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婚約解消と新たな婚約者
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別室に案内された私は、用意されたドレスに着替えた。さっき迄、着ていたドレスより、豪華なドレスだった。赤い色が主軸で、銀色の刺繍が至るところに施され、イヤリングと首飾りは、サファイアだった。メイド達が私を着飾り終えた頃
「やあ、着替えは、終わったかい」
聞き覚えのある声の持ち主は、第二王子アルフレッド殿下だった。
私は、幼い頃から、母と一緒に王妃様のお茶会に呼ばれて、王子達に遊んでもらった記憶がある。
そう、王太子フレデリック殿下と第二王子アルフレッド殿下とは、親しかった。でも、第三王子アディール殿下とは、実際婚約を結ぶまで顔を会わせた事も無かった。
私の婚約は、王家からの「是非に」申し入れで、断れなかったからなのだ。何でも、第三王子アディール殿下がお茶会に出席していた私が気に入ったとかで、決まった様だ。
実際に母と伯父は【破談】にしたがっていた。
まあ、解消したから結果的には良かった。
「お久しぶりです。アルフレッド殿下」
「まあ、あまり、畏まらなくていいよ。僕とジョゼの仲なんだから」
「ありがとございます。アルお兄様」
私に、昔から『アルお兄様、フレディお兄様』と呼ばせていた。
「でも、さっきまでのドレスも良かったけど、このドレスは、まるで君の為に誂えたみたいだね。良く似合っているよ。綺麗だ。」
「ふふっ、ドレスがですか?」
「まさか、仮面を付けたからって、君は君のままだろ。以前のまま、変わってないのに」
アルフレッド様は私が一番欲しい言葉をくれた。何だか、視界がぼやけてきて、母が亡くなった時に、枯らしたはずの大粒の涙が自然と頬をつたっていた。
『仮面を付けても変わらない』
その言葉に私は、何処か安堵した。
落ち着いた私を見て、
「ジョゼ、落ち着いたら会場に戻ろうか」
「はい」
「では、お手をどうぞ。姫君」
とおどけた態度でてを差し出した。
第二王子は、茶目っ気たっぷりの魅力的な方なのだ。
私が第二王子と一緒に入って来たのを見たジャネットと義母、第三王子アディール殿下は憎々しげな表情を向けた。
国王陛下や王太子殿下に挨拶が済むと、
「皆のもの、今日、この国に新たな王太子が誕生したことを祝えて、心から嬉しく思う。
だが、先程、愚息の第三王子が宣言した事で、気分を害した者も少なくないだろう。
そこで、ジョゼフィーネ・アンサンブル侯爵令嬢と第三王子アディールとの婚約は解消し、新たな婚約者にジャネット・アンサンブル侯爵令嬢を据える。また、ジョゼフィーネ・アンサンブル侯爵令嬢は、本日を持ってアンサンブル侯爵より除籍される事になった」
この発言を聞いて、ジャネット達は、大喜びした。
「これより、ジョゼフィーネ嬢は、ダンドーラ侯爵家に入り、その後見人には、母方のクリーク公爵とダンドーラ公爵が務める事になる。そして、以前から辺境伯爵家の申し入れがあった。結婚については、当初、王女が嫁ぐ予定だったが、和平が整った今、急遽隣国に嫁がせる事にあいなった。
王女の代わりにジョゼフィーネ・ダンドーラ侯爵令嬢を嫁がせる事になった。皆もその様に心得てくれ」
そう宣言された。陛下は、アンサンブル侯爵と伯父のクリーク公爵・ダンドーラ公爵を別室に呼び、婚約解消の書類にサインさせた。
その際に、今後私の事は両公爵家と王家の間で、相談することに決まった。
何だか、狐に摘ままれた様に微妙な表情をジャネット達はしていた。
詳しい事は、後日、知らされる事になった私は、その日、伯父の公爵家に泊まった。
「やあ、着替えは、終わったかい」
聞き覚えのある声の持ち主は、第二王子アルフレッド殿下だった。
私は、幼い頃から、母と一緒に王妃様のお茶会に呼ばれて、王子達に遊んでもらった記憶がある。
そう、王太子フレデリック殿下と第二王子アルフレッド殿下とは、親しかった。でも、第三王子アディール殿下とは、実際婚約を結ぶまで顔を会わせた事も無かった。
私の婚約は、王家からの「是非に」申し入れで、断れなかったからなのだ。何でも、第三王子アディール殿下がお茶会に出席していた私が気に入ったとかで、決まった様だ。
実際に母と伯父は【破談】にしたがっていた。
まあ、解消したから結果的には良かった。
「お久しぶりです。アルフレッド殿下」
「まあ、あまり、畏まらなくていいよ。僕とジョゼの仲なんだから」
「ありがとございます。アルお兄様」
私に、昔から『アルお兄様、フレディお兄様』と呼ばせていた。
「でも、さっきまでのドレスも良かったけど、このドレスは、まるで君の為に誂えたみたいだね。良く似合っているよ。綺麗だ。」
「ふふっ、ドレスがですか?」
「まさか、仮面を付けたからって、君は君のままだろ。以前のまま、変わってないのに」
アルフレッド様は私が一番欲しい言葉をくれた。何だか、視界がぼやけてきて、母が亡くなった時に、枯らしたはずの大粒の涙が自然と頬をつたっていた。
『仮面を付けても変わらない』
その言葉に私は、何処か安堵した。
落ち着いた私を見て、
「ジョゼ、落ち着いたら会場に戻ろうか」
「はい」
「では、お手をどうぞ。姫君」
とおどけた態度でてを差し出した。
第二王子は、茶目っ気たっぷりの魅力的な方なのだ。
私が第二王子と一緒に入って来たのを見たジャネットと義母、第三王子アディール殿下は憎々しげな表情を向けた。
国王陛下や王太子殿下に挨拶が済むと、
「皆のもの、今日、この国に新たな王太子が誕生したことを祝えて、心から嬉しく思う。
だが、先程、愚息の第三王子が宣言した事で、気分を害した者も少なくないだろう。
そこで、ジョゼフィーネ・アンサンブル侯爵令嬢と第三王子アディールとの婚約は解消し、新たな婚約者にジャネット・アンサンブル侯爵令嬢を据える。また、ジョゼフィーネ・アンサンブル侯爵令嬢は、本日を持ってアンサンブル侯爵より除籍される事になった」
この発言を聞いて、ジャネット達は、大喜びした。
「これより、ジョゼフィーネ嬢は、ダンドーラ侯爵家に入り、その後見人には、母方のクリーク公爵とダンドーラ公爵が務める事になる。そして、以前から辺境伯爵家の申し入れがあった。結婚については、当初、王女が嫁ぐ予定だったが、和平が整った今、急遽隣国に嫁がせる事にあいなった。
王女の代わりにジョゼフィーネ・ダンドーラ侯爵令嬢を嫁がせる事になった。皆もその様に心得てくれ」
そう宣言された。陛下は、アンサンブル侯爵と伯父のクリーク公爵・ダンドーラ公爵を別室に呼び、婚約解消の書類にサインさせた。
その際に、今後私の事は両公爵家と王家の間で、相談することに決まった。
何だか、狐に摘ままれた様に微妙な表情をジャネット達はしていた。
詳しい事は、後日、知らされる事になった私は、その日、伯父の公爵家に泊まった。
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