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仮面の令嬢 辺境に嫁ぐ
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春麗らかな日射しの中、ブラックボンド辺境伯爵家では、婚礼が華やかに行われていた。
「では誓いの口付けを」
花嫁のベールを取ると、そこには仮面を付けた花嫁がいた。
参列者は、(えっ、仮面?あれに口付けるのか?)全員のツッコミが聴こえてくるような光景だった。
この結婚式は、末代までの語り種になった。
「これに口付けをするのか…」
思わず、花婿は呟いた。
無言で全員頷いていた。
「あのう、手では駄目でしょうか?」
仮面の花嫁から愛らしい声が聴こえてきた。
神官が「別に問題ありません」そう告げると花婿と参列者はホッと胸を撫で下ろした。
誰だって、得体の知れない物に口付けはしたくないだろう。
(ナイス、神官!)
全員の心の声が聴こえてきそうだ。
だが、花婿の試練は更に続くことになる。
披露宴が終わると、花嫁と二人だけになるのだが、
(果たして、自分はあの仮面女と初夜を無事迎えられるのか?はっきり言って自信がない)
ため息をつきながら、夫婦の寝室に向かった。
(疲れて寝ていてくれないかな~)
僅かな期待は外れ、ガッツリ花嫁は起きていた。
無言でベッドに入ると、
「恥ずかしいので、明かりを消しては頂けないでしょうか?」
花婿は、明かりを消して事に挑んだ。なんとも言えない倒錯的な初夜だった。暗闇の中に花嫁の愛らしい声で喘がれ、乱れた姿を想像しただけで夢中になれた。
どのくらいしたのか、相手は処女なのに加減が出来なかったらしい。気が付けば朝になっていた。今までになく刺激的な夜だった。
(俺は、新境地を開いたかも知れない…)
訳のわからない理屈をつけて、まだ眠っている妻を後にして、部屋から出ていった。
主人が朝まで寝室にいたことは、屋敷の全員が知る事となった。
(旦那様は、戦場でも強いが、こっちの方も強いんだな。ウンウン)
等と妙な納得をしていた。
昼頃になって奥方が恥ずかしそうに食堂に現れた。その姿に全員が
「「「「えっ、誰?」」」」
と呟いた。勿論、辺境伯は開口一番に、大きな声で言った。あまりの声の大きさに侍女がポットを落とした位だ。
「旦那様、奥方様の素顔でございます」
侍女頭のシーラが告げると、後ろに控えていた専属侍女達も『ウンウン』と頷いていた。
正に晴天の霹靂!美少女と噂の妹の代わりに嫁いで来た姉は、実は、とんでもない美女だった。【傾国の美女】とはこの娘の事をいうんだろうな。
『これは、護衛の命がいくつあっても足らないだろう』
その場の全員が思った。
何故なら、主人である辺境伯は、大きな口を開けて、誰より顔を真っ赤にして奥方の顔を食いいる様に見つめている。完全に一目惚れだった。分かりやすい主人に家令のモーリスは、
(先が思いやられる。きっとこのしっかり者の奥方様に一生頭が上がらないことだろう)
と想像した。
斯くして、仮面の令嬢の辺境地での新しい新婚生活がスタートした
「では誓いの口付けを」
花嫁のベールを取ると、そこには仮面を付けた花嫁がいた。
参列者は、(えっ、仮面?あれに口付けるのか?)全員のツッコミが聴こえてくるような光景だった。
この結婚式は、末代までの語り種になった。
「これに口付けをするのか…」
思わず、花婿は呟いた。
無言で全員頷いていた。
「あのう、手では駄目でしょうか?」
仮面の花嫁から愛らしい声が聴こえてきた。
神官が「別に問題ありません」そう告げると花婿と参列者はホッと胸を撫で下ろした。
誰だって、得体の知れない物に口付けはしたくないだろう。
(ナイス、神官!)
全員の心の声が聴こえてきそうだ。
だが、花婿の試練は更に続くことになる。
披露宴が終わると、花嫁と二人だけになるのだが、
(果たして、自分はあの仮面女と初夜を無事迎えられるのか?はっきり言って自信がない)
ため息をつきながら、夫婦の寝室に向かった。
(疲れて寝ていてくれないかな~)
僅かな期待は外れ、ガッツリ花嫁は起きていた。
無言でベッドに入ると、
「恥ずかしいので、明かりを消しては頂けないでしょうか?」
花婿は、明かりを消して事に挑んだ。なんとも言えない倒錯的な初夜だった。暗闇の中に花嫁の愛らしい声で喘がれ、乱れた姿を想像しただけで夢中になれた。
どのくらいしたのか、相手は処女なのに加減が出来なかったらしい。気が付けば朝になっていた。今までになく刺激的な夜だった。
(俺は、新境地を開いたかも知れない…)
訳のわからない理屈をつけて、まだ眠っている妻を後にして、部屋から出ていった。
主人が朝まで寝室にいたことは、屋敷の全員が知る事となった。
(旦那様は、戦場でも強いが、こっちの方も強いんだな。ウンウン)
等と妙な納得をしていた。
昼頃になって奥方が恥ずかしそうに食堂に現れた。その姿に全員が
「「「「えっ、誰?」」」」
と呟いた。勿論、辺境伯は開口一番に、大きな声で言った。あまりの声の大きさに侍女がポットを落とした位だ。
「旦那様、奥方様の素顔でございます」
侍女頭のシーラが告げると、後ろに控えていた専属侍女達も『ウンウン』と頷いていた。
正に晴天の霹靂!美少女と噂の妹の代わりに嫁いで来た姉は、実は、とんでもない美女だった。【傾国の美女】とはこの娘の事をいうんだろうな。
『これは、護衛の命がいくつあっても足らないだろう』
その場の全員が思った。
何故なら、主人である辺境伯は、大きな口を開けて、誰より顔を真っ赤にして奥方の顔を食いいる様に見つめている。完全に一目惚れだった。分かりやすい主人に家令のモーリスは、
(先が思いやられる。きっとこのしっかり者の奥方様に一生頭が上がらないことだろう)
と想像した。
斯くして、仮面の令嬢の辺境地での新しい新婚生活がスタートした
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