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出会い
俺、貴族になりました
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「まずは魔力量を調べないと。」
「ま、魔力量ですか?」
「そう、アカネくんも知っていると思うけど、貴族の子供は6歳て学園に入る時に魔力量を調べるんだ。」
魔力量、平民の俺にないと思うけど…。
あっても少ないと思う。いくら俺が皇族だったとしても、周りの人と違いがなかったからなぁ。
「じゃ、行こうか。」
俺たちは部屋を出た。
「わ、すごい。」
さすが国中心、国の象徴、キラキラしてる。
俺なんかがいてもいい場所ではないことは確かだ。
まぁ、俺も今日から皇族らしいけど。
「ここが魔力測定の場所だ。」
この部屋もキラキラしてた。
俺一人だけ場違いな気がする。
「では、この水晶に手を触れてくれ。そうしたら、魔力量が分かる。」
「はい。」
水晶までがキラキラしてるのは気のせいかな。そんなことを考えながら、俺は水晶に手を置いた。
「………うん、計測できたみたいだね。どれどれ、……残念だけどあまり魔力は持っていないね。」
「そうですか。」
別に、魔力が多いとか期待してなかったし。
逆にあっただけでもいい方だと思う。だって、俺は平民だもの。
「まぁ、とてつもなく少ないわけではないから、簡単な魔法は使えると思うよ。」
「はぁ。」
「皇族にしては少ないけど、もしかしたら母君が願ったことかもしれないね。」
「母が、ですか?」
「そう、これは推測でしかないが、母君は強姦という怖い目にあっても、お腹にいる子供が自分に恐怖を植え付けた人との子でも産んだのだろう?」
「そうなりますね。」
「母君はわかっていたはずだ、相手が皇族であると。もしかしたら、生まれてくる子供が沢山の魔力を持っていたら、すぐに連れていかれると思ったのかもしれない。だからこそ、願ったのかもしれないな。少ない魔力で生まれてくるように。周りの平民と同じ生活ができるように。」
そうだったら、俺は母に感謝をしなければならない。今まで俺が危ない目に遭わなかったのは、母が俺の将来を考えて願ってくれたから。
結果として、俺は皇族の一人だとわかってしまったけど、生きてきた15年間はとても楽しかったから。
「母に会ってみたかったです。」
どんな人だったのだろう。優しい人だったのだろう。
俺は、今まで母がいないと寂しい思いをしたことがない。しかし今は、どうしようもなく母に会いたい。会って、沢山話がしたい。
「さて、今日はもう疲れただろう。王都にある公爵の家に帰ってゆっくり休むといい。詳しい説明などは、そこで聞くといい。」
「はい、えと、お世話になりました、陛下。」
「………。」
「あ、あの、なにか?」
陛下が固まって動かなくなってしまった。何かしたかな?
「おじさま。」
「はい?」
「私のことをおじさまと呼んでくれ。君は、私の大切な甥なのだから。」
「え、えと。」
どうしよう。この国で一番偉い人をそんな風に呼べないよ。いくら親族だったからって。
「陛下、私の息子が困るようなことを言わないでいただきたい。」
「ム、確かにお前の息子となったが、私の可愛い甥なのだ。それくらいいいだろう。」
「いえ、それは我が公爵家が許しませんよ。」
「貴様のところは可愛い息子が沢山いるだろう?そこにいるいリアンだって。私の息子は可愛げがなくなってしまったのだ。少しくらいいいだろう。妻だって気に入ると思う。」
「それとこれとは話が別だ。」
「ふふ。」
俺は可笑しくて笑ってしまった。だって、いい歳した大人が、呼び方一つで言い合いをしているんだもの。
「陛下、今はご容赦ください。まだ、この状況を受け入れることができていないので。」
「あ、あぁ。ではいずれ。」
「フ、次もないがな。」
「なんだと?」
「久々にやるか?」
「旦那様、みっともない真似はよしてください。それより、アカネ様は疲れているとおもわれるので、早く帰りましょう。」
「あ、あぁ、では、帰るか。」
す、すごい!一言で陛下と公爵様を黙らせた。
声も綺麗だったなー。そんな子が俺の従者になってくれるなんて。今でも驚きだな。
「では、アカネ君、我々の家に、君の新しい住まいに行こうか。」
「は、はい。よ、よろしくお願いします。」
「あぁ、そんなにかしこまらなくてもいいよ。私のことは、ジェスティア義父さまと呼んでくれ。」
「ジェ、ジェスティア義父さま?」
「うん。」
わぁ、なんか新鮮だなー。俺、父親とかいなかったからなぁ。伯父さんがいたけど、伯父さんには他に家族がいたし。
少し、嬉しいかも。ふふ。
俺、貴族になりました。
「ま、魔力量ですか?」
「そう、アカネくんも知っていると思うけど、貴族の子供は6歳て学園に入る時に魔力量を調べるんだ。」
魔力量、平民の俺にないと思うけど…。
あっても少ないと思う。いくら俺が皇族だったとしても、周りの人と違いがなかったからなぁ。
「じゃ、行こうか。」
俺たちは部屋を出た。
「わ、すごい。」
さすが国中心、国の象徴、キラキラしてる。
俺なんかがいてもいい場所ではないことは確かだ。
まぁ、俺も今日から皇族らしいけど。
「ここが魔力測定の場所だ。」
この部屋もキラキラしてた。
俺一人だけ場違いな気がする。
「では、この水晶に手を触れてくれ。そうしたら、魔力量が分かる。」
「はい。」
水晶までがキラキラしてるのは気のせいかな。そんなことを考えながら、俺は水晶に手を置いた。
「………うん、計測できたみたいだね。どれどれ、……残念だけどあまり魔力は持っていないね。」
「そうですか。」
別に、魔力が多いとか期待してなかったし。
逆にあっただけでもいい方だと思う。だって、俺は平民だもの。
「まぁ、とてつもなく少ないわけではないから、簡単な魔法は使えると思うよ。」
「はぁ。」
「皇族にしては少ないけど、もしかしたら母君が願ったことかもしれないね。」
「母が、ですか?」
「そう、これは推測でしかないが、母君は強姦という怖い目にあっても、お腹にいる子供が自分に恐怖を植え付けた人との子でも産んだのだろう?」
「そうなりますね。」
「母君はわかっていたはずだ、相手が皇族であると。もしかしたら、生まれてくる子供が沢山の魔力を持っていたら、すぐに連れていかれると思ったのかもしれない。だからこそ、願ったのかもしれないな。少ない魔力で生まれてくるように。周りの平民と同じ生活ができるように。」
そうだったら、俺は母に感謝をしなければならない。今まで俺が危ない目に遭わなかったのは、母が俺の将来を考えて願ってくれたから。
結果として、俺は皇族の一人だとわかってしまったけど、生きてきた15年間はとても楽しかったから。
「母に会ってみたかったです。」
どんな人だったのだろう。優しい人だったのだろう。
俺は、今まで母がいないと寂しい思いをしたことがない。しかし今は、どうしようもなく母に会いたい。会って、沢山話がしたい。
「さて、今日はもう疲れただろう。王都にある公爵の家に帰ってゆっくり休むといい。詳しい説明などは、そこで聞くといい。」
「はい、えと、お世話になりました、陛下。」
「………。」
「あ、あの、なにか?」
陛下が固まって動かなくなってしまった。何かしたかな?
「おじさま。」
「はい?」
「私のことをおじさまと呼んでくれ。君は、私の大切な甥なのだから。」
「え、えと。」
どうしよう。この国で一番偉い人をそんな風に呼べないよ。いくら親族だったからって。
「陛下、私の息子が困るようなことを言わないでいただきたい。」
「ム、確かにお前の息子となったが、私の可愛い甥なのだ。それくらいいいだろう。」
「いえ、それは我が公爵家が許しませんよ。」
「貴様のところは可愛い息子が沢山いるだろう?そこにいるいリアンだって。私の息子は可愛げがなくなってしまったのだ。少しくらいいいだろう。妻だって気に入ると思う。」
「それとこれとは話が別だ。」
「ふふ。」
俺は可笑しくて笑ってしまった。だって、いい歳した大人が、呼び方一つで言い合いをしているんだもの。
「陛下、今はご容赦ください。まだ、この状況を受け入れることができていないので。」
「あ、あぁ。ではいずれ。」
「フ、次もないがな。」
「なんだと?」
「久々にやるか?」
「旦那様、みっともない真似はよしてください。それより、アカネ様は疲れているとおもわれるので、早く帰りましょう。」
「あ、あぁ、では、帰るか。」
す、すごい!一言で陛下と公爵様を黙らせた。
声も綺麗だったなー。そんな子が俺の従者になってくれるなんて。今でも驚きだな。
「では、アカネ君、我々の家に、君の新しい住まいに行こうか。」
「は、はい。よ、よろしくお願いします。」
「あぁ、そんなにかしこまらなくてもいいよ。私のことは、ジェスティア義父さまと呼んでくれ。」
「ジェ、ジェスティア義父さま?」
「うん。」
わぁ、なんか新鮮だなー。俺、父親とかいなかったからなぁ。伯父さんがいたけど、伯父さんには他に家族がいたし。
少し、嬉しいかも。ふふ。
俺、貴族になりました。
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