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第二章
初恋はいつですか
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ベアトリーチェは、ベッドに潜り込んで悶々としていた。
先ほどのデミオンの行動が気になって仕方がない。
一体…いつから……。
自分の気持ちに薄々気づいてはいたが、気付かないように無意識に心の奥にしまい込もうとしていた。
しかし、急にあんな風な扱いを受ければ、戸惑いを隠すことができない。
まだまだ子供だという者もいれば、13才なら子供でもないという者もいる微妙な年頃。
しかし、それも後何か月かでデビュタントを迎えて、ベアトリーチェは正式に大公令嬢として公の場にでることになる。
今までは、病弱設定でお茶会などの公式な行事もすっ飛ばしてきたが、いざお披露目されればそうもいかない。今の内にしか自由がないのは、フロンティアとて同じこと。
アルカイドでは、公爵令嬢としてある程度のマナーを身に着けていたが、ここではそれ以上のものが求められている。
父は皇帝の従弟、つまり皇族。
フェリシアについて、皇女殿下とマナー、教養を学ばせてもらっているが、それも終わりが見えてきた。のに…。
今も自分の感情を持て余している。
幾度となく、夢で警告されているような気がするが、起きた時にはほとんど忘れている。ただ悪夢の破片のような物はベアトリーチェの心に突き刺さる。
誰かを好きになってはだめだと、未来の自分がそう教えている。夢で見た大人になったベアトリーチェの行動は、今の自分が見ても褒められたものではなかった。
いつも誰かを強く求めて、威嚇するような咆哮している。
周りには誰もおらず、一人ぼっちの日々…。
そんな人間に誰がやさしくしてくれるはずがない。
でも、似ているのだ。
時々、気分が高揚している今のような気持の時に、ふと現れる男性…。
その人物が誰なのか、はっきりと顔が見えないにも関わらず、何故か懐かしいとさえ思う。
手を差し出されても掴めない。その人にベアトリーチェはデミオンを重ねていた。
幸せの余韻に浸りながら、ベアトリーチェは恥ずかしさで枕に顔を埋め、足をバタバタと動かしている。
恥ずかしい…。
夢の中の王子は、ベアトリーチェの幼い心にするりと入り込んでいた。
デビュタントが過ぎれば、きっと多くの貴族から求婚されることは、ベアトリーチェにもわかっていた。
それは、大公家の跡取りということよりもオーウェスト侯爵家の血を持っている女子としての価値のほうが高い。
リリエンヌを逃した貴族は更なる手でベアトリーチェを獲得しようと動くはずだ。
それ故に、ベアトリーチェは学園に気軽に通えない。
15才まで待たなくてはならないのだ。
無意識に『魅了』の魔法を使わないために…。
先ほど触れた指先を見つめながら、瞼をそっと閉じた。
──どうか、王子様に会えますように…。
先ほどのデミオンの行動が気になって仕方がない。
一体…いつから……。
自分の気持ちに薄々気づいてはいたが、気付かないように無意識に心の奥にしまい込もうとしていた。
しかし、急にあんな風な扱いを受ければ、戸惑いを隠すことができない。
まだまだ子供だという者もいれば、13才なら子供でもないという者もいる微妙な年頃。
しかし、それも後何か月かでデビュタントを迎えて、ベアトリーチェは正式に大公令嬢として公の場にでることになる。
今までは、病弱設定でお茶会などの公式な行事もすっ飛ばしてきたが、いざお披露目されればそうもいかない。今の内にしか自由がないのは、フロンティアとて同じこと。
アルカイドでは、公爵令嬢としてある程度のマナーを身に着けていたが、ここではそれ以上のものが求められている。
父は皇帝の従弟、つまり皇族。
フェリシアについて、皇女殿下とマナー、教養を学ばせてもらっているが、それも終わりが見えてきた。のに…。
今も自分の感情を持て余している。
幾度となく、夢で警告されているような気がするが、起きた時にはほとんど忘れている。ただ悪夢の破片のような物はベアトリーチェの心に突き刺さる。
誰かを好きになってはだめだと、未来の自分がそう教えている。夢で見た大人になったベアトリーチェの行動は、今の自分が見ても褒められたものではなかった。
いつも誰かを強く求めて、威嚇するような咆哮している。
周りには誰もおらず、一人ぼっちの日々…。
そんな人間に誰がやさしくしてくれるはずがない。
でも、似ているのだ。
時々、気分が高揚している今のような気持の時に、ふと現れる男性…。
その人物が誰なのか、はっきりと顔が見えないにも関わらず、何故か懐かしいとさえ思う。
手を差し出されても掴めない。その人にベアトリーチェはデミオンを重ねていた。
幸せの余韻に浸りながら、ベアトリーチェは恥ずかしさで枕に顔を埋め、足をバタバタと動かしている。
恥ずかしい…。
夢の中の王子は、ベアトリーチェの幼い心にするりと入り込んでいた。
デビュタントが過ぎれば、きっと多くの貴族から求婚されることは、ベアトリーチェにもわかっていた。
それは、大公家の跡取りということよりもオーウェスト侯爵家の血を持っている女子としての価値のほうが高い。
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それ故に、ベアトリーチェは学園に気軽に通えない。
15才まで待たなくてはならないのだ。
無意識に『魅了』の魔法を使わないために…。
先ほど触れた指先を見つめながら、瞼をそっと閉じた。
──どうか、王子様に会えますように…。
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