13 / 61
新たな地への旅立ち
しおりを挟む
あのパーティーでの宣言から、私の生活拠点は、クリーク公爵家になった。
何でも、ダンドーラ侯爵は、外交官でまだ国に戻られていないので、会えないし、屋敷もダンドーラ公爵家の離れに住んでいらしく、しかもまだ独身だ。
何故、そんな方が戸籍上の父となったのかは、伯父が答えてくれた。
「彼は、ヴィオレットと私の古い友人でね。少し、変わった所もあるが、君のお母さんから頼まれていたんだ。もし、自分に何かあったら、引き取って欲しいとね」
「お母様が…」
母は、亡くなった後の私を心配をしていた。
「彼は、ヴィオレットに色んな国のお土産を渡して、よく困らせていたよ。その仮面もそうだよ。」
「この仮面も?」
(そういえば母の遺品を整理すると、変わった物が沢山あった様な…)
あれは、ダンドーラ侯爵の贈り物だった様だ。そこで思い出したのが、六歳の誕生日に母から渡された【呪いの人形】髪が縮れて、目がバラバラになって一応、服を纏っていたから人形何だろう、それは、子供の私には、【呪いの人形】意外の何でも無かった。
お蔭で、その日は怖くて、母と一緒に寝た。
「全くしようのない方ね。子供にこんな悪趣味な物を」
と溢していたような記憶がある。
私は、この時、ダンドーラ侯爵はとても変わった人だと認識した。
「ところで、伯父様、辺境伯爵は、どの様な方ですか?」
「気にしなくても、大丈夫だよ。彼は器の大きな人間だから、仮面の事も対して気にならないよ」
(そんなものだろうか?私なら凄く気にすると思うんですけど…)
「取り敢えず、絵姿はあるから見てみるかい」
渡された絵姿は、王都の縁談に使う物では無かった。
私の最初の『エルリック・ブラックボンド』の印象は、凄く変わった人だった。
だって、いくら辺境地でも、魔物を足蹴に、血がついた剣を空高く掲げ、どこぞの勇者の様な絵姿は、男の子の憧れであっても、王都の令嬢方に送る絵姿にしてはどうだろう。
絵姿に描かれている。赤毛の短髪に青いサファイアの様な瞳の耀く美貌の勇者様は、今年28歳だ。間違いなくこれが原因で損をしている。
でも、私も負けていない。何せ『仮面』を付けた令嬢何て私位なものでしょう。
案外、変わったもの同士上手くやって活けるかも知れないと思った。
ーーー私は、辺境地に旅立ちます。どうか、この縁が良縁であります様にーーー
そう祈りながら、王都を後にして、辺境伯に今、溺愛を受けてます。
「旦那様の愛が重いです」
贅沢な悩みを抱える今日この頃の私でした。
何でも、ダンドーラ侯爵は、外交官でまだ国に戻られていないので、会えないし、屋敷もダンドーラ公爵家の離れに住んでいらしく、しかもまだ独身だ。
何故、そんな方が戸籍上の父となったのかは、伯父が答えてくれた。
「彼は、ヴィオレットと私の古い友人でね。少し、変わった所もあるが、君のお母さんから頼まれていたんだ。もし、自分に何かあったら、引き取って欲しいとね」
「お母様が…」
母は、亡くなった後の私を心配をしていた。
「彼は、ヴィオレットに色んな国のお土産を渡して、よく困らせていたよ。その仮面もそうだよ。」
「この仮面も?」
(そういえば母の遺品を整理すると、変わった物が沢山あった様な…)
あれは、ダンドーラ侯爵の贈り物だった様だ。そこで思い出したのが、六歳の誕生日に母から渡された【呪いの人形】髪が縮れて、目がバラバラになって一応、服を纏っていたから人形何だろう、それは、子供の私には、【呪いの人形】意外の何でも無かった。
お蔭で、その日は怖くて、母と一緒に寝た。
「全くしようのない方ね。子供にこんな悪趣味な物を」
と溢していたような記憶がある。
私は、この時、ダンドーラ侯爵はとても変わった人だと認識した。
「ところで、伯父様、辺境伯爵は、どの様な方ですか?」
「気にしなくても、大丈夫だよ。彼は器の大きな人間だから、仮面の事も対して気にならないよ」
(そんなものだろうか?私なら凄く気にすると思うんですけど…)
「取り敢えず、絵姿はあるから見てみるかい」
渡された絵姿は、王都の縁談に使う物では無かった。
私の最初の『エルリック・ブラックボンド』の印象は、凄く変わった人だった。
だって、いくら辺境地でも、魔物を足蹴に、血がついた剣を空高く掲げ、どこぞの勇者の様な絵姿は、男の子の憧れであっても、王都の令嬢方に送る絵姿にしてはどうだろう。
絵姿に描かれている。赤毛の短髪に青いサファイアの様な瞳の耀く美貌の勇者様は、今年28歳だ。間違いなくこれが原因で損をしている。
でも、私も負けていない。何せ『仮面』を付けた令嬢何て私位なものでしょう。
案外、変わったもの同士上手くやって活けるかも知れないと思った。
ーーー私は、辺境地に旅立ちます。どうか、この縁が良縁であります様にーーー
そう祈りながら、王都を後にして、辺境伯に今、溺愛を受けてます。
「旦那様の愛が重いです」
贅沢な悩みを抱える今日この頃の私でした。
13
お気に入りに追加
1,143
あなたにおすすめの小説

【改稿版・完結】その瞳に魅入られて
おもち。
恋愛
「——君を愛してる」
そう悲鳴にも似た心からの叫びは、婚約者である私に向けたものではない。私の従姉妹へ向けられたものだった——
幼い頃に交わした婚約だったけれど私は彼を愛してたし、彼に愛されていると思っていた。
あの日、二人の胸を引き裂くような思いを聞くまでは……
『最初から愛されていなかった』
その事実に心が悲鳴を上げ、目の前が真っ白になった。
私は愛し合っている二人を引き裂く『邪魔者』でしかないのだと、その光景を見ながらひたすら現実を受け入れるしかなかった。
『このまま婚姻を結んでも、私は一生愛されない』
『私も一度でいいから、あんな風に愛されたい』
でも貴族令嬢である立場が、父が、それを許してはくれない。
必死で気持ちに蓋をして、淡々と日々を過ごしていたある日。偶然見つけた一冊の本によって、私の運命は大きく変わっていくのだった。
私も、貴方達のように自分の幸せを求めても許されますか……?
※後半、壊れてる人が登場します。苦手な方はご注意下さい。
※このお話は私独自の設定もあります、ご了承ください。ご都合主義な場面も多々あるかと思います。
※『幸せは人それぞれ』と、いうような作品になっています。苦手な方はご注意下さい。
※こちらの作品は小説家になろう様でも掲載しています。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
君は妾の子だから、次男がちょうどいい
月山 歩
恋愛
侯爵家のマリアは婚約中だが、彼は王都に住み、彼女は片田舎で遠いため会ったことはなかった。でもある時、マリアは妾の子であると知られる。そんな娘は大事な子息とは結婚させられないと、病気療養中の次男との婚約に一方的に変えさせられる。そして次の日には、迎えの馬車がやって来た。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
贖罪の花嫁はいつわりの婚姻に溺れる
マチバリ
恋愛
貴族令嬢エステルは姉の婚約者を誘惑したという冤罪で修道院に行くことになっていたが、突然ある男の花嫁になり子供を産めと命令されてしまう。夫となる男は稀有な魔力と尊い血統を持ちながらも辺境の屋敷で孤独に暮らす魔法使いアンデリック。
数奇な運命で結婚する事になった二人が呪いをとくように幸せになる物語。
書籍化作業にあたり本編を非公開にしました。
不器用騎士様は記憶喪失の婚約者を逃がさない
かべうち右近
恋愛
「あなたみたいな人と、婚約したくなかった……!」
婚約者ヴィルヘルミーナにそう言われたルドガー。しかし、ツンツンなヴィルヘルミーナはそれからすぐに事故で記憶を失い、それまでとは打って変わって素直な可愛らしい令嬢に生まれ変わっていたーー。
もともとルドガーとヴィルヘルミーナは、顔を合わせればたびたび口喧嘩をする幼馴染同士だった。
ずっと好きな女などいないと思い込んでいたルドガーは、女性に人気で付き合いも広い。そんな彼は、悪友に指摘されて、ヴィルヘルミーナが好きなのだとやっと気付いた。
想いに気づいたとたんに、何の幸運か、親の意向によりとんとん拍子にヴィルヘルミーナとルドガーの婚約がまとまったものの、女たらしのルドガーに対してヴィルヘルミーナはツンツンだったのだ。
記憶を失ったヴィルヘルミーナには悪いが、今度こそ彼女を口説き落して円満結婚を目指し、ルドガーは彼女にアプローチを始める。しかし、元女誑しの不器用騎士は息を吸うようにステップをすっ飛ばしたアプローチばかりしてしまい…?
不器用騎士×元ツンデレ・今素直令嬢のラブコメです。
12/11追記
書籍版の配信に伴い、WEB連載版は取り下げております。
たくさんお読みいただきありがとうございました!
最愛から2番目の恋
Mimi
恋愛
カリスレキアの第2王女ガートルードは、相手有責で婚約を破棄した。
彼女は醜女として有名であったが、それを厭う婚約者のクロスティア王国第1王子ユーシスに男娼を送り込まれて、ハニートラップを仕掛けられたのだった。
以前から婚約者の気持ちを知っていたガートルードが傷付く事は無かったが、周囲は彼女に気を遣う。
そんな折り、中央大陸で唯一の獣人の国、アストリッツァ国から婚姻の打診が届く。
王太子クラシオンとの、婚約ではなく一気に婚姻とは……
彼には最愛の番が居るのだが、その女性の身分が低いために正妃には出来ないらしい。
その事情から、醜女のガートルードをお飾りの妃にするつもりだと激怒する両親や兄姉を諌めて、クラシオンとの婚姻を決めたガートルードだった……
※ 『きみは、俺のただひとり~神様からのギフト』の番外編となります
ヒロインは本編では名前も出ない『カリスレキアの王女』と呼ばれるだけの設定のみで、本人は登場しておりません
ですが、本編終了後の話ですので、そちらの登場人物達の顔出しネタバレが有ります
所詮、わたしは壁の花 〜なのに辺境伯様が溺愛してくるのは何故ですか?〜
しがわか
ファンタジー
刺繍を愛してやまないローゼリアは父から行き遅れと罵られていた。
高貴な相手に見初められるために、とむりやり夜会へ送り込まれる日々。
しかし父は知らないのだ。
ローゼリアが夜会で”壁の花”と罵られていることを。
そんなローゼリアが参加した辺境伯様の夜会はいつもと雰囲気が違っていた。
それもそのはず、それは辺境伯様の婚約者を決める集まりだったのだ。
けれど所詮”壁の花”の自分には関係がない、といつものように会場の隅で目立たないようにしているローゼリアは不意に手を握られる。
その相手はなんと辺境伯様で——。
なぜ、辺境伯様は自分を溺愛してくれるのか。
彼の過去を知り、やがてその理由を悟ることとなる。
それでも——いや、だからこそ辺境伯様の力になりたいと誓ったローゼリアには特別な力があった。
天啓<ギフト>として女神様から賜った『魔力を象るチカラ』は想像を創造できる万能な能力だった。
壁の花としての自重をやめたローゼリアは天啓を自在に操り、大好きな人達を守り導いていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる