10 / 107
モテるマコ
しおりを挟む
そうなのだ。マコはモテていた。
男慣れしてなくて世間知らずで人を疑うことがないマコが誰かのモノになるのなんてあっという間だろう。
俺はマコの評判を聞くたび焦っていた。
ちょうど俺はマコと同じ部署だから仕事上絡みも多い。
マコが困っていたら率先してマコの相談係を引き受けた。
丁寧に優しく仕事を教えてやるとマコはちょっと顔を赤らめてオドオドしていた。
これは結構脈ありだな。
急激に距離を縮めると男慣れしていないマコは怖がるだろうから、しばらくこれでもかって言う位親切で紳士的な態度で接した。
大分俺に信頼を寄せるようになったマコは二人きりで飲みに誘っても警戒せずむしろ嬉しそうに応じてくれるようになった。
マコの中で俺は他の職場の男どもより特別な存在にはなっているはずだ。
あと一押しでマコを俺のモノにする。
そんな時、絶好のチャンスが回って来た。
別の部署の男がマコに無理やり迫っているとこに出くわしたんだ。
「あの、マコちゃん!おれ、君が入社してからずっと君を見ていたんだ!君は僕の理想の女性だ!結婚を前提に付き合ってくれ!そしておれたち二人の可愛い子供を作ろう!ね!おれと君となら絶対上手くいくから!」
と鼻息荒くマコに詰め寄ろうとしている。
気持ち悪い男だな。
まあ、男なんて考えていることほぼ一緒だろうけどこいつはバカだな。余計嫌われるぞ。
しかし、この状況上手く利用できそうだな…。
「お取込み中ごめんね。君他の部署の男の子だよね。うちの部の女の子に何か用?」スマートに登場する俺。
「ちょ、ちょっと。今おれがマコさんに大切な話をしているのに邪魔しないでくださいよ!迷惑です!」男はうっとうしそうに俺を見る。
「ん~。けど平井さん怖がっているよ。ねえ平井さん。」
マコは怖くて声が出ないのか青ざめた顔をして何とか頷いていた。
こんなきもい告白なんてまともに受けるなよ。本当に経験ないんだな。ここは頼れるカッコいい俺の演出だな。
「なあ、自分が好きなら相手も絶対好きで、受け入れてもらえるって認識おかしいぞ。
それにな、平井さんは俺の大切な女性なんだ。お前みたいな男に渡すつもりはない!次、今みたいに強引に平井さんに近づいたらただじゃおかないからな。」マコにも聞こえるようにかっこよく言ってやった。
「お前みたいなきもい男、いつだって潰してやるよ。」
最後は男の耳元でつぶやく。もう面倒だから近づくんじゃないぞ。
男は泣きそうな顔で俺とマコを見る。何か言いたいようだが、どう見ても俺の方が花形の部署で顔もカッコいい。この会社での立場は俺が上だ。
男は口をパクパクさせながら、無言で逃げて行った。
「ふう。気持ち悪い奴だったね。平井さん大丈夫?」
マコを見ると、まだ顔が青ざめていた。あんななまっちょろい告白でショック受けるなんてどこまでお花畑で生きて来たんだよ。まあ、これは更に好都合だな。
「平井さん、顔がすごく青いよ。とても怖かったんだね。もう大丈夫だよ。次あんなことがあったらすぐ俺に相談して。さっきも言ったように俺にとって平井さんはすごく大切な女性だから。平井さんが怖い思いをするのは俺も辛いんだ。男はみんなあんなんだと思わないでほしい。俺は違うから…。」
「た、田所さん…。ありがとうございます。ごめんなさい。巻き込んじゃって…。私あんな風に男の人に言い寄られたことなかったからびっくりして体が固まってしまいました。ああ怖かった…。」マコの目からポロポロと涙が流れていた。
あーあ、泣いちゃっているよ。ここは頼りがいのある男バージョンでと落とすか。
男慣れしてなくて世間知らずで人を疑うことがないマコが誰かのモノになるのなんてあっという間だろう。
俺はマコの評判を聞くたび焦っていた。
ちょうど俺はマコと同じ部署だから仕事上絡みも多い。
マコが困っていたら率先してマコの相談係を引き受けた。
丁寧に優しく仕事を教えてやるとマコはちょっと顔を赤らめてオドオドしていた。
これは結構脈ありだな。
急激に距離を縮めると男慣れしていないマコは怖がるだろうから、しばらくこれでもかって言う位親切で紳士的な態度で接した。
大分俺に信頼を寄せるようになったマコは二人きりで飲みに誘っても警戒せずむしろ嬉しそうに応じてくれるようになった。
マコの中で俺は他の職場の男どもより特別な存在にはなっているはずだ。
あと一押しでマコを俺のモノにする。
そんな時、絶好のチャンスが回って来た。
別の部署の男がマコに無理やり迫っているとこに出くわしたんだ。
「あの、マコちゃん!おれ、君が入社してからずっと君を見ていたんだ!君は僕の理想の女性だ!結婚を前提に付き合ってくれ!そしておれたち二人の可愛い子供を作ろう!ね!おれと君となら絶対上手くいくから!」
と鼻息荒くマコに詰め寄ろうとしている。
気持ち悪い男だな。
まあ、男なんて考えていることほぼ一緒だろうけどこいつはバカだな。余計嫌われるぞ。
しかし、この状況上手く利用できそうだな…。
「お取込み中ごめんね。君他の部署の男の子だよね。うちの部の女の子に何か用?」スマートに登場する俺。
「ちょ、ちょっと。今おれがマコさんに大切な話をしているのに邪魔しないでくださいよ!迷惑です!」男はうっとうしそうに俺を見る。
「ん~。けど平井さん怖がっているよ。ねえ平井さん。」
マコは怖くて声が出ないのか青ざめた顔をして何とか頷いていた。
こんなきもい告白なんてまともに受けるなよ。本当に経験ないんだな。ここは頼れるカッコいい俺の演出だな。
「なあ、自分が好きなら相手も絶対好きで、受け入れてもらえるって認識おかしいぞ。
それにな、平井さんは俺の大切な女性なんだ。お前みたいな男に渡すつもりはない!次、今みたいに強引に平井さんに近づいたらただじゃおかないからな。」マコにも聞こえるようにかっこよく言ってやった。
「お前みたいなきもい男、いつだって潰してやるよ。」
最後は男の耳元でつぶやく。もう面倒だから近づくんじゃないぞ。
男は泣きそうな顔で俺とマコを見る。何か言いたいようだが、どう見ても俺の方が花形の部署で顔もカッコいい。この会社での立場は俺が上だ。
男は口をパクパクさせながら、無言で逃げて行った。
「ふう。気持ち悪い奴だったね。平井さん大丈夫?」
マコを見ると、まだ顔が青ざめていた。あんななまっちょろい告白でショック受けるなんてどこまでお花畑で生きて来たんだよ。まあ、これは更に好都合だな。
「平井さん、顔がすごく青いよ。とても怖かったんだね。もう大丈夫だよ。次あんなことがあったらすぐ俺に相談して。さっきも言ったように俺にとって平井さんはすごく大切な女性だから。平井さんが怖い思いをするのは俺も辛いんだ。男はみんなあんなんだと思わないでほしい。俺は違うから…。」
「た、田所さん…。ありがとうございます。ごめんなさい。巻き込んじゃって…。私あんな風に男の人に言い寄られたことなかったからびっくりして体が固まってしまいました。ああ怖かった…。」マコの目からポロポロと涙が流れていた。
あーあ、泣いちゃっているよ。ここは頼りがいのある男バージョンでと落とすか。
0
お気に入りに追加
56
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

恋とキスは背伸びして
葉月 まい
恋愛
結城 美怜(24歳)…身長160㎝、平社員
成瀬 隼斗(33歳)…身長182㎝、本部長
年齢差 9歳
身長差 22㎝
役職 雲泥の差
この違い、恋愛には大きな壁?
そして同期の卓の存在
異性の親友は成立する?
数々の壁を乗り越え、結ばれるまでの
二人の恋の物語
こじらせ女子の恋愛事情
あさの紅茶
恋愛
過去の恋愛の失敗を未だに引きずるこじらせアラサー女子の私、仁科真知(26)
そんな私のことをずっと好きだったと言う同期の宗田優くん(26)
いやいや、宗田くんには私なんかより、若くて可愛い可憐ちゃん(女子力高め)の方がお似合いだよ。
なんて自らまたこじらせる残念な私。
「俺はずっと好きだけど?」
「仁科の返事を待ってるんだよね」
宗田くんのまっすぐな瞳に耐えきれなくて逃げ出してしまった。
これ以上こじらせたくないから、神様どうか私に勇気をください。
*******************
この作品は、他のサイトにも掲載しています。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる