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もう一人の犠牲者
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エルリックは、ジョゼフィーネに一通の手紙を渡した。
「ジョー、読んでみて。君が知るべき事だから」
「私がですか」
「そう」
エルリックから促され、ジョゼフィーネは差出人の名を見て驚いた。
「これは…」
「俺との婚約が決まった時に彼からこの手紙を貰った。彼はこの時には覚悟を決めていたんだ」
手紙を読んで、涙を流すジョゼフィーネをエルリックが優しく抱き締めた。
ダンドーラ侯爵も内容を知り、当時箝口令が敷かれていたにも関わらず彼が知っている事に心が傷んだ。
その手紙には、現王家の秘密が書かれていた。
「これに関しては俺に一つ提案があるんだが」
「何だ、エルリック言って見ろ。出来るだけ協力はする」
「ああ、彼に罪はないがでも暴かれたら生きていけないだろう。だからこの薬を使う」
「これは…」
「そう、仮死状態にする薬だよ」
ダンドーラ侯爵とクリーク公爵は顔を見合わせた。
死んだ事にして辺境かタスマニア諸島に匿う。別人として生きる様に手配する。
「タスマニア諸島だと、あそこは治外法権だぞ。無理だろう」
ダンドーラ侯爵が言うと
「大丈夫だよ。あそこは元々俺の一族の発祥の地だから顔が効くんだよ」
「何だと、お前はどれだけ隠し玉を持っているんだ」
「ははは、これは婆さんからの課題だったんだ。それに三つの辺境地はもう既に俺が配下を送って手中に納めている。既に王都は丸裸同然だからな」
「そこまで手を回していたのか。道理で王がお前の様子を見てくるよう言うわけだ」
「これで安心してハウエル侯爵家を潰せるだろう?」
「全く、信じられないな」
「だが、確かにこれで潰せるだろう」
話は纏まり、後は建国記念パーティーにて全ての決着を着けるべく、各々が動き出した。
女王の秘密の場所から出たクリーク公爵・ダンドーラ侯爵は、翌日、王都に帰った。
その馬車には密かにジョゼフィーネも同乗していた。護衛にはモーリスが付いた。
こうして一連の事件の被害者と加害者が王都に密かに集まった。
ーーー舞台は整った。
断罪へのカウントダウンが始まったのだった。
「ジョー、読んでみて。君が知るべき事だから」
「私がですか」
「そう」
エルリックから促され、ジョゼフィーネは差出人の名を見て驚いた。
「これは…」
「俺との婚約が決まった時に彼からこの手紙を貰った。彼はこの時には覚悟を決めていたんだ」
手紙を読んで、涙を流すジョゼフィーネをエルリックが優しく抱き締めた。
ダンドーラ侯爵も内容を知り、当時箝口令が敷かれていたにも関わらず彼が知っている事に心が傷んだ。
その手紙には、現王家の秘密が書かれていた。
「これに関しては俺に一つ提案があるんだが」
「何だ、エルリック言って見ろ。出来るだけ協力はする」
「ああ、彼に罪はないがでも暴かれたら生きていけないだろう。だからこの薬を使う」
「これは…」
「そう、仮死状態にする薬だよ」
ダンドーラ侯爵とクリーク公爵は顔を見合わせた。
死んだ事にして辺境かタスマニア諸島に匿う。別人として生きる様に手配する。
「タスマニア諸島だと、あそこは治外法権だぞ。無理だろう」
ダンドーラ侯爵が言うと
「大丈夫だよ。あそこは元々俺の一族の発祥の地だから顔が効くんだよ」
「何だと、お前はどれだけ隠し玉を持っているんだ」
「ははは、これは婆さんからの課題だったんだ。それに三つの辺境地はもう既に俺が配下を送って手中に納めている。既に王都は丸裸同然だからな」
「そこまで手を回していたのか。道理で王がお前の様子を見てくるよう言うわけだ」
「これで安心してハウエル侯爵家を潰せるだろう?」
「全く、信じられないな」
「だが、確かにこれで潰せるだろう」
話は纏まり、後は建国記念パーティーにて全ての決着を着けるべく、各々が動き出した。
女王の秘密の場所から出たクリーク公爵・ダンドーラ侯爵は、翌日、王都に帰った。
その馬車には密かにジョゼフィーネも同乗していた。護衛にはモーリスが付いた。
こうして一連の事件の被害者と加害者が王都に密かに集まった。
ーーー舞台は整った。
断罪へのカウントダウンが始まったのだった。
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