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第一章
番外編 ※第一王子⑧
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エドモンド・オーウェスト侯爵からの返事はすぐに届いた。
しかもフロンティア皇帝の勅書も添えられていて、それを持って俺は父王に謁見を申し込んだ。
「ここに書かれているのは、事実なのか?」
「はい。ベアトリーチェ・チェスター公爵令嬢は、フロンティア帝国の大公閣下の一人娘です」
「愚か者め…」
父は報告書に書かれてある弟の学園での行動を読み返していた。
愚か者…か。
果たしてそれは誰のことだろう。
自分にも当てはまる故に深くは追及しない。
原因はこの国の王族の慣習やしきたりなのだ。それを改革もせずに続けていることこそが全ての発端であり、元凶なのだから。
父一人のせいでもなければ弟だけの問題でもない。
「どうなさるおつもりですか。フロンティアは、ベアトリーチェ嬢を返してほしいと訴えておりますよ」
「す…少し考えさせてくれ…」
「あまり、時はないかと」
「レイノルドと話をしなければならん」
「そうですか」
父は俺の前で『レイノルド』とウィルウッドのことをそう口にした。
分かってはいたが、かつての自分の名を平然と弟に与えられたことに失望もした。
この人にとって、『レイノルド』は俺でも弟でもよかったのだと…。
今更期待などしないが、さらに父に対する思いが覚めていくのを感じていた。
俺は報告を終えると、伯爵家に帰った。
その中で、放課後のいざこざをドナルドから聞かされたのだ。
なんでも王族専用のサロンに下級貴族をジュリアが招いて、それをベアトリーチェが咎めたらしい。しかし、例のごとく弟がジュリアを庇う様な発言をした為、結局またベアトリーチェが割を食らうことになったようだ。
俺がいない間に、いつも弟は後先考えずに行動する。
もう、高位貴族の中で弟に従う者はいなくなるかもしれないのに…。
自分の愚かな言動が周りにどう見られているのかを知らないのか。それともわかってしていることなのか。俺は名乗ることができないもどかしさで、どうにかなりそうだった。
翌日から試験期間に入る為、午前授業が続く中、図書館はいつになく大盛況だ。
いつもの場所で本棚を背に何げなく本を読んでいると、
「あのう…。アルバーナ様お願いがあるんですが」
恐る恐る声をかけてくる銀髪の少女は、恥ずかし気に俯きながら俺の方をちらりと見る。
ああ…本当にこの子はどうしてこうなのか…。
自分が魅力的な女性だと自覚のないベアトリーチェは、上目遣いに俺を見上げる。
頬をほんのり赤く染めて、悩んで迷うような仕草がどれほど男心を擽るのか分かっていない。
俺の理性を試すように彼女は言葉を続けた。
「試験勉強を一緒にしていただけないかと…」
「ああ…かまわないよ」
「ありがとうございます」
さっきまでのおどおどした声音から明るい声音に変わった彼女は、喜んで自分がとっておいた席に戻った。
俺も彼女について、その隣に座って教科書をめくる。
「で、どこが解らないんだ?」
「ここが…解釈の仕方がわからないんです」
近隣諸国の歴史か…。確かに分かりにくいよな。
丁寧に彼女に分かりやすく説明すると、「ありがとうございます」とお礼を言う彼女は本当に素直で模範的な優等生なのに…。残念な事に弟が絡むとその優秀さもポンコツになるらしい。
恋は人を馬鹿にするとは昔の人はよく言ったものだ。
それは彼女だけ限らないけれどな。俺もその馬鹿の一人だ。
隣の彼女から甘い香りが漂ってくるが、俺は気にしない様に全神経を勉強に集中した。
横髪が邪魔になるのか、指で耳にかける仕草やふいに向けられる笑顔に一喜一憂する俺を気にすることなく彼女は勉強に励んでいる。
「なあ、なんでそんなに頑張っているんだ。いつも上位にいるだろう」
「それは…レイノルド様が首位になれば昼食を一緒に摂ってくれる約束なので」
はにかみながら答える彼女を見て、俺の中にまた醜い感情が渦巻く。同時に警告するように心臓が痛んだ。
はっ、この痛みは呪いの所為なのか、嫉妬なのかわからない。
でもまだはっきりと彼女から引導を渡されたわけではないから、取り敢えず置いておくことにした。
結果、彼女は頑張った成果を残せた。約束通り首位に立ったのだ。
俺はいつもより勉強した所為か、満点で首位になったのだが、レイノルドは3問不正解を出して次位となった。
嬉しそうに俺に報告に来たベアトリーチェは、その足でレイノルドの方に駆け寄っていき、見事に撃沈した。
レイノルドに突き飛ばされて、周りから嘲笑われている彼女はいつもの旧校舎の方に走り去っていった。
俺はその後を追う様にその場を離れた。
だから知らない。
後悔した弟がベアトリーチェを探しているなど。
彼女を見つけた時、蹲る様に膝を抱えて裏庭に座り込んでいた。
ザクッ…。
俺の足音が聞こえたのだろう。彼女は顔を上げて俺の方を見た。その頬は涙がつたっている。
こんなことを思う俺はイカレているのだろうか。
溢れそうな粒の露を含んだ翠の瞳が日の光でキラキラと煌めいていた。
なんて綺麗なんだろう。
銀色の髪が風に揺られて、とても美しく幻想的だった。
──銀の妖精姫……。
誰かが彼女の母親をそう呼んでいたが、母親譲りの容姿はまさにその名にピタリと当て嵌まる。
「もう、いい加減諦めたらどうだ。虚しいだけだろう。想われていないことを承知で縋っている姿は見ているこっちが痛々しくなる」
「放っておいてよ。貴方には関係ないことでしょう。部外者は黙って!!」
トゲトゲしい言葉で俺を拒絶しながら、『わたしを愛して』と心の中で叫んでいる彼女の声が聞こえるような気がした。
「部外者ねぇ、あながち部外者でもないんだがな。俺は君の伯父上に頼まれているんだ。もし、君が窮地に陥っているならフロンティアに連れてくるようにな」
「伯父様から…」
伯父の名を出した途端、強気だった彼女は柔らかい表情に変わった。それだけ、伯父エドモンドは彼女にとって特別なんだと認識した。
「ああ、だから俺の手を取れよ。一緒にフロンティアに行こう」
オーウェスト侯爵からの手紙には彼女の意思を尊重するので、無理に連れ帰らない様に皇帝にも釘を刺されていると書かれていたし、俺も無理強いは好まない。自然と彼女が俺の手を取れるように誘導するだけだ。
だが…彼女は眼を彷徨わせて言い訳を考えている。
ああ…断るんだろうな。
「無理よ。だってレイノルド様との婚約は王命なんだから」
「大丈夫だよ。なんとかなるから」
「でも、やっぱり無理」
「なんでだよ」
「そ…それは、わたしが……」
「わたしが殿下の傍にいたいの。離れたくないのよ。離れたら二度と会えなく気がするから」
予想通り俺の誘いを断った。
でも、まだチャンスはあるような気がする。
彼女は気が付いていないが「好きだ」「愛している」とは言葉にしなかったのだ。
きっと気付かない内に彼女の中で、何かが変わっていっている。
俺は、この時もっとはっきりと自分の本音を言わなかったことを後悔した。
それから、彼女はしばらく俺から離れていった。
そして、俺はフロンティアに帰ることになった。
でも、俺の中でもうベアトリーチェを弟に譲るつもりはなかった。奪い返そうと密かに決心する。
フロンティアに帰ると直ぐにエドモンド・オーウェスト侯爵に会い、俺の本音を語った。
侯爵も最初は断ったが、何度も何度も熱心に頭を下げると、次第に強固だった態度も軟化して、俺の話をきちんと聞いてくれるようになった。
気付くと帰国してから一年が過ぎ、ベアトリーチェと弟は正式に婚約を破棄した。
俺がベアトリーチェを愛していることを伝えると、身分を考慮しても釣り合いが取れていると言って賛成してくれた。
何年も説得には時間がかかったが、一緒にアルカイドについて行ったレジェスの報告が良かったのだろう。最後には了承してくれたのだ。
侯爵は皇帝にも話をつけて、アルカイドに行く手筈を整えた矢先、ベアトリーチェが修道院に送られたことを知ったのだ。
それでも彼女を諦められない俺は再び、アルカイドに潜入する方法を模索した。
しかもフロンティア皇帝の勅書も添えられていて、それを持って俺は父王に謁見を申し込んだ。
「ここに書かれているのは、事実なのか?」
「はい。ベアトリーチェ・チェスター公爵令嬢は、フロンティア帝国の大公閣下の一人娘です」
「愚か者め…」
父は報告書に書かれてある弟の学園での行動を読み返していた。
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原因はこの国の王族の慣習やしきたりなのだ。それを改革もせずに続けていることこそが全ての発端であり、元凶なのだから。
父一人のせいでもなければ弟だけの問題でもない。
「どうなさるおつもりですか。フロンティアは、ベアトリーチェ嬢を返してほしいと訴えておりますよ」
「す…少し考えさせてくれ…」
「あまり、時はないかと」
「レイノルドと話をしなければならん」
「そうですか」
父は俺の前で『レイノルド』とウィルウッドのことをそう口にした。
分かってはいたが、かつての自分の名を平然と弟に与えられたことに失望もした。
この人にとって、『レイノルド』は俺でも弟でもよかったのだと…。
今更期待などしないが、さらに父に対する思いが覚めていくのを感じていた。
俺は報告を終えると、伯爵家に帰った。
その中で、放課後のいざこざをドナルドから聞かされたのだ。
なんでも王族専用のサロンに下級貴族をジュリアが招いて、それをベアトリーチェが咎めたらしい。しかし、例のごとく弟がジュリアを庇う様な発言をした為、結局またベアトリーチェが割を食らうことになったようだ。
俺がいない間に、いつも弟は後先考えずに行動する。
もう、高位貴族の中で弟に従う者はいなくなるかもしれないのに…。
自分の愚かな言動が周りにどう見られているのかを知らないのか。それともわかってしていることなのか。俺は名乗ることができないもどかしさで、どうにかなりそうだった。
翌日から試験期間に入る為、午前授業が続く中、図書館はいつになく大盛況だ。
いつもの場所で本棚を背に何げなく本を読んでいると、
「あのう…。アルバーナ様お願いがあるんですが」
恐る恐る声をかけてくる銀髪の少女は、恥ずかし気に俯きながら俺の方をちらりと見る。
ああ…本当にこの子はどうしてこうなのか…。
自分が魅力的な女性だと自覚のないベアトリーチェは、上目遣いに俺を見上げる。
頬をほんのり赤く染めて、悩んで迷うような仕草がどれほど男心を擽るのか分かっていない。
俺の理性を試すように彼女は言葉を続けた。
「試験勉強を一緒にしていただけないかと…」
「ああ…かまわないよ」
「ありがとうございます」
さっきまでのおどおどした声音から明るい声音に変わった彼女は、喜んで自分がとっておいた席に戻った。
俺も彼女について、その隣に座って教科書をめくる。
「で、どこが解らないんだ?」
「ここが…解釈の仕方がわからないんです」
近隣諸国の歴史か…。確かに分かりにくいよな。
丁寧に彼女に分かりやすく説明すると、「ありがとうございます」とお礼を言う彼女は本当に素直で模範的な優等生なのに…。残念な事に弟が絡むとその優秀さもポンコツになるらしい。
恋は人を馬鹿にするとは昔の人はよく言ったものだ。
それは彼女だけ限らないけれどな。俺もその馬鹿の一人だ。
隣の彼女から甘い香りが漂ってくるが、俺は気にしない様に全神経を勉強に集中した。
横髪が邪魔になるのか、指で耳にかける仕草やふいに向けられる笑顔に一喜一憂する俺を気にすることなく彼女は勉強に励んでいる。
「なあ、なんでそんなに頑張っているんだ。いつも上位にいるだろう」
「それは…レイノルド様が首位になれば昼食を一緒に摂ってくれる約束なので」
はにかみながら答える彼女を見て、俺の中にまた醜い感情が渦巻く。同時に警告するように心臓が痛んだ。
はっ、この痛みは呪いの所為なのか、嫉妬なのかわからない。
でもまだはっきりと彼女から引導を渡されたわけではないから、取り敢えず置いておくことにした。
結果、彼女は頑張った成果を残せた。約束通り首位に立ったのだ。
俺はいつもより勉強した所為か、満点で首位になったのだが、レイノルドは3問不正解を出して次位となった。
嬉しそうに俺に報告に来たベアトリーチェは、その足でレイノルドの方に駆け寄っていき、見事に撃沈した。
レイノルドに突き飛ばされて、周りから嘲笑われている彼女はいつもの旧校舎の方に走り去っていった。
俺はその後を追う様にその場を離れた。
だから知らない。
後悔した弟がベアトリーチェを探しているなど。
彼女を見つけた時、蹲る様に膝を抱えて裏庭に座り込んでいた。
ザクッ…。
俺の足音が聞こえたのだろう。彼女は顔を上げて俺の方を見た。その頬は涙がつたっている。
こんなことを思う俺はイカレているのだろうか。
溢れそうな粒の露を含んだ翠の瞳が日の光でキラキラと煌めいていた。
なんて綺麗なんだろう。
銀色の髪が風に揺られて、とても美しく幻想的だった。
──銀の妖精姫……。
誰かが彼女の母親をそう呼んでいたが、母親譲りの容姿はまさにその名にピタリと当て嵌まる。
「もう、いい加減諦めたらどうだ。虚しいだけだろう。想われていないことを承知で縋っている姿は見ているこっちが痛々しくなる」
「放っておいてよ。貴方には関係ないことでしょう。部外者は黙って!!」
トゲトゲしい言葉で俺を拒絶しながら、『わたしを愛して』と心の中で叫んでいる彼女の声が聞こえるような気がした。
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「伯父様から…」
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「なんでだよ」
「そ…それは、わたしが……」
「わたしが殿下の傍にいたいの。離れたくないのよ。離れたら二度と会えなく気がするから」
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でも、まだチャンスはあるような気がする。
彼女は気が付いていないが「好きだ」「愛している」とは言葉にしなかったのだ。
きっと気付かない内に彼女の中で、何かが変わっていっている。
俺は、この時もっとはっきりと自分の本音を言わなかったことを後悔した。
それから、彼女はしばらく俺から離れていった。
そして、俺はフロンティアに帰ることになった。
でも、俺の中でもうベアトリーチェを弟に譲るつもりはなかった。奪い返そうと密かに決心する。
フロンティアに帰ると直ぐにエドモンド・オーウェスト侯爵に会い、俺の本音を語った。
侯爵も最初は断ったが、何度も何度も熱心に頭を下げると、次第に強固だった態度も軟化して、俺の話をきちんと聞いてくれるようになった。
気付くと帰国してから一年が過ぎ、ベアトリーチェと弟は正式に婚約を破棄した。
俺がベアトリーチェを愛していることを伝えると、身分を考慮しても釣り合いが取れていると言って賛成してくれた。
何年も説得には時間がかかったが、一緒にアルカイドについて行ったレジェスの報告が良かったのだろう。最後には了承してくれたのだ。
侯爵は皇帝にも話をつけて、アルカイドに行く手筈を整えた矢先、ベアトリーチェが修道院に送られたことを知ったのだ。
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