『言ってないよ。安心して。』
『なら良いけど。じゃあ紹介はなし。期待して損した。もういい。』
『なんか、あなたってすごい性格悪いね。こっちこそもういいわ。』
「あ!この子私の事ブロックした!特に可愛くもないし役にも立ってないくせに腹立つ~~。」
あ~~!!!何で私がこんな目に遭わないといけないのよ!これもそれも全部マコ先輩のせいじゃん!!こうなったら飲むしかない!!
私は義明のお酒をさらに追加で拝借した。
途中から酔いが回ったのかぼんやりしてきた。
そう思ってたら義明が仕事から帰ってきた。義明になぐさめてもらおう。
「義明、聞いてよ。みんなが私の事ひどい扱いするんだけど。今日見てたでしょ?」
「ああ、何か俺の後に色々言われたみたいだなってうわ!お前酒くさっ!しかも部屋汚いし俺の酒勝手に飲んでるし。勘弁してくれよ…。」
「ね~え!義明私の事好き?好きだよね?そろそろ結婚の話とか進めようよ。」
「はあ?何で俺がお前と結婚する話になってんだよ。勝手に決めんなよ。ってかさ俺まだ酒代とか返してもらってないのに勝手に飲むとか非常識すぎ。」
「酒代を返す?意味不明なんだけど。」
「だーかーらー、前にも言っただろ?俺が家賃負担で後の生活費は全部瑠美もちなんだって。このビールとかワインは食費から出る訳。だから俺レシート渡すから瑠美が俺にお金を返すことになってるんだよ。」
「え?私このストックしてるお酒全然飲んでないよ。何で私が負担しなくちゃいけないの?」
「マコの時にそう決めたの。マコは何にも言わなかったぞ。瑠美のその反応の方が意味不明なんだけど。」
「だって…義明の実家ってお金持ちなんでしょう?何で彼女にそんなせこい事言うの?」
「せこいって…。当り前の話だろ。マコはそれで良かったんだよ。あとさあ、そろそろ飯作れよ。俺外食ばっかりなんだぜ。それも瑠美に請求するつもりだから。」
「ちょ、ちょ、ちょっと待って。何で私がご飯作らないといけないの?しかも、何で私が義明の外食費を支払わないといけないわけ?」
「あのなあ、同棲してるカップルってこういうもんだろ?お前どんだけ世間知らずなんだよ。あ!あと光熱費も口座申請しておけよ。この前はがきが来て俺が振り込んだんだからな。」
「え?光熱費とか水道代の口座ってどこにあるの?出しといてよ。」
「だから!何回も言わせるなよ。瑠美の口座から引き落としにするの!何で何で聞くなよ。これはマコとの生活で決まったんだ。お前は後から来たんだからそれに従えばいいんだから余計な事をギャーギャー言うな。」
「な、な、な…。」開いた口が塞がらない。
「それに、瑠美にはもっとやってもらわないといけない事あるからな。ほら、そこのパソコンあるだろ?あれで俺の外勤営業用の資料を作ってもらわなくちゃいけないんだ。そろそろ生活も慣れてきただろうし化粧の研究で鏡見る時間あるってことは暇って事だろ?そっちもスタート切ってもらうからな。」
「はあ?このパソコンって義明のでしょ?こんなプロが使うようなの私触ったこともないんだけど。何言っちゃてんの?」
「おい…嘘だろ?マコはさっさと資料作ってたぞ。お前マコより優秀って言ってたよな?こんなパソコンくらい操作出来るんだろ?」
「義明さっきから何言ってんの?ん?義明の顔も二人分になってきてるぞ?んんんん?」
「瑠美…飲みすぎだ。俺、頭痛くなってきた。先寝るわ。夜中起きてシャワー浴びるなよ音で起こされるの嫌だから。じゃあな。」
そう言って義明は自分の部屋にとぼとぼ入っていった。
私はこの一連の会話をあまり覚えていない。
朝起きたらリビングのソファだった。そのまま寝ちゃってたみたい。
メイク落としてないから悲惨な事になってる…。
義明がベッドに連れて行ってくれてもいいのに私放置されてたって事?
昨日、料理がどうとかパソコンがどうとかやたらとマコ先輩ってキーワードが出てた気がするけど思い出しても良い事なさそうだった。
だから朝に義明の顔見たとき昨日の夜の事は掘り返さなかった。
なーんかすっごく機嫌悪そうだったし。
まあ、物事はポジティブに考えなくちゃね。そうそう、いい女はいつだって前向きなんだから。
マコ先輩や滝野瀬さんなんかに負けてたまるか。
そういえば、滝野瀬さんとマコ先輩って前に私が追い出された休憩室か隣の談話室でお弁当食べてるんだよね。
ふふふっ良いこと思いついた!
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