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本音

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 「ふふ、君は知っていたのだろう。マテウスがオフィーリアと浮気していたのを、だからあの夜会で態々中庭を通って、私に会いに来た。違うかな」

 「何故そう言い切れるのですか」

 「君が王都に来た本当の目的は、辺境地への勧誘だ。マテウス達の夜会はオマケだろう。私の手の者が調べていたよ」

 「ウィリアム様こそ何故、あんな見え透いた罠に引っ掛かった振りをなさったのですか。お陰で父が後処理に膨大な時間を割いています」

 「はは、悪かったよ。余りにも幼稚な罠だったから、つい退屈しのぎに乗ってしまったよ。でも、乗った甲斐はあったね」

 「何か良い情報でも掴めましたか」

 「ああ、向こう側の人間を数名取り込めたよ。その中にこの男もいる」

 ウィリアムが指差す所にいた人物は

 「お久しぶりです。学園以来ですね」

 エドガー・ルクセンブルク公爵家の嫡男

 「貴方がどうしてここにいるのです。姉君の所にいるべきでは」

 「姉は切り捨てられました。父からね。僕は最初からウィリアム殿下の配下ですから」

 「そう、でも本当かどうかわからないでしょう?」

 「それなら心配ない。私が彼に頼んでオフィーリア達の動向を探らせていたから」

 「大体、いつも突然すぎます」

 「悪かったよ。こちらも色々準備に手間が掛かってしまった。でも、約束通り迎えに来たから許して欲しい」

 「嫌です。他の人が触った身体で私に触らないで」

 「凄い焼きもちだな。私を煽っているのか」

 「違います」

 そう言ってレイティアは席を立って、屋敷に戻ろうとしたが
後ろからウィリアムに抱き寄せられ掴まってしまう。

 周りの護衛らも微笑ましそうに見ている。

 抱き締めている腕を払おうにも女の力では敵わない。

 「もう、私は本当に怒っているんですから、放して」

 「だから、約束を果たしに来たんだ。覚えているだろう。この国の伝説を…」



 ーーーウィンダリアの木の下で口付けをした者は永遠の愛を手に入れる

 ウィンダリアとは約束の木と呼ばれるこの国にしか生息しない貴重な木の事で、言い伝えでは木の下で口付けをした者は必ず結ばれると言われている。

 だから、恋人達はこの木の下で愛を誓うのが、この国の風習化している。

 ウィリアムとレイティアも幼い頃に偶然この木の下で出会った。

 
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