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契約の件
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今日の朝、デイビット様と私が作った朝食をとっていると珍しく、夜に話があるからデイビット様のお部屋に来るよう依頼された。
何だろう?ああ、あの件の事かな?
この屋敷に来て私ばかり勉強の機会を作ってもらったり、マナーやダンスを教えてもらったりでギブ&テイクのギブしかもらってないのは気になってたんだよね。
私意外と乙女なのか、朝にデイビット様と朝食をとるだけでもドキドキわくわくして無茶苦茶楽しいんだよなあ。
これが恋煩いか?
お世話になっている大好きなデイビット様に与えられるものは何だって協力するって決めてるんだ。
それがちょっと切ない方法でも…。
夜、デイビット様が仕事から帰ってきたので部屋に行かせてもらった。
執務室は入ったことあるけど、デイビット様個人の部屋に入るのは初めてだ。
夫なんだけどね。
何と言うか、ザ・大人の男部屋って感じだった。シックな家具で統一されていて無駄なものがなく、いい匂いのするかっこいい部屋だった。
前妻さんの思い出の品であふれてるのかな?
と思いきや一つもそれっぽいものはない。
ま、色々あったのかな?詮索は良くないし私はデイビット様の役に立てれば何でもいいや。
そうだ、自分からこの話題をちゃんと切り出そう。
「デイビット様、この屋敷に来てから、私はずっとデイビット様に感謝をし続けています。
なので、この感謝を何かの形で報いたいと思っています。
その方法は以前お話にあったように私が世間で悪く言われるようなものでも構いませんので、デイビット様の思うように私を使ってください。」
デイビット様は少し驚いた表情をしていた。
「…。ああ、ありがとうエレノア。そうなんだ。その件を話し合いたいと思っていたんだ。君から切り出してくれるなんて思っていなかったから少し驚いたな。」
「いえいえ。隣に執事さんが居ますが具体的に話を出しても良いですか?」
「ああ、大丈夫だ。彼だけは私の事情を理解してくれているから。」
「では、面倒な言い回しはやめますね。今後、デイビット様が男性をお呼びするのは、表向き私が呼んだと世間に伝わって大丈夫です。
あれ?でも女性ではなく男性専門のお店とかあるんですか?それともデイビット様の彼氏とか?」
「え、エレノア様…。そのような…。」
私のもの言いに執事さんが目を白黒させている。
まどろっこしいのは嫌なのよ許して。
「ははは。いいよ、遠回しの表現は面倒だからちょうどいい。エレノアが大丈夫ならこのまま話を進めよう。」
「は、はい。承知しました。」
「私は同性愛者だが特定のパートナーはいない。なのでエレノアが言うように仕事として私の相手をしてもらう人間を探していた。その道に詳しい人脈があってね、私のような人間のニーズに満たす商売をしている友人が出来たんだ。その人に頼んで派遣してもらう予定だ。」
「なるほど。ニッチな分野だけど需要はありますもんね。まあプロに任せた方が泥沼愛憎劇とかなくて済みそうですし、デイビット様が割り切れるならそれはそれで良いんじゃないですか?」
「ははは。エレノアはやっぱり柔軟性が素晴らしいね。」
執事さんは青白くなっていた。
「で、そのプロフェッショナルが来たとき私はどうしましょう?メイドや他の人たちが居なくなったタイミングで私も離れに移動して客間とかで寝ても良いですか?」
「ああ、それは何も考えていなかったな…。」
「いや、デイビット様が誰かに聞かれている方が興奮するとかであれば、まあそういう趣味はないですけどデイビット様の頼みであれば心を鬼にして間近にいることも出来なくはないですけど…。」
「ゲホゲホゲホっ!!」デイビット様がむせ始めた。大丈夫かな?のどの変なところに何か入っちゃった?
「エレノア、君は純潔の乙女だったよね?」
「はい。処女です。」
「何でこのような話を平然と提案するのかびっくりしてしまったよ…。」
「はあ、何と言うかマニアックな友達も前世で居たので経験はゼロですが妙に知識はあるんです。しかもマニア向け知識オンリーで困りますよね。」
「ふ、ふははは。わ、分かったよ。君にはかなわない。いや、いろいろ配慮してもらってありがとう。では、お言葉に甘えて僕の相手が来たときは離れの客間で寝てもらってもいいかな?」
「もちろんです。朝にはメイドたちが出勤してくるのでお相手にも早めに帰ってもらうようにしてくださいね。」
「ああ。分かっているよ。エレノアが話を進めてくれるから何ともありがたいよ。」
デイビット様が安心した顔で笑っている。う~ん、この表情もたまらなく好きだ。
自分の好きな男性、それも夫が男性に抱かれる話を進めるこの構図ってけっこうシュールだな。
でも、仕方がない。
お互い利害が一致して結婚してもらったんだもんね。
何だろう?ああ、あの件の事かな?
この屋敷に来て私ばかり勉強の機会を作ってもらったり、マナーやダンスを教えてもらったりでギブ&テイクのギブしかもらってないのは気になってたんだよね。
私意外と乙女なのか、朝にデイビット様と朝食をとるだけでもドキドキわくわくして無茶苦茶楽しいんだよなあ。
これが恋煩いか?
お世話になっている大好きなデイビット様に与えられるものは何だって協力するって決めてるんだ。
それがちょっと切ない方法でも…。
夜、デイビット様が仕事から帰ってきたので部屋に行かせてもらった。
執務室は入ったことあるけど、デイビット様個人の部屋に入るのは初めてだ。
夫なんだけどね。
何と言うか、ザ・大人の男部屋って感じだった。シックな家具で統一されていて無駄なものがなく、いい匂いのするかっこいい部屋だった。
前妻さんの思い出の品であふれてるのかな?
と思いきや一つもそれっぽいものはない。
ま、色々あったのかな?詮索は良くないし私はデイビット様の役に立てれば何でもいいや。
そうだ、自分からこの話題をちゃんと切り出そう。
「デイビット様、この屋敷に来てから、私はずっとデイビット様に感謝をし続けています。
なので、この感謝を何かの形で報いたいと思っています。
その方法は以前お話にあったように私が世間で悪く言われるようなものでも構いませんので、デイビット様の思うように私を使ってください。」
デイビット様は少し驚いた表情をしていた。
「…。ああ、ありがとうエレノア。そうなんだ。その件を話し合いたいと思っていたんだ。君から切り出してくれるなんて思っていなかったから少し驚いたな。」
「いえいえ。隣に執事さんが居ますが具体的に話を出しても良いですか?」
「ああ、大丈夫だ。彼だけは私の事情を理解してくれているから。」
「では、面倒な言い回しはやめますね。今後、デイビット様が男性をお呼びするのは、表向き私が呼んだと世間に伝わって大丈夫です。
あれ?でも女性ではなく男性専門のお店とかあるんですか?それともデイビット様の彼氏とか?」
「え、エレノア様…。そのような…。」
私のもの言いに執事さんが目を白黒させている。
まどろっこしいのは嫌なのよ許して。
「ははは。いいよ、遠回しの表現は面倒だからちょうどいい。エレノアが大丈夫ならこのまま話を進めよう。」
「は、はい。承知しました。」
「私は同性愛者だが特定のパートナーはいない。なのでエレノアが言うように仕事として私の相手をしてもらう人間を探していた。その道に詳しい人脈があってね、私のような人間のニーズに満たす商売をしている友人が出来たんだ。その人に頼んで派遣してもらう予定だ。」
「なるほど。ニッチな分野だけど需要はありますもんね。まあプロに任せた方が泥沼愛憎劇とかなくて済みそうですし、デイビット様が割り切れるならそれはそれで良いんじゃないですか?」
「ははは。エレノアはやっぱり柔軟性が素晴らしいね。」
執事さんは青白くなっていた。
「で、そのプロフェッショナルが来たとき私はどうしましょう?メイドや他の人たちが居なくなったタイミングで私も離れに移動して客間とかで寝ても良いですか?」
「ああ、それは何も考えていなかったな…。」
「いや、デイビット様が誰かに聞かれている方が興奮するとかであれば、まあそういう趣味はないですけどデイビット様の頼みであれば心を鬼にして間近にいることも出来なくはないですけど…。」
「ゲホゲホゲホっ!!」デイビット様がむせ始めた。大丈夫かな?のどの変なところに何か入っちゃった?
「エレノア、君は純潔の乙女だったよね?」
「はい。処女です。」
「何でこのような話を平然と提案するのかびっくりしてしまったよ…。」
「はあ、何と言うかマニアックな友達も前世で居たので経験はゼロですが妙に知識はあるんです。しかもマニア向け知識オンリーで困りますよね。」
「ふ、ふははは。わ、分かったよ。君にはかなわない。いや、いろいろ配慮してもらってありがとう。では、お言葉に甘えて僕の相手が来たときは離れの客間で寝てもらってもいいかな?」
「もちろんです。朝にはメイドたちが出勤してくるのでお相手にも早めに帰ってもらうようにしてくださいね。」
「ああ。分かっているよ。エレノアが話を進めてくれるから何ともありがたいよ。」
デイビット様が安心した顔で笑っている。う~ん、この表情もたまらなく好きだ。
自分の好きな男性、それも夫が男性に抱かれる話を進めるこの構図ってけっこうシュールだな。
でも、仕方がない。
お互い利害が一致して結婚してもらったんだもんね。
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