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2人の目標
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タイムセールで安く買えた食材で健康的なごはんを作り、よし君に頼まれた資料つくりに取り掛かる。
ああ、もうそろそろ21時か…。今日は一人でご飯食べよう。
本当は、この鮭の切り身すごく安く買えたんだよ。
とか味つけ上手にできたんだよ。とかよし君と話しながら食べられたらいいんだけどな…。
寂しいけど、仕事だもん仕方がないか。
もう料理は冷めちゃってるけど、一人分を温めるのも面倒だし時間も時間だから冷めた状態で食べよう。
2人分用意したご飯だけど、一人でテレビを見ながらもそもそと食べる。
よし君は終電で何とか帰って来たみたいで、帰宅は0時を回っていた。
得意先でお酒に誘われたらしく、お酒の匂いと少し香水の匂いもした。
「ああ、マコただいま~。あの得意先の部長すぐ俺を誘ってお気に入りの子がいるキャバクラに連れて行くんだよ。俺は興味ないんだけどな。ああ、疲れた。お水もらえる?」
私は部屋でウトウトしていたけど、帰って来たよし君のスーツをハンガーにかけ、コップにお水を入れてソファにダイブしたよし君に持って行った。
「はあ、疲れた…。もう今日は寝るわ。パジャマ出しておいてくれる?」
「う、うん。タンスに入れているよ。シャワーしなくても大丈夫?」
「ああ、明日は別の得意先に直接自宅から行くから朝の11時位までゆっくり出来る。
朝にシャワーするよ。マコはいつも通りの出勤だろ?スーツ出しておいてくれな。」
「え?明日現地着だったの?」
「そうだよ。だからゆっくり寝るわ。あ、そっか。マコに頼んでた資料あったよな。明日それ見とくから出しといて。そのまま使えそうだったら使うし、修正あれば赤ペンで添削しとくから。ほら、この前マコ商品の年数間違ってただろ?ああいうの困るから慎重に作ってくれよ。」
「え、あ、うん…。ご、ごめんね。」
「いいよ、俺が事前に気づいたから良かった。次、気を付けてくれたら良いから。」
「あ、ありがとう…。」
何となく私の心がモヤっとした。
他の営業さんは自分で資料をまとめているのは知っている。内勤の仕事はここまで含まれない。
けど、私はよし君の彼女で、これはプライベートで私が納得してやってることだもの。
よし君が出世してくれたら私の将来にも大きくかかわることだから。だから一生懸命サポートしようって決めたことだから。
「じゃあ、私もう寝るね。おやすみ。」
「ああ、じゃあな。あ、このコップ下げといて。」
「うん。」
お水を飲み干したよし君のコップをシンクに置いて私は自分の部屋のベッドに戻った。
朝、よし君のために作った資料を机に置き、昨日食べてもらえなかった夜ご飯をお弁当箱とスープジャーに入れてよし君を起こさないよう身なりをひっそりと整えて自宅を出た。
以前、髪の毛をブローしていたら昨日みたいに前日飲んでいたよし君にうるさいと怒られてしまった。
だからここ二年くらいはずっと髪の毛は一つにゴムでくくるだけ。
昔はコスメとか服もこだわりがあったからデパートで新作を買ってたけど同棲を始めてからはあんまり買ってないなあ…。
会社は割と大手だから給料が少ないわけじゃない。
家賃はよし君が払ってくれている。
光熱費、水道代、食費、雑費は私の担当。
よし君結構食べるし同じメニューとかお惣菜い嫌がるから何だかんだ食費がかさむんだよね。
ビールも箱買いしないとすぐなくなっちゃうんだ。
よし君の部屋はずっとエアコンつけているから電気代もすごい料金になってきた、何よりここ最近の物価高が本当につらい…。よし君はあんまり分かっていないみたいだけど。
けど、結婚式挙げるために頑張って貯金してるから仕方がないか。
そうなのだ。私は親に大学費を出してもらったけど、よし君は奨学金を借りていたから貯金がないのだ。
と言っても、大手の企業だからすぐ返せるものなんじゃないかと思ったんだけど、よし君はあればあるだけお金を使ってしまう人のようで、私が出会ったときはまだ返済が終わらず滞納している状態だったのだ。
お金の使い道は後輩の悩みを聞くために飲みに行ったり、パーソナルスポーツジムで担当のインストラクターをつけてもらったりとギャンブルに使っているわけではなかった。
(ビールを飲んでいるのは矛盾している気がするけど、飲みたいから鍛えるという理論らしい。)
いつも爽やかで、クールな憧れだったよし君が実は少年のようなおっちょこちょいな性格と知って私は逆に嬉しかったんだよね。
それに、奨学金の返済を打ち明けてくれたのも嬉しかった。
だから一緒に返そう!って言ったらすごくよし君喜んでくれたな。
私も何と言うか…お金の事を共有するってすごく深い関係で将来結婚して夫婦になるために必要なミッションみたいな気持ちになったんだ。
だからよし君は家賃と奨学金の返済でお給料を使い、私は二人分の生活費と結婚式の費用貯金でお給料をやりくりしている。
奨学金の返済がもうゴールが見えつつあるから、これから結婚して二人で仕事を続ければお金に余裕が出てくるはず。辛いのは今だけ。
二人なら乗り越えられるもの。
ああ、もうそろそろ21時か…。今日は一人でご飯食べよう。
本当は、この鮭の切り身すごく安く買えたんだよ。
とか味つけ上手にできたんだよ。とかよし君と話しながら食べられたらいいんだけどな…。
寂しいけど、仕事だもん仕方がないか。
もう料理は冷めちゃってるけど、一人分を温めるのも面倒だし時間も時間だから冷めた状態で食べよう。
2人分用意したご飯だけど、一人でテレビを見ながらもそもそと食べる。
よし君は終電で何とか帰って来たみたいで、帰宅は0時を回っていた。
得意先でお酒に誘われたらしく、お酒の匂いと少し香水の匂いもした。
「ああ、マコただいま~。あの得意先の部長すぐ俺を誘ってお気に入りの子がいるキャバクラに連れて行くんだよ。俺は興味ないんだけどな。ああ、疲れた。お水もらえる?」
私は部屋でウトウトしていたけど、帰って来たよし君のスーツをハンガーにかけ、コップにお水を入れてソファにダイブしたよし君に持って行った。
「はあ、疲れた…。もう今日は寝るわ。パジャマ出しておいてくれる?」
「う、うん。タンスに入れているよ。シャワーしなくても大丈夫?」
「ああ、明日は別の得意先に直接自宅から行くから朝の11時位までゆっくり出来る。
朝にシャワーするよ。マコはいつも通りの出勤だろ?スーツ出しておいてくれな。」
「え?明日現地着だったの?」
「そうだよ。だからゆっくり寝るわ。あ、そっか。マコに頼んでた資料あったよな。明日それ見とくから出しといて。そのまま使えそうだったら使うし、修正あれば赤ペンで添削しとくから。ほら、この前マコ商品の年数間違ってただろ?ああいうの困るから慎重に作ってくれよ。」
「え、あ、うん…。ご、ごめんね。」
「いいよ、俺が事前に気づいたから良かった。次、気を付けてくれたら良いから。」
「あ、ありがとう…。」
何となく私の心がモヤっとした。
他の営業さんは自分で資料をまとめているのは知っている。内勤の仕事はここまで含まれない。
けど、私はよし君の彼女で、これはプライベートで私が納得してやってることだもの。
よし君が出世してくれたら私の将来にも大きくかかわることだから。だから一生懸命サポートしようって決めたことだから。
「じゃあ、私もう寝るね。おやすみ。」
「ああ、じゃあな。あ、このコップ下げといて。」
「うん。」
お水を飲み干したよし君のコップをシンクに置いて私は自分の部屋のベッドに戻った。
朝、よし君のために作った資料を机に置き、昨日食べてもらえなかった夜ご飯をお弁当箱とスープジャーに入れてよし君を起こさないよう身なりをひっそりと整えて自宅を出た。
以前、髪の毛をブローしていたら昨日みたいに前日飲んでいたよし君にうるさいと怒られてしまった。
だからここ二年くらいはずっと髪の毛は一つにゴムでくくるだけ。
昔はコスメとか服もこだわりがあったからデパートで新作を買ってたけど同棲を始めてからはあんまり買ってないなあ…。
会社は割と大手だから給料が少ないわけじゃない。
家賃はよし君が払ってくれている。
光熱費、水道代、食費、雑費は私の担当。
よし君結構食べるし同じメニューとかお惣菜い嫌がるから何だかんだ食費がかさむんだよね。
ビールも箱買いしないとすぐなくなっちゃうんだ。
よし君の部屋はずっとエアコンつけているから電気代もすごい料金になってきた、何よりここ最近の物価高が本当につらい…。よし君はあんまり分かっていないみたいだけど。
けど、結婚式挙げるために頑張って貯金してるから仕方がないか。
そうなのだ。私は親に大学費を出してもらったけど、よし君は奨学金を借りていたから貯金がないのだ。
と言っても、大手の企業だからすぐ返せるものなんじゃないかと思ったんだけど、よし君はあればあるだけお金を使ってしまう人のようで、私が出会ったときはまだ返済が終わらず滞納している状態だったのだ。
お金の使い道は後輩の悩みを聞くために飲みに行ったり、パーソナルスポーツジムで担当のインストラクターをつけてもらったりとギャンブルに使っているわけではなかった。
(ビールを飲んでいるのは矛盾している気がするけど、飲みたいから鍛えるという理論らしい。)
いつも爽やかで、クールな憧れだったよし君が実は少年のようなおっちょこちょいな性格と知って私は逆に嬉しかったんだよね。
それに、奨学金の返済を打ち明けてくれたのも嬉しかった。
だから一緒に返そう!って言ったらすごくよし君喜んでくれたな。
私も何と言うか…お金の事を共有するってすごく深い関係で将来結婚して夫婦になるために必要なミッションみたいな気持ちになったんだ。
だからよし君は家賃と奨学金の返済でお給料を使い、私は二人分の生活費と結婚式の費用貯金でお給料をやりくりしている。
奨学金の返済がもうゴールが見えつつあるから、これから結婚して二人で仕事を続ければお金に余裕が出てくるはず。辛いのは今だけ。
二人なら乗り越えられるもの。
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