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第一章
※ フェリシアの死
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その年の冬は特に寒く、貧民街は凍死者が多く出た。
春の訪れを国中が待ちわびていた。
春先の肌寒い季節の変わり目にフェリシアは、冷たい遺体となって、紫蘭宮で見つかった。
前日は、デビュタントで多くの貴族が出入りしていた。
王宮の舞踏会場はめでたい日を祝う人々の喜びの声で溢れていたのに…。
フェリシアは、15才という若さで短い生涯を閉じた。
王宮の侍女や騎士達も会場の警備に回されていて、専属の侍女がフェリシアがいない事に気が付いた時は、夜会が終わってから随分経ってからのことだった。
夜更けに、侍女がフェリシアの様子を見に行くと、部屋の中にフェリシアの姿がない。慌てた侍女は近衛騎士に連絡して、王宮中を探し回った。
何処にもいないフェリシア。一人のメイドが洩らした言葉がきっかけで、紫蘭宮を捜索することになる。
「確か…チェスター公爵令嬢が王女様に紫蘭宮のことを話されていた様な…」
不確かな発言だったが、藁にもすがる思いで向かった宮殿の一室で、フェリシアは変わり果てた姿で見つかった。
それはかつて兄レイノルドと同じように黒いシミのような痣が全身に広がっていた。その姿を見た一人が「王女は呪われた」と呟いた。
そして、メイドが証言した言葉が疑惑となって、ベアトリーチェを追い詰めていくことになった。
王宮では、ベアトリーチェがレイノルドと仲の良いフェリシアに嫉妬して、紫蘭宮に行くように仕向けたと噂されるようになった。
そんな事はない。ベアトリーチェはそんな人間ではない。違う。何かの間違いだ。そう僕は否定した。
噂の真相を確かめる為にベアトリーチェを問いただした。
「君がフェリシアに紫蘭宮のことを話したのか?」
「確かにお教えしたことはありますが…」
「もういい。君はそんな人ではないと思っていたのに」
ベアトリーチェの言葉を遮って僕は彼女に対して勝手に失望した。この時、最後までベアトリーチェの言葉を聞けば良かったのに……。
僕の心に様々な感情が生まれていた。未熟な僕はその感情に呑まれたまま、ベアトリーチェに事実を確認しようとした。それあ大きな過ちだったのだ。
もっと、気持ちに区切りが付いた時なら、もっと冷静に判断できたはずだ。
突然の唯一の家族だった妹の死は僕とベアトリーチェの関係に大きな罅を入れたのだ。
僕の心の中に小さなわだかまりが、少しずつベアトリーチェへの大きな不信感に変わるのに時間はかからなかった。
僕は季節外れの満開の花を見て、去年のフェリシアのデビュタントを思い出していた。
フェリシアは、公の場に出ることを赦されない。だから、その日はひっそりと自分だけのデビュタントを楽しんでいた。
僕は2年前にすでにデビュタントを終えていた。次の年はベアトリーチェがデビューした。
ベアトリーチェがデビューする一週間前に水害にあった地区を慰問していた僕は、彼女をエスコートできなかった。
代わりに彼女は護衛騎士の一人と会場に入ったらしい。遅れてきた僕に労いの言葉をかけてくれた彼女は愛らしい婚約者だった。
フェリシアの年のデビュタントは、見知った貴族が多い年だった。その中にベアトリーチェの異母妹ジュリアも参加していた。
一通り挨拶を受け、それぞれがダンスや雑談に夢中になっていた頃、僕はベアトリーチェの姿が無いことに気付いた。
会場を抜け出そうとした時に僕の袖を引っ張る少女と目が合う。
ジュリア・チェスター公爵令嬢。
ベアトリーチェの異母妹。
公爵家へベアトリーチェに会いに行くと決まって、僕らと一緒にいたがる子。
皆が天使の様に美しい容姿だと褒めていたが、ベアトリーチェやフェリシアに比べれば、僕には他の令嬢と何が違うのかと疑問に思うほどだった。
「あのう、お義兄さま。ダンスを踊ってもらえませんか?」
まだ婚約中でベアトリーチェとは婚姻していないにも拘わらず、ジュリアはいつも僕を『お義兄さま』と呼ぶ。
確かに他の貴族ならそうかもしれないが、仮にも王族に対する接し方ではない。
近しいといっても僕は王子。常々、ジュリアのとる距離感がおかしいことには気付いていたが、こんな公の場でもかとため息を付いた。
面倒だと。僕は側近の一人に彼女を押し付けて、さっさと会場を後にして、お目当ての場所に向かった。
夜の満開の花の中で、二人の少女が笑い合いながらダンスをしていた。
一人はフェリシアで僕が贈ったドレスを自慢げに、もう一人の少女ベアトリーチェに語っていた。
フェリシアは何気なくベアトリーチェのデビュタントの様子を聞くと、
「そうですね。ドレスはフロンティアにいる伯父が用意してくれたんです。本当はレイノルド様から贈られたかったけれど、ちょうど時期が悪くて、間に合わないと思っていたから、伯父からのドレスは正直嬉しくてありがたかったの」
「どんなドレスだったの?」
「薄紫色の布にアルカイドの象徴花の蘭を金と銀の刺繍糸で刺繍されたもので、ベールにはフロンティアの象徴花桜をレース編みされたものだったわ。とても素晴らしいもので、頂いた時は早く来てみたくて、一日中ドレスを眺めていたの」
「ふーん、お兄様が贈ってくれたこのドレスよりも」
「それは比べられないわ。だって、シアの為にレイが用意した物だもの。だから、シアが羨ましい。わたしもレイからドレスを貰いたい…」
会場からお菓子を持ってきたようで、手でつまみながら楽しそうに話をしていた。夜のライトに照らされた二人の髪は金と銀で対の様に思えた。
確かに、ベアトリーチェのドレス姿は美しかった。少し大人びたドレスは、ベアトリーチェによく似合っていた。
この時は、いつか機会があれば彼女にドレスを贈ろうと考えていた。僕はその機会が永遠に来ない事をまだ知らなかった。
もし、僕はあの時、ベアトリーチェが「知らない。言っていない」と言っても信じただろうか?
その答えは『否』だろう。
頭に血が上った状態で、ベアトリーチェに詰問して、彼女の返答が自分の望んだものでなければ全て否定したはずだ。
僕はこの事を後に盛大に後悔するはめになった。
春の訪れを国中が待ちわびていた。
春先の肌寒い季節の変わり目にフェリシアは、冷たい遺体となって、紫蘭宮で見つかった。
前日は、デビュタントで多くの貴族が出入りしていた。
王宮の舞踏会場はめでたい日を祝う人々の喜びの声で溢れていたのに…。
フェリシアは、15才という若さで短い生涯を閉じた。
王宮の侍女や騎士達も会場の警備に回されていて、専属の侍女がフェリシアがいない事に気が付いた時は、夜会が終わってから随分経ってからのことだった。
夜更けに、侍女がフェリシアの様子を見に行くと、部屋の中にフェリシアの姿がない。慌てた侍女は近衛騎士に連絡して、王宮中を探し回った。
何処にもいないフェリシア。一人のメイドが洩らした言葉がきっかけで、紫蘭宮を捜索することになる。
「確か…チェスター公爵令嬢が王女様に紫蘭宮のことを話されていた様な…」
不確かな発言だったが、藁にもすがる思いで向かった宮殿の一室で、フェリシアは変わり果てた姿で見つかった。
それはかつて兄レイノルドと同じように黒いシミのような痣が全身に広がっていた。その姿を見た一人が「王女は呪われた」と呟いた。
そして、メイドが証言した言葉が疑惑となって、ベアトリーチェを追い詰めていくことになった。
王宮では、ベアトリーチェがレイノルドと仲の良いフェリシアに嫉妬して、紫蘭宮に行くように仕向けたと噂されるようになった。
そんな事はない。ベアトリーチェはそんな人間ではない。違う。何かの間違いだ。そう僕は否定した。
噂の真相を確かめる為にベアトリーチェを問いただした。
「君がフェリシアに紫蘭宮のことを話したのか?」
「確かにお教えしたことはありますが…」
「もういい。君はそんな人ではないと思っていたのに」
ベアトリーチェの言葉を遮って僕は彼女に対して勝手に失望した。この時、最後までベアトリーチェの言葉を聞けば良かったのに……。
僕の心に様々な感情が生まれていた。未熟な僕はその感情に呑まれたまま、ベアトリーチェに事実を確認しようとした。それあ大きな過ちだったのだ。
もっと、気持ちに区切りが付いた時なら、もっと冷静に判断できたはずだ。
突然の唯一の家族だった妹の死は僕とベアトリーチェの関係に大きな罅を入れたのだ。
僕の心の中に小さなわだかまりが、少しずつベアトリーチェへの大きな不信感に変わるのに時間はかからなかった。
僕は季節外れの満開の花を見て、去年のフェリシアのデビュタントを思い出していた。
フェリシアは、公の場に出ることを赦されない。だから、その日はひっそりと自分だけのデビュタントを楽しんでいた。
僕は2年前にすでにデビュタントを終えていた。次の年はベアトリーチェがデビューした。
ベアトリーチェがデビューする一週間前に水害にあった地区を慰問していた僕は、彼女をエスコートできなかった。
代わりに彼女は護衛騎士の一人と会場に入ったらしい。遅れてきた僕に労いの言葉をかけてくれた彼女は愛らしい婚約者だった。
フェリシアの年のデビュタントは、見知った貴族が多い年だった。その中にベアトリーチェの異母妹ジュリアも参加していた。
一通り挨拶を受け、それぞれがダンスや雑談に夢中になっていた頃、僕はベアトリーチェの姿が無いことに気付いた。
会場を抜け出そうとした時に僕の袖を引っ張る少女と目が合う。
ジュリア・チェスター公爵令嬢。
ベアトリーチェの異母妹。
公爵家へベアトリーチェに会いに行くと決まって、僕らと一緒にいたがる子。
皆が天使の様に美しい容姿だと褒めていたが、ベアトリーチェやフェリシアに比べれば、僕には他の令嬢と何が違うのかと疑問に思うほどだった。
「あのう、お義兄さま。ダンスを踊ってもらえませんか?」
まだ婚約中でベアトリーチェとは婚姻していないにも拘わらず、ジュリアはいつも僕を『お義兄さま』と呼ぶ。
確かに他の貴族ならそうかもしれないが、仮にも王族に対する接し方ではない。
近しいといっても僕は王子。常々、ジュリアのとる距離感がおかしいことには気付いていたが、こんな公の場でもかとため息を付いた。
面倒だと。僕は側近の一人に彼女を押し付けて、さっさと会場を後にして、お目当ての場所に向かった。
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一人はフェリシアで僕が贈ったドレスを自慢げに、もう一人の少女ベアトリーチェに語っていた。
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もし、僕はあの時、ベアトリーチェが「知らない。言っていない」と言っても信じただろうか?
その答えは『否』だろう。
頭に血が上った状態で、ベアトリーチェに詰問して、彼女の返答が自分の望んだものでなければ全て否定したはずだ。
僕はこの事を後に盛大に後悔するはめになった。
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