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願い事は…
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俺は、祖父譲りのこの顔が嫌いだった。この顔のせいで女難が続いた。
勝手にすり寄って来て「思っていたのと違う」「冷たい」「本当は男色なんじゃないの」と言われた。
特別な人間はヴィオレットだけだ。その彼女が産んだ女の子
『ジョゼフィーネ』
ジョーを始めて王宮で見た時は、胸が高鳴った。今まで他の誰にも感じた事のない感情が溢れてきた。
俺との年の差は10歳程だ。貴族社会では当たり前だ。
彼女が5歳の時に俺は王宮魔導士としてヴィオレットから紹介された。
彼女の髪は茶色だった。でも姿形をいくら変えても俺には【神眼】を使って本当の姿を見ることが出来た。
その魂の美しさに奪われていた。こんなに心引かれたのは生まれて初めての事で、家庭教師として、ジョーに会う日は心踊った。
ヴィオレットはあの日の約束通り、俺とジョーの仲を取り持つように計らってくれた。
でもそんな時、王宮のお茶会に参加したヴィオレットが浮かない顔を見せた。
「どうしたんだ、ヴィオレットそんな浮かない顔をして…」
「…」
「何が合ったんだ?」
ヴィオレットの様子からただ事ではないと感じた俺は問い詰めた。
「実は、ジョゼフィーネに第三王子との婚約の話が出て、実家のクリーク公爵家から打診をお断りしていたのだけれど…」
「まさか、受けたのか!」
「ええ、ビクトリア女王の命だと告げられたわ」
「何だと!あのババア、ふざけやがって、ジョーは俺の唯一だ絶対に誰にも渡さない」
「ま、待って。いくら貴方でも王命に逆らったら…」
「ふん、その時はジョーを拐って一族毎、他国に行くよ。俺達を欲しがっている国は其処ら中にいるからな」
俺は、頭に血が上り善悪の判断がつかないまま女王に会いに行った。
「婆さん、やってくれたな。ジョーを第三王子と婚約させやがって、散々待たせた挙げ句、約束を反故にする気か?」
「何の事だ。妾は何の命も出してはおらぬぞ?」
「じゃあ、又あんたの実家が勝手に名前を使ったんだな!いい加減見棄てろよ。どれだけの犠牲を払わせれば、あんたはあの一族を見放すんだ。もう良いだろう?」
「待て、もうしばらく泳がせねばならない」
「もし、ジョーに何かしたら俺はこの国を棄てる。それだけは覚えておけよ。俺は爺さん見たいな優しさは持ち合わせていないからな」
そう言って、女王の前から俺は消えた。
その後もジョーの家庭教師として、彼女の周辺を気遣った。
王子も彼女を大切にしていたから、余計な口を挟まなかった。
(俺も爺さんと同じ道を歩むのか)
そう考えていた。だが、5年の歳月が過ぎた頃、ヴィオレットは死んだ。それは余りにも突然過ぎる死だった。
勝手にすり寄って来て「思っていたのと違う」「冷たい」「本当は男色なんじゃないの」と言われた。
特別な人間はヴィオレットだけだ。その彼女が産んだ女の子
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ジョーを始めて王宮で見た時は、胸が高鳴った。今まで他の誰にも感じた事のない感情が溢れてきた。
俺との年の差は10歳程だ。貴族社会では当たり前だ。
彼女が5歳の時に俺は王宮魔導士としてヴィオレットから紹介された。
彼女の髪は茶色だった。でも姿形をいくら変えても俺には【神眼】を使って本当の姿を見ることが出来た。
その魂の美しさに奪われていた。こんなに心引かれたのは生まれて初めての事で、家庭教師として、ジョーに会う日は心踊った。
ヴィオレットはあの日の約束通り、俺とジョーの仲を取り持つように計らってくれた。
でもそんな時、王宮のお茶会に参加したヴィオレットが浮かない顔を見せた。
「どうしたんだ、ヴィオレットそんな浮かない顔をして…」
「…」
「何が合ったんだ?」
ヴィオレットの様子からただ事ではないと感じた俺は問い詰めた。
「実は、ジョゼフィーネに第三王子との婚約の話が出て、実家のクリーク公爵家から打診をお断りしていたのだけれど…」
「まさか、受けたのか!」
「ええ、ビクトリア女王の命だと告げられたわ」
「何だと!あのババア、ふざけやがって、ジョーは俺の唯一だ絶対に誰にも渡さない」
「ま、待って。いくら貴方でも王命に逆らったら…」
「ふん、その時はジョーを拐って一族毎、他国に行くよ。俺達を欲しがっている国は其処ら中にいるからな」
俺は、頭に血が上り善悪の判断がつかないまま女王に会いに行った。
「婆さん、やってくれたな。ジョーを第三王子と婚約させやがって、散々待たせた挙げ句、約束を反故にする気か?」
「何の事だ。妾は何の命も出してはおらぬぞ?」
「じゃあ、又あんたの実家が勝手に名前を使ったんだな!いい加減見棄てろよ。どれだけの犠牲を払わせれば、あんたはあの一族を見放すんだ。もう良いだろう?」
「待て、もうしばらく泳がせねばならない」
「もし、ジョーに何かしたら俺はこの国を棄てる。それだけは覚えておけよ。俺は爺さん見たいな優しさは持ち合わせていないからな」
そう言って、女王の前から俺は消えた。
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王子も彼女を大切にしていたから、余計な口を挟まなかった。
(俺も爺さんと同じ道を歩むのか)
そう考えていた。だが、5年の歳月が過ぎた頃、ヴィオレットは死んだ。それは余りにも突然過ぎる死だった。
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