【完結】旦那様、溺愛するのは程々にお願いします♥️仮面の令嬢が辺境伯に嫁いで、幸せになるまで

春野オカリナ

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秘密の機関

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 昔、貴族の間で子供の人身売買が横行していたことがある。戦争等で跡継ぎがいなくなった貴族は、排斥されたりした。その為、こっそりにた人間を身代わりにしたりした。

 勿論、夫の家族に内緒で子供が死産した場合や女子が生まれたら男子とすり替えられたりした。この頃は、女子の家督相続は認められていなかった。

 女性の扱いは杜撰なものだった。その為、人身売買が横行する事になり、国が腐敗していった。

 貴族の中には、純潔の青い血を尊ぶものが多く、養子縁組等も難色を示していた。又、時間もかかりすぎた為、当主が亡くなった後の相続争いも熾烈なものだった。

 そこで国の法律に【血縁鑑定記録】なる制度が作られた。

 これにより、家系図に載っている過去の途絶えた血を探し当てる事もできるようになった。

 しかも、妻が浮気相手の子供を出産しても直ぐにわかるから皆、身を慎んだ。

 これは国の重要機密機関で、厳重な管理がされている。例え宰相であるクリーク公爵でさえも管理室には、特別な王の許可がなくては入れない。

 だが、公爵は一度だけ王命でアンドレと入った事がある。

 「エルリック様は何故、手に入れれるですか」

 ジョゼフィーネの意見は最もだ。

 「俺が魔導調査官の一人なのは、知っているよね。魔導調査官は、あの機密機関に出入りできるんだ。俺の身体には、特殊な魔法反応式が植えられて、扉の前で魔法式が反応するようになっている。勿論、服従の呪文も使っているから、情報を漏らせば死が待っているだけだ」

 「服従の呪文って拷問じゃないか」

 ダンドーラ侯爵が驚いた。

 「まあ、拷問にも使うけど、もっと昔は騎士の忠誠の式典何かで使っていた。古い呪文だよ」

 「だが、使われた相手が正気を失う事が多いため、廃止された危険な呪文でもある」

 クリーク公爵が付け加えた。

 「まあ、爺さんが呪文を改良したから、正気を失う事は無くなったよ。ただ、逃亡したり情報を漏洩した場合は、呪いが発動して心臓が止まるような仕組みになっている」

 「それでは、エルリック様は…」

 「ああ、俺は大丈夫だよ。この目があるからね」

 ジョゼフィーネは、安堵を示した。

 「良かった」

 「心配してくれた。嬉しいな、ありがとうジョー」

 そう言ってまた額に口付けた。

 「ジョー、俺は実は女嫌いなんだ。昔、親父の女絡みで嫌なことがあってこの見た目だと女がよって来るから、姿をわざと変えているんだよ」

 「何があったんですか?」

 「教えてもいいけど、あまり気分のいい話じゃないよ。それでも聞きたい?」

 「エルリック様の事なら私も聞く必要があります」

 「わかった。嫌なら言ってね。直ぐにやめるから」

 ふぅとため息をついて、エルリックは前辺境伯の事を話し出した。

 
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