97 / 131
83
しおりを挟む
王城の図書庫には、王族専用の個室がある。
王族ですら持ち出しが許されない本を閲覧できるように設えてある部屋だが、エンディミオンは、自分用の個室の机に積み上げた本を端から端まで繰り返し読み続けていた。
星神の神託があって、災厄に対する指揮権を国王から賜ってからずっと、関わりのありそうなものは古書も禁書も歴史書も、新聞記事は時代も問わずに機関紙からゴシップ誌まで、国中から集められるだけかき集めて、シルヴィオやアンジェロたちの手を借りながら選り分けて残ったものでも、一人で使うには無駄に大き過ぎる一枚板の閲覧テーブルを埋めてしまっていた。
それらをもう何往復もして、すべて頭に入ったと思ってもまだどこかに新しいことが書いてあるのではないかと、調べる手を止められない。
日中は、教会や十二貴族をはじめ古くから残る貴族の邸に赴いて、持ち出すことのできないそれぞれの家門で所蔵する古い日記や当主の残した記録などを求めて協力を要請したり、直に話を聞きとりに行ったりとやるべきことは沢山あったから、睡眠時間を削ってそれをしていた。
……ルクレツィアのためにスピカの手がかりを探しはじめると、エンディミオンは取り憑かれたように夜な夜な資料を読み漁った。
もう何夜まともに眠っていないのか。
何も新しい発見がないことに苛立ち、目の前の本の一画を力任せに崩してしまうこともあるが、それを床から拾いあげては、また同じ文章を食い入るように読む────
そんな兄の異様さに、オリオンは足が竦む思いで扉の影から部屋の中をそっと覗き込んだ。
今日も顔色の悪いエンディミオンが、月明かりとわずかな燭台の光の中で、わずかに空いた卓上の隙間に浅く腰掛けながら本を読み耽っている。
いつもちゃんとしていて明朗な兄らしくない、着崩れたシャツの襟が彼の余裕のなさのようで、オリオンは声をかける勇気が固まるまで、何度も深呼吸をしなければならなかった。
「あの、あにうえ……」
それでも萎れた花みたいに、声はか細く小さくなった。
いつもならこちらが声をかける前に気がついて、夕焼けの瞳で笑いかけてくれるのに。
すぐにでも泣き出したい気持ちのオリオンだったが、深更の城内では、そんな小さな声でも不思議とよく通ってエンディミオンの耳に届いた。
「……オリオンか。どうかしたかい?」
疲れた様子でも、エンディミオンはオリオンに笑いかけた。
いつもとは比べるべくもない弱々しさだったけれど、自分の声が兄に届いたことにオリオンは安堵した。
「お休みに、なられないのですか」
「うん。目が冴えてしまってね」
まるで今日だけみたいな口ぶりで答えるけれど、ずっと休めていないことをオリオンはよく知っている。
「お前は、こんな時間にどうしたんだ?
いつもなら、もうとっくに寝ているだろう」
咎めるでもなく、不思議そうに首を傾げる兄に、オリオンはどうしても言わなければならないことがあるため、ここへ来た。
本当は守らなければならないいろんな規則を追いやって、それこそ呼ばれた夜会の臣下の邸で、隠れて木登りをするようなとんでもない冒険。
そこへ踏み込むのにはまたとても勇気がいるけれど、もう時間がないことを、それもオリオンはよく知っていた。
「…………ルクレツィア嬢は、本当にもうよくはならないのでしょうか」
この名前を出すことも、その様子を聞くことも、喉から心臓が飛び出るかと思うほどに勇気がいった。
でも、言わなければ。
「──そうか、お前もその場にいたんだったね」
改めて思い出したように、エンディミオンは苦い顔をした。
「はい…………」
ルクレツィアが目の前で倒れてしまったことは、少なくない衝撃をオリオンに与えていた。
それを想像するのは容易いことで、その時の状況を聞いていたエンディミオンは、まだ幼い弟にあまり気を遣ってやれていなかったと今になって気がついた。
「噂をまともに受け止めなくていいとは、言えないな……」
悄然とうなだれる弟に、エンディミオンは気休めの言葉を口にすることができなかった。
ルクレツィアの病状については、誰もはっきりとしたことは言わないが、噂はたくさん囁かれている。
血を吐いたことまではその場にいた者しか知らないはずだが、それでも公爵家やエンディミオンの様子から、噂と大差のない状態であることが知れてしまっていた。
「兄上は、ルクレツィア嬢を、お助けするのですよね?」
日に日に悪くなる顔色で、それでもエンディミオンがまったく諦めずに手を尽くしているのを見ているから、オリオンも奮い立った。
本来は気弱で、自らルールを踏み外すなんて考えたこともない。
けれど、人が血を吐くのも、それがよく知っていて、いつか義姉になるかもしれないと憧れていた優しいルクレツィアだったことも、それを踏み越えるに十分な理由だった。
ルクレツィアが自分の目の前で倒れたことは、偶々のタイミングだったとしても何かの因果を感じずにはいられなくて、彼女のために出来ることが少しでもあるとしたら、怖じけていてはいけないと、オリオンは心を決めたのだ。
だから、オリオンは兄のところへ赴いた。
人が寄りつかない夜更けの図書庫を選んで、連れてきた。
「…………勿論、そのつもりだよ」
弟の覚悟を知らず、まだ何の手がかりもない状態に焦りで浅くなる呼吸を無理やりに押し込んだエンディミオンだったが、ようやく、弟の様子がおかしいことに気がついた。
「オリオン、」
開いた扉の前から室内に入って来ようとはせず、しきりに背後を気にしている。
「……誰かいるのか?」
夜も深い王城で、怖がりなところのある弟が一人で出歩くのはとても勇気のいることだろう。
けれど従者や近衛の気配はなく、部屋から漏れた光の届かない暗がりに、自分よりももっと小さな人影を隠していた。
「みつかってしまったな」
まるで隠れんぼでオニに見つかったときのような気軽さで顔を出したのは、
「グラーノ殿」
聖国の使節団の代表である、オリオンよりもまだ幼いグラーノだった。
王族ですら持ち出しが許されない本を閲覧できるように設えてある部屋だが、エンディミオンは、自分用の個室の机に積み上げた本を端から端まで繰り返し読み続けていた。
星神の神託があって、災厄に対する指揮権を国王から賜ってからずっと、関わりのありそうなものは古書も禁書も歴史書も、新聞記事は時代も問わずに機関紙からゴシップ誌まで、国中から集められるだけかき集めて、シルヴィオやアンジェロたちの手を借りながら選り分けて残ったものでも、一人で使うには無駄に大き過ぎる一枚板の閲覧テーブルを埋めてしまっていた。
それらをもう何往復もして、すべて頭に入ったと思ってもまだどこかに新しいことが書いてあるのではないかと、調べる手を止められない。
日中は、教会や十二貴族をはじめ古くから残る貴族の邸に赴いて、持ち出すことのできないそれぞれの家門で所蔵する古い日記や当主の残した記録などを求めて協力を要請したり、直に話を聞きとりに行ったりとやるべきことは沢山あったから、睡眠時間を削ってそれをしていた。
……ルクレツィアのためにスピカの手がかりを探しはじめると、エンディミオンは取り憑かれたように夜な夜な資料を読み漁った。
もう何夜まともに眠っていないのか。
何も新しい発見がないことに苛立ち、目の前の本の一画を力任せに崩してしまうこともあるが、それを床から拾いあげては、また同じ文章を食い入るように読む────
そんな兄の異様さに、オリオンは足が竦む思いで扉の影から部屋の中をそっと覗き込んだ。
今日も顔色の悪いエンディミオンが、月明かりとわずかな燭台の光の中で、わずかに空いた卓上の隙間に浅く腰掛けながら本を読み耽っている。
いつもちゃんとしていて明朗な兄らしくない、着崩れたシャツの襟が彼の余裕のなさのようで、オリオンは声をかける勇気が固まるまで、何度も深呼吸をしなければならなかった。
「あの、あにうえ……」
それでも萎れた花みたいに、声はか細く小さくなった。
いつもならこちらが声をかける前に気がついて、夕焼けの瞳で笑いかけてくれるのに。
すぐにでも泣き出したい気持ちのオリオンだったが、深更の城内では、そんな小さな声でも不思議とよく通ってエンディミオンの耳に届いた。
「……オリオンか。どうかしたかい?」
疲れた様子でも、エンディミオンはオリオンに笑いかけた。
いつもとは比べるべくもない弱々しさだったけれど、自分の声が兄に届いたことにオリオンは安堵した。
「お休みに、なられないのですか」
「うん。目が冴えてしまってね」
まるで今日だけみたいな口ぶりで答えるけれど、ずっと休めていないことをオリオンはよく知っている。
「お前は、こんな時間にどうしたんだ?
いつもなら、もうとっくに寝ているだろう」
咎めるでもなく、不思議そうに首を傾げる兄に、オリオンはどうしても言わなければならないことがあるため、ここへ来た。
本当は守らなければならないいろんな規則を追いやって、それこそ呼ばれた夜会の臣下の邸で、隠れて木登りをするようなとんでもない冒険。
そこへ踏み込むのにはまたとても勇気がいるけれど、もう時間がないことを、それもオリオンはよく知っていた。
「…………ルクレツィア嬢は、本当にもうよくはならないのでしょうか」
この名前を出すことも、その様子を聞くことも、喉から心臓が飛び出るかと思うほどに勇気がいった。
でも、言わなければ。
「──そうか、お前もその場にいたんだったね」
改めて思い出したように、エンディミオンは苦い顔をした。
「はい…………」
ルクレツィアが目の前で倒れてしまったことは、少なくない衝撃をオリオンに与えていた。
それを想像するのは容易いことで、その時の状況を聞いていたエンディミオンは、まだ幼い弟にあまり気を遣ってやれていなかったと今になって気がついた。
「噂をまともに受け止めなくていいとは、言えないな……」
悄然とうなだれる弟に、エンディミオンは気休めの言葉を口にすることができなかった。
ルクレツィアの病状については、誰もはっきりとしたことは言わないが、噂はたくさん囁かれている。
血を吐いたことまではその場にいた者しか知らないはずだが、それでも公爵家やエンディミオンの様子から、噂と大差のない状態であることが知れてしまっていた。
「兄上は、ルクレツィア嬢を、お助けするのですよね?」
日に日に悪くなる顔色で、それでもエンディミオンがまったく諦めずに手を尽くしているのを見ているから、オリオンも奮い立った。
本来は気弱で、自らルールを踏み外すなんて考えたこともない。
けれど、人が血を吐くのも、それがよく知っていて、いつか義姉になるかもしれないと憧れていた優しいルクレツィアだったことも、それを踏み越えるに十分な理由だった。
ルクレツィアが自分の目の前で倒れたことは、偶々のタイミングだったとしても何かの因果を感じずにはいられなくて、彼女のために出来ることが少しでもあるとしたら、怖じけていてはいけないと、オリオンは心を決めたのだ。
だから、オリオンは兄のところへ赴いた。
人が寄りつかない夜更けの図書庫を選んで、連れてきた。
「…………勿論、そのつもりだよ」
弟の覚悟を知らず、まだ何の手がかりもない状態に焦りで浅くなる呼吸を無理やりに押し込んだエンディミオンだったが、ようやく、弟の様子がおかしいことに気がついた。
「オリオン、」
開いた扉の前から室内に入って来ようとはせず、しきりに背後を気にしている。
「……誰かいるのか?」
夜も深い王城で、怖がりなところのある弟が一人で出歩くのはとても勇気のいることだろう。
けれど従者や近衛の気配はなく、部屋から漏れた光の届かない暗がりに、自分よりももっと小さな人影を隠していた。
「みつかってしまったな」
まるで隠れんぼでオニに見つかったときのような気軽さで顔を出したのは、
「グラーノ殿」
聖国の使節団の代表である、オリオンよりもまだ幼いグラーノだった。
12
あなたにおすすめの小説
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
ヒロインしか愛さないはずの公爵様が、なぜか悪女の私を手放さない
魚谷
恋愛
伯爵令嬢イザベラは多くの男性と浮名を流す悪女。
そんな彼女に公爵家当主のジークベルトとの縁談が持ち上がった。
ジークベルトと対面した瞬間、前世の記憶がよみがえり、この世界が乙女ゲームであることを自覚する。
イザベラは、主要攻略キャラのジークベルトの裏の顔を知ってしまったがために、冒頭で殺されてしまうモブキャラ。
ゲーム知識を頼りに、どうにか冒頭死を回避したイザベラは最弱魔法と言われる付与魔法と前世の知識を頼りに便利グッズを発明し、離婚にそなえて資金を確保する。
いよいよジークベルトが、乙女ゲームのヒロインと出会う。
離婚を切り出されることを待っていたイザベラだったが、ジークベルトは平然としていて。
「どうして俺がお前以外の女を愛さなければならないんだ?」
予想外の溺愛が始まってしまう!
(世界の平和のためにも)ヒロインに惚れてください、公爵様!!
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
【完結】財務大臣が『経済の話だけ』と毎日訪ねてきます。婚約破棄後、前世の経営知識で辺境を改革したら、こんな溺愛が始まりました
チャビューヘ
恋愛
三度目の婚約破棄で、ようやく自由を手に入れた。
王太子から「冷酷で心がない」と糾弾され、大広間で婚約を破棄されたエリナ。しかし彼女は泣かない。なぜなら、これは三度目のループだから。前世は過労死した41歳の経営コンサル。一周目は泣き崩れ、二周目は慌てふためいた。でも三周目の今回は違う。「ありがとうございます、殿下。これで自由になれます」──優雅に微笑み、誰も予想しない行動に出る。
エリナが選んだのは、誰も欲しがらない辺境の荒れ地。人口わずか4500人、干ばつで荒廃した最悪の土地を、金貨100枚で買い取った。貴族たちは嘲笑う。「追放された令嬢が、荒れ地で野垂れ死にするだけだ」と。
だが、彼らは知らない。エリナが前世で培った、経営コンサルタントとしての圧倒的な知識を。三圃式農業、ブランド戦略、人材採用術、物流システム──現代日本の経営ノウハウを、中世ファンタジー世界で全力展開。わずか半年で領地は緑に変わり、住民たちは希望を取り戻す。一年後には人口は倍増、財政は奇跡の黒字化。「辺境の奇跡」として王国中で噂になり始めた。
そして現れたのが、王国一の冷徹さで知られる財務大臣、カイル・ヴェルナー。氷のような視線、容赦ない数字の追及。貴族たちが震え上がる彼が、なぜか月に一度の「定期視察」を提案してくる。そして月一が週一になり、やがて──「経済政策の話がしたいだけです」という言い訳とともに、毎日のように訪ねてくるようになった。
夜遅くまで経済理論を語り合い、気づけば星空の下で二人きり。「あなたは、何者なんだ」と問う彼の瞳には、もはや氷の冷たさはない。部下たちは囁く。「閣下、またフェルゼン領ですか」。本人は「重要案件だ」と言い張るが、その頬は微かに赤い。
一方、エリナを捨てた元婚約者の王太子リオンは、彼女の成功を知って後悔に苛まれる。「俺は…取り返しのつかないことを」。かつてエリナを馬鹿にした貴族たちも掌を返し、継母は「戻ってきて」と懇願する。だがエリナは冷静に微笑むだけ。「もう、過去のことです」。ざまあみろ、ではなく──もっと前を向いている。
知的で戦略的な領地経営。冷徹な財務大臣の不器用な溺愛。そして、自分を捨てた者たちへの圧倒的な「ざまぁ」。三周目だからこそ完璧に描ける、逆転と成功の物語。
経済政策で国を変え、本物の愛を見つける──これは、消去法で選ばれただけの婚約者が、自らの知恵と努力で勝ち取った、最高の人生逆転ストーリー。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
婚約破棄された悪役令嬢の心の声が面白かったので求婚してみた
夕景あき
恋愛
人の心の声が聞こえるカイルは、孤独の闇に閉じこもっていた。唯一の救いは、心の声まで真摯で温かい異母兄、第一王子の存在だけだった。
そんなカイルが、外交(婚約者探し)という名目で三国交流会へ向かうと、目の前で隣国の第二王子による公開婚約破棄が発生する。
婚約破棄された令嬢グレースは、表情一つ変えない高潔な令嬢。しかし、カイルがその心の声を聞き取ると、思いも寄らない内容が聞こえてきたのだった。
転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした
ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!?
容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。
「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」
ところが。
ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。
無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!?
でも、よく考えたら――
私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに)
お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。
これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。
じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――!
本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。
アイデア提供者:ゆう(YuFidi)
URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる